2015年3月18日水曜日

La Pedriza 9

日曜日はレスト。指皮がないし、体が痛い。
ということで、昼頃から電車に乗ってマドリッドに出掛けた。
AtochaからSolまで歩いて、途中でレストランに寄って、
レアルマドリードの公式ショップに寄って、更に王宮方面へ。
王宮の隣の教会
とはいっても、バルセロナみたいにガウディのなんとかがあるわけでもなく、
美術館以外は案外見どころがないというか、案内するにも困るというか。
そもそも自分らは観光というものが下手くそなんだということで納得した。
その後はサン・ミゲル市場で軽食を摂って、マジョール広場へ。

白黒の似顔絵は10ユーロ。5分かからずに完成した。

それから夕飯がわりに生ハムをつまみに行って、電車で帰りましたとさ。

昨日は再びLa Pedrizaへ。
またManzanaresのショップへマットを借りに行ったら、もう顔を覚えられていた。
「今日はどこ行くの」という感じで実にスムーズ。
今回はEl RincocitoというLaboratorioの上の方にあるエリアにまず行った。
ここは小さいセクターで課題数も少ないのだけど、
La Pedrizaを代表するような綺麗な課題があるので行ってみたかったのです。
開けたところにあるのでロケーションもGood。

セクターに着いて、簡単なのを何本か登って、
チョークのついていたLa Verdad está ahí Fuera(7a)も登った。
赤いしましま男は一撃

ガビガビのホールドが痛かったけど、ムーヴが解れば意外と登りやすい気がする。
ムラタくんはハング上ですっぽ抜けて手首を擦り剥いて早くも流血。痛そう。

アップはこれくらいで、本題の1本目、I Want to Believe(7b)へ。
薄被りで高さのあるフェースを右上して岩の肩に抜けるライン。カッコいい。
見るからに得意系、というか内容が素直そうだったので一撃を狙う。
中間部が思ったより悪かったし、抜けのホールドが見えなくてちょっと緊張したけど問題なくFL。
I Want to Believe
続いてカッシーも一撃して、ムラタくんがアローン攻撃に遭う。
核心はもろに正対引きつけ系で彼の苦手なタイプらしかった。
時間が経って岩も温まってきてるし、高さがあって精神的にくるしで、
どうなるかなと思ってみていたけど、最後は気合で押し切ってゲット。よかったね。
こんな状態でがんばってました

次が本題の2本目、Groucho(7c+)
これもカッコいいのだけど、下地がものすごく斜めなので不意に落ちると滑り台になる。
ムーヴはまず1手目がいきなり遠くて、その後はクラック沿いの縦ホールドの処理が難しい。
ホールドは大きいんだけど、ムーヴが悪いタイプ。
一撃を狙ったけれど核心であえなく返されて、その後のトライもダメダメ。
ということで、ちゃんとムーヴをバラした。
良さそうなムーヴがすぐに見つかったけど、掛けているヒールが外れる。
結局これはちゃんとかけるポイントがあった。
さて、やるかと思ったら今度は1手目が止まらなくなった。
これもちょっとスタンスを変えたら感触が良くなったので、そっちを採用。
1手目が止まってからも核心で何度か落ちたけど、レストを挟んだら登れた。
カッシーも直後にゲット。
Groucho

思っていたより難しかったけど、とてもいい課題だった。
花崗岩らしからぬパワフルなムーヴがまたいい。

それから近くのエリアをちょっと見て、Laboratorioに下った。
最後に行ったのは、土曜日にタロに薦められたFisura de Pino Punk(7a)。
この時間になって、涼しいのに何故か猛烈にヌメりだし、全員苦戦。
課題はハングを浅いクラックでレイバックしながら越えるもので、
クラックの上部を取るのが悪いかと思いきや、その上もまだ悪くて怖かった。
一冬越えたおかげでクラックに松の葉っぱが詰まっているし、
そうでなくてもただでさえヌメるので、結構苦しい態勢で粘って、何とか這い上がってゲット。
これもまたムラタくんがアローンに。
結局ヌメりと恐怖に心が折れて終了となった。
負けるなムラタくん

腹が減って仕方ないのを我慢しながらマットを返却して、アルカラに帰り、
夕飯は旧市街のバルへ。
ここはビールかティント・デ・ベラーノをサーバーで出してくれるメニューがある。
酒の塔を前に、何故か悪い顔をするカッシー
木曜の夜に2リットルを余裕で飲み切ったので、「今回は4リットルで!」という酒飲みカッシー。
4リットルにはタパスが12種類ついてきて、全員腹ペコだったので一瞬でなくなった。
4リットルは普通4,5人で頼んでちょうどいいくらいなのに、3人では少々厳しかった。
そもそも僕とムラタくんは酒に弱い。
最近食が細くなったらしいカッシーも、タパスをがっつき過ぎて満腹になり、意外と杯が進まず。
最後は全員「眠い・・・」とつぶやきながら何とかサーバーを空にした。
一時は「5リットル飲む自信ある」と豪語していた人がいたけど、そうしなくてよかった。

二人は今朝アルカラを出てカタルーニャへ帰っていきました。
ツアーも残り2週間ほどらしい。がんばれよー。

最近ちょっと疲れが溜まってきた気がするので、そろそろレストを挟もうかな。

La Pedriza 7,8

先週の木曜日、カタルーニャにいたカッシーとムラタくんがやってきた。
カッシーは去年の5月以来、ムラタくんははじめまして。
カタルーニャの石灰岩を登りに来たのに、こっちの花崗岩に立ち寄るなんて、
なんというか、通ですね、彼らは。
来ればどうかと誘ったのはこっちだけど。

金曜日はスポートルートへ。
行きたかったエリアが私有地になるだかならないだかで微妙な状況なので、
El Trancoの駐車場から行ける別のエリアを適当に選んで行ってみた。
Mullaya del Kumbayaというエリア

短い垂壁に7台のルートが何本もあって、まぁまぁという印象。ただ如何せん短い。
とにかく暑すぎるのであまり難しいことはせず。
見た目が簡単そうな7a+をアップでやってみたら、見事に落とされた。
次のトライで力が入りすぎてぷるぷるしながらRP。ルートの登りではなかった。
隣の7bも登って、二人も2,3本登ったところで早めに切り上げた。
アプローチにヤギの群

カッシーが宿泊に必要なものを一切合切寮に忘れてきたので、一度アルカラに帰って、
それからSoto del Realのホテルに落ち着いた。
チェックインはやたらと緊張したけど、フロントのおばちゃんがいい人で助かった。

土曜日はボルダ―。
Manzanares el Realにあるショップでマットをレンタル。一日10ユーロ。
スタッフのおばさんが英語ぺらぺらの親切な人だったので安心。マットも立派なやつだった。

今回はLaboratorioというセクターに行ってみた。
アプローチ数分、課題数が200以上と、La Pedrizaでも一番人気のセクターらしい。
全体的に日陰なので、今くらいが一番いいシーズンかも。
エリアに行くと、スラブマスターのタロがいた。
セクターの中を一通り案内してくれて、おすすめの課題も教えてくれた。

セクターの真ん中辺のスラブでアップして、近くにある面白そうな課題からやる。
二人は「寒い寒い」と言ってなかなか動こうとしないが、そんなこと知らん。
長野県民は寒さに強いのだ。
El Talador(7a+)のタロ

同じくカッシー

El Taladorは縦カチふたつからのデッドが遠くて緊張したけど無難に1撃。
隣りのLa Sonrisa(6c)も面白かった。
El TaladorのSDが7c+なのだけど、ほとんど再登されてないとタロが言うので、やってみる。
結晶が立っていて痛いカチとクラックからスタートして、1手目がかなり遠い。
7a+のスタートのガバの下にあるホールドをガストンで取るとそこから動けないので、
親指がごりごり削れるピンチに変えてみたら感触良さげ。
目途がたったのでつなげてみたら、ピンチが止まったトライでぎりぎり登れた。
このトライで左手の人差し指が切れて流血。早い、早すぎる。
まあ、いい課題が登れたしなかなかハードだったのでよし。

次はすぐ下にあるEl Yugo(7a)。
SDから要肩力の数手をこなしてリップにランジしてマントル。面白い。
更に左の丸い凹状からスタートしてつなげるEl Palmero(7b)もやってみた。
El Palmeroのムラタくん

形状を使って、ひたすら両手のプッシュと足の踏ん張りで動く変な課題だった。
カッシーがいいシークエンスを発見して一抜け。僕もすぐにゲット。
ムラタくんもヨレヨレになりながらゲット。これはいい課題だ。

次に行ったのが、花崗岩らしからぬルーフのEl Belén(7c)。
両手アンダーからつるつるの縦ホールドをニーバーを交えながらバシバシ辿るパワー系。
一撃を狙ったけれどつるつるのスタンスに呆気なく弾かれ、それから全員どハマり。
ニーバーはそれなりに効くけど、足の方が抜ける。そして痛い。
やりすぎて太ももの辺りが腫れてきた。
ムーヴはバラしたもののなかなか繋がらないので、
ほとんど力尽くで抑え込んで手を出したら核心が止まってそのまま登れた。
ずっとルートをやっていた二人には厳しかったらしい。

その後は人気課題のLos Guerreros(6c)を登って、
最後にちょっと下のセクターにあるBabalum(7b+)をやったけど既にヨレヨレで撃沈。
この岩もなかなか凄い

レンタルマットを返して、ホテルに帰ってから近くのレストランで夕食。
適当に頼んでみたら、子羊の肉が出てきた。クセがあるけど、僕は好きです。

つづく

2015年3月9日月曜日

発信

すでにちらほらレスポンスをいただいてますが、
最近撮りためたネタをちまちま編集してビデオを作っております。

Granite Madrid
https://vimeo.com/121068056

Ovni
https://vimeo.com/121616210

言ってしまえば独りよがりのようなものですが、
せっかく撮ったものも何かしら形にしないとただの思い出として消えてしまうので、
今後もネタが溜まったら作っていく予定です。

2015年3月8日日曜日

Campisabalos

昨日は、ジムで知り合ったイバン(二人目)に石灰岩のボルダ―エリアを案内してもらった。
Ovniを登った日、帰ってきたらエドゥから連絡があって、
「明日イバンとCampisabalosに行くぞ」ということなので、迷いなく参加決定。
余談だけど、こっちでは同じ名前の人が多くて多少混乱する。
パブロなんて、知り合いにもう3,4人いる。どうすりゃいいんだ。
前にCuencaやSomaenに行ったインストラクターのイバンと、今回のイバンは別の人。
エドゥ曰く、「髪があるイバンと、ないイバン」
兄貴、そりゃあ酷いよ。

イバンはMadridの方に住んでいるので、行く途中にあるColmenarという町で合流。
Madridから北東に伸びるハイウェイを走って、隣のGuadalajaraという県に入る。
途中、La Cabreraという花崗岩の岩場の近くを通った。この辺も凄い岩の量。
ロングルートがメインだけど、ボルダ―の開拓も進んでいるらしい。

県境を越えたら、見える景色がちょっと変わって、赤茶けた大地になった。
山のふもとにある小さい村をいくつか抜けて、一つ目のエリアGrado del Picoに到着。
3月で、まだ山の上には雪が残っているのに、日向はかなり暑い。
長さのない石灰岩の岩場が沢山あって、なんだか幕岩とか佐久志賀を思い出す。
そのうちボルダ―としてちょうどいいスケールのところを開拓しているらしい。
思いがけず、このSDを初登した。6b+くらい?

壁の真ん中辺に難しめの課題が3本あって、イバンが「フラッシュしろよー」というのでトライ。
が、結局どれもフラッシュは逃した。がーん。
でもどれも少ない回数で登れた。
El Expolieitor(7c)とBola 8(7c)が2撃、真ん中のGran Torino(8a)は3撃。
El Expolieitor

Gran Torino

隣り合っているけど、全部ホールドのタイプが違って面白かった。さすが石灰岩。
このエリアの課題は割と得意系だった模様。
一通り登ったので、次のエリアに移動。

次に行ったのは、こんなところ。

牧草地みたいな気持ちのいいところにあるケイヴ。
ロケーションが素晴らしいのだけど、ケイヴの中はちょっと湿気っぽくて蜘蛛の巣だらけ。
イバンは5年くらい前にこれを見つけてちょっとずつ開拓しているらしいけど、
まだ岩が安定していないところが多い。
まぁ、この規模のケイブを隅々まで掃除するのは大変だよな。
ホールドの感じは鳳来みたいだった。
Camina o Revienta de pie 6c

ケイヴの左にある7bの右抜けがプロジェクトだというので、イバンと一緒にトライ。
2手目が時間差のダブルダイノになって結構難しい。
何か足を残すムーヴがありそうだけど、とりあえず放置して上部をやる。
抜け口にあるホールドがびしょびしょだけど、
掛りのいいピンチを大きなムーヴで繋いで最後にカチ、という感じで面白い。
傾斜が強くて足がデカいので珍しくキョンしたりなんかして、バラした。
ということで、下部のランジに戻る。
使うスタンスを変えたらギリギリまで足が残りそうなのでそれを採用。
何度かやったら、止まりそうになってきたのでスタートからつなげ。
止まったときは振られが大きくて危なかったけど、ぎりぎり押さえて上部へ。
キョンに入ろうとしたところで、キースタンスが丸々ぼろっと壊れた。
えーい、もうこのまま行ってやる、とデッドで出したらカチが止まった。
結局ゴリ押しになってしまったけど、初登出来てよかった。
FBはよく分からないのだけど、他の課題と比較して7c+だろうということになった。
名前はSlow and Steadyにしました。

最後にCampisabalosのメインエリアへ。
ここは日当たりが良すぎて日中は暑くて登れないらしい。

120~130度くらいの高さのある壁が帯状にずらっとあって、下地は真っ平。
易しい課題から、8c以上になりそうなプロジェクトまである。凄いエリアだ。
イバンの知り合いで開拓者のカルロスがいたので、いろいろ教えてもらった。
ここのハードな課題はほとんど彼が初登しているらしい。

高さのある高難度をやる元気も時間もなさそうなので、
とりあえず比較的易しそうなEl Matematico(7c)をやった。
フラッシュを狙ったけどリップへのランジが届かず。
深い足からほとんど垂直跳びのようなランジになって、思い切り跳んでも届かない。
リーチ的に厳しいような気がしたので、ハイステップでカチの保持に頼るムーヴに変えたらできた。
「それは女子ムーヴだよ」とか言われたけど、気にしない。
日本人は小さいんじゃ。

最後に右端にある8aをやったけど、時間切れ。
これはまたいずれ

いつどこへ行っても、初登することを夢見ている僕だけれど、
まさかスペインに来て石灰岩のボルダ―でそれが実現するとは思ってもみなかった。
Campisabalosなんてこちらに住んでいなければ登りにいくことはなかったし、
例によって前日の夜まで存在すら知らなかった。
ある程度慣れたつもりでいたスペインでの日々も、
まだまだいくらでも僕の予想を裏切ってくれる。
こうしてどんどん裏切られながら、自分は新しいことを知っていくんだなと思う。

イバンはここの開拓者の一人なのだけど、仕事は英語の先生なのだそう。
スペインの教師は夏に2か月の休みがあって、
彼は毎年、一月はクライミングツアー、もう一月は彼女と旅行にいくらしい。
今年のイースターはイギリスのPeak Districtへ、夏は南アフリカへ行くとのこと。
なんとも羨ましい。
仕事して、トレーニングして、休日は開拓して、休暇は海外へ。
やることをやりつつ、新しいものをどんどん生み出していく。
「俺はワガママだからさ、誰かのためとかじゃなくて、単に俺が登りたいから磨いてるんだ」
そう言って笑っていたけれど、昨日登った課題とグレードを、
あとからメールで詳しく教えてくれた。

「イバンは俺のヒーローだ」とエドゥは言う。
僕もそうだと思う。

2015年3月7日土曜日

Zarzalejo 6

今日も単身Zarzalejoに行ってきました。
そろそろAlcala de Henaresの駅員さんたちに、
「毎週のようにZarzalejoなんて変なとこまで行く東洋人がいる」って覚えられてるんじゃないか。
実際何もないところですからね。

早めの電車に乗れたので、移動は安心。
たまたま乗った車両にツアー客なのか留学生なのか、
明らかにスペイン人ではない人たちが大勢乗っていた。
話しているのは英語だったり、フランス語っぽかったり。
アルカラから乗り合わせたその一団は、El Escorialで降りていった。
修道院を見に行ったんだろうな。

駅からエリアまで歩くともう暑かった。
風も弱いし、完全に春の陽気。というか日向は初夏。
ヌメるんじゃないかと不安になりつつ、La Praderaまで行ってアップ。
毎回ここには先客がいるのだけど、今日はだーれもいなかった。
筋肉痛がちょっと残っているので易しい課題を多めに登って、
前にリピートできなかったTam Tam(7a)も無事リピート。
日陰は意外とヌメらない模様。乾燥してるもんな。

アップの終わりに、これで3日目になるLa Balle y La Bestia(7a+)へ。
さて、動画撮るか、とカメラを出したら、まさかの電池切れ。
夕べ充電し忘れたうえに、知らないうちにバッグの中でスイッチが入っていたらしい。
ななななんですとー!?
仕方がないのでこれは動画も写真もなしで我慢。
今回は初っ端から猫パンチすることはなく、でもなかなかできない。
指皮が減る前にOvniに行かないとだから、これで最後、と思ったトライで、
ちょっとムーヴを変えたらするっとマントルが返ってスラブに立ててしまった。
そのまま若干苔の生えたポテトを拾って登れた。
出来てしまえば呆気ない。
見た目も内容もとにかく面白いので、また今度リピートしよう。

で、本題のOvniへ。トライは3日目。
東向きなのでまだ結構日が当たっていたけど、とりあえずムーヴの練習から始める。
いざやってみると、岩は若干温もっているけど意外とヌメらない。
核心のランジの感触もまあまあなので、繋げてみる。
カメラがただの飾りになってしまったので、渋々iPhoneで代用。

1回目からランジまで繋がった。飛び出すところで足が抜けて落ちたけど、ちょっとびっくり。
2回目でランジが止まりかけたものの、体が上がっていないので振られ落ち。
やっぱり2手目のポテトの持ち具合で全部決まる。
ランジの時に左手をかなり引いていないとコントロールできない。
ということで今週はジムでピンチトレもするようにしたのだけど、果たしてどうか。

ちょっとレストして3回目。
2手目はやっぱり少し外してしっくりこないままピンチに切り替えた。
3手目を取って足の位置を変えたところで、不思議な安定感があった。
かけ直すのは無理だと思っていた左手がちょっと動いた。
それまでと明らかに違うと感じながら核心のランジを出したら、しっかり止まった。
あとはヌメり始めた左手を慎重にリップ奥のホールドに出して、マントル。
登れてしまいました。

そもそも今日はこれを落としに来たのだし、ジムでもそのつもりで調整したし、
これはきっと登れるべくして登れたのだと思うけど、
それにしてもあまりに早く登れてしまったので、しばらく力が抜けてしまった。
お腹が空いていたことを思い出してお昼を食べたら、中指の深爪が痛み出した。
アドレナリンが切れたのかな。

それからどうするか、Zarzafarとか他の課題をやるか悩んだけど、
結局、近くにあるEl Mundo al Reves(7b)を速攻で落として帰った。
これは初めてここに来たときに暗い中でやって核心のカチが見えずに敗退した課題。
風化が激しくてかなりじゃりじゃりするのが残念だけど、
潔いくらいにゴリ押しのパワームーヴで面白かった。
なにかいいムーヴがあるんだろうか。


これが初めての8bなのだけど、自己最難かと言われるとよく分からない。
こちらで登ったMassive AttackやSoyuzよりは確実に難しいと思うし、
5人以上再登者がいるけれどグレードダウンの話も聞かないので、たぶん8bなのだろう。
トライ日数も3日と、決して多くはなかった(気がする)。
でもOvniは本当にいい課題だと思うし、嬉しかった。
それに、グレードよりもこれを登るまでのプロセスに意味があったように思う。
電車に2時間ガタゴト揺られ、駅からテクテク歩いて、
一駅分で一気に高くなる電車代に文句を言いながら、一人で通った。
言葉がいまいち通じないこの土地で、一人ぼっちただ黙々と。
こうして思い出してみると「スペインに来て何やってんだろな」と思えるけれど、
なんだか妙に感慨深いです。
思い出に残りそうな3日間でした。

さて、Zarzalejoはもうシーズンオフっぽいので、
La Pedrizaあたりで新しい課題を探そうか。
というところですが、明日は全く別のエリアに行ってきます。

2015年3月2日月曜日

La Pedriza 6

昨日はLa Pedrizaに行ってきた。
エドゥとパブロ(笑う男)とサラ、実は同年代だったロベール、
クエンカで会って以来のダニーと、ロベールの友達のアンドレが一緒。
「昨日一日登ったし、今日はエンクラだなー」という感じでいたら、
今回もLa Depositoに行くことになった。
Salida de Emergencia(7b)の写真を見たサラのリクエストらしい。
待ち合わせ中、おもむろに始まる漢のランチタイム

エリアに着いてから、「今回は奥のエリアにも行ってみよう」ということになったので、
Deposito esteへの道を探す。
どうやら丘の上にあるらしい。奥というよりは上。
荷物を置いてなんだかよくわからない斜面を登って偵察に行ったら、発見。
道をたどって降りて行ったら、下から見覚えのあるドレッドヘアの人が来た。
ここの開拓者でトポの著者でもあるTalo Martinだった。
サラが知り合いで、ちょっと様子を見にきがてら案内してくれたらしい。
セクターのオススメをいくつか教えてくれた。

荷物を持って丘の上に移動。
簡単な課題を登ってアップ。ここは高い課題が多くて登り応えがある。
El Diedro 7aを登るロベール

手近なのをざっと登って、皆がのんびりモードになってきたので、
タロが薦めてくれたLos Renegados(7a)に一人で一足先に移動すると、
あとからゆるーい感じでついてきた。
Los Renegadosは掛りのいい縦カチでぐいぐい登るいい課題だった。
高さのある上部まで気が抜けなくて、皆ビビりまくっていた。
「高いのは苦手」と語る強面のエドゥ

大体満足したのでDeposito oesteに下る。
皆はSalida de Emergenciaでセッションを始めた。僕はしばらく撮影に専念。
ダニー

エドゥ

アンドレ

やはりリップへのデッドは曲者らしく、人によってムーヴが違う様子。
ダニーはWC張りの片手ランジで止めそうだった。

ロベールが「お前も登れよー」とちょくちょくプレッシャーをかけるので、
左隣のNo Mas Chutes(7b+)をやることに。
Salida...と違ってこっちは完全に保持力勝負。で、やっぱりリップへが遠い。
ホールドも全部鋭くて痛い。ますます笠置山みたい。
No Mas Chutes
ムーヴをバラして、繋げたら1回目で登れた。
リップ手前の中継カチが猛烈に痛かったので、さっさと片付けられてよかった。
とかなんとか書いてますが、いい課題です。

Salida de Emergenciaは結局誰も登れず、全員宿題に。一抜けは誰だ。
その後は近くの無名課題でちょっと遊んで終了。
これも結構悪かった


タロはあの後すぐに帰ってしまったのであまり話せなかったけど、
「日本から来た」と言ったら、
「日本行ってみたいんだよね。バンソーシャやってみたい」と言っていた。
「カンテあるし、あんまりハードじゃなさそうだね」とも言っていた。
さすがスペインのスラブマスター、7bのスラブをワンハンドで登る人は違う。
次に会ったらトポにサインをお願いしようかな。