2026年3月11日水曜日

「象」

先週末、野猿谷でトライしていたプロジェクトを登ることができた。


3月7日 野猿谷
前夜が結構な雨で、雷まで鳴っていた(気がする)ので、ゆっくり出発。
昼前くらいに着くと、名簿には1組だけ名前があったものの、エリアは完全に貸し切り。
平日ならいざ知らず、週末なんだけどな。なんだか、これはこれで贅沢だ。
地面が湿っているので湿気が上ってこないか気になったけれど、岩は完全に乾いていた。
02エリアに着いて、とりあえずアップ。
パブロ(3級)を登り、パブロSD(2級)をやったらハマりかけた。
すぐ近くのコバ(初段)より難しくないか。ちょっとムキになって登った。
指皮がやられる前にと、さっさとPにトライ開始。
1トライ目から、「これが取れたら終わり」のガバにタッチして落ちる。
十分に手が伸ばせていなかったものの、足は左の岩に当たらず、この1回で「今日登れる」と確信した。
2回目は伸びきる前に足が抜けて落ちた。
フットホールドを磨いて踏むポイントを見直し、3回目。
最近の関節炎の原因はこいつなんじゃないか、というカチを本気で握り込んで手を出す。
最後のガバに届きかけたときに一瞬早く足が抜け、2本指でギリギリ耐えた。かなり吠えた。
周りに誰もいなかったので、岩の上で小躍りして喜んだ。
先週の、足が左の岩に擦ったトライで納得しなくて本当によかった。
直感的に「今のは、何かちがう」となったことを強引に吞み下してしまったら、この小躍りはできなかった。
リーチというか身長に相当依存する課題で、良いフットホールドから手が届く巨人には楽に感じることだろう。
そう考えるとグレーディングが難しいが、思えば緩傾斜のクライミングはその宿命にあるのかもしれない。
野猿谷で登った同系統の三段(こけ猿の壺、猿の手、百日紅など)よりも難しく感じたのは確かだ。
しかし体格で相当に感じ方が変わることを考慮しつつ、暫定的に三段としておこうかな。
課題名はThe Elephant in the Room。留学中に教わって印象に残っていた慣用句から採った。
一先ず、これにて満足。気持ち晴ればれだ。


昼を挟んで、前に掃除しておいたモンキージャック(初段)とモンキーフリップ(初段)も回収。
が、隣にある初音の鼓(初段)は浮いただけで敗退。こういう初段も、やっぱりある。

02エリアがひと段落着いたので一度駐車場に戻り、何をやるか考えて、宿題になっているハヌマーン(四段)をやりに行った。
先シーズン気合を入れて掃除したおかげで、まだあまり汚れていなかった。
ムーヴは今回も解決できず。相変わらずつるつるのスローパーが持てない。
一度だけ次の手が出たけれど、あえなく右足がすっぽ抜けた。
これも結局、しつこくやってみるしかないですね。

少し早かったけれど、17時には撤収。


3月8日 野猿谷
指皮が結構減っていたので、ハサマリングDayにした。
が、前日よりも寒かったので、この冷え込みを惜しんで半日は普通の課題をやった。
09エリアまで上がり、これも宿題になっている包囲された城(二段)へ。
先シーズンムーヴはできたものの繋げられなかった。
ここのムーヴは一応できたのに、繋げると核心で腰が上がらない。
右手の指皮は痛いので、ほどほどでやめ。これはまた次回。
そこから近くにある室井さんの新課題をあれこれ回ってみて、トフィー(初段)だけできた。
クラックの右のスラブに上がるのがトフィー


07エリアに下り、今週もいざハサマリング修行。
最初に行った八つ墓(二段)は、しばらく登られていないようで自然に還りかけていた。
そもそも07エリア自体が全体的に不人気な様子。
「南無南無」と思いながら苔を落とし、いざトライ。
出口のハンドジャムに入るまでの手順を組むのに結構手こずった。
それが出来て、核心になる出口~マントルは案外すぐにバラせた。
ただ、腕を狭い隙間に押し入れすぎて肘が痛い。
これは長期戦は苦しいぞと、集中して繋げて、3回くらいで登れた。
八つ墓

続いて、少し下流の犬神(二段)。公開時には「八つ墓と並んで野猿谷最難のハサマリング」とされていた課題。
こちらも丸いリップが苔むしてきていたので、掃除してからトライ。
八つ墓と違い、犬神は途中からバラせる類のものではなく、毎回スタートから。
あれこれ試したけれど、結局反転するしかないなとなって、逆立ち状態で四苦八苦。
出口が開きすぎていてヒールトウがすぐ効かなくなるので、ポジションを上げていくのが難しい。
どうにも掴みどころがない、というかそもそもフットホールドすらないので、あまり光明も見えない。
が、一人でゴソゴソやっているうちに反転に持ち込む良いムーヴが見つかり、
体を上げていくときの手の効きをかなり意識したら、突然ポジションがぐんぐん上がってそのまま登れた。
いきなり登れてびっくりした。
犬神

最後に、05エリアの端にあるエウロパ(1級)とガニメデ(初段)へ。
以前覗いてみた時には下が川になっていたけれど、今年は水が無かった。
流心に近いのでどこもかしこもツルツル。
エウロパのマントルを返しかけたところで足が抜け、右のまぶたを岩に擦って流血というハプニングも起きた。
数センチずれたら右目から岩に突っ込んでいたかも、と思うとひやひやする。
怖さが増してくる前にエウロパを登り、途中から分岐してもう1セクション頑張るガニメデも数トライで回収。
磨かれすぎた岩肌が手にはフレンドリーだが、足には非常に悪かった。
左抜けがエウロパ、右の岩に移って奥の穴から出るのがガニメデ


主に八つ墓と犬神で頑張りすぎたのか、太ももがヨレヨレで攣りそうだった。
ヨタヨタ歩いて車まで戻り、帰った。


プロジェクトはめでたく終わったけれど、もう少し寒さは残るらしい。
ハサマリングもまだまだ残っているので、あと数週間は野猿谷のシーズンを満喫できそうだ。

2026年3月2日月曜日

微速前進

完全に花粉症の時期になってしまって、辛い。
ものぐさなので花粉症の薬は「1錠で24時間効く」というものにしてみたが、調子がいいかと言えばそうでもない。

2月28日 野猿谷
単身で野猿谷。02エリアのPをやりに行く。
近くの課題でアップしていると、すでに日向は春の陽気。平地は20度だし、当然。
Pの面が温まってしまう前にとさっさとトライ開始。
今回は、あまり使い込んでいないエッジの残ったキメラを投入。
こちらの方が、リソールしたキメラよりも明らかに踏めている。
前回できなかった最後の1手も徐々に手が伸びるようになったが、やはりそこが問題、
どうしても届かないか、届く前に左足が左の岩に当たる、もしくは乗ってしまう。
左の岩に足が乗った状態で少し伸びれば、もう届く。
左の岩に着地した瞬間

なかなか進展せず、日差しがいい加減強くなってきたので、一旦昼休みにした。
弁当を食べ、ぶらぶらと下流へ散歩に出かけたり、昼寝したり。
指への負荷も高いので、良いレストになった。
15時が近づき、段々日が陰ってきたので、前回掃除したモンキーフリップ(初段)をちょっと触って体を起こした。
(モンキーフリップは指皮がやられそうなので深追いせずやめた)
体と指が温まったのでPのトライ再開。結局、また伸びきれない。
極小ホールドで片手片足になっている時間が短すぎる(=耐えられていない)んだなと判断して、
これで最後のつもりでカチを本気で握り倒してみたら、また少し手が伸びた。
左足が左の岩にズリズリしていたが、そのまま続けて、マントルを返した。
これで登れたことにして...と0.2秒くらい考えたけれど、それよりも納得のいかない感じが遥かに強かった。
左の岩を踏んでいないにしても、足が当たっているのは、やっぱりなんだかなと思う。
既存の課題なら多少甘いことも考えるが、初登ならきちんと納得いくまでやることにしたい。
そう考えつつ、指皮が結構抉れたので今回はここまでにした。

それからCandy Crush(四段)を少し触って、0.5手くらい進展。
ただ、これこそ本当に寒い時にやらないと無理な気がする。
とりあえず前よりも可能性を感じた。
それから思い出したように、水際のハチソン効果(二段)を掃除して、少しトライ。
つるつるのスローパー2つで浮いてエイッ、という渋い課題。
最初はまるで離陸できる気がしなかったが、やっているうちに持ち方が分かってきた。
足も上がったが、これもつるつる過ぎて踏めず。
何度かリップを叩いたけれど止まらず、勝負用のキメラが擦り減らないうちに撤収した。


3月1日 野猿谷
単身で、この日はハサマリング祭にするつもりで出かけた。
...が、どうにも前日の終わりが心残りだったので、最初にハチソン効果をやっておくことに。
隣の岩のリップが苔むしていたので掃除して、タイムトンネル(4級)とスケールハイト(2級)を登ってアップ。
ハチソン効果は、左のカンテピンチが持てることが分かり、それが止まったら数回で登れた。
「こんなの持てるんか」という手と「こんなの踏めるんか」という足で浮いて、止まると気持ちがいい単発ムーヴ系。
流行らない課題なんだろうが、これはこれでなかなか面白かった。
ハチソン効果(調べてみたら、どうも疑似科学らしい)

さて、本題のハサマリング。
まず先週敗退したTwist(初段)から。
数年前に一撃できたというのは、多分夢か何かだったんだな。そう感じるくらいハマった。
しかしこれ用に持ってきたラバーコート済みのシューズのおかげでヒールトウがよく効いた。
最後は、絶対に前はやっていない真っ向インバージョンで登った。
続いてTwist and Shout(二段)。一応、野猿谷では最難ハサマリング課題の一角。
Shoutの逆走パートで案の定またハマる。
あまりにもできないので一度諦めかけたが、弁当を食べて気を取り直した。
手順と、体の逃がし方をもう一度よく探ってみると、ムーヴが見つかった。
ちゃんと集中してから繋げて、1トライで登れた。
終盤はかなり吠えた。
Twist and Shout

気を良くして、次は室井さんの新課題、スクッポルサ(3級)。
サルポックス(1級)の岩の下の隙間を這いずるように抜ける。詳しくは室井さんのInstagramを見てください。
恐らく、史上最も低くて狭い穴倉。
見た目には子供心をくすぐられなくもないが、やってみると想像以上に悪かった。
チキンウィングとプッシュで足ブラになってずり上がるという、なんとも頭の悪そうなムーヴで強引に登った。
マットすら敷けない(要らない)穴倉


次が、この日のもう一つの核心、ファンキーモンキー(初段)。
昨シーズンにちょっと手を出して宿題になってしまっている。
相変わらず難しく、背中がずりずり擦れて痛い。
何度も吐き出され、疲れも出てきて若干グロッキーだったが、核心で使えるフットホールドを発見。
抜けないように祈りながら、上半身を根気よく押し上げて行ったら、ハンドジャムに手が届いて登れた。
ワイドやチムニーは決して焦らないこと、と学んだ。
ファンキーモンキー

次に左奥にあるトリックケーヴ(2級)。
人気課題エリザベス(二段)の後ろにこんな課題があるなんて、知っている人の方が少なそう。
ルーフの出口は苔と砂で埋まっているし、下地には尖った岩が突き出ているしで、いかにも怖そう。
最低限の掃除だけしてやったら、めでたく出口でスローパーが持てずに落ちた。
それから数回怖い思いをしながら必死でトライして、どうにか泥仕合になる前に登った。
トリックケーヴ

最後にジャンキーモンキー(初段)を登り、キリが良くなったので、ちょっと早いけれど終了した。
ハサマリング祭は足腰にくる。


Pが登れずシーズンアウトしてしまわないかヒヤヒヤしているが、どうやらまた冷え込むらしい。
雪かが降りすぎないことだけを願う。