2022年12月5日月曜日

Yosemite 2

10/16 レスト
Mariposaの町へ出かけた。泊っているYosemite Westから1時間半くらい。
来るときに通ってきたOakhurstと同じくらいの、割と小さい町だった。
ゴールドラッシュの頃に栄えたのだとか。
買い物、洗濯をして、町をぶらぶらしながら土産も買った。
『Little Ramen Shop』と書いたお店もあったが、これは入らず。
「さて帰るか」と、最後に給油したスタンドの向かいに、Climbing Museumというのを発見。
ここで給油しなければ見逃していた。
そして、これがとてもよかった。

黄金期として知られている60年代よりもさらに前、初めてこの地で岩が登られた40年代以前の歴史と、当時の道具を伝えている。
Salathe Wallの由来であるJohn Salatheが、近代的なピトンを開発した人だということは初めて知った。
ギフトショップも小さいながら、売られているものがこれまた素敵。
時間はあっという間に過ぎ、気づけば夕方になっていた。
思いがけず、いいレスト日になった。

10/17  Cookie Cliff & Amphitheatre
日中があまりに暑いので、早朝と夕方に登る作戦をとってみた。
暗いうちにハンスの家を出て、まずはCookie Cliffへ。
日が当たる前に何本か登りたかったが、ここは岩場が南東を向いているらしく、思ったよりも早く日向になってしまった。
あさこさんとお互いに1本ずつ登って、完全に日向になってしまい撤退。
Meat Grinderの1P目(5.9)を僕が登り、あさこさんは1P目と2P目をリンクして一気に登っていった。
スケールは実に70m超。圧巻のオンサイトだった。

昼間はCamp4にチェックインしてゆっくりブリトーを作ったり、借り物のポータレッジを組んでみたりして過ごした。

日が傾いてから、Lower Fall Amphitheatreに出かけた。Camp4から歩いて20分くらい。
Yosemiteの他の場所とはちがう、独特な見た目の岩だった。
磨かれてはいるけれど、形状はかなり豊かだった。
ここではRanger Crack(5.8)とTen Years After(5.10d)を登った。
あさこさんはまたまたTen Years Afterで気迫の登りを見せ、一撃。
粘りの登りが見られて嬉しかった。


10/18  Swan Slab & Jungle Gym
午前中はCamp4のすぐ隣にあるSwan Slabでポータレッジを組む練習。
壁の上からラペルして、スラブの中の小さい足場で組み立ててみた。
なかなか骨の折れる作業だったものの、思ったよりはスムーズに完成。
壁の傾斜がないのもあって、レッジを水平にするのが難しかった。
これでビバークしながらクライミングができるなんて素晴らしい。

午後はCascade Fall Leftでクラックを登るつもりだったけれど、
午後から日陰というトポの記述を信じて行ったらカンカン照り。
仕方がないので、谷の対岸にあるJungle Gymで登ることにした。
Chapel Wallに見た目が似ていないこともないが、アプローチからして藪が遥かに濃かった。
Flight Attendant(5.10d)を登り、トポで☆☆になっているThe Viper(5.11c 2P)をやってみたら、これが凄かった。
アプローチピッチの5.7がとにかく荒れ放題。
苔は生え放題、ブッシュは伸び放題。倒木も溜まり放題。
しかしそれを我慢して抜けた先にある2P目は、確かに素晴らしかった。
薄かぶりのシンハンド~ハンドで、多少汚いところもあったものの、集中してOSできた。
あさこさんもノーテンでフォローしてきた。
トポに書き添えられている「grungyなアプローチがなければ☆☆☆」という記述はまさにそのとおりだった。
隠れた名作、ということで。
(grungyは「荒れ果てた、不潔な」という意味らしい)
Grungy

2P目

10/19  Rostrum
North Face(5.11c 8P)を登った。
前日の夕方に装備を整え、朝食も軽く済ませて、夜明け前に出発。
5:00起床、5:50出発、6:40歩き出しというところ。
アプローチはかなり分かりやすく、暗くても迷うことはなくて助かった。
ラペルで取りつきに降りて準備をしていると、すぐに次のパーティーがやってきた。
タッチの差でなんと一番乗り。ラッキーだった。


登る順番は奇数があさこさん、偶数が僕。つまり完全にツルベ。
1P目(5.9)から苦しいチムニーが出てきてフォローでも息が上がる。
2P目(5.11a)は出だしに核心があって、これまたドキッとしたけれど、それほど苦労せずに抜けられた。
3P目(5.10d)は特に長いピッチで、レイバックの核心をあさこさんが頑張って越える。
3P目上の大きなテラスで小休止して、次のパーティーに追い付かれる前に4P目へ。
日陰はそこそこ寒い

4P目(5.11c)がグレード的にはルート全体の核心に当たる。
これは思っていたよりも短いフィンガーで、サイズも得意系でラッキーだったけれど、OSがかかっているので緊張した。
タイトなフィンガーをこなすとあとは5.9で、無事に抜けた。
5P目(5.10d)で再びコーナー~レイバックの核心があり、あさこさんがまた気合のOS。
6P目(5.10a)は隠れた核心と言われているらしく、実際やってみると、絶対に10aではなかった。
出だしのトラバースから最後のワイドまで、10aに感じるセクションはほぼなかった気がする。
自分なら11aをつけるだろうな...と弱っちいことを考えつつ、息を切らしてOS。
フォローで上がってきたあさこさんも、少しの間放心状態だった。

7P目(5.11b)は最後の核心となる前傾シンハンド。
実際にシンハンドになるのは一瞬で、それ以外は少し太かったり細かったり。どちらにしても中途半端なサイズで登る。
あさこさんは直前のワイドでの疲れを感じさせない登りで見事にOSしていった。
本当に感動する登りだった。あまりのことに、後続のパーティーに自慢した。
これはフォローでも絶対に落ちられないと思い、僕も荷物を背負って必死で抜けた。
8P目(5.10a)の洞窟トラバース~ワイドのダメ押しにビビりながら、なんとか切り抜け、頂上へ。
最後のチムニーを抜けだすと、登ってきた人のすべてを受け入れるかのような立派な松が生えていた。
登りだしが7:30頃、頂上に立ったのが15:30。
チームオンサイトでノーフォール。これ以上ない結果だろうと思った。
一緒に会心のクライミングができたことがただただ嬉しかった。


お祝い

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