2026年10月6日火曜日

北へ ③

8/13 天狗の挽き臼
この日は天狗の挽き臼へ。ロングナイトを登ったのが4年前で、廃ホテル横のアプローチももう懐かしかった。

今回は蝦夷生艶気樺焼(5.10b 4P)を下から登ってみた。
1P目はアプローチしていくとまず現れる電光型のクラックで、僕がリード。
5.9か5.10aくらいだけれどプロテクションが取りにくく、それも含めて面白かった(?)。
正面のアレが1P目

2P目は短いフェースに走るクラックを登って、それからブッシュの歩き。リードはあさこさん。
登り始めてすぐに一声、「ヘビ!!」。
クラックに小さいヘビが張っていた。これをそっとかわしてテラスに上がるところにももう1匹いたらしい。
フォローで登り始めると、クラックの中のヘビはまだそこにいて、こちらを見ていた。
「ごめんくださーい」と挨拶して穏便に済ませてもらった。

3P目取り付きのテラスまで上がって、マルボーさんとあさこが左の方にある謎のルートを調査。草木と苔でものすごく自然豊かだったらしい。
続いて蝦夷生...の右にある、ふうてんのとらちゃん(5.11b)をやってみた。
登ったマルボーさんがあまりに感激して、初登者に連絡を取ってしまったという代物。
出だしのクラックの中が若干苔むして保湿していたので気持ち悪かったが、
そこを抜けると見た目に狼狽えるくらいのヘアラインクラックと浅いコーナーで美しかった。
プロテクションが細かいのでハラハラするものの、間隔は遠くないのでPDなどは付かないと思う。
ふくらはぎをパンパンにしながらOSした。これは素晴らしい。
ふうてんのとらちゃん

最後に蝦夷生...の3P目から4P目をマルボーさんがリンクして登り、僕がフォロー。
ここをリンクすると、60mいっぱいくらいで壁の上に立つことができる。
上部は多少ワイルドだけれど、どうせならこういう贅沢をしてしまうのがいいよね。


8/14 不動岩
この日はアチャラナータ(5.12c?)がある不動岩の探検。
人で溢れる観光地の対岸へ渡っていくのは、かなりハートの強さが必要だった。個人的には苦手。
急な尾根のブッシュに入って人の気配がなくなっていくと、やっと落ち着いた。
不動岩はアプローチがかなり分かりにくく、相当迷った末にようやくアチャラナータ等の取付きを発見。
が、荷物を置いて近くのルートを見に行った時に、マルボーさんが大きな岩と一緒に降ってきた。
ランペに乗っかったyogiboくらいの岩が、マルボーさんが捕まった瞬間に丸ごと動いて転がってきたらしい。
「ヤバい!」と反射的にマルボーさんを受け止めながら片手で近くの松の木に捕まり、
腕には大きな擦り傷をこしらえたけれどどうにか滑落せずに済んだ。
yogibo大の岩は少し逸れた方向へ転がって止まったのも幸運だった。
5秒くらいでかなり寿命が縮むというか、白髪が数本増えたような感じがしたけれど、とにかく無事で何よりだった。

気を取り直して、アチャラナータの隣にある倶利伽羅(5.11-)を登ってみた。
これも鬼ヶ城と同じく50m近いロングルートで、2セット持っていったカムがほとんどなくなった。
クラックは苔と灌木でかなりモサモサしていたけれど、岩は硬かったし、かなり充実感は高かった。
倶利伽羅

マルボーさんとあさこさんが隣の無名の5.10(より一層モサモサだった)を登り、結構いい時間になってしまったので撤収することに。
アプローチに難ありだけれど、不動岩も未登の難しそうなクラックがまだあるので、来シーズンにでも来られたらいいなと思う。


8/15 兜岩3峰→1峰
この日はマルボーさんの希望もあり、兜岩3峰にあるコペルニクスの大転回(5.10+ 2P)へ。
数日前に登った兜岩2峰から、3峰までは意外に遠かった。

近くまで来て見上げてみると、ものすごく綺麗なクラックに見える。
クラック両脇の壁がオレンジ色で、なんだか海外の砂岩のクラックっぽい。
が、発表記事などには「極めて脆い箇所がある」と書かれていて、警戒心を高めつつマルボーさんと取り付いた。
見た目は☆☆☆☆クラスの1P目は僕がリード。
オレンジ色の部分は確かに硬いのだけれど、それが剥がれている部分はザラザラの土壁という感じで、確かに極めて脆い。
どうも、表面のオレンジ色の層だけが硬く、一層奥はぐずぐずの岩らしい。揚げ物か何かだろうか。
脆い部分をどうにか避けて、中間のテラスに這い上がってピッチを切った。ああ、これで硬かったら最高だったのに...

2P目の前傾オフウィズスは、マルボーさんが吠えながら越えていった。
核心らしいところでマルボーさんが鷲掴みにしていたガバが、掴むたびにポロポロ欠けていて、ビレイしながらドン引き。
フォローしていくと、唯一のプロテクションの#6はほぼ開いているし、ホールドは脆いし、しかもしっかり難しくていろいろと最高だった。
結局フェースのホールドを使って、フォローだからできるゴリ押しで抜けたらマルボーさんに笑われた。修行が足りない。
終了点は盆栽程度の太さの松(誇張ではなく)だけだったので、近くの岩角に捨て縄を巻いてバックアップにしてラペルした。
なにやら、あれもこれも恐ろしく印象的なルートだった。また登りたいかどうかと聞かれると答えには詰まる。

まだ時間があったので、1峰まで戻って左奥にある前傾フィンガー(5.12-)をやってみることにした。
これは旭川のクライマーが初登したそうで、兜コブラという仮称があるらしい。
そう言われると、視力0.05くらいで見たらCobra Crackに見えなくもない(言い過ぎ?)。
核心は一目瞭然で、薄被りにタイトなフィンガーで、かなり芸風に合っていたのでありがたくOSした。
柱状節理でありながら、こういう変化のあるルートがいくつも登られているのが、S峡の面白いところ。

あとは古いトポを頼りに1峰のルートの取付きをおおよそ同定して、下山。


8/16 屏風岩1峰
マルボーさん最終日。屏風岩1峰のショートマルチをまとめて登る日にした。
まず、すべてのルートの1P目にあたるBIG BANG(5.10+)を僕がリード。
出だしのちょっと脆くサイズも微妙なセクションが湿気っぽくて、いきなり力が入った。
ほどほどの緊張感で抜けて、あさこさんとマルボーさんも上がってきて、そこから右奥の方へ進む。
5.8のチムニーをあさこさん、その先の即身仏(5.9 R)を僕がリードして、
既成ルートとしては右端にあるGATE(5.10+)をあさこさんがリード。
即身仏

写真は撮り損ねたけれど、GATEは40m近くあって、結構ワイルドながらなかなかのクラックだった。
手書きのトポにあった終了点の木が見つからず、奥の方の居心地の悪いブッシュで切って、
そこからSHADOW TOWERなどの終了点になるテラスの木までラペル。
で、さらにBIG BANGのアンカーの木まで降りて、次はSHADOW TOWER(5.10+)を僕がリード。
これは取付きからもよく見える綺麗なコーナーで、かなり快適なクライミングだろうと予想していた。
マルボーさんが「コーナーに入ったら、#4パラダイスやけん」と言っていたので、温存のために序盤は#2とか#3で抜けていった。
と、カンテを回り込んで本題のコーナーに入ったら、完全に#3サイズだった。話と違うぞ!
下のカムを回収しに戻るのも大変なのでそのまま突っ込んだけれど、
ほんの少し開いたところに強引に片効きの#4を押し込んだりして、なんだかほとんどノープロと変わらない。
手元はひたすらにワイドハンドで落ちることはない。とはいえ、これはかなり怖かった。
どうにかサイズが細くなってハンドサイズのカムが効くところまで行って一安心。
フォローで上がってきたマルボーさんに一部始終を報告したら、平謝りされた。
怖かったからか、しゃくれている

再度ラペルして5.8のチムニーの中へ降り立ち、最後はあさこさんがWONDER(5.10)をリード。
これが壁の上段の3本(GATE、SHADOW TOWER、WONDER)のうちで一番楽しいクラックだった。
メジャーな岩場の、地面から取り付けるところにあったら順番待ちだろう。
ロケーションだけでなく、ところによりちょっとフレアして絶妙に登りにくくなるのも含め、総合的に良かった。

1峰の既成ルートはこれですべて登ったので、取付きまでラペルして撤収。
マルボーさんは夜のフェリーに間に合わせるべく、一足先に下山していった。


8/17 鬼ヶ城
あさこさんと2人になり、残り2日の延長戦。まずは鬼ヶ城へ行った。
今回は渡渉せず、ロングナイトのアプローチから分かれてひたすら歩いて行ってみた。
渡渉するあたりに合流するまではほぼ水平移動なので、川の水位に影響されない分こちらの方がむしろ楽なのかもしれない。

エリアに着いて、マルボーさんに勧められた大根おろし(5.10b)とさなだむし(5.11b)をやることに。
どちらもマルボーさんが掃除しておいてくれたらしい。ありがたや。話が違うぞとか言ってごめんなさい。

まず大根おろしから。これがまた素晴らしかった。
見るからにサイズが大小さまざま変化しそうなので、フィンガーからワイドサイズまで山のように持っていったけれど、ほぼすべて使い切った。
極端に難しいところはないものの、かといって鼻歌まじりに登れるほどずっと易しいわけでもない。
ハンド→フィンガー→ハンド→ワイド→ハンド→フィストと、ほぼすべてのジャムを使った気がする。そしてスケールもぴったり40m。
これだけの内容があって流石に5.10bするには辛く感じてしまうが、それでも5.10の後半には収まっていて、これはもうヨセミテだろう。
初めて行ったヨセミテでSacheler Crackerを登った時の感動が蘇ってきた。
大根おろし

あさこさんも大根おろしを登り、僕はさなだむしもやってみた。
前半は大根おろしと共通で、中間部から左の壁に走るシンクラックを辿る。
これがまた、取付きから見上げると異様に細く長く見える。実際に行ってみるとそこそこ開いてちょっと安心。
が、こちらはとにかくずっとずっとフィンガー。一心不乱に、最後の最後までフィンガーだった。
要所要所にガバポケットがあり、かつ傾斜も意外と緩いので、このサイズが続く割にはこのグレードに収まっている感じ。
それと、登っていったらクラックの中にコウモリが2匹詰まっていた。
「あっ」と思って手を止めたら、向こうも「やべっ」というように後ずさっていった。
Crack Climbingに書いてあったピーター・クロフトの逸話を思い出した。僕も、指先を齧られることはなかった。
大根おろしに続き、さなだむしも素晴らしいルートだった。ベスピュラのあらゆる内容を2倍に伸ばした感じだろうか。

1本の滞在時間が長いので、これでそこそこの時間になり、下山。


8/19 流星エリア
S峡最終日は天気が昼までしかもたないようだったので、早起きして流星へ。
当然エリアは貸し切り。贅沢だ。
早起きして来たとはいえ雨がいつ降るか分からないので、アップもなしにいきなり本題に取り掛かる。

まずShooting Star(5.11d)にトライ。
ここまでS峡で登ってきたクラックたちに比べると短く見えるが、下部からちょっとだけ嫌なサイズが続くし、何より傾斜がある。
1日あたりの本数が少ないとはいえ、8日にレストしたきり毎日登っていたので体も少し重かった。
それでもS峡の岩のクセに慣れきっていたおかげか、ゆっくりながらも着実に登って無事OS。
フェース要素が強めで、これはこれでとても面白かった。

で、ツアーの締めとして右に分かれるInnocent World(5.12c)にもトライ。
Shooting Starの前半の核心をこなしてから右に分岐し、厳しい前傾フィンガーが続く。
手元だけでなく足元も一気にシビアになり、そこそこ粘ったけれど、分岐してすぐのところで呆気なく落とされた。
思えばここまで、北海道ではノーフォールだったわけだが、流石にそれで終われるほど甘くはないらしい。
いや、そもそも本当にハードなルートには手を出していなかっただけ、とも言えるかもしれない。
一度パンプアウトしてしまった前腕はあまり頑張ってくれず、そこからはテン山で抜けた。
ムーヴはバラせたのでもう1トライしたかったが、ポツポツと雨が降り始めたので泣く泣く終了。
これは秋のツアーに持ち越しとなった。

その後は街へ下りて買い物、温泉など。
このツアーで発見して全員がハマったポテチ、ふらのっちを求めてスーパーと産直をハシゴしたりした。


8/19 石垣山→札幌
曇り。石垣山で軽く登ろうかということで向かったけれど、昼前には雨が降ってきた。
これでは仕方ないので、北海道でのクライミングは終了。
あとはゆっくり寄り道をしながら札幌まで走った。
夜は新篠津のあたりで無料のキャンプ場を見つけて泊まった。


8/20~21 移動日
ゆっくり出発して、また道の駅等々寄り道しながら小樽まで移動。
夕方のフェリーに乗り、あとはひたすら寝た。
翌朝新潟に着き、港の横の市場で魚を買い込んで家まで帰った。


北海道には、その後9月下旬にも行くことになる。
全体の総括は、9月のツアーの日記でまとめて書こうかなと思います。

北へ ②

8/6 紅葉谷
晴れが続き、いい加減暑くなってきたので、日陰のエリアへ行くことに。
紅葉谷と呼ばれているこのエリアは、4年前に一度偵察に来たけれど、濡れていて登ることはなかった。
今回は晴れ続きだったおかげで、クラックはほぼ全て乾いていた。ありがたや。

エリアに着いて、ひとまず目の前のツチノコ(5.10a)でアップ。S峡ではよくあることだが、クラックから冷気が吹き出していた。
エリア左端にあるセコマのまんじゅう(5.9)も蜘蛛の巣を払いつつ登り、
続いてツチノコの左の辺りにあるPIKA(5.11b)もOS。
で、ほどほどに登ったので本題の龍樹(5.11d)にトライ。
フィンガー好きとしては、真っ直ぐに伸びる細い割れ目はやっておかなければならない。
悪い数手とガバが交互に現れて、クラックが広がった最後のセクションも意外に悪く感じたけれど無事OSできた。
あさこさんもクロヘビくん(5.11a)とかリスの腰掛け(5.10d)をOSして充実した様子。
あとは右端にあるじゃこ天(5.10d)も登って撤収。


8/7 鬼ヶ城
北海道に来た初日くらいからマルボーさんらに「行かないといけん」と言われていた(気がする)、鬼ヶ城へ行った。
朝イチ、いきなり渡渉からスタート。何日か前に軽く偵察して目星をつけておいたあたりから渡れた。
ウエイダーも持ってきていたけれど、転ぶと洒落にならないのでパンイチで渡った。
対岸に渡ってからは、もはや毎日の恒例になりつつある薮を払いながらの急斜面だった。
ともあれマルボーさんの案内で問題なくエリアに到着。
第一印象として、まず壁がでかい。とにかくでかい。前日の紅葉谷がこじんまり見えてしまう。
あとは、とにかく木やら草やら苔やらが生えまくっていて、すごくワイルド。
それでも遠目に見て「あれはすごいクラックがありそうだな」と思っていただけに、期待を裏切らないスケールがあってなんだか静かに興奮した。

ひとまず比較的登られている(苔がマシ)ルートを登ってみることに。
まず死喰魔(5.10b)。これでシグマと読むらしい。暴走族か何かだろうか。
ルートはこのエリアの中では短めだけれど、それでも20mほど。感覚が狂う。
内容も新ハンドからワイドまでで結構面白い。そして岩も硬い。
エリアの看板でもあるオフウィズスマシーン(5.10c)はあさこさんが登り、1時間くらいの苦闘の末にOS。
降りてきたら、今までに見たことがないくらい汗だくだった。
50mを超える長さって、大堂かヨセミテでしか経験ないぞ。

次に短い5.8を登ってテラスに立ち、そこから始まるヘルスエンジェル(5.10d)を僕がリード。
一段上から始まるとはいえ、これも40mある。OSしたけれど、僕もいい具合に汗をかいた。
クラックはちょうどいいサイズが続くのに、あまりに続きすぎて弾切れになりかけた。
ムーヴ云々ではなく、純粋な長さでグレードが付いている類のクラックは久しぶりに登った気がする。
最後にあさこさんが隣の悪魔の爪跡(5.10d)をOSし、これまた40mの長さを堪能。
そして、これがとんでもなくいいクラックだったらしい。
苔や地衣類による汚れはあったものの、「それを差し引いてもこれは☆☆☆☆!」との猛プッシュ。
初登以来、数えるくらいしか再登されていないのではと思うほどのワイルド具合だが、
こんなに長くて登りごたえのあるクラックがまだまだあるとは。
鬼ヶ城というエリアだけでなくこのS峡全体の持つポテンシャルが凄まじいことがよく分かった1日だった。
これは今ツアー中にまた来ようと決めて、下山。
悪魔の爪跡(全くスケールが伝わらない)

帰りは渡渉した直後のアブの多さに、持っていた棒を振り回しながら叫んだ。当然パンイチで。人がいないところでよかった。
猿の腰掛けから木が生えている



8/8 レスト
久しぶりに朝から雨。ということで強制レスト。
ポーちゃんに勧めてもらったパン屋へ行ったり、洗濯したり、買い出ししたり。
アブ対策にバドミントンのラケットが使えるんじゃないかという話になり、旭川のセカンドストリートへ行ってみたら、
予想に反して店内の8割以上が古着で驚いた。
マルボー夫妻も僕らも、探し物がない以上に居場所がない感じがして早々に退店。
当然、ラケットは手に入らなかった。


8/9 天人峡 幻エリア他
この日から2日間、天人峡へ出かけた。
以前大堂で知り合った森さんが開拓者なので、案内していただけることになった。
どこへ行くか自分たちでは決めていなかったので、森さんに案内されるまま幻エリアへ行ってみた。
天人峡については、ロクスノの発表記事を読んだ印象で勝手に湯川くらいのスケールを想像していたが、実物はもっと長かった。
前日の雨で若干しっとりしていたけれど、とりあえずいかにもワイドな心の旅(5.10b)をやってみた。
#7がいると聞いて「いやー、なくてもいけるんじゃないの?」とたかを括っていたけれど、
本当に#7がぴったり入るサイズで結構奮闘的だった。
念の為マルボーさんに借りて、持って行って良かった。
続いて途中から右に分かれる燃えよ命(5.11b)もOS。
手を伸ばせばギリギリ届きそうな距離にあるのに、こちらはずっとフィンガーが続く。
流石に、5.10bのワイドよりは5.11bのフィンガーの方が難しく感じたけれど、その辺はまだまだ経験が足りないので、
下手をするとちょっとした加減で体感が逆転しそうで恐ろしい。
それと、ここでキャメロットの#4をスタックさせてしまい、マルボーさんに回収してもらうという失態を犯した。
うーん、お恥ずかしや。
苦手だとかなんとか言わずに、同じくワイドな鬼の肘肩(5.10b)もOSしたので許していただきたい。
初めて見るタイプのクワガタがいた

幻エリアがひと段落ついたので、少し移動して立琴岩3峰にも行ってみた。
ここではまずあさこさんが風雲たけし城(5.10a)をOSして、続いて僕がアンビリーバボー(5.10d)を登った。
アンビリーバボーは一応PDが付いているらしく、たしかに核心はプロテクションの効きがイマイチだった。
それよりも、クラックの縁とかフットホールドとかがポロポロして恐ろしかった。
風雲たけし城


8/10 天人峡 アマツ岩
朝、泊まっていた公園の駐車場で起き出すと、常夜灯の下に蛾が大量に転がっていた。
それとトイレの入り口でカブトムシのメスも発見。なんだか子どもころの虫取りを思い出す。

この日はアマツ岩へ行った。岩が駐車場から見えている割に、アプローチは少々分かりにくかった。
エリアに着いてみると先客有りで、下地が全体的にものすごく斜めなので居場所が少なくて困った。
取り付きの居心地はともかくとして、ここも結構スケールがあって楽しそうな見た目をしている。

ひとまずアップで天の川(5.10c)を登ったら、これが結構難しく感じた。
快適なクラックを登って終われるかと思いきや、割れ目がガチャついたり脆そうなフェースを登ったりと、そう簡単には終わってくれなかった。
ギアのやりくりやセットを含め、やっぱり野生味があった。
続いて左隣の深海(5.10d)をやってみると、これがさらにもう一段ワイルドで恐ろしかった。
最初の数メートルが脆い上にクラックが細く、実質ノープロ。
ここを探り探りでどうにかこなして、中間部からは明瞭な割れ目になってくれたので一安心。

あさこさんonハゴロモン

あさこさん、マルボーさんと3人で回しているうちに右の方の看板ルートたちが空いたので、そちらにトライすることに。
あさこさんがハゴロモン(5.10c)をOSして、僕は峡子(5.11d)をやる。
地面から見上げると核心は一目瞭然...なのだが、どうも悪いセクションが長く続きそうだ。
フィンガーサイズのカムを多めに用意していざ突っ込んでみると、予想どおりだった。
クラックのオフセットがそこそこなフットホールドを提供してくれるけれど、どうしてもレイバック気味になってしまうのでどんどんパンプしてくる。
数手ごとに効きのいいジャムが出てきてホッとするのも束の間、体勢的に長居はできず突っ込むしかなくなる。
最後はクラックも閉じ気味になってフェースムーヴも混じり、5.12台を狙うくらいの気合でフーフー言いながらOSした。
同じ5.11dでも、S峡の龍樹よりも少し難しく感じた。11dの範疇ではあるのかもしれないけど。

前の夜、マルボーさんがシュラフをかぶって「サムイ、サムイ」と震えていて可哀想だったので、ポーちゃん邸へ帰ることにした。
天人峡にはまた秋にでも戻ってくることにする。


8/11 兜岩
ここからまたS峡通いに戻った。そして天気が回復したせいか、一気に暑さが厳しくなった。

この日は兜岩の2峰へ。本数は多くないものの、5.8から5.12までまとまっていて程よい感じ。
着いてすぐ、アップで左端にある5.10bのクラック(名称不明)をやってみたら、思ったよりも悪くて登りがガチガチになった。
しかも、核心を抜けて傾斜の緩いコーナーを登っていき、終了点直下で灌木の生えたテラスに這いあがろうとしたら左腕に激痛が走った。
アブに刺されると「チクリ」という痛みだが、この時のは「バチーン」という感じ。
危うく落ちそうになったのを堪えて、「これはアブじゃない!」と見回すと、例の灌木に小さなハチの巣があった。
どうもその巣に左肘が当たってしまったらしい。
ハチを驚かせてしまって申し訳ないやら、痛さで気が滅入るやらだけれど、とりあえず落ちなくて良かった。
マルボーさんがその隣のフィンガーを軽く掃除して登り(5.10cくらいらしい)、あさこさんがエリア中央の新人歓迎(5.9)を登ったら、
「絶対に5.9じゃないからやってみてほしい」と言うので僕も登ることになった。
登ってみると、確かに明確な核心があって、ここが5.9に収まっていないニオイがぷんぷんした。
5.10cくらいのフィンガーを登るマルボーさん

昼を過ぎ、あんなに暑かった日差しが陰ってきた。どうも天気は下り坂らしかった。
十分に体は動いたので、この日のメインに決めていた心頭滅却(5.12-)をやる。
革新らしき上部が見るからに細いので、とりあえずそれくらいのサイズのカムとナッツをじゃらじゃら持っていった。
前半はそこそこ易しくて、中間部でレストしてからが一気に悪くなる。やっぱりここからだよね。
サイズが小さいので、「どれかは効いているはず」とカムとナッツを乱れ打ちして、
ジャムが効かなくなるまでクラックが細くなったところからは決死のフェースムーヴ。
一か八かで取ったホールドがそこそこの掛かりで助かった。危なっかしかったけれど、どうにかOS。
多分、ムーヴとプロテクションが固まれば5.12aくらいなのかな、というところ。
フェースとクラックの境目を行き来する類のルートが好きなものとしてはかなり楽しめた。
心頭滅却

あさこさんが5.8のチムニーを登ったところで雨が降り出し、慌ただしく撤収。


8/12 万景壁
前日の雨は大した降りにならず、この日はまた晴れてカンカン照り。
が、午後からまた天気が怪しそうだったので、近場の万景壁を見に行った。

なんでも、ヤブくんがS峡から帰る日に超スピードで掃除して3本初登して行ったのだとか。
ずいぶんな手際だなあと思うのだけれど、瑞牆とかではそんなに早く済まないと思うんだよな。
で、いざエリアに行ってみるとS峡の中では割と短い部類に入るスケールだった。一応は納得。

左端のきのこスペシャル(5.10a)を登ると、なかなかワイルド。
続いてなめこクラック(5.10c)をやってみたら、出だしの脆い部分が結構怖かった。
脆いうえにプロテクションもいまいち取れないというのは、グレードがほどほどでもおっかない。そこ以外は快適だったけど。
最後に日差しで焼かれて生ぬるくなったなめこフィンガー(5.11a)をマルボーさんに続いて登った。
とにかく蒸し暑かった。クラックの中に多少湿気を感じたし、北海道とはいえ夏の気候は日本の夏らしいものだなと実感。

雨が降る前にさっさと撤収して、温泉に入りに行った。

2026年8月31日月曜日

北へ ①

今年の梅雨はしっかり雨が降り、日常生活のリズムを整えるのに苦戦したこともあってほとんど外で登れなかった。
7月に入って一度、梅雨の晴れ間に瑞牆で今季初のサーキットをしてみた。
高原エリアから始めて三の谷へ下りてくるコースを回ってみたのだけれど、暑さとヌメりからかほとんど登れず。
指の痛さと疲労に挫けて、低調のまま51本で終了した。特筆することは特にない。
いよいよ瑞牆も夏場はろくに登れなくなってきたな、というところで、
社長から「北の大地へ行ってきなさい」と仕事が入ったので、3週間の長期出張に出掛けてきた。


7/30〜31 移動日
朝イチで自宅を出て、上越回りで新潟へ。いつも思うことだけれど、県境を越えてからが長い。
長野を過ぎたあたりであさこさんが一言、「貴重品を入れたカバン、忘れてきた!」。
取りに帰るのは間に合わないので、思いがけずデジタルデトックスだねーとか言いながら車を走らせた。
昼前に新潟港に着き、早めの昼ごはんを食べてフェリーに乗船したら、誘導のおじさんに「ギリギリでしたよ」と言われる。
30分前に着けば余裕だろうと思っていたら、もっと早く着いていないといけないらしい。フェリー初心者ぶりが露呈している。


フェリーではWiFiが有料(1500円)だったので、ひたすら読書か昼寝。船首の方に静かなサロンがあったけれど、冷房が強すぎて寒かった。
船が大きいおかげか揺れは気にならず、呑気に寝ていたら小樽に着いた。
そういえば以前、四国から九州へ国道九四フェリーというのに乗ったことがあったけれど、
あの時は寒波による荒れ模様で、小さめの船が揺れまくって寝るどころではなかったな。

小樽には早朝の4:30に着いて、セコマで朝食を買ったりしつつ旭川へ。
買い出し等々を済ませて、ご友人宅に泊まっているマルボー・もとえ夫妻と合流。
そのご友人ことポーちゃん宅に、その後ツアーの大半は泊めていただくことになる。
ちなみに、あさこさんのカバンは車の中から無事に発見された。

少しだけその後のスケジュールを打ち合わせして、石垣山の岩場を軽く偵察。
故・吉田さんの生涯の傑作(らしい)、頭ならびに腹(5.11d)とかがある岩場だけれど、
北海道の植生は凄まじく、割と登られているルート以外は存在が確認できないくらいに藪の中。
とりあえず、エリアの端から端までおおよその位置を同定したところで雨が降ってきたので撤収。


8/1 発電所エリア
この日から本格的にS峡通いが始まった。
また午後から雨らしいので、比較的アプローチが近い発電所エリアから行くことに。
そういえば4年前、ここのエリアを探しにきて迷った挙句、ヒグマに出くわして逃げ帰ったことがあったな。
今回はマルボーさんの案内でスムーズに岩場へ。あのとき分け入ろうとしていた道は大体合っていたらしかった。
雨が降る前にと多少急いで準備して、初めに麦の舞(5.10b)を登ったら、テーピングをしなかったおかげで早速手が擦りむけた。
花崗岩とか名張とかと違って、ここの岩は面のフリクションがある上に結晶や礫もシャープで、地肌にはちょっときつい。
ハンドならまだしもフィストの連続だと親指が根本からなくなりそうだった。
あさこさんが若干脆い猫の惑星(5.10c)を登り、僕はその隣の影(5.11b)をやる。
マルボーさんの初登ルートらしく、ボールナッツやらブラスナッツやら、プロテクションの癖が強い。
(主にサイズが)微妙なプロテクションで行きつ戻りつして、おっかなびっくり突っ込んでどうにかOS。
それからエリア右端にある無名の5.11bも登ったけれど、こちらは#0.5~0.75の苦手なサイズで、危なっかしくOS。
うーん、やはりクラックについては謙虚にならなくてはいかんな。

ここまで登ったら雨が降り出したので、一度ハングの下で雨宿りをして、雨が幾分弱まった隙にダッシュで逃げ帰った。


8/2 流星エリア
この日は流星エリアへ。社長から良いエリアだと聞いていたので楽しみだった。
薮に埋もれそうなアプローチを上っていくと、30分ほどでエリアに着いた。
柱状節理の岩場とは思えないほど形状が多彩で、なかなか良い感じ。

端から端までルートを見上げながら回り、手始めにミゲルピザ(2P 5.11-)をやることに。
1P目が5.11-で、出だしは多少脆いうえに前日の雨でしっとりしていた。
太いクラックに張った蜘蛛の巣を払いながら進み、いきなり細くなる核心はフェース系だったので問題なし。
核心直後にあるフレークに長いヘビの抜け殻が詰まっていた。
で、ピッチを登りきって木の生えたテラスに這い上がったら、今度はヘビそのものがいた。
あの抜け殻の主だったんだろうか。
あさこさんがフォローで登ってきて、2P目の5.10+はリードを交代。
危なげなくロープを伸ばしていったと思ったら、中間部を過ぎたところで雨が降り出した。終了点に着く頃には本降りに。
フォローすることは諦めて、あさこさんがロワーダウンで回収。
チョークバッグどころか全身びしょ濡れになりながらラペルして、荷物を畳み、申し訳程度にカッパを着込んで下山。
何もかも濡れてしまって悲しいので、3日目にして早速洗濯をしに出掛けた。


8/3 発電所エリア
この日からは午後の通り雨がなくなり、終日登れるようになった。ありがたいことに、一度濡れた装備も一晩で乾いた。
改めて、発電所エリアへ。2日前に雨で登りそこねたベスピュラ(5.11b)等々を登っておきたかった。
アップにファイティング・ママ(5.10b?)を登って、早速本題のベスピュラにトライ。
これはお互いに登りたかったので平等にじゃんけんして、あさこさんが先にトライする権利を獲得。
短いフィストを登ってレッジに立って、そこから離陸するのがいきなり悪そうだった。
そこを手順を入れ替えつつこなして、あとは安定してOSしていた。流石です。最後の最後もちょっと悪そうだったけど。
ベスピュラ

僕もすぐ後にトライして、痛いくらいによく効くフィンガージャムを堪能しつつFL。
たしかに、最後の最後もちょっと悪かった。
それから麦の舞に右下から合流する、白石ノコギリクラック(5.11a)も登った。
2日前の影に続いて、またしてもプロテクションが怪しいコーナー。幸い、出だしをこなせたらあとはそれほどでもなかった。

発電所エリアの目ぼしいルートは大体登れたので、その後は一度車に戻り、ほど近いところにある兜岩を見に行った。
兜岩は1峰から3峰まであり、この日は1峰下部にあるうぐいす谷と呼ばれているところだけを偵察。
こういう岩場が人知れず存在して、楽しそうなクラックの数々が埋もれているのかと、この土地のポテンシャルにちょっと昂ってきた。
しかし当然というべきか、それを遥かに上回るものを、この後いくつも見せつけられることになる。



8/4 流星エリア
再びの流星エリア。雨で逃げ帰った日の分を取り返しにいった。
西を向いているエリアなので、コンディションとしては午前中が勝負。
アップを兼ねてあさこさんと2人で月天心(2P 5.10)を登る。
1P目は恒例のじゃんけんで勝った僕がリードして、快適で長いコーナーを楽しませてもらった。
見た目には5.10の後半くらいありそうだけれど、登ってみると形状があれこれあるおかげで5.10aくらい。これは楽しい。
2P目の傾斜があるハンド〜フィストをあさこさんがリードして、取り付きへ下降。
2P目の方が難しく、こちらは5.10bかcくらいだった。

エリアの看板でもあるShooting Star(5.11d)がすでに日向になってしまったので、
ちょっと目標を変えてMorning Flight(5.12a)をやってみることに。
こちらの方はまだかろうじて日陰気味だった。
取り付きからだと絶妙にクラックが見えないので、とりあえずフィンガーサイズとオフセットカムをじゃらじゃら持ってトライ。
序盤の右上クラックからジャムの効きが浅く、プルプルしながらカムを入れていたらどんどんパンプしてきた。
クラックが直登に変わるあたりでちょっと声が出たけれど、いいフットホールドがあって助かった。
下からではよく見えなかった中間部は案外素直で、パンプを誤魔化しながらタイトなフィンガーロックでジリジリ進む。
上部で左のフェースに出てジャッジライト(5.11a)に合流、最後のセクションを慎重にこなして登りきった。
5.12のクラックのオンサイトは、なんだか久しぶりだった気がする。
左がジャッジライト、右がMorning Flight

それからあさこさんがジャッジライトで気合いのオンサイトを見せ、さらに右にある短いワイド(5.8?)に挟まってみたりして、
最後にもとえさんとミゲルピザをもう一度登った。
日差しをガンガンに浴びた1P目を登り、今回は2P目もリード。
ジャムの要素とムーヴの要素のバランスがちょうど良く、楽しいクラックだった。そして何より眺めがいい。

ほどほどに良い時間になったので下山。
だんだんとこの土地のクラックに馴染んできた感じがしていた。


8/5 屏風岩
晴れが続くので、当然レスとはなし。この日は屏風岩へ。
屏風岩も1峰から3峰まであり、全てマルチピッチ。マルボーさんらは2峰、僕らは3峰のルートを登ることになった。

3峰のルート、unnamed(5P 5.10)は、取り付きからしてかなりワイルドそうだった。
あさこさんが奇数ピッチ、僕が偶数ピッチを担当することになり、あさこさんが1P目のコーナーをリードしていく。
が、ピッチを切る場所がいまいちないので、事前に見たトポでは2P目と書いてあるトラバースまで継続。
フォローしていくと、このトラバースがとにかく怖かった。
岩にかろうじて張り付いている土の塊と、鉛筆くらいの細さの灌木を掴んで登るセクションがあった。フォローなのにヒーヒー言って登った。
1P目

続くコーナークラックを僕がリード。
このピッチはハンド〜ワイド〜フィンガーと変化があって、ワイルドだけれどそこそこ楽しめた。
2P目

気持ちの良いコルに立って、短いコーナーから歩きのピッチをあさこさんが登り、チムニーの行き止まりみたいなところでピッチを切った。
この辺りはかなり岩質が怪しく、触ると際限なくボロボロ崩れる箇所がいくつもあった。
最終ピッチの長いチムニーも、大体どこかしらはボロつくのでヒヤヒヤした。カムの効きが悪くないのがありがたかった。
ともあれ、とりあえず壁の上に立ってクライミングは終了。

下降は80mロープの折り返しでピッタリ2回のラペルだった。
なんだか、学生時代に通った北アルプスの岩場を思い出した。

2026年6月26日金曜日

ミナヅキ

夏至を過ぎた。これから日が短くなっていってしまうのかと思うと、ちと残念。
冬至といえば柚子湯だったり、かぼちゃを食べるという風習があるけれど、
夏至についてはそういうものを知らないな、となって調べてみた。
どうも、全国的に夏至にはコレというものはないらしい。
京都の方ではミナヅキというお菓子を食べるんだとか。

仕事で瑞牆に行ったり小川山に行ったりしているが、あまり特筆することはない。
ここ数年で発表された新八幡エリアで、コンパス(5.12d)と無重力(5.13a)をOSできたくらいか。
あとは、周辺の5.12台は大体登った気がする(Rがつくものは除く)。
岩には行けているので、特に花崗岩のリードの調子は悪くない気がしている。

6月17日 瑞牆継続①
前日にあさこさんと「明日は継続でもしてみますか」と思い立って、日の長さを活かして4本継続してみた。
左稜線(9P、245m)→一粒の麦(5P、190m)→ベルジュエール(10P、290m)→錦秋カナトコ(5.10c、155m)で、計880m。
朝イチ、車の温度計はなんと10℃。いくら標高が高いとはいえ、驚いた。
左稜線の登りだしは実際かなり寒く、早く自分がリードする番にならないかと待ち遠しい状態。
一方で岩は、梅雨の合間とは思えないほど乾いていて、左稜線のワイドもカラカラ。おかげでいつになく登りやすかった。
大面の頂上直下にあった花

大面の頭で10:00、一粒の麦も快調に登って12:30。
流石にその後のベルジュエールは長いの時間もかかり、最後のカナトコを登りきったら19:10だった。

八ヶ岳が燃えていた

今回で分かったのは、というか再認識したのは、行動食が足りないということだった。
毎年ヨセミテからガリガリに痩せ細って帰ってくるのは、とにかく摂取カロリーが足りていないからで、
特に昨年は遠征前から痩せ過ぎてどうにも馬力が出ないままだった。
帰国後から時々調べたりしていたけれど、今年は流石に骨と皮になるわけにはいかないので、
今後山での行動中は特に意識して食べなければ、ということになった。


6月23−24日 瑞牆継続②
今度は山の中で一泊して継続するプランにしてみた。
その2日前からジム、小川山と連登していて、この継続は3日目と4日目になった。
計画では、一泊分の軽い荷物を上げつつ初日に3本、2日目に3本という予定だったけれど、
いざやってみたら初日は2本、2日目は1本で、本数的には半分になってしまった。

1日目はワイルドアットホーム(7P、160m)→フリーウェイ(9P、210m)。
ワイルドアットホームの3P目を登り出すところで、スズメバチが飛んできて肝を冷やした。
フェースに張り付いてじっとしている僕の周りを5分くらい飛び回り、顔の前に何度も入ってきてはブンブン言っている。
あまりに近くて、羽が鼻先に擦るくらい。しかもやたらとしつこかった。
目を閉じて息も止めて、「ワタシハ、木デス。無害デス」と念じるのみ。
なんだか昔読んだ手塚治虫の『ブッダ』の修行シーンを思い出した。
どうにかやり過ごして、あとはハチの襲撃に遭うこともなく、強烈な日差しに焼かれることもなく、
程よく曇って岩もそこそこ乾いたコンディションでどんどん登った。
荷物も軽いホールバッグ1個なので、マイトラひとつでビュンビュン上がる。
と言いつつ、前回よりは確実に時間がかかり、フリーウェイに取り付いたのは14時過ぎ。
いつ登っても緊張する2P目と8P目(11aとかマジかよ)をブカブカのシューズでこなし、
ガスで巻かれはじめた頂上に抜けたら18時を軽くまわっていた。
この日は夜に雨が降る予報だったので、十一面の燕返しの洞窟まで行ってビバーク。
夕飯のおかずに高野豆腐を持っていったら、これがなかなかに優秀だった。

2日目は達磨バム(10P、275m)のみ。結構久しぶりに登った。
前日と打って変わって湿度が高く、岩もどこかしっとり。1P目から気持ち悪い。
ベルジュエールと分かれて2P目、いきなり落ちかけた。
いや、落ちはしなかったけれど、かなり悪く感じた。前に登ったけど、あんなに危なっかしかっただろうか。
続く長い3P目では、クラックの中で眠るコウモリを避けてカムを入れた。
最上部の凹角があまりに草だらけで、ベルジュエールの方に逃げたくなるのを抑えて突破。
登るにつれて岩の状態がマシになってきたかな、と思っていたら、
7P目で摘んだ結晶がぼろっと欠けてポロ落ちした。
まあ過去にOSしてはいるので、気にせず抜けて8P目までリンク。
十一面の頂上は完全にガスの中だった。
少し早い時間だったけれど、今回はここまでで下山することにした。

予定よりはかなり短い継続になってしまったものの、タグラインを交えた荷上げのシステムのベースを確認したり、
1日の必要カロリーから計算して用意した行動食を食べ切ることを意識してみたり、今後に繋がる収穫はあった。
特に行動食については、いざ持っていくと「まだこんなに食べなきゃいかんのか」と思うくらい量があった。
いや、長く動くことを考えたらむしろこれが普通。今までが食べなさすぎだったんだな。
山や壁に入るたびにアバラが浮き出るようでは身が保ちません。
僕の年齢と体格からすると、激しく運動し続けるには1日に2900キロカロリーほど摂る必要があるらしく、
朝晩を除くと行動食だけで2000キロカロリー近くは補給することになる。
...2000か、すごい量に感じるな。

ちなみに帰宅後、ふと気になって達磨バムの初登記事(RS25号)を見てみたら、
今のトポではずいぶんグレードダウンされていることが分かった。
発表時は5.11b、5.11b、5.11b、5.11b、5.8、5.11c、5.11c、3rd、5.10a。
瑞牆本では5.11b、5.10c、5.11a、5.11a、5.8、5.11a、5.11a、3rd、5.10a。
今回登った感触では発表当時のグレードに一票入れたいけれど、コンディションのせいだろうか。

2026年6月4日木曜日

新生活

ちょっと間が空いてしまいました。
実は4月いっぱいで5年間勤めた会社を退職し、山梨に拠点を移しました。
引っ越しの荷物が片付ききらないうちに、東京へ出張したり関西へ出張したり、
主に仕事兼クライミングのためにあちこち出掛けています。
が、これはあくまでも僕の、極めて個人的なブログなので、
基本的には「仕事兼」ではないプライベートのクライミングについて書いていきます。
新生活が始まって1ヶ月あまり、これまでとまるで違う生活リズムを刻みながら、
どうクライミングをやって強くなっていくかを模索中です。

5月5日 大ザルの庭
大ザルから声がかかり、あさこさんも一緒に庭へ。愛犬もやってきた。
犬の耳が機嫌やテンションによって向きを変えるのはよく知られているけれど、
この日はずっと頭の中心により気味だった。どういう意味なのだろう。

大ザル、あさこさんがそれぞれぶら下がって作業なりリハーサルなりをしている傍ら、
こちらも新しいラインを見つけて掃除、可能性を探ってみた。
既成のコーナークラックから派生して左の丸いカンテを抱えて登るラインで、プロテクションも結構取れる。
掃除した感じで「これはリハーサルなしでよさそう」と思えたので、
プロテクションの確認までしたところでトライすることにした。

コーナーをちょっと登ったところから水平クラックをトラバースして、ポケットやフレークのあるカンテをフェースムーヴで登る。
雑に持ったら粒子が欠けて落ちそうなのでガバポケットでも丁寧に持った。
掃除した印象よりも、独特の怖さで何割増しか難しく感じたけれど、特に問題なく核心らしきところも越えた。
最上部は掃除が足りず苔の生えたスローパーを押さえたりしながら、ちょっと埃に塗れてトップアウト。
大ザルがフォローしてきて、今日も無事に初登攀。
愛犬がずっと取り付きあたりにいて、時折上を見上げていた。


写真は全てあさこさんが撮ってくれた

そんな感じでまったりとした1日を過ごして終了。
新しいルートは、はみ出し者(5.10c)とした。


5月7日 瑞牆 末端壁
あさこさんと、とにかくクラックを登らなあかん!ということで末端壁へ。
これまで何かと理由をつけて(というか混んでいる岩場が嫌なだけ)素通りしてきた末端壁も、
カレンダーどおりの生活ではなくなった今なら心置きなく登れるというわけ。

平日とはいえ、僕らの他に1組だけいた。さすがは末端壁。
ひとまずペガサスのP1(5.10d)でアップして、T&T(5.11a)も10年ぶりくらいにリピート。
続いてアストロドーム(5.11a)をやったら、危うく落ちるところだった。
ダブルクラックを危なっかしいボルダームーヴで抜けて、上部もなんだか怪しかった。
ともかく落ちなくてよかったけれど、あさこさんにかなりイジられた。無念。
その後にやった春うららのP1(5.11b)の方がよっぽど安定していた。
日差しでどんどん暑くなってくる中、以前滝のような状態で登った鷲(5.11c)もやる。
「今回は春シーズンだし、乾いているだろう」という期待はすぐに裏切られて、
クラックの中は苔だらけ、そして全て雑巾のように湿っていた。
どうにか落ちずに登ったけれど、シューズもテープも緑色になってしまった。
ビショビショのデロデロ

最後に、実はまだやったことがなかったトワイライト(5.11c)。
ペガサスと出だしが共通だし、通りすがりに人が登るのを見ているので、オンサイトとは言えないけれど、真剣に一撃を狙う。
問題のワイドに入り込むところで、やはり体がつかえて苦しかったけれど、どうにか誤魔化した。
結構パンプしてしまい、その後はハンドジャムがくるたびに長々とレストして、息を切らして登りきった。
もっとカジュアルな感じで、鼻歌混じりに登れるようになりたい。
それに、結局この日は5.12を超えるようなクラックには手をつけず。
このグレードにかかるクラックを気負わずにトライできるようになることが、
今の自分が向き合わなければいけない一番の課題なのかもしれない。

あさこさんもおおよそ同じラインナップ(デロデロの鷲は除く)を登って終了。
クラックの調子を戻していくのに、通い慣れたこの岩場はとても良いらしい。


5月30日 瑞牆 不動沢
関西出張等々を終えて、久しぶりに時間ができたので、ノミーを誘う。
「ちょうどやってるものもないんで、行き先はお任せします」と言うので、問答無用で不動沢に連れ込む。
おかげで、気になっていたドッグヘッド左のラインをトライするチャンスを得た。

当然、ドッグヘッド(5.12a)には誰もいないし、トライした形跡もなかった。
「空いてるところっていいよねー」とか言いながらロープを張り、左のラインを再度掃除。
(肝心のワイヤーブラシを忘れたので、ノミーがどこぞで拾ってきたブラシを拝借)
前回掃除した時に軽く磨いた程度だったので、ちょっと苔や埃がうるさかったけれど、最低限トライできるだろうと判断。
ノミーはドッグヘッドのOSトライで漢気をチラ見せしてくれたものの、無念のテンションと相なった。

ノミーのトライが終わったところで、軽くTRソロでムーヴをやってみる。
ホールドは結構かかるけれどフットホールドが細かく、日差しの熱さも手伝って気持ち悪い。
が、ちょっとやったら拍子抜けするくらい早くムーヴを解決。
核心以外のセクションはあまり難しくなさそうだし、プロテクションも取れそうなので、リハーサルはせずに降りた。
プロテクションの効きは全体的に良い(出だしは除く)ので、ノミーが2トライ目でドッグヘッドをRPしたのに続いて、リードでトライすることに。

ドッグヘッドの出だしをこなして犬の口元に入り込み、カムを固め取り。
ここから右に続くクラックへは進まず、RCCの手前で切り返して左上のポケットの列へ。
足元がシビアな数手をこなし、カンテ沿いのフレークを取りに行く。
プロテクションは足元を軽く過ぎるけれど、怖さはそれほどではなかった。
あとはカンテに沿うようにしてある右上クラックを登って、ドッグヘッドの上部に合流。
ここはリハーサルをしていなかった上に掃除も甘かったので、それなりに緊張した。
とはいえ、特に問題なく登って無事に初登できた。
ドッグヘッドの方が間違いなく面白いし、自然なラインだということに異論はない。
それでも、これはこれで結構面白い遊び方なのではないか、と自分としては納得している。
それにこういうルートであっても、ムーヴを初めから終わりまで全て作る必要はないし、
むしろそれくらいの余白を残すことで味わえるものもある、ということも分かってきた。
犬侍(5.12a)としておく。
犬侍

その後、ノミーとしばらく岩探しをして、帰り際に不動沢林道でちょっとボルダー。
以前気になったけれどスルーしてしまったStone Free(初段)を、今度はきっちり登った。
OSを狙ったトライは、ヌメりとちょっとの焦りで、リップのホールドに飛びついた。
と、これが意外に甘く、一番高いところから落ちてきた。
ノミーは離陸にハマりかけながら、離陸できたトライでそのまま登ってハートの強さをアピールしてきた。
「やられましたな」と一度冷静になって、こちらも2回目できちんと登り、気分よく終了した。

2026年5月6日水曜日

陽気

ゴールデンウィークといえば、昔は瑞牆や小川山のベストシーズンだったし、
おそらく今も良いシーズンなことに変わりはないのだけれど、ちょっと日向は暑い。
以前はボルダーでも、日向にいてちょうどいいくらいの気候だった記憶がなんとなくある。
体感だと半月分くらいは季節がずれている。
気候は変動しているのですね。

4月19日 小川山
あさこさんがローリングストーンに行くので、周辺で登る。
日陰にいる分には少し肌寒い瞬間があるくらいで、岩も乾いていてちょうどいい。
日差しは強いので、トルネード(5.12a)とかをやっている人はヌメりそうだった。
あさこさんのローリングストーンの合間に、15年くらい前に敗退した睦月誕生(5.12b)を回収しておいた。
一応、レトロフラッシュというような感じだけれど、直前に人がトライしているのを見ていたしヌンチャクもかかっているし、
ホールドにもしっかりチョークがついていたので、なんだか一撃した感じは薄い。
でも、結構危なっかしい登りだった。花崗岩のリードの調子を戻さなくては。


4月25日 瑞牆
ひとりでボルダー。
岩はどこも乾いていそうだったので、金山沢の最上流に行ってみた。
予想どおり、今回はちゃんと乾いていた。
林道のゲートが開く週末だった割に人も少なくていい感じ。
ヘビイチゴ岩の裏面でアップして、蛇の道(初段)も登ったけれど、右の課題に近いところにあるポケットを使ったのでラインが違うかもしれない。
以前のみーが「すげー悪いです」と言っていた草イチゴ小さく(1級)もハマりかけながら登った。
で、本題のストロベリーフィールド(三段)。離陸して1手目から悪い。
1手目の持ちどころを変えると2手目も出せるけれど、これも止まらない。
あっという間にスタートホールドの結晶で指を抉られ、戦略的撤退。
隣の蛇苺の季節(三段)も浮くのが精一杯で、どちらもギンギンに寒くないと歯が立たない感じだった。
苦し紛れに、隣の岩のオキザリス(初段)もやったら、これもどえらい悪くて撃沈。
とにかく指が痛い。瑞牆にありがちなポケットカチを握れないとどうしようもない。
長いトラバースの花園への誘い(初段)だけヨレヨレになりながらどうにか登っておいた。

寝不足気味だからか、日差しが急に暑くなったからか、ぼーっとしてしまってイマイチ調子が上がらない。
車で移動して、不動沢林道近くのStone Free(初段)も見に行って「かっこいいな」と思ったけれど、トライする気になれず。
気持ちが作れない時に、ひとりでハイボルダーに挑むのは危ない、と思うようになった。
とはいえ、このまま帰るのもなんだかなとなったので、出合岩周辺へ。
白の女王(初段)と赤の女王(初段)を、どちらもリーチに物を言わせて強引に登って、とりあえずホッとする。
無限の鏡の間(二段)は1手目を取ったところからが解決できず。


最後に、一気に下流へ下って面壁へ。
ソードホルダー(2級)をゆっくり確かめながらOSして、少し気持ちが癒された。
癒されついでにウォールフェイサー(初段)もやってみたけれど、こちらはより高いので無理に突っ込まず飛び降りた。
川面のブラックドメイン(三段)もかっこいいので、そちらと合わせてまた今度。
とはいえ、今シーズン中にチャンスはあるのだろうか。



4月26日 不動沢
あさこさんと不動沢へ。昨年夏に偵察と掃除に行ったドッグヘッド(5.12a)をやりに行った。
不動沢の日陰に入ると、流石に空気が冷たかった。薄着できたことを後悔。
ドッグヘッドはあさこさんが以前掃除してトライしていて、僕も昨年見て面白そうだなと思っていた。
今回もまずロープを張って、軽く掃除するところから。冬を越しても、案外汚れていなかった。
核心手前のクラックから若干染み出しがあったけれど、折角なのでリードで一撃を狙う。
出だしのプアプロなフェースをこなして右上クラックに入り、急に細くなったところからが見た目どおりの核心。
岩と雪の写真の吉川さんと同じような動きになっていた。憧れと尊敬を混ぜたような感慨が一瞬脳裏をかすめた。
手元も微妙だが足元はもっと微妙で、結局核心の最後の1手で吐き出されて落ちた。
固めどりしていたカムが吹き飛んで、古いRCCで止まって一安心。
当時あったカムのサイズのことを思うと、やはりここには1本ボルトが必要だったんだな、と答え合わせのように考えた。
それからムーヴを解決して抜け、あさこさんと交代。

あさこさんがトップロープでトライし、それから弁当を食べたり辺りを散歩したりして過ごした。
ルンゼの奥の方で、ブラックジョーク(5.11d)と思しきルートも発見。
登るかどうかは別にして、こういうエリア探索は宝探しのようで結構楽しい。


下に戻って、ドッグヘッドの2トライ目。
核心のシークエンスに入る前に染み出しで手が濡れて気持ち悪い。シャツで何度も拭いて突入。
手数にすると短いけれど、1トライ目の反省からジャムを丁寧に収めて次の手を送る。
最後の1手も指の収まりが悪く、微妙なフットホールドでプルプルしながらギリギリ押し切った。
あとは緊張感の続くやさしめのフェースを登って、RP。
アプローチは多少分かりにくいし、短い中にムーヴの詰まったボルダー系なので、クラックとして人気が出るにはいろいろと要素が足りない気もする。
ただ、それは長く延びるクラックを良しとする価値観に則ればの話で、そういうものとは違う面白さがこのルートにはあった。
Old But Goldと言うと言い過ぎかもしれないが、Old But Goodなのは間違いない。


あさこさんもトップロープでもう1トライしてムーヴを解決。
単発のムーヴとしてはヴィーナスやローリングストーンよりも悪く感じるらしい。
僕も、概ね同意。


周辺にまだ可能性を感じるので、梅雨入りしてしまう前に行っておきたい。

2026年4月13日月曜日

油比川弱(ゆびかわよわし)

冬の間に折角育ててきた指の皮も、一気に暖かくなったせいでどこかへ行ってしまった。
これからまた、ボルダーをするたびにボコボコにされる日々が始まる。

3月28日 早川
週の半ばに見た予報は、金曜夜が雨。
そんなわけで乾きが良さそうな場所を探し、ノミーを誘って早川に行ってみることにした。
昔から名前だけは知っていたけれど行ったことのなかったエリア。
トポやら何やらもないので、なんとなく有名そうな課題の場所だけ人づてに聞いて行ってみた。

11時に現地集合してみると、すでに日向はかなり暖かい。というか暑い気すらする。
とはいえ、川沿いを走って行くと四国を思い出すような岩の量とサイズで気分が高まる。
いや、四国に少し劣るくらいか。まあいいか。とにかく、見るからに面白そう。
全容は当然分からない。ひとまずの印象は、どことなく遠山川のような、南アルプスの川原の岩という感じだった。

まず鋏(二段)の周辺へ。
アップで適当に1級くらいまでのラインを見つけて登り、鋏は下地が恐ろしいことになっているので諦め、理(三/四段)をやる。
室井さんが「早川ベスト3の一本」と推す課題らしい。
見た目よりも邪魔なバルジを、微妙な保持感のホールドでどうかわしていくかが悩ましい。
ムーヴが分かるまではなかなか手こずったものの、最後は保持とロックで押し切って登れた。
体感は三段のノーマルくらいか。

ノミーがやっていた左回りのムーヴも見ていたらやりたくなったので、一応こちらでもバラしてみた。
こちらの方が、保持とロックで押し切るより面白かった。多分、これでベスト3なんだろうな。
絶妙なポジショニングがハマると気持ちよい。



車でちょっと移動して、縁(初段)の周辺へ。
縁はいかにも看板らしい課題で、ホールドの配置や保持感、スケールのちょうど良さまでいろいろ整っていた。気持ちよくフラッシュ。
ジムのルート並みのクライミングタイムで探るノミー

隣の定(四段)もやってみたら、こちらはそこそこハマった。
1手目のカチのガチャガチャ感が結構くせもので、そこからポジションを整えて取る2手目までがほぼすべて。
1手目の保持は「多分、これ以上コネても良くはならないな」とそこそこで見切って、2手目のポジションに集中。
やっているうちに壁への入り方が分かってきて、2手目が止まったトライでそのまま強引にねじ伏せて登った。
壁の形状のおかげで成立している類の課題で、体感としては二~三段というところ。
それでも、登れた時はとても爽快だった。

噂どおり、御岳の蛙っぽい

己の定に向き合っているノミーを応援しつつ、隣の蹄(三段)をやってみたものの、バラせず。
どうもホールドが欠けて難しくなっているらしい。
そうしているうちに雨が降ってきて終了。それでも薄暗くなるまで楽しめた。
シーズンが終わってしまった感じがするが、また登りに来たい。


3月29日 瑞牆 ハットエリア
ゆっくり起きて、午前中はちょっと仕事をして、昼前から一人でハットエリアへ。
前夜の雨で落ち葉がかなり濡れているが、岩は結構乾いていた。

エリアの上部まで行って、孫悟空(3級)などでアップ。
やっこダコ(2級)がSDから繋げられそうなのでやってみたが、ホールドが砕けて軽く猫パンチ。
指がやられる前にやめ、本題のゴーストフィールド(三段)。
見るからに可能性を感じるというか、このタイプこの傾斜の三段にしてはホールドが明瞭。
岩のサイズ等々もなかなか惹かれるものがある。
で、いざやってみると、明瞭なホールドたちがなかなか悪く、足との組み合わせなのか動けなくなる。
高すぎる気温も相まって、持てそうで持てないし、立てそうで立てない。
もじもじやっているうちに、1手目の薄いカチで指を裂かれ、あえなく撤退となった。
ゴーストフィールド

少し下って、穴課長とかの岩にあるファントムタイム(三段)もやってみる。
こちらは保持の強度がそれほどでもないので、テープを巻いていても支障はなさそう。
しかし上部の苔がずいぶん逞しく、ホールドが埋もれかけている。
ワイヤーブラシを忘れてきたので、普通のブラシで軽く磨いただけでとりあえずトライ。
見た目より浅い凹状に入り込むのが難しかったが、何とか解決。
が、リップ下のポケットを取って奥のスローパーを叩いたら、手に苔の感触がモサっときた。
そこそこ高さもあり突っ込めずに飛び降りた。
うーん、こういう状況がなかなかねじ伏せられない。とりあえず、次はワイヤーブラシを持ってこよう。

それからは下の方へ戻り、光と影(三段)をやったものの離陸で精いっぱい。
こういう強傾斜の両手アンダーは相変わらず苦手だ。
すぐ下のトレイルハングライト(二段)は、やっているうちにムーヴが見つかって登れた。
ぴょんぴょん跳んで初めは「こんなの止まるんか」と思ったけれど、ちゃんとムーヴがあるものだ。
あとは転過音(二段)とゲームチェンジャー(初段)もやってみたが、どちらもダメ。
指の皮が減って、自分から染み出る汁でヌメるようになるとどうしようもない。
瑞牆でもすでに暑いことに、さすがにちょっと悲しくなる。
唯一登れたトレイルハングライト



4月5日 小川山
前日遅くまで雨が降っていたので、乾きのいいところでも登れるかどうか...と思ったものの、あさこさんと小川山のボルダーに出かけた。
水晶スラブ下なら乾くかなと期待したけれど、どうも薄曇りでカラッとしない。
案の定、岩はしっとり。ところによってははっきり濡れている。
とりあえず簡単な課題でアップして、ヒッパルコス(2級)のSDのありがとう(初段)をやる。
昔にトライした気がするが、登れた記憶がない。
スタートの粗い結晶が水を含んでいるのか、離陸すると2秒でヌメヌメ。
ヒッパルコスに合流するまでの2手がバラしても出来ず、指がゴリゴリ削られて敗退。

苦し紛れに伴奏者と頭痛をやってみたものの、伴奏者が0.5歩くらい進んだ程度。
たまに来て思い出したようにトライして登れるほど、自分はスラブが上手くないと再認識。
襟元を正さなくてはいけない。というか、スラブが得意になった覚えがそもそもないのだけれど。
あさこさんがトライしていた虹の入り江だけはどうにかリピートして、「これでボウズじゃないぜ」みたいな顔をしておいた。

一瞬コンディションがマシになったような気がしたので、神無月(初段)もやってみた。
これも凄く昔にトライして以来、「できない初段」という扱いになってしまっている。
10年ぶりくらいに真面目にやってみると、ちょっとマシ程度のコンディションで苦しいけれど、なんとかムーヴがバラせた。
「これは宿題回収できるんじゃないか」とテンションが上がって繋げ。
が、やはりこのコンディションでいつもより速いペースで減った指皮では、繋げられず。
40点くらいのトライを繰り返して、今回も敗退。うん、ちょっと悔しい。
神無月

最後に石の魂に移動して、これまた登った記憶がないA.A.I.T(初段)をやってみたが、
すでに真っ赤を通り越してちょっと白くなっている(?)指では、鋭いカチが握れるはずがなかった。


ヌメる→強く握る→持てない→皮が減る→ヌメる→さらに持てない→皮が減る、の悪循環にハマるとどうも抜け出せない。
末端にばかり汗をかいてしまうこの体質をどうにかする薬とか、ないのかな。
カメラを向けられている気配に振り向く