2026年8月31日月曜日

北へ ①

今年の梅雨はしっかり雨が降り、日常生活のリズムを整えるのに苦戦したこともあってほとんど外で登れなかった。
7月に入って一度、梅雨の晴れ間に瑞牆で今季初のサーキットをしてみた。
高原エリアから始めて三の谷へ下りてくるコースを回ってみたのだけれど、暑さとヌメりからかほとんど登れず。
指の痛さと疲労に挫けて、低調のまま51本で終了した。特筆することは特にない。
いよいよ瑞牆も夏場はろくに登れなくなってきたな、というところで、
社長から「北の大地へ行ってきなさい」と仕事が入ったので、3週間の長期出張に出掛けてきた。


7/30〜31 移動日
朝イチで自宅を出て、上越回りで新潟へ。いつも思うことだけれど、県境を越えてからが長い。
長野を過ぎたあたりであさこさんが一言、「貴重品を入れたカバン、忘れてきた!」。
取りに帰るのは間に合わないので、思いがけずデジタルデトックスだねーとか言いながら車を走らせた。
昼前に新潟港に着き、早めの昼ごはんを食べてフェリーに乗船したら、誘導のおじさんに「ギリギリでしたよ」と言われる。
30分前に着けば余裕だろうと思っていたら、もっと早く着いていないといけないらしい。フェリー初心者ぶりが露呈している。


フェリーではWiFiが有料(1500円)だったので、ひたすら読書か昼寝。船首の方に静かなサロンがあったけれど、冷房が強すぎて寒かった。
船が大きいおかげか揺れは気にならず、呑気に寝ていたら小樽に着いた。
そういえば以前、四国から九州へ国道九四フェリーというのに乗ったことがあったけれど、
あの時は寒波による荒れ模様で、小さめの船が揺れまくって寝るどころではなかったな。

小樽には早朝の4:30に着いて、セコマで朝食を買ったりしつつ旭川へ。
買い出し等々を済ませて、ご友人宅に泊まっているマルボー・もとえ夫妻と合流。
そのご友人ことポーちゃん宅に、その後ツアーの大半は泊めていただくことになる。
ちなみに、あさこさんのカバンは車の中から無事に発見された。

少しだけその後のスケジュールを打ち合わせして、石垣山の岩場を軽く偵察。
故・吉田さんの生涯の傑作(らしい)、頭ならびに腹(5.11d)とかがある岩場だけれど、
北海道の植生は凄まじく、割と登られているルート以外は存在が確認できないくらいに藪の中。
とりあえず、エリアの端から端までおおよその位置を同定したところで雨が降ってきたので撤収。


8/1 発電所エリア
この日から本格的にS峡通いが始まった。
また午後から雨らしいので、比較的アプローチが近い発電所エリアから行くことに。
そういえば4年前、ここのエリアを探しにきて迷った挙句、ヒグマに出くわして逃げ帰ったことがあったな。
今回はマルボーさんの案内でスムーズに岩場へ。あのとき分け入ろうとしていた道は大体合っていたらしかった。
雨が降る前にと多少急いで準備して、初めに麦の舞(5.10b)を登ったら、テーピングをしなかったおかげで早速手が擦りむけた。
花崗岩とか名張とかと違って、ここの岩は面のフリクションがある上に結晶や礫もシャープで、地肌にはちょっときつい。
ハンドならまだしもフィストの連続だと親指が根本からなくなりそうだった。
あさこさんが若干脆い猫の惑星(5.10c)を登り、僕はその隣の影(5.11b)をやる。
マルボーさんの初登ルートらしく、ボールナッツやらブラスナッツやら、プロテクションの癖が強い。
(主にサイズが)微妙なプロテクションで行きつ戻りつして、おっかなびっくり突っ込んでどうにかOS。
それからエリア右端にある無名の5.11bも登ったけれど、こちらは#0.5~0.75の苦手なサイズで、危なっかしくOS。
うーん、やはりクラックについては謙虚にならなくてはいかんな。

ここまで登ったら雨が降り出したので、一度ハングの下で雨宿りをして、雨が幾分弱まった隙にダッシュで逃げ帰った。


8/2 流星エリア
この日は流星エリアへ。社長から良いエリアだと聞いていたので楽しみだった。
薮に埋もれそうなアプローチを上っていくと、30分ほどでエリアに着いた。
柱状節理の岩場とは思えないほど形状が多彩で、なかなか良い感じ。

端から端までルートを見上げながら回り、手始めにミゲルピザ(2P 5.11-)をやることに。
1P目が5.11-で、出だしは多少脆いうえに前日の雨でしっとりしていた。
太いクラックに張った蜘蛛の巣を払いながら進み、いきなり細くなる核心はフェース系だったので問題なし。
核心直後にあるフレークに長いヘビの抜け殻が詰まっていた。
で、ピッチを登りきって木の生えたテラスに這い上がったら、今度はヘビそのものがいた。
あの抜け殻の主だったんだろうか。
あさこさんがフォローで登ってきて、2P目の5.10+はリードを交代。
危なげなくロープを伸ばしていったと思ったら、中間部を過ぎたところで雨が降り出した。終了点に着く頃には本降りに。
フォローすることは諦めて、あさこさんがロワーダウンで回収。
チョークバッグどころか全身びしょ濡れになりながらラペルして、荷物を畳み、申し訳程度にカッパを着込んで下山。
何もかも濡れてしまって悲しいので、3日目にして早速洗濯をしに出掛けた。


8/3 発電所エリア
この日からは午後の通り雨がなくなり、終日登れるようになった。ありがたいことに、一度濡れた装備も一晩で乾いた。
改めて、発電所エリアへ。2日前に雨で登りそこねたベスピュラ(5.11b)等々を登っておきたかった。
アップにファイティング・ママ(5.10b?)を登って、早速本題のベスピュラにトライ。
これはお互いに登りたかったので平等にじゃんけんして、あさこさんが先にトライする権利を獲得。
短いフィストを登ってレッジに立って、そこから離陸するのがいきなり悪そうだった。
そこを手順を入れ替えつつこなして、あとは安定してOSしていた。流石です。最後の最後もちょっと悪そうだったけど。
ベスピュラ

僕もすぐ後にトライして、痛いくらいによく効くフィンガージャムを堪能しつつFL。
たしかに、最後の最後もちょっと悪かった。
それから麦の舞に右下から合流する、白石ノコギリクラック(5.11a)も登った。
2日前の影に続いて、またしてもプロテクションが怪しいコーナー。幸い、出だしをこなせたらあとはそれほどでもなかった。

発電所エリアの目ぼしいルートは大体登れたので、その後は一度車に戻り、ほど近いところにある兜岩を見に行った。
兜岩は1峰から3峰まであり、この日は1峰下部にあるうぐいす谷と呼ばれているところだけを偵察。
こういう岩場が人知れず存在して、楽しそうなクラックの数々が埋もれているのかと、この土地のポテンシャルにちょっと昂ってきた。
しかし当然というべきか、それを遥かに上回るものを、この後いくつも見せつけられることになる。



8/4 流星エリア
再びの流星エリア。雨で逃げ帰った日の分を取り返しにいった。
西を向いているエリアなので、コンディションとしては午前中が勝負。
アップを兼ねてあさこさんと2人で月天心(2P 5.10)を登る。
1P目は恒例のじゃんけんで勝った僕がリードして、快適で長いコーナーを楽しませてもらった。
見た目には5.10の後半くらいありそうだけれど、登ってみると形状があれこれあるおかげで5.10aくらい。これは楽しい。
2P目の傾斜があるハンド〜フィストをあさこさんがリードして、取り付きへ下降。
2P目の方が難しく、こちらは5.10bかcくらいだった。

エリアの看板でもあるShooting Star(5.11d)がすでに日向になってしまったので、
ちょっと目標を変えてMorning Flight(5.12a)をやってみることに。
こちらの方はまだかろうじて日陰気味だった。
取り付きからだと絶妙にクラックが見えないので、とりあえずフィンガーサイズとオフセットカムをじゃらじゃら持ってトライ。
序盤の右上クラックからジャムの効きが浅く、プルプルしながらカムを入れていたらどんどんパンプしてきた。
クラックが直登に変わるあたりでちょっと声が出たけれど、いいフットホールドがあって助かった。
下からではよく見えなかった中間部は案外素直で、パンプを誤魔化しながらタイトなフィンガーロックでジリジリ進む。
上部で左のフェースに出てジャッジライト(5.11a)に合流、最後のセクションを慎重にこなして登りきった。
5.12のクラックのオンサイトは、なんだか久しぶりだった気がする。
左がジャッジライト、右がMorning Flight

それからあさこさんがジャッジライトで気合いのオンサイトを見せ、さらに右にある短いワイド(5.8?)に挟まってみたりして、
最後にもとえさんとミゲルピザをもう一度登った。
日差しをガンガンに浴びた1P目を登り、今回は2P目もリード。
ジャムの要素とムーヴの要素のバランスがちょうど良く、楽しいクラックだった。そして何より眺めがいい。

ほどほどに良い時間になったので下山。
だんだんとこの土地のクラックに馴染んできた感じがしていた。


8/5 屏風岩
晴れが続くので、当然レスとはなし。この日は屏風岩へ。
屏風岩も1峰から3峰まであり、全てマルチピッチ。マルボーさんらは2峰、僕らは3峰のルートを登ることになった。

3峰のルート、unnamed(5P 5.10)は、取り付きからしてかなりワイルドそうだった。
あさこさんが奇数ピッチ、僕が偶数ピッチを担当することになり、あさこさんが1P目のコーナーをリードしていく。
が、ピッチを切る場所がいまいちないので、事前に見たトポでは2P目と書いてあるトラバースまで継続。
フォローしていくと、このトラバースがとにかく怖かった。
岩にかろうじて張り付いている土の塊と、鉛筆くらいの細さの灌木を掴んで登るセクションがあった。フォローなのにヒーヒー言って登った。
1P目

続くコーナークラックを僕がリード。
このピッチはハンド〜ワイド〜フィンガーと変化があって、ワイルドだけれどそこそこ楽しめた。
2P目

気持ちの良いコルに立って、短いコーナーから歩きのピッチをあさこさんが登り、チムニーの行き止まりみたいなところでピッチを切った。
この辺りはかなり岩質が怪しく、触ると際限なくボロボロ崩れる箇所がいくつもあった。
最終ピッチの長いチムニーも、大体どこかしらはボロつくのでヒヤヒヤした。カムの効きが悪くないのがありがたかった。
ともあれ、とりあえず壁の上に立ってクライミングは終了。

下降は80mロープの折り返しでピッタリ2回のラペルだった。
なんだか、学生時代に通った北アルプスの岩場を思い出した。

2026年6月26日金曜日

ミナヅキ

夏至を過ぎた。これから日が短くなっていってしまうのかと思うと、ちと残念。
冬至といえば柚子湯だったり、かぼちゃを食べるという風習があるけれど、
夏至についてはそういうものを知らないな、となって調べてみた。
どうも、全国的に夏至にはコレというものはないらしい。
京都の方ではミナヅキというお菓子を食べるんだとか。

仕事で瑞牆に行ったり小川山に行ったりしているが、あまり特筆することはない。
ここ数年で発表された新八幡エリアで、コンパス(5.12d)と無重力(5.13a)をOSできたくらいか。
あとは、周辺の5.12台は大体登った気がする(Rがつくものは除く)。
岩には行けているので、特に花崗岩のリードの調子は悪くない気がしている。

6月17日 瑞牆継続①
前日にあさこさんと「明日は継続でもしてみますか」と思い立って、日の長さを活かして4本継続してみた。
左稜線(9P、245m)→一粒の麦(5P、190m)→ベルジュエール(10P、290m)→錦秋カナトコ(5.10c、155m)で、計880m。
朝イチ、車の温度計はなんと10℃。いくら標高が高いとはいえ、驚いた。
左稜線の登りだしは実際かなり寒く、早く自分がリードする番にならないかと待ち遠しい状態。
一方で岩は、梅雨の合間とは思えないほど乾いていて、左稜線のワイドもカラカラ。おかげでいつになく登りやすかった。
大面の頂上直下にあった花

大面の頭で10:00、一粒の麦も快調に登って12:30。
流石にその後のベルジュエールは長いの時間もかかり、最後のカナトコを登りきったら19:10だった。

八ヶ岳が燃えていた

今回で分かったのは、というか再認識したのは、行動食が足りないということだった。
毎年ヨセミテからガリガリに痩せ細って帰ってくるのは、とにかく摂取カロリーが足りていないからで、
特に昨年は遠征前から痩せ過ぎてどうにも馬力が出ないままだった。
帰国後から時々調べたりしていたけれど、今年は流石に骨と皮になるわけにはいかないので、
今後山での行動中は特に意識して食べなければ、ということになった。


6月23−24日 瑞牆継続②
今度は山の中で一泊して継続するプランにしてみた。
その2日前からジム、小川山と連登していて、この継続は3日目と4日目になった。
計画では、一泊分の軽い荷物を上げつつ初日に3本、2日目に3本という予定だったけれど、
いざやってみたら初日は2本、2日目は1本で、本数的には半分になってしまった。

1日目はワイルドアットホーム(7P、160m)→フリーウェイ(9P、210m)。
ワイルドアットホームの3P目を登り出すところで、スズメバチが飛んできて肝を冷やした。
フェースに張り付いてじっとしている僕の周りを5分くらい飛び回り、顔の前に何度も入ってきてはブンブン言っている。
あまりに近くて、羽が鼻先に擦るくらい。しかもやたらとしつこかった。
目を閉じて息も止めて、「ワタシハ、木デス。無害デス」と念じるのみ。
なんだか昔読んだ手塚治虫の『ブッダ』の修行シーンを思い出した。
どうにかやり過ごして、あとはハチの襲撃に遭うこともなく、強烈な日差しに焼かれることもなく、
程よく曇って岩もそこそこ乾いたコンディションでどんどん登った。
荷物も軽いホールバッグ1個なので、マイトラひとつでビュンビュン上がる。
と言いつつ、前回よりは確実に時間がかかり、フリーウェイに取り付いたのは14時過ぎ。
いつ登っても緊張する2P目と8P目(11aとかマジかよ)をブカブカのシューズでこなし、
ガスで巻かれはじめた頂上に抜けたら18時を軽くまわっていた。
この日は夜に雨が降る予報だったので、十一面の燕返しの洞窟まで行ってビバーク。
夕飯のおかずに高野豆腐を持っていったら、これがなかなかに優秀だった。

2日目は達磨バム(10P、275m)のみ。結構久しぶりに登った。
前日と打って変わって湿度が高く、岩もどこかしっとり。1P目から気持ち悪い。
ベルジュエールと分かれて2P目、いきなり落ちかけた。
いや、落ちはしなかったけれど、かなり悪く感じた。前に登ったけど、あんなに危なっかしかっただろうか。
続く長い3P目では、クラックの中で眠るコウモリを避けてカムを入れた。
最上部の凹角があまりに草だらけで、ベルジュエールの方に逃げたくなるのを抑えて突破。
登るにつれて岩の状態がマシになってきたかな、と思っていたら、
7P目で摘んだ結晶がぼろっと欠けてポロ落ちした。
まあ過去にOSしてはいるので、気にせず抜けて8P目までリンク。
十一面の頂上は完全にガスの中だった。
少し早い時間だったけれど、今回はここまでで下山することにした。

予定よりはかなり短い継続になってしまったものの、タグラインを交えた荷上げのシステムのベースを確認したり、
1日の必要カロリーから計算して用意した行動食を食べ切ることを意識してみたり、今後に繋がる収穫はあった。
特に行動食については、いざ持っていくと「まだこんなに食べなきゃいかんのか」と思うくらい量があった。
いや、長く動くことを考えたらむしろこれが普通。今までが食べなさすぎだったんだな。
山や壁に入るたびにアバラが浮き出るようでは身が保ちません。
僕の年齢と体格からすると、激しく運動し続けるには1日に2900キロカロリーほど摂る必要があるらしく、
朝晩を除くと行動食だけで2000キロカロリー近くは補給することになる。
...2000か、すごい量に感じるな。

ちなみに帰宅後、ふと気になって達磨バムの初登記事(RS25号)を見てみたら、
今のトポではずいぶんグレードダウンされていることが分かった。
発表時は5.11b、5.11b、5.11b、5.11b、5.8、5.11c、5.11c、3rd、5.10a。
瑞牆本では5.11b、5.10c、5.11a、5.11a、5.8、5.11a、5.11a、3rd、5.10a。
今回登った感触では発表当時のグレードに一票入れたいけれど、コンディションのせいだろうか。

2026年6月4日木曜日

新生活

ちょっと間が空いてしまいました。
実は4月いっぱいで5年間勤めた会社を退職し、山梨に拠点を移しました。
引っ越しの荷物が片付ききらないうちに、東京へ出張したり関西へ出張したり、
主に仕事兼クライミングのためにあちこち出掛けています。
が、これはあくまでも僕の、極めて個人的なブログなので、
基本的には「仕事兼」ではないプライベートのクライミングについて書いていきます。
新生活が始まって1ヶ月あまり、これまでとまるで違う生活リズムを刻みながら、
どうクライミングをやって強くなっていくかを模索中です。

5月5日 大ザルの庭
大ザルから声がかかり、あさこさんも一緒に庭へ。愛犬もやってきた。
犬の耳が機嫌やテンションによって向きを変えるのはよく知られているけれど、
この日はずっと頭の中心により気味だった。どういう意味なのだろう。

大ザル、あさこさんがそれぞれぶら下がって作業なりリハーサルなりをしている傍ら、
こちらも新しいラインを見つけて掃除、可能性を探ってみた。
既成のコーナークラックから派生して左の丸いカンテを抱えて登るラインで、プロテクションも結構取れる。
掃除した感じで「これはリハーサルなしでよさそう」と思えたので、
プロテクションの確認までしたところでトライすることにした。

コーナーをちょっと登ったところから水平クラックをトラバースして、ポケットやフレークのあるカンテをフェースムーヴで登る。
雑に持ったら粒子が欠けて落ちそうなのでガバポケットでも丁寧に持った。
掃除した印象よりも、独特の怖さで何割増しか難しく感じたけれど、特に問題なく核心らしきところも越えた。
最上部は掃除が足りず苔の生えたスローパーを押さえたりしながら、ちょっと埃に塗れてトップアウト。
大ザルがフォローしてきて、今日も無事に初登攀。
愛犬がずっと取り付きあたりにいて、時折上を見上げていた。


写真は全てあさこさんが撮ってくれた

そんな感じでまったりとした1日を過ごして終了。
新しいルートは、はみ出し者(5.10c)とした。


5月7日 瑞牆 末端壁
あさこさんと、とにかくクラックを登らなあかん!ということで末端壁へ。
これまで何かと理由をつけて(というか混んでいる岩場が嫌なだけ)素通りしてきた末端壁も、
カレンダーどおりの生活ではなくなった今なら心置きなく登れるというわけ。

平日とはいえ、僕らの他に1組だけいた。さすがは末端壁。
ひとまずペガサスのP1(5.10d)でアップして、T&T(5.11a)も10年ぶりくらいにリピート。
続いてアストロドーム(5.11a)をやったら、危うく落ちるところだった。
ダブルクラックを危なっかしいボルダームーヴで抜けて、上部もなんだか怪しかった。
ともかく落ちなくてよかったけれど、あさこさんにかなりイジられた。無念。
その後にやった春うららのP1(5.11b)の方がよっぽど安定していた。
日差しでどんどん暑くなってくる中、以前滝のような状態で登った鷲(5.11c)もやる。
「今回は春シーズンだし、乾いているだろう」という期待はすぐに裏切られて、
クラックの中は苔だらけ、そして全て雑巾のように湿っていた。
どうにか落ちずに登ったけれど、シューズもテープも緑色になってしまった。
ビショビショのデロデロ

最後に、実はまだやったことがなかったトワイライト(5.11c)。
ペガサスと出だしが共通だし、通りすがりに人が登るのを見ているので、オンサイトとは言えないけれど、真剣に一撃を狙う。
問題のワイドに入り込むところで、やはり体がつかえて苦しかったけれど、どうにか誤魔化した。
結構パンプしてしまい、その後はハンドジャムがくるたびに長々とレストして、息を切らして登りきった。
もっとカジュアルな感じで、鼻歌混じりに登れるようになりたい。
それに、結局この日は5.12を超えるようなクラックには手をつけず。
このグレードにかかるクラックを気負わずにトライできるようになることが、
今の自分が向き合わなければいけない一番の課題なのかもしれない。

あさこさんもおおよそ同じラインナップ(デロデロの鷲は除く)を登って終了。
クラックの調子を戻していくのに、通い慣れたこの岩場はとても良いらしい。


5月30日 瑞牆 不動沢
関西出張等々を終えて、久しぶりに時間ができたので、ノミーを誘う。
「ちょうどやってるものもないんで、行き先はお任せします」と言うので、問答無用で不動沢に連れ込む。
おかげで、気になっていたドッグヘッド左のラインをトライするチャンスを得た。

当然、ドッグヘッド(5.12a)には誰もいないし、トライした形跡もなかった。
「空いてるところっていいよねー」とか言いながらロープを張り、左のラインを再度掃除。
(肝心のワイヤーブラシを忘れたので、ノミーがどこぞで拾ってきたブラシを拝借)
前回掃除した時に軽く磨いた程度だったので、ちょっと苔や埃がうるさかったけれど、最低限トライできるだろうと判断。
ノミーはドッグヘッドのOSトライで漢気をチラ見せしてくれたものの、無念のテンションと相なった。

ノミーのトライが終わったところで、軽くTRソロでムーヴをやってみる。
ホールドは結構かかるけれどフットホールドが細かく、日差しの熱さも手伝って気持ち悪い。
が、ちょっとやったら拍子抜けするくらい早くムーヴを解決。
核心以外のセクションはあまり難しくなさそうだし、プロテクションも取れそうなので、リハーサルはせずに降りた。
プロテクションの効きは全体的に良い(出だしは除く)ので、ノミーが2トライ目でドッグヘッドをRPしたのに続いて、リードでトライすることに。

ドッグヘッドの出だしをこなして犬の口元に入り込み、カムを固め取り。
ここから右に続くクラックへは進まず、RCCの手前で切り返して左上のポケットの列へ。
足元がシビアな数手をこなし、カンテ沿いのフレークを取りに行く。
プロテクションは足元を軽く過ぎるけれど、怖さはそれほどではなかった。
あとはカンテに沿うようにしてある右上クラックを登って、ドッグヘッドの上部に合流。
ここはリハーサルをしていなかった上に掃除も甘かったので、それなりに緊張した。
とはいえ、特に問題なく登って無事に初登できた。
ドッグヘッドの方が間違いなく面白いし、自然なラインだということに異論はない。
それでも、これはこれで結構面白い遊び方なのではないか、と自分としては納得している。
それにこういうルートであっても、ムーヴを初めから終わりまで全て作る必要はないし、
むしろそれくらいの余白を残すことで味わえるものもある、ということも分かってきた。
犬侍(5.12a)としておく。
犬侍

その後、ノミーとしばらく岩探しをして、帰り際に不動沢林道でちょっとボルダー。
以前気になったけれどスルーしてしまったStone Free(初段)を、今度はきっちり登った。
OSを狙ったトライは、ヌメりとちょっとの焦りで、リップのホールドに飛びついた。
と、これが意外に甘く、一番高いところから落ちてきた。
ノミーは離陸にハマりかけながら、離陸できたトライでそのまま登ってハートの強さをアピールしてきた。
「やられましたな」と一度冷静になって、こちらも2回目できちんと登り、気分よく終了した。

2026年5月6日水曜日

陽気

ゴールデンウィークといえば、昔は瑞牆や小川山のベストシーズンだったし、
おそらく今も良いシーズンなことに変わりはないのだけれど、ちょっと日向は暑い。
以前はボルダーでも、日向にいてちょうどいいくらいの気候だった記憶がなんとなくある。
体感だと半月分くらいは季節がずれている。
気候は変動しているのですね。

4月19日 小川山
あさこさんがローリングストーンに行くので、周辺で登る。
日陰にいる分には少し肌寒い瞬間があるくらいで、岩も乾いていてちょうどいい。
日差しは強いので、トルネード(5.12a)とかをやっている人はヌメりそうだった。
あさこさんのローリングストーンの合間に、15年くらい前に敗退した睦月誕生(5.12b)を回収しておいた。
一応、レトロフラッシュというような感じだけれど、直前に人がトライしているのを見ていたしヌンチャクもかかっているし、
ホールドにもしっかりチョークがついていたので、なんだか一撃した感じは薄い。
でも、結構危なっかしい登りだった。花崗岩のリードの調子を戻さなくては。


4月25日 瑞牆
ひとりでボルダー。
岩はどこも乾いていそうだったので、金山沢の最上流に行ってみた。
予想どおり、今回はちゃんと乾いていた。
林道のゲートが開く週末だった割に人も少なくていい感じ。
ヘビイチゴ岩の裏面でアップして、蛇の道(初段)も登ったけれど、右の課題に近いところにあるポケットを使ったのでラインが違うかもしれない。
以前のみーが「すげー悪いです」と言っていた草イチゴ小さく(1級)もハマりかけながら登った。
で、本題のストロベリーフィールド(三段)。離陸して1手目から悪い。
1手目の持ちどころを変えると2手目も出せるけれど、これも止まらない。
あっという間にスタートホールドの結晶で指を抉られ、戦略的撤退。
隣の蛇苺の季節(三段)も浮くのが精一杯で、どちらもギンギンに寒くないと歯が立たない感じだった。
苦し紛れに、隣の岩のオキザリス(初段)もやったら、これもどえらい悪くて撃沈。
とにかく指が痛い。瑞牆にありがちなポケットカチを握れないとどうしようもない。
長いトラバースの花園への誘い(初段)だけヨレヨレになりながらどうにか登っておいた。

寝不足気味だからか、日差しが急に暑くなったからか、ぼーっとしてしまってイマイチ調子が上がらない。
車で移動して、不動沢林道近くのStone Free(初段)も見に行って「かっこいいな」と思ったけれど、トライする気になれず。
気持ちが作れない時に、ひとりでハイボルダーに挑むのは危ない、と思うようになった。
とはいえ、このまま帰るのもなんだかなとなったので、出合岩周辺へ。
白の女王(初段)と赤の女王(初段)を、どちらもリーチに物を言わせて強引に登って、とりあえずホッとする。
無限の鏡の間(二段)は1手目を取ったところからが解決できず。


最後に、一気に下流へ下って面壁へ。
ソードホルダー(2級)をゆっくり確かめながらOSして、少し気持ちが癒された。
癒されついでにウォールフェイサー(初段)もやってみたけれど、こちらはより高いので無理に突っ込まず飛び降りた。
川面のブラックドメイン(三段)もかっこいいので、そちらと合わせてまた今度。
とはいえ、今シーズン中にチャンスはあるのだろうか。



4月26日 不動沢
あさこさんと不動沢へ。昨年夏に偵察と掃除に行ったドッグヘッド(5.12a)をやりに行った。
不動沢の日陰に入ると、流石に空気が冷たかった。薄着できたことを後悔。
ドッグヘッドはあさこさんが以前掃除してトライしていて、僕も昨年見て面白そうだなと思っていた。
今回もまずロープを張って、軽く掃除するところから。冬を越しても、案外汚れていなかった。
核心手前のクラックから若干染み出しがあったけれど、折角なのでリードで一撃を狙う。
出だしのプアプロなフェースをこなして右上クラックに入り、急に細くなったところからが見た目どおりの核心。
岩と雪の写真の吉川さんと同じような動きになっていた。憧れと尊敬を混ぜたような感慨が一瞬脳裏をかすめた。
手元も微妙だが足元はもっと微妙で、結局核心の最後の1手で吐き出されて落ちた。
固めどりしていたカムが吹き飛んで、古いRCCで止まって一安心。
当時あったカムのサイズのことを思うと、やはりここには1本ボルトが必要だったんだな、と答え合わせのように考えた。
それからムーヴを解決して抜け、あさこさんと交代。

あさこさんがトップロープでトライし、それから弁当を食べたり辺りを散歩したりして過ごした。
ルンゼの奥の方で、ブラックジョーク(5.11d)と思しきルートも発見。
登るかどうかは別にして、こういうエリア探索は宝探しのようで結構楽しい。


下に戻って、ドッグヘッドの2トライ目。
核心のシークエンスに入る前に染み出しで手が濡れて気持ち悪い。シャツで何度も拭いて突入。
手数にすると短いけれど、1トライ目の反省からジャムを丁寧に収めて次の手を送る。
最後の1手も指の収まりが悪く、微妙なフットホールドでプルプルしながらギリギリ押し切った。
あとは緊張感の続くやさしめのフェースを登って、RP。
アプローチは多少分かりにくいし、短い中にムーヴの詰まったボルダー系なので、クラックとして人気が出るにはいろいろと要素が足りない気もする。
ただ、それは長く延びるクラックを良しとする価値観に則ればの話で、そういうものとは違う面白さがこのルートにはあった。
Old But Goldと言うと言い過ぎかもしれないが、Old But Goodなのは間違いない。


あさこさんもトップロープでもう1トライしてムーヴを解決。
単発のムーヴとしてはヴィーナスやローリングストーンよりも悪く感じるらしい。
僕も、概ね同意。


周辺にまだ可能性を感じるので、梅雨入りしてしまう前に行っておきたい。

2026年4月13日月曜日

油比川弱(ゆびかわよわし)

冬の間に折角育ててきた指の皮も、一気に暖かくなったせいでどこかへ行ってしまった。
これからまた、ボルダーをするたびにボコボコにされる日々が始まる。

3月28日 早川
週の半ばに見た予報は、金曜夜が雨。
そんなわけで乾きが良さそうな場所を探し、ノミーを誘って早川に行ってみることにした。
昔から名前だけは知っていたけれど行ったことのなかったエリア。
トポやら何やらもないので、なんとなく有名そうな課題の場所だけ人づてに聞いて行ってみた。

11時に現地集合してみると、すでに日向はかなり暖かい。というか暑い気すらする。
とはいえ、川沿いを走って行くと四国を思い出すような岩の量とサイズで気分が高まる。
いや、四国に少し劣るくらいか。まあいいか。とにかく、見るからに面白そう。
全容は当然分からない。ひとまずの印象は、どことなく遠山川のような、南アルプスの川原の岩という感じだった。

まず鋏(二段)の周辺へ。
アップで適当に1級くらいまでのラインを見つけて登り、鋏は下地が恐ろしいことになっているので諦め、理(三/四段)をやる。
室井さんが「早川ベスト3の一本」と推す課題らしい。
見た目よりも邪魔なバルジを、微妙な保持感のホールドでどうかわしていくかが悩ましい。
ムーヴが分かるまではなかなか手こずったものの、最後は保持とロックで押し切って登れた。
体感は三段のノーマルくらいか。

ノミーがやっていた左回りのムーヴも見ていたらやりたくなったので、一応こちらでもバラしてみた。
こちらの方が、保持とロックで押し切るより面白かった。多分、これでベスト3なんだろうな。
絶妙なポジショニングがハマると気持ちよい。



車でちょっと移動して、縁(初段)の周辺へ。
縁はいかにも看板らしい課題で、ホールドの配置や保持感、スケールのちょうど良さまでいろいろ整っていた。気持ちよくフラッシュ。
ジムのルート並みのクライミングタイムで探るノミー

隣の定(四段)もやってみたら、こちらはそこそこハマった。
1手目のカチのガチャガチャ感が結構くせもので、そこからポジションを整えて取る2手目までがほぼすべて。
1手目の保持は「多分、これ以上コネても良くはならないな」とそこそこで見切って、2手目のポジションに集中。
やっているうちに壁への入り方が分かってきて、2手目が止まったトライでそのまま強引にねじ伏せて登った。
壁の形状のおかげで成立している類の課題で、体感としては二~三段というところ。
それでも、登れた時はとても爽快だった。

噂どおり、御岳の蛙っぽい

己の定に向き合っているノミーを応援しつつ、隣の蹄(三段)をやってみたものの、バラせず。
どうもホールドが欠けて難しくなっているらしい。
そうしているうちに雨が降ってきて終了。それでも薄暗くなるまで楽しめた。
シーズンが終わってしまった感じがするが、また登りに来たい。


3月29日 瑞牆 ハットエリア
ゆっくり起きて、午前中はちょっと仕事をして、昼前から一人でハットエリアへ。
前夜の雨で落ち葉がかなり濡れているが、岩は結構乾いていた。

エリアの上部まで行って、孫悟空(3級)などでアップ。
やっこダコ(2級)がSDから繋げられそうなのでやってみたが、ホールドが砕けて軽く猫パンチ。
指がやられる前にやめ、本題のゴーストフィールド(三段)。
見るからに可能性を感じるというか、このタイプこの傾斜の三段にしてはホールドが明瞭。
岩のサイズ等々もなかなか惹かれるものがある。
で、いざやってみると、明瞭なホールドたちがなかなか悪く、足との組み合わせなのか動けなくなる。
高すぎる気温も相まって、持てそうで持てないし、立てそうで立てない。
もじもじやっているうちに、1手目の薄いカチで指を裂かれ、あえなく撤退となった。
ゴーストフィールド

少し下って、穴課長とかの岩にあるファントムタイム(三段)もやってみる。
こちらは保持の強度がそれほどでもないので、テープを巻いていても支障はなさそう。
しかし上部の苔がずいぶん逞しく、ホールドが埋もれかけている。
ワイヤーブラシを忘れてきたので、普通のブラシで軽く磨いただけでとりあえずトライ。
見た目より浅い凹状に入り込むのが難しかったが、何とか解決。
が、リップ下のポケットを取って奥のスローパーを叩いたら、手に苔の感触がモサっときた。
そこそこ高さもあり突っ込めずに飛び降りた。
うーん、こういう状況がなかなかねじ伏せられない。とりあえず、次はワイヤーブラシを持ってこよう。

それからは下の方へ戻り、光と影(三段)をやったものの離陸で精いっぱい。
こういう強傾斜の両手アンダーは相変わらず苦手だ。
すぐ下のトレイルハングライト(二段)は、やっているうちにムーヴが見つかって登れた。
ぴょんぴょん跳んで初めは「こんなの止まるんか」と思ったけれど、ちゃんとムーヴがあるものだ。
あとは転過音(二段)とゲームチェンジャー(初段)もやってみたが、どちらもダメ。
指の皮が減って、自分から染み出る汁でヌメるようになるとどうしようもない。
瑞牆でもすでに暑いことに、さすがにちょっと悲しくなる。
唯一登れたトレイルハングライト



4月5日 小川山
前日遅くまで雨が降っていたので、乾きのいいところでも登れるかどうか...と思ったものの、あさこさんと小川山のボルダーに出かけた。
水晶スラブ下なら乾くかなと期待したけれど、どうも薄曇りでカラッとしない。
案の定、岩はしっとり。ところによってははっきり濡れている。
とりあえず簡単な課題でアップして、ヒッパルコス(2級)のSDのありがとう(初段)をやる。
昔にトライした気がするが、登れた記憶がない。
スタートの粗い結晶が水を含んでいるのか、離陸すると2秒でヌメヌメ。
ヒッパルコスに合流するまでの2手がバラしても出来ず、指がゴリゴリ削られて敗退。

苦し紛れに伴奏者と頭痛をやってみたものの、伴奏者が0.5歩くらい進んだ程度。
たまに来て思い出したようにトライして登れるほど、自分はスラブが上手くないと再認識。
襟元を正さなくてはいけない。というか、スラブが得意になった覚えがそもそもないのだけれど。
あさこさんがトライしていた虹の入り江だけはどうにかリピートして、「これでボウズじゃないぜ」みたいな顔をしておいた。

一瞬コンディションがマシになったような気がしたので、神無月(初段)もやってみた。
これも凄く昔にトライして以来、「できない初段」という扱いになってしまっている。
10年ぶりくらいに真面目にやってみると、ちょっとマシ程度のコンディションで苦しいけれど、なんとかムーヴがバラせた。
「これは宿題回収できるんじゃないか」とテンションが上がって繋げ。
が、やはりこのコンディションでいつもより速いペースで減った指皮では、繋げられず。
40点くらいのトライを繰り返して、今回も敗退。うん、ちょっと悔しい。
神無月

最後に石の魂に移動して、これまた登った記憶がないA.A.I.T(初段)をやってみたが、
すでに真っ赤を通り越してちょっと白くなっている(?)指では、鋭いカチが握れるはずがなかった。


ヌメる→強く握る→持てない→皮が減る→ヌメる→さらに持てない→皮が減る、の悪循環にハマるとどうも抜け出せない。
末端にばかり汗をかいてしまうこの体質をどうにかする薬とか、ないのかな。
カメラを向けられている気配に振り向く

2026年4月6日月曜日

辛い時期

3月の後半にかけて花粉症がピークを越え、やっと鼻の調子がマシになった。
それで安心したのも束の間、今度は花見の季節で気温が上がる。
鼻が辛い時期を過ぎると、今度は指に辛い時期が始まってしまう。

3月14日 野猿谷
前の週にプロジェクトが終わったので、やっと他の課題に手を出せる。
この日は04エリアに行き、やりかけの四段に励む日にした。
見ざるとか言わざるのあたりで軽くアップして、まずCandy Crush。
リップの上がかなり苔むしているので、上から届く範囲で掃除もした。
暖かくなった割にコンディションは悪くなく、立ったところからムーヴをやって少し進展。
右手を送った後、左手のスローパーを寄せるのが悪い。
ヒールで腰を入れているのが、効くようで効いていない。
スローパーの感触が悪くなってきたので、ほどほどでやめ。

続いてハヌマーン。
前回どうにかハイステップに体重が乗ったことを思い出し、その感触を信じてトライすると、急に足が踏めるようになってきた。
これまで出せなかった手が出て、一段上のホールドまで届くようになってびっくり。
「お!これはあのくぼみが取れれば終わりじゃないか!?」と色めき立つ。
が、肝心のくぼみがまるで持てない。なんだか、初めて1手目のスローパーを叩いたときと同じだな。
くぼみに手を出すところまではコツがつかめると何度もできるが、そこから進展せず。
まあ、この程度で終わったらそもそも四段ではないか。
それから因縁の猿芝居に軽く手を出したものの、まるで成長を感じなかった。

この日やりたい課題が終わったので、以前アイスエイジ(初段)を登ったときに気になったリービングモンキー(二段)を掃除。
ひとしきり苔を落として、この日は終了。
リービングモンキー


3月15日 野猿谷
ハサマリングで09エリアを回るつもりだったが、その前にリービングモンキーに寄り道。
すぐ下にある軸運動(3級)をアップのつもりで触ったら、あまりに悪くて敗退しかけた。
なんだか、何回かに一度はアップで触った課題にやられている気がする。
で、リービングモンキーのホールドを軽く掃除してからトライしてみた。
下地の悪い方へ悪い方へとトラバースしていくところが気になっていたが、そもそもそこまで行けず。
ほぼ垂壁みたいなスラブに立ち上がるところからもう悪い。
結局ここが解決できず。やはり二段となると一日仕事、もしくはそれ以上が普通なようだ。

上の方に上がり、スウィートヴァージニア(1級)からハサマリングスタート。
長めのルーフの出口が苔むしているけれど、とりあえず掃除せずに登れそう。
暗い穴倉の奥のチョックストーンがスタートとなっているが、両手で引いたらゴソっと動いた。
引っこ抜けて落ちてきたらまずいサイズなので、チムニーに挟まってそっとマッチしてスタートした。
ルーフ部分は見た目よりも登りやすく、3トライくらいで登った。

その後急激に鼻の具合が悪くなり、くしゃみが出続けた。
あまりにくしゃみをしすぎて、なんだかフラフラする始末。
なんだか気分がすぐれず、下地が怪しいアカマタ(3級)はパス。
こういうタイプの課題をこなす、というより突っ込む根性が、最近弱くなってしまった気がする。
次に行った平日休み(2級)からはちゃんとやる。
平日休み

平日休みは逆にものすごく小さく、そしてとにかくスタートから悪くてハマった。
地面が近すぎるのも厄介。尻もちをついたら栗のイガが刺さってひーひー言わされた。
どうにか解明して、これは登れた。
それからすこし移動して粗忽長屋(4級)と頭山(1級)、すぐ上のピルグリム(1級)。
粗忽長屋と頭山

ピルグリム

頭山は相当な変わり種で、スタートから後ろ回し蹴りのような大開脚でギリギリチムニーに突っ張って登った。
ピルグリムは結構長さがあり、途中からジャムが効かなくなる。山のエリアなので岩もガビガビで、すり下ろされるショウガの気分だった。
さらにキャラメル(3級)とゲートウェイ(2級)を登り、あまりにも鼻が出て苦しいので早めに終了。
帰りに05エリアでも登ろうかと思っていたけれど、眺めただけで素通りした。
花粉症の今季最高潮の1日だったらしく、帰りの運転中も涸れ果てるほど鼻をかんだ。

2026年3月11日水曜日

「象」

先週末、野猿谷でトライしていたプロジェクトを登ることができた。


3月7日 野猿谷
前夜が結構な雨で、雷まで鳴っていた(気がする)ので、ゆっくり出発。
昼前くらいに着くと、名簿には1組だけ名前があったものの、エリアは完全に貸し切り。
平日ならいざ知らず、週末なんだけどな。なんだか、これはこれで贅沢だ。
地面が湿っているので湿気が上ってこないか気になったけれど、岩は完全に乾いていた。
02エリアに着いて、とりあえずアップ。
パブロ(3級)を登り、パブロSD(2級)をやったらハマりかけた。
すぐ近くのコバ(初段)より難しくないか。ちょっとムキになって登った。
指皮がやられる前にと、さっさとPにトライ開始。
1トライ目から、「これが取れたら終わり」のガバにタッチして落ちる。
十分に手が伸ばせていなかったものの、足は左の岩に当たらず、この1回で「今日登れる」と確信した。
2回目は伸びきる前に足が抜けて落ちた。
フットホールドを磨いて踏むポイントを見直し、3回目。
最近の関節炎の原因はこいつなんじゃないか、というカチを本気で握り込んで手を出す。
最後のガバに届きかけたときに一瞬早く足が抜け、2本指でギリギリ耐えた。かなり吠えた。
周りに誰もいなかったので、岩の上で小躍りして喜んだ。
先週の、足が左の岩に擦ったトライで納得しなくて本当によかった。
直感的に「今のは、何かちがう」となったことを強引に吞み下してしまったら、この小躍りはできなかった。
リーチというか身長に相当依存する課題で、良いフットホールドから手が届く巨人には楽に感じることだろう。
そう考えるとグレーディングが難しいが、思えば緩傾斜のクライミングはその宿命にあるのかもしれない。
野猿谷で登った同系統の三段(こけ猿の壺、猿の手、百日紅など)よりも難しく感じたのは確かだ。
しかし体格で相当に感じ方が変わることを考慮しつつ、暫定的に三段としておこうかな。
課題名はThe Elephant in the Room。留学中に教わって印象に残っていた慣用句から採った。
一先ず、これにて満足。気持ち晴ればれだ。


昼を挟んで、前に掃除しておいたモンキージャック(初段)とモンキーフリップ(初段)も回収。
が、隣にある初音の鼓(初段)は浮いただけで敗退。こういう初段も、やっぱりある。

02エリアがひと段落着いたので一度駐車場に戻り、何をやるか考えて、宿題になっているハヌマーン(四段)をやりに行った。
先シーズン気合を入れて掃除したおかげで、まだあまり汚れていなかった。
ムーヴは今回も解決できず。相変わらずつるつるのスローパーが持てない。
一度だけ次の手が出たけれど、あえなく右足がすっぽ抜けた。
これも結局、しつこくやってみるしかないですね。

少し早かったけれど、17時には撤収。


3月8日 野猿谷
指皮が結構減っていたので、ハサマリングDayにした。
が、前日よりも寒かったので、この冷え込みを惜しんで半日は普通の課題をやった。
09エリアまで上がり、これも宿題になっている包囲された城(二段)へ。
先シーズンムーヴはできたものの繋げられなかった。
ここのムーヴは一応できたのに、繋げると核心で腰が上がらない。
右手の指皮は痛いので、ほどほどでやめ。これはまた次回。
そこから近くにある室井さんの新課題をあれこれ回ってみて、トフィー(初段)だけできた。
クラックの右のスラブに上がるのがトフィー


07エリアに下り、今週もいざハサマリング修行。
最初に行った八つ墓(二段)は、しばらく登られていないようで自然に還りかけていた。
そもそも07エリア自体が全体的に不人気な様子。
「南無南無」と思いながら苔を落とし、いざトライ。
出口のハンドジャムに入るまでの手順を組むのに結構手こずった。
それが出来て、核心になる出口~マントルは案外すぐにバラせた。
ただ、腕を狭い隙間に押し入れすぎて肘が痛い。
これは長期戦は苦しいぞと、集中して繋げて、3回くらいで登れた。
八つ墓

続いて、少し下流の犬神(二段)。公開時には「八つ墓と並んで野猿谷最難のハサマリング」とされていた課題。
こちらも丸いリップが苔むしてきていたので、掃除してからトライ。
八つ墓と違い、犬神は途中からバラせる類のものではなく、毎回スタートから。
あれこれ試したけれど、結局反転するしかないなとなって、逆立ち状態で四苦八苦。
出口が開きすぎていてヒールトウがすぐ効かなくなるので、ポジションを上げていくのが難しい。
どうにも掴みどころがない、というかそもそもフットホールドすらないので、あまり光明も見えない。
が、一人でゴソゴソやっているうちに反転に持ち込む良いムーヴが見つかり、
体を上げていくときの手の効きをかなり意識したら、突然ポジションがぐんぐん上がってそのまま登れた。
いきなり登れてびっくりした。
犬神

最後に、05エリアの端にあるエウロパ(1級)とガニメデ(初段)へ。
以前覗いてみた時には下が川になっていたけれど、今年は水が無かった。
流心に近いのでどこもかしこもツルツル。
エウロパのマントルを返しかけたところで足が抜け、右のまぶたを岩に擦って流血というハプニングも起きた。
数センチずれたら右目から岩に突っ込んでいたかも、と思うとひやひやする。
怖さが増してくる前にエウロパを登り、途中から分岐してもう1セクション頑張るガニメデも数トライで回収。
磨かれすぎた岩肌が手にはフレンドリーだが、足には非常に悪かった。
左抜けがエウロパ、右の岩に移って奥の穴から出るのがガニメデ


主に八つ墓と犬神で頑張りすぎたのか、太ももがヨレヨレで攣りそうだった。
ヨタヨタ歩いて車まで戻り、帰った。


プロジェクトはめでたく終わったけれど、もう少し寒さは残るらしい。
ハサマリングもまだまだ残っているので、あと数週間は野猿谷のシーズンを満喫できそうだ。