この冬も、気づけば野猿谷通いが続いている。
昨年の年の瀬に一度行って、年末年始で間が空き、先月からはいきなり毎週末になった。
今シーズンは成果も出ているので、春の気配がしてきたこの辺でまとめておく。
12月21日(土)
秋に痛めた肩の調子が良くなってきたので、久しぶりにボルダーにシフト。
一度寒波が来た後で気温が上がったのと、当日の小雨交じりのコンディションとで、登りはイマイチだった。
いくつか気になる課題がある01のエリアに行ってみた。
と、その気になる課題のいくつかは既に自然に還っていた。回転寿司の緑茶の粉をまぶしたみたいになっている。
ワイヤーブラシを持ってこなかったので、ひとまず登られていそうな課題を回ることにした。
軽くアップしてからやったロディ(初段)で少しハマったものの、数回で登り、
続いてやったモンキーシャイン(初段)も数回で登った。
この日の本題のひとつだったモンキーシャインSD(三段)は全くできず。
フリクションがないスローパーと、2本指のカチがまるで持てていない。
次にやってみた青行燈(初段)は、同じように保持負け気味だったので、リーチでねじ伏せて登った。
青行燈
02のエリアに移動。トライしている人を見たことがないCross Love(二段)をやってみる。
ホールドが埃っぽいが、磨けば何とかなる程度だった。
1トライ目でバルジを抱えた状態から派手に落ち、「あいたたた」と起き上がると、左の腹に冷たい感触が。
驚いてTシャツをまくり上げると、左胸にあるホクロが半分もげて大出血していた。
ホクロって取れるのか。
とはいえ長年連れ添ってきた相棒を千切り取るのは忍びないので、そっと圧迫して止血。
Cross Loveはその後2、3トライで登れた。かなり易しく感じたけれど、良い課題。
Cross Love
それから04のエリアに移動して因縁の猿芝居(初段)をやったものの、まるで進展なし。
百匹目の猿(1級)とかジャンプ51(1級)を登ってお茶を濁し、
最後にやった06エリアの盃(初段)でマット外に落ちて怖気づき、撤退。
もう少しでいいから、コンディションも高さもねじ伏せられる強さが欲しい。
この日の反省から、この冬は保持力トレーニングを見直すことに決めた。
2月15日(土)
ノミーと誘い合わせて野猿谷。結構間が空いてしまった。
猿芝居にやられすぎてしばらく放置しているストーンモンキー(四段)をやりたかったが、
久しぶりに覗いてみるとリップ上が自然に還りかけている。
ということで、しばらくロープを張って掃除。苔の下の部分が凍り付いていた。
苔は落としたものの、全体的にしっとりしているので、この日はトライせず。
最近やっと4mmのエッジで1秒くらい浮けるようになり、ノミーに「だったら猿の手やったらいいですよ」と勧められたので、やってみる。
05のエリアの易しい課題でアップ。やったことのなかった一つ目小僧(1級)と、室井さんの新作らしい邪眼(初段)も登った。
それから本題の猿の手(三段)。
ここを通りかかるたびにトライしていたものの、以前はまるで離陸できなかった。
今年は、カチトレと寒波のおかげか、ムーヴができるようになっていた。
スタートは相変わらず「これかよ...」というエッジだが、なんとかなるもんだ。
1手目が一番悪く、そこを止めた状態からはなんとなくスラブに這い上がれることだけ確認して、あとは繋げ。
昼を挟んでトライしたものの、なかなか1手目が止まらず。
ふと「これは足がしっかり踏めていないのでは?」と硬いエッジングシューズに変えてみたら、これが当たり。
が、1手目が止まってスラブに這い上がったのに、上部でスリップ落ち。
このトライで重要な右の人差し指を裂いてしまい、この日は敗退。
ノミーはkazahanaの小さいマットだけで独舞台(初段)を登ってハートの強さをアピールしていた。
ハートは強いのに、その後アプローチの川で滑って服を濡らすという茶目っ気も忘れない。
この男、できる男である。
ダウンすら濡らしたできる男
その後は04のエリア51(二段)をやってみた。これも登ったという話をまるで聞かない。
かなり頑張ってリップは止まるようになったが、これがマッチできずに終わった。
テープを巻いて登れるほど易しくない模様。
これはまだ離陸したばかり
2月22日(土)
空を覆う雪雲に怯えつつ、野猿谷。ノミーと、サンチェ親方も来ていた。
この年代としてはそれこそ世界一元気なのではないか、というくらいに元気。流石は親方。
この日は初めから猿の手を登るつもりだったので、アップしてすぐにトライ。
指皮が育って硬くなっているので、ホールドの痛みやヌメりには強いけれど、
保持感が馴染んでくるのには結構時間がかかった。
「あれー、できない」とか言いつつニギニギしているうちに、腰が入って1手目が止まり、上部へ。
前回足が抜けて落ちた最後の一歩も慎重に乗り込んで、無事に登れた。
この課題では、4mmのエッジにぶら下がる力はやはり武器になる、ということと、
フットホールドの形状やムーヴでシューズ選びを見直すべき、ということが分かった。
僕のように重量級のクライマーは、特にその辺を考えた方がいいのかもしれない。
一先ず、宿題が片付いて安心。
ノミーと親方はこけ猿の壺(三段)をやっていた。
雪が舞っているというのに、脱ぐ
その後は下に下って、一人で猿芝居をやってみたものの、やっぱり登れず。
年末にノミーがついにこの課題を登り、野猿谷謎課題被害者の会(仮)の暫定トップに躍り出た。
そのノミーにムーヴを聞いて試しても、まるでできなかった。うーん、悲しい。
最後に06エリアの空者(二段)を掃除してやってみたけれど、これも「???」だった。
2月23日(日)
野猿谷で連登。この日は一人だった。
前日の雪は積もらなかったらしく、朝からいい天気で状態も良かった。
この日は09のエリアで登った。
室井さんが最近(?)追加したらしい深宇宙(二段)をやり、周りにある登っていない初~二段を回収して回るつもりだった。
が、まずアップでやったボイジャー(2級)で猫パン。流血して、爪も数か所割れた。
いきなり先行きが怪しくなる。敗退の二文字がよぎったけれど、ボイジャーはなんとか登った。
次に隣のペイルブルードット(初段)。高いスラブで緊張する。
これは3トライで危なっかしく登った。独特の粒々に立ちこんでいく後半の核心は痺れた。
ペイルブルードット
そもそもアプローチが一番遠いところにあるし、無理もないか。
薄被りの豪快なレイバックから、いかにも丸っこいリップへ出ていくラインで、そこそこ高い。
見た目にもそそられるので結構頑張ったが、リップ周辺が解決できず。
ああいうスローパーはどうしたら持てるのだろうか。
少し下って、1年前くらいに敗退したモンキーウエディング(初段)。
これは微妙なカチを本気で保持してギリギリ登った。それこそ猿の手並みに握った。
モンキーウエディング
少し下の青銅の蛇(初段)に、お金を食う怪獣、もといK原さんがいたので、一緒にやってみる。
これはこれで指に結晶を突き刺して持つ類の課題で、トライの度に悶絶。
みるみる右人差し指に穴が開いてきたので、ほどほどでやめておいた。
そして結局、次にトライした包囲された城(二段)でここに完全に穴が開いて流血。
包囲された城はムーヴをバラしただけで敗退。
指から血が出たまま、最後にエリアの隅にあるサイケデリック(初段)へ。
2日目の最後でいい加減ヨレてきたのか、サイケデリックは保持系でもないのにしばらくハマった。前傾カンテをガシガシ登るのかと思いきや、核心はなかなかに繊細だった。
ついでに同じ岩の平行世界(初段)も登っておいた。
こちらはスタートからほぼ垂直跳びのランジで、身長で得をした気がする。
こういう、グレードを下げて数を登る日も楽しいのだけれど、それならもう何段かきちんと稼ぎたいなと思う。
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