Iqbal wallに登る日。
朝食で久々にアルファ米を食べた。
アプローチ途中で2回の腹痛。先行きに多少の不安を覚えつつ、予定より30分遅れくらいでクライミングスタート。
1ピッチロープをつけて登り、上の壁の基部までは草付きの歩き。壁に当たったところでクライミングを再開。
ここは変則チムニー〜易しいワイドときて、最後はジャリジャリのハンドトラバースに入り込んでしまった。えらくしんどいピッチになってしまって、ライン取りをミスした気がした。
その後、歩きのピッチ、5.9程度のコーナーで広いリッジに出た。続けて草付き、チムニー〜クラック〜トラバース。このピッチも中間に出てきたレイバックがしんどく、こなした後酸欠になった。ぜーはー言いながら、この高度でボルダームーヴをこなすのが生半可なことではないと思い知った。順応が必要なわけだ。
最後にチムニーから分かれてスラブを登り、一応壁の上にあるリッジに立った。でも、まだリッジは上へと続いていた。余力も時間も余裕もなかったので、頂上へのリッジへは継続せず、来た方向へ下降した。
5.9程度のコーナー
下降
6ミリの捨てヒモを結構な量消費して、草付きの斜面に降り立ったのは16:30を過ぎた頃。そこからの下りもまだ長く、ラペルをもう一度はさみ、取り付きの辺りに戻ってデポしたホールバッグを回収。BCに戻ったのは19:00頃だった。
エガワさんにはなんとかピークに立ってほしかったが、順応も十分に出来ない強行スケジュールの中ではよくやった方なのかもしれない。それでも反省は山積み。
夕飯に出てきたポテトがやたら美味かったが、あまり食べられなかった。
8月10日
朝から雨。小止みになったタイミングで、エガワさんが荷物をまとめて下山していった。
あとは特にやることもなく、雨が降ったりやんだりする空模様と合わせるように寝起きを繰り返した。絵に描いたような沈殿。
混ざったままのギアを仕分けしてみたり、NetflixでダウンロードしておいたDawn Wallを観て、もう4回目だというのにウルッとしてみたり。持ってきた文庫本もかなり読み進めた。時間つぶしのために持ってきたものを着実に消費していっている。沈殿が何日も続いたらもたんぞ。
夕方、雨が上がったときに、壊れた双眼鏡でNayserを観察してみた。これといって大きな成果はなし。ラインもよく分からないままだった。もっと倍率の大きなものでないとダメか。あとは現地で読み解くしかないのか。
8月11日
また今日も沈殿。
持ってきた本は読み終えてしまい、いよいよ本格的にやることがなくなってきた。寝て、起きて、茶を飲み、イクバルの作ってくれる食事を頂く。あとは特になし。
腹の調子はずっと良くないまま、ずっと下り続けている。胃薬も聞いているやらいないやら。原因はいろいろと考えられる。高度、水、食事、そもそもの生活云々。スパイスは最近控えめなので、そうなると考えられるのは油だろうか。食べれば美味しいと感じるのだが、あまり油分を摂りたくなくなってきている感じもある。さっぱりした麺が恋しい気分。
夕方、日本に電話して天気予報を入手。明日明後日が回復し、14〜16は崩れるとのこと。ということは、この先2日が実質のラストチャンスか。その1回のチャンスをものにできるか。やはりこれは、大人の遊びらしい。
8月12日
今日は晴れた。
午前に洗濯などしていると、遠くに人影。ポーター軍団がざわざわとやってきた。今回はベルギー人パーティーのトレッキングだった。5〜6人いるらしく、キャンプも大規模。しかし、明日にはもう帰るのだという。クライマーでないのが残念。ポーター軍団は近くの石積みのところにシートで屋根を作ってビバークしている。なるほど、あちこちにあるこの石積みはそうやって使うのか。
昼食後にNayserの下降路を偵察しようと出かけたものの、途中でまた腹痛。からの、下痢。今回は特に酷く、完全に病気のそれ。BCに戻るしかなく、偵察はアラカワくんに一任。流石にイサにも心配された。ひたすらトイレで流し出して、あとは腹にガスがたまる一方。結局、何が原因か未だに分からず。
2時間ほど寝るとアラカワくんが帰ってきた。衛星電話で改めて予報を聞いても、状況は特に変わらず。やはりアタックするなら明日しかない。夕飯は油少なめなものにしてもらい、腹の張りを気にしながら食べた。
予想していなかった形で正念場。遠征は折り返しとなった。
夕闇に浮かぶNayser Brakk
洗濯にいそしむ半現地人アラカワくん
0 件のコメント:
コメントを投稿