Nayserに登る日。
4:00起き、5:00発。昨日の夕食を油控えめにして、朝食をアルファ米とフリーズドライにしたおかげか、腹の調子は1日問題なし。というか、そもそも出ず。何なのだろうか...
Nayser東側のルンゼを詰めて、コルを目指すアプローチは、中盤まではほとんど沢登りだった。なんだか益々、夏合宿っぽいぞ。
しかし高度のせいもありペースは上がらず、残雪とガレを上ってコルに着く頃にはヘロヘロに。
気を取り直して、British Routeに取り付く。初めの2ピッチは広いスラブの中を軽い音のするフレークを繋いで登るもので、好きなタイプだがルートファインディングに時間がかかった。3ピッチ目はアラカワくんがリードしてリッジに出て、4ピッチ目で更にリッジ上を伸ばした。ここも若干プアプロ。
5ピッチ目でアラカワくんが行き詰まり選手交代。一層ランナウトするトラバース〜スラブだった。
そこからの3ピッチは、完全にリッジに乗ってのトラバース。特に最後はノープロで馬乗り。これは怖い。
16:00頃にトップアウト。雨雲がすぐそこまで迫っていたので、急いでリッジトラバースの3ピッチを逆走。ラペルに入るところで、完全に雨になった。寒く、濡れとロープが巻き込む砂に苦しみながら、計6ピッチのラペルをこなし、コルに降り立った時には薄暗くなっていた。
ここでビバークする案もあったが、濡れて寒いのでやめ。コルから反対側の谷へ下山。アラカワくんが偵察しておいてくれたおかげで、暗い中でも確信をもって下りることができた。
月明かりの下、BCに帰ったのは21:00過ぎ。長い1日だった。
BCに着いたら真っ暗
8月14日
朝から雨。
昨日の疲れからか、眠りが浅いままだった。当然することもないので、ひたすらゴロゴロした。濡らした衣類やギアを干そうにも、雨は降ったりやんだりなので、外には出せず。暇を持て余して、6ミリの捨てヒモでテントの天井に物干しを作って、申し訳程度に吊るしてみた。
夕方、また衛星電話で天気予報を聞いてみると、15〜16が少し回復、17から荒れ模様で、BCでも雪の可能性ありということだった。流石に困った。17に天気が回復して、その日に少しだけ登れるかも、なんてことを期待していたのだが、荒れてしまっては下山すら危うい。
ということで、イサにフーシェへ連絡を入れてもらい、なんと明日の夕方にポーター軍団が上がってくることになった。
アラカワくんはイクバルとイサにチャパティの作り方を教えてもらい、夕食にはその作品が並んだ。道具を一式買って帰るとのこと。益々彼のパキスタナイズが進む。
こうやって薄く延ばすのが難しいらしい
8月15日
思いがけずBC最終日。
午前中は濡れたままだった物を干す。ついでに選択も済ませた。
午後はアラカワくんの希望でNayserの末端にある壁を登りに出かけた。BCへの道が川べりをへつる辺りに、たしかにいい壁があった。
アラカワくんが勇ましくリードしていったものの、早々にカムを消費して30メートルくらいのところでピッチを切った。
「どれ、貸してみなさい」とバトンタッチして次のピッチに乗り出してみたら、クラックやフレークが尽く閉じていてランナウト。内容は変化に富んだ5.10という感じで面白かったが、かなり緊張した。
そして、ピッチを切っても下降するポイントが見つからずうろうろ。結局、やっと見つけたピナクル状で60メートルのラペル一発で降りられたが、ナイフをBCに置いてきてしまったので、自前の180スリングとカラビナを残置。壁が素晴らしいだけに、後味の良くない終わり方になってしまった。
BCに戻ってから、片付けをして、最後の晩餐。アラカワくんが、「今夜はなにかジャパニーズフードを作るよ」と宣言した手前、悩んだ末に大量に余っていた卵で卵とじ(風)をこしらえてくれた。サーダーさんがコーラとマトンを持ってきてくれたおかげで、盛り沢山の夕食だった。また食べすぎた。
夜中に起きると、満月で花の色が分かりそうなくらい明るかった。
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