2021年5月4日火曜日

Throwback 2(2020.7~2020.12)

 〔2020.7月〕

長梅雨のためほとんどジム。

まぶし壁に目づくりで登った課題を律儀に書き残していったら、

年末くらいに課題ファイルが埋まるという事態が起きた。


〔2020.8月〕

・北アルプス龍王岳

学生のときに2度行ったことがある龍王岳のボルダーに行った。

特になにか成果があったわけではないけれど、久々の山岳ボルダーは純粋に楽しかった。




〔2020.9月〕

・弁天岩プロジェクト

梅雨明けから弁天岩のプロジェクトに通い始めた。

前年は遠征やらなにやらで1日しか行けずに終わっていた。

自分の時間ができたからには、これを進めていくしかない。

前年まで見ていた直登のラインがハードすぎてあまり可能性を感じないので、

改めて壁を見直して、結局中間部から完全に分岐する新しいラインが見つかった。

掃除をしていくと、ブランクかと思っていたセクションにキーとなるエッジを発見。

これでどうにか繋がりそうだったので、ここにラインを定めて終了点を打った。

実際にやってみるとムーヴはこちらも十分に難しく、

核心のセクションは夏の間には解決できず、9月に気温が下がってやっとできた。

プロテクションやロープの流れなども検証して、終了点以外はオールナチュラルで登れることが分かった。

二十億光年の孤独(5.13b)は中間に残置のハーケンがあるが、こちらはなし。

それだけでも、このラインを登る価値がある。

ムーヴの目途が立って、トップロープである程度繋がったところでシーズンアウトした。


〔2020.10月〕

この月は、瑞牆でシングルピッチの13をまとめて登った。

・フリーダム(5.13a)

末端壁に行く機会があったので、数年ぶりにトライ。

何年か前、ソニー・トロッターが来日したときに1回だけトライしたことがあった。

その時の記憶を呼び覚ましながら...と思ったけれど、ほぼ忘れていた。

この日2回目、日没後夕闇が迫る中ギリギリRP。

最大の核心の繊細さ、中間以降のストレニアスなコーナーとランナウトが充実感を増す。


・ファラオ(5.13b)

春にムーヴを作ってから一度足が遠のいていた。

行った日も下部のクラックは湿気っぽかったけれど、核心はパリパリ。

ヴィーナスと共通の出だしから核心前のハンドジャムまでで12前半、

その後に1級程度のボルダームーヴがあって終了、という感じ。

ランナウトはそれほどではないし、プロテクションのセットがシビアなところも特にない。

国内では貴重なクラックの13だけれど、比較的トライしやすいのかもしれない。

トップロープでのリハーサル後、リード1回目でRP。

こういうルートを、リハーサルなしで勝負できるようになりたい。


・神の手(5.13c)

DKがプロジェクトをトライするのに同行しつつ、ちょくちょく触った。

これも瑞牆本の撮影のときに一度トライして以来の、中途半端な宿題。

これはDKがプロジェクトを初登(神のおこぼれ)した後、次に行った日にRP。

12の中間くらいのフェースを登ってレスト、2級か1級くらいのボルダー、という感じ。

同じような展開だけれど、即身仏の方が難しく感じた。


・息吹(5.13b)

エッジのキタ店長に「杉野さんの遺作!」と誘われて二つ返事で便乗した。

植樹祭エリアのダイワハウチュ、石触エレジー(5.11b)右側のフェースを登る。

瑞牆本には載っていないので、存在を知らずにいた。

中間にバンドがあり、それを挟んで前半と後半それぞれに核心がある。

前半の核心は前傾カンテで細かいホールドを繋ぐ、結構ガツンとくるボルダーセクション。

後半は一転してデリケートなスラブフェース(短め)。

ルートの展開としてはエクセレントパワーに似ていなくもない。で、ちょっと難しい。

オンサイトは当然のようにできず、ムーヴをバラしたところで「今日のうちに」と考え始めた。

2回目は核心で指が悴んでしまって落ち、雨雲が迫る中3回目でRP。

このグレードをワンデイで登れると思ったことは、記憶の限りなかった気がする。

エッジの伊那店ができてリードのトレーニングがしやすくなったことも幸いしていた。


〔2020.11月〕

・小川山合宿

N社長の呼びかけで、小川山のルートの撮影合宿に参加。

小川山で連日ルートを登るなんて、それこそ何年振りだろう。

撮影が優先だったので、自分でルートを選んで登ることはなかったわけだけど、

こういうときでないと登れないルートを登ることができた。

その最たるものが、屋根岩本峰の月形半平太(5.12a)。

屋根岩5峰から西側、目の前にそそり立つ本峰スパイヤーが気になった人は僕だけではないだろう。

その中央に1本だけあるこの謎なルートのことが、いつの頃からか気にはなっていた。

今回撮影リストに紛れ込んでいたこのルート、社長からの指名もあり、登る機会に恵まれた。

気になっていたアプローチは、実は案外近く、5峰の下部岩壁から5分くらい。

これなら5峰のガメラ岩まで上がるのとあまり変わらないかも。

ルートの内容はボルトとカムのミックスで、クラックありフェースありの40m。

チョーク跡は当然皆無で、ルートファインディング力全開で登った。

2020年で1,2を争うくらい、非常に印象的なクライミングだった。


・小ヤスリ、小面岩など

この月はこれまで登っていなかったマルチなどをあさこさんと回った。

小ヤスリの山灯火(5.12d)、微笑街道(5.12c)OS、

小面岩の一刀(5.11b 8P)OS、ホケイ岩のサイドワインダー(5.12c 3P)OSなど、

「気になってはいるけど行く機会がなかなか...」というリストを減らすことができた。

特に、サイドワインダーのOSはかなり集中した登りができた。

12台のマルチのオンサイトは初めてで、夏以降のリードの登り込みがここにも効いていたと思う。

それに、この時期でもまだ瑞牆でマルチが登れることも、自分としては発見だった。


〔2020.12月~ 年末年始西日本ツアー〕

もはや恒例となった年末年始ツアー。今回はあさこさんと一緒に、四国から九州へと足を伸ばした。

なかなかに盛りだくさんだったので、エリアごとに。


・高知、大堂海岸

まずは前年も行った大堂海岸。と、そこに行く前にちょっと黒潮ボルダーに寄り道。

松風(1級)を3通りくらいのムーヴで登った。あさこさんも逆転サヨナラでゲット。



大堂海岸ではマルボー師匠ら開拓チームに混ざって、最果てエリア周辺で2日登った。

最果ての最果てでPDがつく10台のフェースを登ったり、

最果てで国内最高(最強?)の10aと名高いラズベリージャム(5.10a)を登ったり。

続けて登ったハートロッカー(5.10b)も合わせて素晴らしかった。

50m以上で1ピッチ、壁に走る摂理を繋いだ合理的かつ贅沢なライン。

しかもこれがグラウンドアップだというのだから、完全に脱帽。師匠、参りました。

それと、今年も山田鮮魚店の魚は素晴らしかった。これからも毎年来たい。


年末の寒波で大荒れの中、フェリーに揺られて酔っぱらいながら九州へ移動。

佐賀関で食べた定食のアジがぴちぴち動いていてびびった。


・鹿児島、大隅半島

CJC終わりの福の神と、さらにチーム長野が合流して、自分としては初めての大隅。

岩の量とロケーションに圧倒される。月並みだけれど、ここは日本なんだろうか。

岸良ではサル左衛門曰く未登らしいラインを片っ端からセッションして登った。



Drink the Seaもやったけど、さっぱりできず

船間漁港にも出かけて、鹿児島チームと紺碧(初段)などなどでセッション。

イサムくんが先陣を切ったトライで指まで切って血だらけになり、一同ドン引き。

実際にやるとそれほどえげつなくはなかった。これも素晴らしい課題。



エリア入り口のシンクラック(5.10bくらい?)もよかった。

ここにはルートが開けそうな魅力的な壁もたくさんある。また来なければ。


ダツが落ちていた

年始につづく

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