2022年3月17日木曜日

大移動

花粉症がひどくなってきた。毎年この時期は登りに行くのが少し辛くなる。

先週末はよくよく走った。
土曜日に群馬の方へ出かけて登り、夕方から南下して城ケ崎まで行った。日曜日はそのまま城ケ崎。
走りながら途中で「我ながらえらくお金も時間もかかることをしてるな」と思ったが、
こういうのは冷静になってしまってはいけない。

土曜日、単身群馬のボルダーへ。
実は先月、ふらりと岩を見に行ったことがあったが、その時は雪の下だった。
今年は例年よりも遅くまで雪が降っているので、3割くらいは賭けの気持ちで出かけた。
結果、雪は日陰にちょっとある程度だったので一日問題なく登れた。

まず行ったのは榛名。有名な黒岩の下に金剛岩というボルダーがある。
課題の情報はなんとなくだったけれど、とりあえずアップそこそこに千丈直上(初段)。
核心のガストンが思ったよりも悪くハマりかけて、危なっかしく登れた。
続いて金剛(三段)。これは実質三手で結構保持系。
スタートのカチで皮をゴリゴリ削られて即テーピング。
微妙な保持感のホールドで動いていくポジションが分かったらムーヴがバラせて、繋げ数回で登った。
左が金剛、右が千丈

その後呪文(二段)もちょっとハマりつつ登って、最後に無名のハイボール(1級)も登った。
高さにビビらなければ少し易しい気もするけれど、内容は良かった。

これで一先ずここでやりたい課題は終わったので、思い切って赤城へ移動。
下道で1時間半くらい。日が長くなるとこういう大胆な移動もできる。
赤城は以前偵察に来た時に、林道が凍っていて危うく事故りかけた。今回は快適に行き着いた。
ここは比較的小粒なボルダーがごろごろとあるけれど、最初から本題の凹面岩へ。
下地は狭いが、まあなんとかなりそうなので、まず土木(二段)。
これがどうにも難しい。それらしいムーヴすら見つかってこない。
中間部までは解決したものの、そこからリップへ出るあたりが解決できず。
時間も無くなってきたので、途中で切り替えて右上に抜けるオーメン(四段)も触る。
こっちはムーヴが一目瞭然で、潔い遠さのランジが後半に出てくる。
下地のこともあって結構怖かったものの、落下地点が読みやすいのでマットが少なくても大丈夫。
あとは信じて跳ぶのみ。これもそれほど簡単ではなく、指の皮もダレてきた。
ラスト5回と決めて集中してトライすると、最後のトライでランジの飛距離が伸びて止まった。
後は易しいトップアウトをこなして登れた。
金剛と同じか、少し難しいくらいかな。伊舎那天よりは登りやすいかも。
そんなことよりも、これはかなりの名作だった。
びょーん

17時前に撤収して、あとは関越~圏央道をひた走り、夜中に城ケ崎にたどり着いた。
5時間走って流石に疲れた。そう軽い気持ちでやるものじゃない。


日曜日はDJ合成ゴムの誘いでもずがねのスカラップ(5.12d/13a)をやりに行った。
お馴染みOBGの第1回を飾ったルートで、当時の国内最難だった一本。
OBG読者としてはこれを素通りするわけにはいかない。
が、とにかくもうシーズンは終わり。日差しは暑すぎるし、クラックの中はジメジメ。
DJの奮闘を見届けてから一応フラッシュを狙ったものの、これは全くダメ。
そのままちまちまとカムをずらしつつギリギリムーヴを作って抜けた。
これだけで既に体はあちこち痛くてヨレヨレになった。ホタテ貝恐るべし。
この日は先に来ていたパーティーと、DJと僕の二人、さらに遅れて参戦したセカキタさんで計4人の大混雑。
この手のルートに人だかりができるのは珍しい、のだろう。
集まったメンバーであーでもないこーでもないとムーヴを話し合い、大いに盛り上がった。
リードのルートでこれだけセッション(?)が盛り上がったのは初めて。
そのセッション効果と、日が傾いて吹き始めた風のおかげでルートの状態が良くなり、
2回目のトライで一応、ピンクポイントすることができた。
ムーヴのイメージが湧くだけでもここまで違うものか。
短い中にも相当な内容が詰まっていて、難解なムーヴが分かった時の感覚は素晴らしかった。
実際にはかなり必死の形相で登っていたはずだけど。
腹筋運動中のDJ

結局この日はそれ以降、自分にリードのトライする順番は回ってこず、宿題になった。
この手のひっくり返るクライミングの世界に入門できただけでも御の字と思いたいが、
レッドポイントできなかったことは正直言って悔しい。
流石に時期が悪くなってしまったので、これはまた次のシーズンになりそう。
その時は、隣の秘奥義(5.13b)も併せて回収してしまいたいところ。

2日間での移動距離、交通費、それに内容の振れ幅もそこそこあったが、
これはこれで自分らしくて悪くないな、と思う。

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