年始の投稿からずいぶん経ちました。
1月から2月の初めにかけては、どうにも天気やタイミングが合わず、あまり岩では登れなかった。
城ケ崎に行ってみたけれど週末が2日とも雨で帰ったりとか。
恵那に行ってみたけれどエリアが雪の下だったりとか。
そんな中、年末に登りそびれた野猿谷の百日紅(三段)だけは回収。
繊細なバランスでマントルを八割五分返したところで、足がすっぽ抜けて吹っ飛ばされたりしたものの、
その次のトライできちんと修正して返し切った。
ここ半年くらいで登った課題の中では断トツで面白かった。
爪先でホールドを捕らえるときに、エントリーの仕方にも気を配るべきだということも学んだ。
祝日が土曜日に重なって3連休になり損ねたこの週末は、長野県チームと白川に行った。
前日に南岸低気圧が襲来して、太平洋側はどこも大雪、交通網もあちこちで麻痺。
当然、前泊するどころではなく、当日も集合時間をかなり遅らせてのスタートとなった。
中央道もずっと通行止めなので、ひたすら下道で移動して、エリアに着いたのは15時前。
日が当たって乾いていそうなミューズエリアに行ってみる。
結構コンパクトにまとまっているエリアだった。
アップでやった3級が思ったよりも悪く、全員苦戦。敗退した者がいたとか、いなかったとか。
あとでトポを確認したら、スタートホールドが違っていたので、多分違うラインになったのだろう。
それから汗をかく案山子(1級)やドロシー(初段)でセッション。
ほどほどに皆登ったところで、すぐ下の暖色(1級)が見るからにポップで面白そうなのでやってみた。
メンバー5人でOS権をかけてじゃんけんして、年始の死闘に続きここでも勝てず一番最後になった。
前の4人分のムーヴを見たので落ちることは許されず、妙な緊張感の中きっちりFLした。
岩から下りたところで濡れた苔で滑って転び、膝を強打。
更にその10秒後にダメ押しにもう一度転んで同じところをまた強打。
ちょっとげんなりするくらいに腫れたので、この日のクライミングは終了してカメラマンに専念した。
全員めでたく暖色を登ったところでちょうど暗くなったので撤収。
この日は美濃加茂市街でホテルで1泊。
真夜中まで大富豪をやって、体だけでなく頭にまで追い込みをかける徹底ぶり。
これが合宿である。
日曜日、エリアに向かうと、どうも夜の間に雨が降ったらしくあちこちびしょ濡れ。
ピアチェーレエリアに行って、乾きを待ちつつ登ることに。
やってみたかったアカシャグマとかアンタゴニストの岩は結局丸一日乾かず。残念。
アップを済ませて、お嬢ことRyoちゃんが選んだゴールデンバット(二段)でセッション開始。
ティーンエイジャーコンビのトキが一抜け。最後のマントル周辺の現場処理はもはや熟練の技だった。
これに続いて全員もれなく登って満足。あまり人気がないようだけれど、これは良い課題。
近くに手ごろなサイズの同グレードがたくさんあるので致し方ない気もするけれど、
やっぱり岩の存在感がある課題は登って得られる充実感が違う、と言いたいところ。
次にすぐ下流の課題たくさん岩で各自課題をトライ。
大人チームはジオス(二段)をかなり頑張ったものの、誰も登れず。
キーとなるホールドがずっと染み出しているのか果てしなくヌメり、ムーヴはバラせたものの繋がらず。
これはできなかったムーヴ
ティーンチームはレッドオクトーバー(二段)やアリダバ(三段)を登っていた。
大富豪のやりすぎで寝不足な人もいた
最後に、絶壁(初段)とツルツルリ(二段)の岩へ。
絶壁はホールドが濡れていてもかなり易しく感じた。全員危なげなく一撃。
ツルツルリも、トキといまし監督が一撃、残された僕らも登って、
最後は微細な技でリーチを120%に伸ばしたお嬢が華麗に登って優勝をきめた。
ツルツルリ
2日間、というか1日半みっちり登って楽しかった。
初めてのエリアは頭を空っぽにして楽しめるのがいい。強打した膝はまだ痛いけど。
それとは別に、時間の流れというものをなんとなく感じた。
「長野県チーム」ないし「チーム長野」という呼称がなんとなく生まれて、15年くらいになる。
当時、僕は高校生だった。
そして当時から、主に国体を見据えた錬成ということで誘い合わせて、岩に出かけていた。
どんどんと時代は流れ、技術は進歩して、今のコンペシーンで求められるものは岩場のそれとはかけ離れている。
そのことは僕だけでなく、相当に多くのクライマーが感じていることだろう。
ただ、それは岩を登らない理由にはならないのだと思っている。
10年前、僕は錬成に誘われて行く側だった。
今年、僕は錬成を企画して誘う側になった。
自分が年を取ろうが、立場が変わろうが、10年前から続くものを大事にしたい。
南岸低気圧が来て、自分が登れないことよりもこの錬成の企画自体が頓挫するかもしれないことにヤキモキしていた僕の気持ちは、
それはそれでひとつ、意味のある変化だったのかもしれない、と思う。
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