3月2日(日)
ストーンモンキー(四段)を目的に野猿谷。この日は春の陽気だった。
示し合わせたわけでもないのに、ノミーにマウントピア黒平でばったり会った。
一緒に10のエリアの課題を見に行ったりしてから、橋周辺でアップ。
くるみSD(初段)のスタートホールドがよく分からず、とりあえず右手カンテ、左手フェースのカチで離陸して登ってみた。
後でトポを見たら、どうもスタートホールドは違っていたらしい。下地が変化したとか?
それから掃除とホールドのチョークアップをして、ストーンモンキー。
日記を見返すと、前にトライしたのは23年の年末だった。
ムーヴは覚えていたので、数回のトライでリップまでは行けるようになった。
むしろ中間までの感触は前よりも良くなったのだけれど、結局はマントルが厳しい。
あれこれ試行錯誤するフリをして、踏ん切りがつかず飛び降りる、というのを繰り返した。
リップにヒールを上げてはみたものの、そこから乗り込んでいくイメージが湧かない。
リップがあまりにもダレていてビビっている。
写真を撮ってくれたノミーに「全然マントルしないじゃないっすか」と茶々を入れられた(気がする)けれど、
結局この日はリップまでのムーヴが固まった以外に収穫はなかった。
マントルをしている風
流石にちょっと暖かすぎたので、ストーンモンキーを諦めてキュリアスジョージ(三段)。
シーズン初めに見に行ったときは、上に木が倒れ掛かっていてトライできなかった。
この日はノコギリを持ってきたので、倒れた木やら絡まるツタやらをせっせと切って退ける。
しばらく働いて、トライできるようになった。
ここでもカチトレの成果か、前は浮くのがやっとだった離陸が少しだけ楽になっていた。
が、当然離陸は序の口でそこからが問題。
時間をかけてあれこれ試し、どうやらそれらしいムーヴを発見。
が、スラブに上がったところから動けず。
上の方へ移動しつつ、ノミーがやっていたアイスエイジ(初段)に寄り道。
これは2トライで登れた。良い課題。
アイスエイジ
最後に、宿題になっている包囲された城(二段)。
前回バラしたムーヴを少し練習して、繋げてみたものの、核心のデッドが止められず。
つくづく、両手アンダーからの遠い一手というのが苦手だ。
足の微妙さもあって、繋げると良いポジションまで入れない。
苦手な自覚があるだけに、これはどうにか登っておきたいところ。
3月9日(日)
前日雪が降ったので遅めに出発。が、着いてみると、そんな必要はなかったと思うくらいに乾いていた。
ストーンモンキーが最優先だったけれど、下地に湿気が籠っていそうだったので、07のエリアへ。
トライした話すら聞かないイルミネーション・ゴースト(四段)にロープを張って掃除してみた。
これはこれでかっこいいのだけれど、間近で見てもあまり可能性を感じないスラブで、トライはせず。
少し下ってリフトバレー(1級)を登り、すぐ下のライトピラー(二段)もやってみた。
これもかなり苔むしてきているが、これが結構面白く、30分くらいで登れた。幸先が良いぞ。
ライトピラー
それから橋に戻り、ストーンモンキー。
数回でリップまで行き、ヒールを上げて、4割くらい腹を括って乗り込んでみると、見事に抜けた。
足から落ちられたので無事だったけれど、若干背中落ちになってまたビビる。
やっぱりあのヒールは抜けるのか。少し嫌なイメージがついてしまった。
しかしやっているうちに、リップのホールドが胸の前まで引きつけられることが分かった。
それから改めてヒールを上げてマントルに入ってみると、いくらか腰が入る感触があった。
両手を胸より下へ引き下ろせそうなところまで上がって、怖さが勝ったので一度飛び降りた。
返せはしなかったものの、これでマントルの感触は掴めた。
しばらくレストを挟み、次のトライで再びリップへ。
今度はしっかり腹を括り、ヒールを上げてマントル。両手を引きつけたところからゆっくり粘って這い上がった。
リップのホールドをプッシュに変えられたら、後は必死で足を上げて、スラブを駆け上がった。
登った瞬間は「嬉しい」よりも「びっくりした」の方が強かった。
手の掛かりの良さで足の悪さを誤魔化す類のマントルもある、ということを学んだ。
先シーズン、初めてリップを取ったトライで「こんなもんできるかー」と諦めて飛び降りて以来、
この日までずっと返せるイメージが湧かなかったマントルだった。
仮にこれが地面から届く位置にあれば、初段もないのだろうと思う。
が、これが高いところにあるのだから難しいわけで、ロープにぶら下がって練習することも何度か考えた。
が、先日トニーさんに「課題への思い入れがなくなったら、ぶら下がったらいいんじゃない」と言われ、我に返った。
僕はマットを何枚も敷いて登ったので、マットなしで初登した室井さんには遠く及ばないが、
それでもこの課題でのことは大事な経験だったと思っている。
その後少しレストして、キュリアスジョージもやった。
前回よりもヨレていないおかげか、左手のカチはしっかりと引けた。
指皮が多少柔くなっているのか、トライするごとにゴリゴリ減っていった。
ただ、前回でムーヴの目処が立ったことが大きく、数回のトライでスラブにへばりついて足を上げ、ふらつきながら登った。
これも猿の手と同じく、シューズ選びが重要な課題だった。
キュリアスジョージ
登ったトライで左の人差し指が裂けて流血したので、早めに終了した。
保持力トレーニングが奏功したのか、それとも状態の良い日を捕らえられただけなのか。
何が要因かはよく分からないが、とにかく今シーズンはいい具合に宿題を回収できている。
春の気配がいよいよはっきりしてきたが、もう一押し、欲張りたい。