2025年12月21日日曜日

Yosemite 25 ③

10月31日 Push day5
5日目。the Blockにてレスト。
日向になるとたまらなく暑いので、ポータレッジを日除けがわりにして後ろに逃げ込んだ。
朝イチ

日陰が無くなっていく

そして荷物と混然一体になる

15時ころまでのんびりと過ごし、後から上がってきたエイドパーティを見送る。
さらのその後で来たFreeRider組はここに泊まるそうなので、ポータレッジを張る位置などを相談した。
El Capで会う人たちは皆譲り合いの精神があり、且つ人当たりのいいクライマーなので助かる。
夕方17時を過ぎてから、Sous le toitまでのピッチをリードしてフィックス。
これも去年はコミネムが担当したピッチだったので、リードするのは初めて。
薄いフレークが連続するフェースで、瑞牆にあれば好物だが、ここでは恐ろしくて仕方なかった。グレードの割に結構吠えた。
岩に慣れてきたのかレストの効果か、体の動きはまともになっていた。


11月1日 Push day6
6日目。朝イチでthe BlockからSous le toitまでユマールして荷上げ。

明るくなるのを少し待って、後半の最初の核心Enduro Corner。
P1(5.11c)は数回のテンションとムーヴづくりで抜けた。グレードよりも登りにくい。
Enduro Corner P1

P2(5.12b)はやはり難しい、というよりもムーヴが悪い箇所のプロテクションが微妙な残置なので恐ろしい。
あさこさんの提案で、エイドに切り替えてまずは抜けきり、日陰がなくなる前にトップロープ状態でワークすることにした。
そうやってムーヴに集中してみると、なるほどたしかに5.12bくらい。
中間部以降はところどころで良いスタンスがあり、最後のランナウトするレイバックで終わり。
ここはこの日にムーヴを固めないといけなかったので、スタティックを巻き上げてフィックス。
あさこさんが上がってきて荷上げしてくれている間に、再度TRソロでワーク。曖昧だった前半の核心をおおよそ固めた。
Enduro Corner P2

続くthe Roof(5.12a)は暑さと怖さで、ルーフの終わりでテンション。去年はよくOSしたなと思う。
ラストの這い上がりはやはりスパイシーだった。
荷上げして、あさこさんがユマールで厄介な回収を終えて、やっとHeadWall。

昨年はここで一泊したが、今年は全エイドでとにかく抜けることに専念した。
P1はほどほどで終わったものの、P2はやはりかなり時間がかかった。1時間半とか、2時間弱だろうか。
ゆっくりしたペースで進み続け、アンカーに着いたときには日が沈んだ。

荷上げと回収が済み、P3はヘッドランプで登った。
昨年ワイヤーが千切れて飛び出していたナッツはなくなり、かわりにハーケンが2本打たれていた。
最後はあさこさんのブラスナッツに祈りながら体重を預け、Long Ledgeに抜けた。
すでに20時を回り、荷物を上げきって運び、ポータレッジを組んで夕飯を作り出した頃には22時。就寝は23時前だった。

さすがに長い1日になった。ともあれ昨年のことを思えば、この区間を1日で抜けたことは大きい。安堵。


11月2日 Push day7
7日目。HeadWallのワークに費やす。
5時に起きて朝食、トイレなど済ませて準備。


この日からサマータイムが終わって冬時間になり、時計が1時間戻った。
それもあって、初めてのワーク準備に時間がかかっていると、P1に降り着いたときには壁のあちこちに日が差し始めていた。
P1(5.13a)は1時間ほどでムーヴを解決したものの、鋭いエッジを握り続けて左の人差し指に穴があいた。
すでに暑くなってきていたが、休む間もなくP2(5.13a)のワークへ。
前半からすでに体感は悪く、テンションをかけながら何度かやって分かってくるという感じ。
プロテクションのことを吟味する余裕はなく、とにかくムーヴづくりに専念した。
それでもかなり時間がかかり、11時が近づいたくらいにやっとこさ最後の核心手前までバレた。
ここまででも既に苦手なサイズのジャムのオンパレードで、ヌメりと疲れも手伝って疲労困憊。
どこでもちょっとしたミスで落ちられそうだった。

暑すぎるので一度Long Ledgeに戻って、日中の日差しをやり過ごす。
この数時間で、あさこさんといろいろな話をした。
弱音も吐いたし、それでも消えない憧れの話もした。壁を抜けたら伝えようと思っていた感謝の言葉も、フライングして伝えた。
El Capの上部、誰もいないレッジでふたり、これだけでも得難い時間だった。


夕方、気力を振り絞ってもう一度HeadWallへ降りていき、P2の最終核心とP3をワーク。
P2の最後は初めまるでできる気がしなかったが、どうやら繋がりそうなムーヴを組み立てた。
P3(5.13b)はまた細切れでムーヴを作り、ムーヴだけなら8割くらいの形にしてLong Ledgeに戻った
登った時間は長くないが、ここまでの蓄積とHead Wallの強度で心身ともボロ雑巾。
これをこそやりに来ているのでいくらか晴れやかなところもあるが目指してきたもののあまりの大きさを突きつけられて気が遠くなるようだった。
毎日恐ろしいほど夕日がきれい


11月3日 Push day8 
8日目。トップアウト&下山日。
5時に起き出し、朝食からのパッキング。
14時に歩き出せそうなら、頂上では泊まらず今日中に下山しようということでスタート。

朝イチの5.11dは最後の核心でテンション。昨年はオンサイトしたが、今年はこんなところだ。
続く5.10cのクラックは落ちそうになりながら必死で登ったものの、次の10dのハングからのワイドはムーヴが分からずエイドで抜けた。
ハング部分のボルダームーヴも、その後のワイドも、力が出なかった。ここにはこだわらず、抜ける方を優先した。
最終ピッチもリードして、ここだけやたら重い荷上げを終わらせ、トップアウトは正午過ぎだった。
「セルフビレイなしでいられるって楽!」の図(通称:マイセルフ)


折角持ち上げてきた食料と水を持ち帰るのも嫌なので、頂上泊用に残しておいた食料は食べ、水は下山用だけ残して撒いた。
どうにかパック2つ分に荷物をまとめ、ずしりと重い歩荷に耐えて谷底を目指す。

しりとりで気を紛らわせながらヨタヨタと下り、おっかなびっくりラペル(5ピッチ)をこなし、ここで日が暮れた。
暗いアプローチを気力で下り、やっと車に着いたのは18時半前だった。
月明かりに照らされたEl Capには明かりが点々と灯っていた。

Village Storeに寄って野菜と安いハムを買い、下山した駐車場にデポした荷物を回収して車に押し込んだ。
あとはキャンプへと帰って遅い夕食。野菜たっぷりの食事が染みた。
夜のエルキャプに灯るヘッドランプたち(カメラの性能の限界)

Yosemite 25 ②

10月27日 Push day1
ゴーアップ。Freeblast〜Hollow Flake Ledgeまで。
2時起きでキャンプ場から移動、El Cap Meadowに車を停めて、4時過ぎに取り付き。
1ピッチ目からなんだか動きが硬く、落ちはしないものの妙に苦しい。とりあえず朝イチだからということにした。

最初の3ピッチ、アンカーごとに腹が下り、スピードが上がらず。面倒な腹だ。
身体がなかなかほぐれないながらも、スラブの5.11×2ピッチまでは落ちずに抜けた。
Triangle Ledgeにて

が、7ピッチ目にあたるHalf Dollerの核心で吐き出されて一度落ち、2回目で抜ける。
さらにタグラインをつけ忘れたせいで、あさこさんが荷物を背負ってユマール。
しかも核心に入るところのオフセットナッツを回収し忘れて、一度上からラペルして取りに行くなど、このピッチはロスが増えた。
カンカン照りに焼かれながらMammoth Terraceを越えてHeart Ledgeへのダウンクライムもこなし、ここでしばらく休憩。

陽がいくらか傾くまで待って、ボルダームーヴが悪い5.11cもどうにか1回で登った。
最後は薄暗い中でHollow Flakeを気合で抜けて、初日は終了。19時過ぎだった。

とりあえず、事前にここまで荷上げしておいてよかった。
去年はHeart Ledgeまでしか上げなかったので、初日はLung Ledgeで泊まることになった。
それを思うと、1日でHollow Flakeを抜けられるのは大きい気がする。
しかし、随分と疲労も感じた。暑さに慣れていないのか。そもそも調子が上がっていないのか。



10月28日 Push day2
2日目。3時に起き、朝食、撤収とトイレを済ませていたら登り出しは5時半になった。
やはりポータレッジの撤収やパッキングは時間がかかる。

最初の1ピッチで荷上げに手間取り、1ピッチごと2時間ほどのペースで上がる。
それにしても、去年も一昨年もこの区間は上からも下からも人が来て大渋滞だったのに、今年はまるで人がいない。

The Earを登り、荷上げをしたところで、ユマールしてきたあさこさんがチムニーの中でスタックした。
ここはチムニーだからフォローで」とか「荷物はホールバッグにつけて極力身軽で」とか初めに言っておくべきだった。
上からロープを下ろしたり、荷物を手渡ししたりしてなんとか脱出。
2人ともすでにバテバテ。Monsterに突入する気持ちが出せず、フライで日陰を作って日が傾くのを待った。
ちょっと寝る

狭いレッジに腰掛けて食べて飲んで休んで、日も傾いて少し暑さがマシになったところでいざMonster。
ダウンクライムから中間のアンカーを過ぎるところまではほどほどのペースで登れた。
が、徐々にオフウィズスが細くなっていき、登りも不安定になっていった。
そして終盤のセクションで身体が入らず足も効かせられなくなり、手詰まりになってテンションしてしまった。
これで一度、心が折られてしまった。あまりにも呆気なかった。
叫び散らして涙も出ず、#5と#6でエイドしてどうにか抜けた。
残り5メートルほど、走りきれなかった。
荷上げしているところ日が沈んで暗くなり、次の10aは麻子さんがエイド混じりで抜け、Alcoveに入った。
翌日からのことは考えず、まずは食べ、飲んで、寝た。
壁が空いていて本当によかったと思う。



10月29日 Push day3
3日目。Alcoveで三度寝から目覚めると、9時頃だった。
体はボロボロ、気持ちも落ち込み気味だったが、とりあえず食べて飲んで、日差しを浴びる。
お楽しみに持ってきた、行きつけの珈琲店のドリップバッグでコーヒーも淹れて、半日は完全にレスト。


その間、これからどうするかを考えた。
Monster Offwidthが1回で登れなかった時点で、このトライは失敗だと思った。
戻ってMonsterだけ登り直すという気力はなかったし、後半の核心にかける時間を減らしたくはない。
寝起きの気分は最悪だったけれど、コーヒーでほぐれてきた頭でだんだん考えがまとまり、
ツアー中にもう1トライすることを前提に、今回はひとつでも多くの学びを得てトップアウトすることを優先しよう、と決めた。
日陰から足だけ出して日光消毒する人

昼を過ぎて、Salatheをワンデイで登るエイドのパーティが上がっていき、それからFreeRiderのパーティも1組来るようだったので、
先にEl Cap Spireまでキャンプを1ピッチ上げ、夕陽の中でMonsterへと降りて、トップロープで前日エイドしたパートをやり直した。
左足は奥に差し込んで右足は入り口、「ト」の字のような恰好で進むというのが正解らしい。
#6がちょうどのサイズは、入り口で足を揃えるよりもこのやり方が基本の形なのか。
そういえばPeteのクラック本にもそんな図があった気がする。
ワイドの経験の浅さを痛感するとともに、一応のムーヴは出来上がった。
あとはEl Cap Spireに戻ってビバーク。ポータレッジは出さずにそのまま寝た。
星空と景色は素晴らしいけれど、寝心地はイマイチ。



10月30日 Push day4
4日目。3時半起き。朝食とトイレを済ませていると、あっという間に5時。
あさこさんがあまり眠れなかったらしく、調子が悪そうにしていた。いつになく寝起きが辛そうだった。
こちらは気持ちがなかなか入らず、なんとか奮い立たせて11cのタイトハンドを登り始めたものの、中間でテンション。
身体が動かず力も出なかった。
3回ほどのテンションで抜け、荷上げをしたら少し体感はマシになり、次の10aはちゃんと10aに感じた。
小レッジに抜けたところでFreeRider組(WillとForest)が追いついてきたので、先に行ってもらう。
こちらはしばらく待機して彼らを見守った。

「がんばれー」

昼近くなり日が差し込んできて、暑くなりすぎる前に11c Rを登った。
かなり緊張したしヌメりも染み出しもあったが、ここは落ちずに抜けた。
続いてBoulder Problem。時間は昼を過ぎて、出だしの棚ホールドはすでに鉄板。
できる気はまるでしなかったが、蓋を開けてみると各ボルトで1テンションずつしただけで抜けられた。
去年ダブルダイノした核心で、今年はKarate Kickを試してみたら、これもできた。ダイノとどちらが楽かは分からない。
その後、11c Rの下に残した荷物を荷上げして、Boulder Problem上のアンカーでまたしばらくレスト。

あさこさんがかなり辛そうだった。寝不足と暑さで相当に体調が悪くなっていたようで、20分ほどしゃがみ込んでうつらうつら。
それで少しマシになったようなので、傾き始めた日差しの中でthe Sewerに取り付いた。
昨年はコミネムがリードしたところで、僕はTRソロだったピッチ。
リードしてみると、ロープドラッグが厄介。
最後の最後でカムも尽きかけて、気合の1手でthe Blockに這い上がった。危うく落ちるかと思った。

あとは荷上げをして、Will&Forestとスペースを譲り合って、どうにかポータレッジを組み立てて夕食。
それくらいになってあさこさんも元気を取り戻し、就寝。
ここまで4日、想定の日程としては折り返し。荷上げは軽くなってきたが、疲れは溜まっている。
明日はthe Blockに留まってレストしようということになった。
しかし、1日レストを挟んでも、朝イチのクライミングはやはり辛い。
翌日のスタートをどのピッチにするかという戦略も大事だということが、よく分かった。
むしろ11c Rや灼熱のBoulderが抜けられたのは、未明の11cで一度やられたからだとも言える。


Yosemite 25 ①

今年も、毎年恒例のYosemite詣でに行ってきました。
結果から言うと、今年もSalatheをオールフリーで登ることはできませんでした。
とはいえ、その「できませんでした」に至るまでの過程にはいろいろなものが詰まっているはずなので、
迫りくる年の瀬の空気に呑まれないうちに書き残しておきます。
(今回も、ツアー中の日記から転記・加筆)


10月20日 移動日
出発日。5時に起きて7時に家を出た。今年は瑞牆の麓から一気に成田へ。
休憩を入れながら5時間ほどのドライブで空港に着いて、30kg×4つの荷物も無事に預け入れた。
今年はとにかく、持てるだけの食料を持っていくことにした。白米は全部で10キロ近く入れた気がする。
ここまでは良かったが、肝心の飛行機が機体整備のため遅延。さらには機体を交換したしたためさらに遅延。
16:25発の予定が、21:30発になってしまった。
レンタカーの予約を変更するために連絡をしようにも、予約サイトから送られてきたメールは送信専用で連絡先の記載もなし。
おまけに予約の詳細を確認しようとリンクを開けばエラー。おい、大丈夫か。
隣であさこさんが「まあ、なんとかなるよ」と落ち着いているので、
とりあえず航空会社から配られたミールチケットで夕飯を食べに行って、お腹を満たしたら冷静になった。
空腹で事態に対処しようとしてはいけない。
遅れて飛び立った飛行機の中では、ひたすらに寝てあっという間にサンノゼ。フライトが夜になったのがよかったらしい。

旅行客のおじさんに「すごい荷物だね」と写真を撮られながら、特大のホールバッグを運び出し、
到着したターミナルAからレンタカーの窓口があるターミナルBへ移動。
カートが基本有料(しかも高い)なので、その辺で使い捨てられた野良カートを拾えて助かった。
カートで暴走するあさこさん

心配だったレンタカーも、窓口に行ってみたら問題なく借りられて一安心。
あとは買い出しを済ませながらYosemiteを目指し、22時過ぎにお馴染みのキャンプ場に着いた。


10月21日 装備回収、デポ上げ
起きると、9時を回っていた。2人とも若干の時差ボケ。
まずはYosemite Westへ毎年使っているポータレッジとガスコンロを回収に行く。
Yosemite国立公園は、アメリカ政府のシャットダウンの影響か、入園ゲートに職員がおらず入り放題。
キャンプ4は旧サイトのみ開いていて、Curry Villageはいつもどおり。
Village Storeも普通に営業していたけれど、スタッフの数は明らかに少なかった。
国内有数の観光地ということで閉園はしないが、さすがに混乱は小さくないらしい。

さて、Yosemite WestのHans Florine邸に行ってノックすると、なんとHansご本人が出てきた。
「ごめんね、シャワーを浴びてたんだ」とバキバキの上裸で笑う。還暦過ぎとは思えなかった。
物置に置かせてもらっているデポ品をあれこれ回収してValleyに戻り、
El Cap Baseのパブリックフィックス下までポータレッジと水32リットルを担ぎ上げた。
これで、Heart Ledgeまでの荷上げ当日にダブル歩荷しなくて済む。
この荷物だけでも、1人あたり30kgくらいあった。


10月22日 レスト
時差ボケが抜けないのか、未明に目が覚めた。眠りも浅め。
雨予報なので、終日レスト。テントの上にブルーシートでタープを張ったおかげで、降っても快適。
丸一日キャンプから動かず、読書なりなんなりで時間を潰す。
午前中、雨が降り出す前に、荷上げする物の用意とパッキングを済ませた。
午後からは雨でテントに引きこもった。昼寝を繰り返したら日が暮れた。



10月23日 Chapel Wall
予報を見ると2日間晴天のち2日間雨、ということでゴーアップを予定よりもずらして27日に決め、この日はChapel Wallにでかけた。
あさこさんがCosmic Debris(5.13b)に挨拶。僕も指慣らしにトライ。
雨上がりの森の中はしっとり。岩は意外に乾いているものの、クラックの中は若干湿気があった。
誰かが張りっぱなしにしているフィックスを登ってトップロープを張り、テンションをかけながら1回だけ触る。
ジャムの負荷の高さで時差ボケが吹き飛びそう。良い刺激になったかな。
あさこさんもトップロープで2トライして、ムーヴは7割解決という感じ。

翌日の朝が早いので、早めに降りて買い出し。
Village Storeで半額のシールが貼られた手羽元を発見。6本入ってなんと3.9ドル。
欲望に身を任せて、煮たり焼いたりしてガツガツ食べた。



10月24日 荷上げ(Hollow Flake Ledgeまで)
荷上げDay。現地のクライマーはPre-Haulingと言う。
3:45に起きて、El Cap Meadowへ。公園外のキャンプ場から、だいたい1時間くらい。
車からEl Cap Baseのフィックスの下まで1回の歩荷で上がり、デポ品も回収して最後のパッキングをしていたら、
日帰りでMonster Offwidthのワークに行くペアが上がってきたので先頭を譲る。
僕らがフィックスを登り始めたのは7時過ぎだった。

2:1システム(Zシステム)とスペースホーリングの使い分けで上げていき、Heart Ledgeには正午前に着いた。
余裕をかましてランチタイム。昨日料理しておいたチキンが美味い。

先行パーティや上からラペルしてくる人々をやり過ごしつつ、ここからもう3ピッチ荷上げを続けるも、トラバースが多くペースダウン。
Hollow Flakeは振り子トラバースでショートカットして、怖いスクイズチムニーを抜ける。
ここのピッチの荷上げが、ルート全体でも一番厄介で、荷上げが終わったのは18時前だった。

Hollow Flake Ledgeの奥に荷物を押し込んで一休みし、さて降りようかとラペルを始めたところでトラブル発生。
1ピッチ降りて抜こうとしたロープが完全にスタック。どうしても抜けない。
泣く泣く、逆の末端を結んでHollow Flakeを登り直した。足が痛くてめげそうだった。
暗闇の中、アンカーまで登って見てみると、抜こうとしたロープの末端は見事に結び目になっていた。
ロープを無事に回収して、再度ラペルを開始。
Heart Ledgeからボロボロで怖い極太パブリックフィックスを降りきって、車に戻ったのは21時すぎ。
さすがにもうVillage Storeは閉まっていたので、自分たちへのごほうびは明日にまわし、ベーグルだけ食べて寝た。
いろいろな波乱もあったけれど、地面に戻ってからもお互いにまだ一応元気があって少し安心した。


10月25日 レスト
アラームもかけず、ゆっくり起き出した。体はそこそこ痛かった。
自分たちへのごほうびを買いに、Sonoraへ出かけた。
途中で道を間違え、知らない街に寄り道。アンティークショップに寄ってみたりした。
その後はSonoraでDollar TreeとWalmart。
「欲望の買い物リスト」と名付けたメモをもとに買いだしたのは、
ヨーグルト、オレンジジュース、アボカド、トマト、リンゴ、バナナ、プラム、牛乳、そしてやたらと安かった砂肝とハツのパック。
なんだかタイトルの割に健康的でよろしい。
キャンプに帰り、ゆったりと夕食。荷上げDayに若干脱水気味だったので、その分はしっかり飲んで取り返した。


10月26日 レスト
日に日によく眠れるようになってきた。
週末ということで、キャンプ場も一晩だけ賑やかくなったものの、昼前にはまた静かになった。
曇りときどき小雨という天気なので、キャンプ場でゴーアップ用の荷物をパッキングして、それからValleyにでかけて最後のシャワー。
Curry Villageのギアショップにも寄った。2025年版のトポ(店内用)があったので、しばらく読みふけった。
Village Storeに行ってみると、また半額チキンがあったので即購入。
少し移動して、Meadow近くのPicknick Areaで豪快に焼いて贅沢ランチとした。
明日が早いので、16時前にはキャンプに戻ってきた。

明日からいよいよ、今年のトライが始まる。4年目、やれるだけのことをやろう。
そしてあさこさんと2人でビッグウォールができることに感謝しつつ、勝負を楽しみたい。