11月10日 Arch Rock
朝起きて、朝食を済ませ、コーヒーを飲む。
あまりにも暗い顔をしていたのか、あさこさんに「しんどい?」と促され、
そのまま前夜に書きながら考えた陰鬱なことを打ち明けた。
それからゆっくりいろいろと話し、あさこさんの気持ちも聞いた。
今年、もっと自分も戦いたかった。そして来年もう一度2人でSalatheに挑みたい。
あさこさんはそう話してくれた。
「付き合ってもらう」「ついてきてもらう」ではなく、同じ目線のパートナーとして登りたい、と。
悪い癖で、僕はまた「こんなに無理をさせてしまって申し訳ない」と考えていた。
パートナーとして一緒に登るのなら、その意志を信じられるようにしたい。
そうだよね。僕ももっと成長しなくては。
Yosemiteのクラックというよりも、ワイドを1本でも多く経験した方がいいと考えて、この日はArch Rockへ出かけた。
やはり日中の日向は暑く、前日から一晩続いた鬱々とした思考の疲れなのか、やたらと頭がボーっとした。
English Breakfast(5.9)を1P目のチムニーだけ登って、いきなり息切れ。手強い。
次にやった看板ルートのMidterm(10b)は、下部のフィンガーセクションで落ちるかと思った。
とはいえ、4つ星はやはり4つ星だった。こんなのが瑞牆にもあったらなあ。
ただ、終了点の目の前にポイズンオークが枝を伸ばしていて恐ろしかった。
次に右寄りのGripper(10b)もやって、こちらもほどほどの緊張感でOS。
この3本でもう満腹になり、早めに撤収。
Village Storeに行ってみたものの値引きされた肉はなく、豆の缶詰を買って帰り、カレーを作った。
Salatheを振り返り、画伯が描いていた絵
11月11日 Middle Cathedral
Yosemiteでのクライミング最終日。
どこへ行くか2人で話し合い、Middle CathedralのCentral Pillar of Frenzy(5.9 5P)を登ることにした。
若干アプローチを間違えつつ取り付きに着いて、先行パーティは1組いたもののストレスなく登りだした。
奇数ピッチが僕、偶数ピッチがあさこさんでツルベ。
1P目が湿っぽかった以外、特に手強いピッチもなく、5.8~5.9の長く個性のあるクラックが続く。
非常に快適で楽しいショートマルチだった。
今さらながら、Cathedralから真正面に見えるEl Capは素晴らしかった。
ほぼ1日日陰で涼しいので、来シーズンはこの辺りのクラックと、Border Country(5.12)あたりから調整を始めていくのがいいのかも。
早めに降りてシャワーを浴び、Village Storeに行くと念願の値引きチキンがあった。
ひとまずお疲れさまでした、ということでビールと一緒にいただいた。
11月12日 移動日(Yosemite→Joshua Tree)
6時に起き、朝食、コーヒー、それからテントを撤収。
Camp 4を出て、右手に聳えるEl Capに手を振り、Yosemite Westに寄ってデポ品を返却。
それからFresno方面へ向かって一番最初の町、Oakhurstで買い物。
最初の年に見つけて惚れ込んだ、Reverent Coffeeに寄ってコーヒー豆もゲット。
Reverentさん、ダイスキ!
実は2年目以降ずっと来られず、「また豆を買いに行きたいなあ」と思っていた。
前日にあさこさんがDMを送ったところ、すぐに返事が来て、
「明日はFresnoで出店してて不在だけど、注文してくれればお店のキーボックスに入れとくよ!」と親切に対応してくれた。
嬉しくなって3種類も購入。素敵なオーナーでますますファンになってしまう。
コーヒー好きの皆さん、Yosemiteに行ったらぜひOakhurstのReverent Coffeeへどうぞ。
あとは、Joshua Treeを目指してひたすら南下。
Bakersfield付近で道を間違えたりしつつ、概ね順調に走って20時前にはJoshua近くのYucca Valleyに着いた。
丸一日の運転で、さすがに腰と尻が痛くなった。
Yucca Valley郊外のWild Campground(ただの荒野)で泊。
11月13日 Rusty Wall
6時半くらい、ちょうど日が昇る頃に起き出した。
朝食と、コーヒーはReverent Coffeeのパナマ。独特の景色も相まって、美味しい。
テントを畳み、まずはNomad Venturesに行ってトポの3rd Editionを購入。
数年ぶりに来てみても、やっぱりこのギアショップは楽しい。つい長居してしまった。
Joshua Tree国立公園は、Yosemiteとは違ってしっかり職員がいた。
あさこさんの希望で、この日はRusty Wallへ。
ここのメインになる2本のクラックは過去に登っているので、僕はWangerbanger(11c)をリピートしただけであとはビレイ。
あさこさんはWangerbangerを3トライ目でRP。
疲れは抜けないようだけれど、登れているのを見て安心する。
夜はキャンプ...となるが、Jumbo Rock CampgroundもRyan Campgroundも予約制になってしまっていて、
あちこち走り回った末に結局Hidden Valley Campgroundに戻ってきた。
この数年で、Joshua Treeもそこそこ状況が変わっているらしい。
11月14日 Future Game Wall
夜半に雨が降る音で目が覚めた。朝も小雨。
とりあえずテントを畳み、ダメもとで岩を見に行こうとSplit Rockの駐車場へ移動して朝食。
雨はほぼ止んでいたので、ゆっくり食べてからFuture Game Wallへ行ってみた。
ここも随分前に1度だけ登りに来たことがある。あのときはやたらとフリーソロしていたな。
どうにも岩はしっとりしていて、アップにInvisibility Lessons(5.9)をリピートし、Bendix Claws(5.11a)を危なっかしくOSして、
あさこさんが登ったContinuum(5.8+)をフォロー回収して終了。
Bendix Clawsはやたらと悪く感じた。
どうも湿度が高いせいで、クラックに残ったチョークが湿気を吸って余計にヌメっているらしい。
そんな状態でスモールカムを足下にするのは、さすがにビビる。
本題にと考えていたGame without Frontier(13a)はトライできず。
他にあまりやりたいルートもないので、Echo Rockへ移動してHurricane Crack(13c)を見上げてみた。
写真で見るよりもずっと傾斜があって、150度くらいに見える。ほぼルーフ。
アプローチが面倒そうだが、こういうハードクラックは貴重だし、そそられるものがある。
夜から大荒れの予報が出ていたので、偵察後に街へ降りて宿を探した。
WalmartのWifiで1時間くらいかけてリサーチ。
あさこさんが見つけたBodhi House 29!なるゲストハウスが、広いキッチンがあって良さそうということで即決定。
オーナーとWhatsappでやりとりをしたりと少し手間もあったけれど、無事にチェックインできた。
行ってみるとたしかにキッチンが広く、値段もこの居心地なら相当に良心的。
良い宿が見つかってよかった。
それと、初めて来た年(2016年)にお世話になったStater Brosというスーパーがなかなか優秀ということも分かった。
宿から近いので買い物に行ってみると、肉、魚についてはWalmartよりも品ぞろえが良い。
さらに値段も安い。というか、小さめのパックがあるので助かる。
3ドルくらいのちょうどいいポークを買って、夕飯のメインにした。
11月15日 レスト
朝から雨。今日は荒れると分かっていたので、ただただのんびり。
雨は日中に何度か強くなった。Joshua Treeでこんなにしっかり降っているのは初めて見る。
29 Palmsのビジターセンターや、ハンドクラフトが売っていそうな店をYucca Valleyから29 Palmsまであちこち回り、
最後はまたStater Brosで買い物をして宿に帰った。
Bodhi Houseは、ランドリーも10ドルで使える。コインランドリーより安いじゃないか。
天気予報では、この先1週間くらいは不安定らしく、曇ったり降ったりという日もありそう。ただしサイトによってまちまち。
しかし一度宿の快適さを体感してしまうと、キャンプ生活に戻るのが少し辛かったりする。
とにかく晴れて乾燥した気候の中、5.12以上のクラックが登りたい。
Stater Brosでサーモンを買い、ちゃんちゃん焼きにしてみた













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