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2015年6月3日水曜日

Hoya Moros 2 その2

2日目。寝坊してしまって、予定よりゆっくりスタート。
El Legadoを狙うつもりだったので、Satelite(7a)のある岩でアップ。

この岩は高さもグレードも手ごろでアップにいい。ずっと日向で暑いのが問題か。
6台のカチ系課題を数本登って、それからConfusion(7b)の岩に移動。
前回は下地が湿気っぽくてトライしなかったけど、今回はかわいていた。
最初にばっくり割れたクラックを登るLa Fisura(7a)をやる。
見た目は簡単そうなのに、やってみるとクラックの縁が意外と悪くてハマる。
既にへたり気味の指皮にガタガタのホールドが突き刺さって痛い。
5、6回やって手順が分かったら登れた。
La Fisura

次に、右隣のConfusion(7b)にトライ。
鋭いカチ二つから棚を取って、ちょっと右に行ってから直上。
棚からの2手が遠くて悪かったけど、上部は掛りのいいカチが続いて見た目より簡単だった。
これは3回目でゲット。
Confusion
結晶が立ちまくってて指にくる課題だった。
エドゥがConfusionに触って「悪いなー」とか言っていると、
前日に会った陽気なお兄さん、ディエゴがやってきた。
本人は肩を故障中だそうで登れないけど、ハイキングを楽しみに来ているらしい。
ここの課題には詳しいようで、いろいろと教えてもらった。
「なんだか見覚えのある顔だな」と思っていたら、
実はAlbarracinのLa Fuenteで会った人だった。

暑いのと指が痛いのとで多少不安があったものの、El Legadoへ。
この課題は岩と岩の間なので、ほぼ1日中日陰でコンディションは良さげ。
1回目は1手目を取り損ねて落ちて、「やっぱり疲れてるかな」と思ったけれど、
2回目でヒールを掛けるポイントを発見して、一気にリップまで進んだ。
ここからヒールを解除したら、案の定右手の甘いカチがすっぽ抜けて落ちた。
初めてここまで進んだけど、やっぱりこの辺りが核心らしい。
思ったよりこのムーヴが悪いので、低い足から真上のリップにランジするつもりで、3回目。
右手の水平カチを取って真上を時点で「あ、これ届かんわ」と感じたので、また左のリップへ。
右足で微妙なスタンスを拾ったりごにょごにょしてからヒールを解除したら、
なんだか変な体勢振られたけれど、何とか耐えた。
残りの数手は落ち着いてこなして、ガバを取ったらビクトリーロード。
前日最後にやったせいもあるけど、The Perfect Paradiseとかよりも悪く感じた。
いい課題でした。
見ていたディエゴが「次はSD(8b)だな!」と薦めてきたけど、それはまた次に機会に・・・

やることが終わって一気に疲れた気がしたので、一度荷物のところに戻って昼食。
食べていたら空が曇って、時折雨粒が落ちてくる天気になってしまった。
しばらく食休みして様子を見たけれど回復しない。
エドゥが「帰りがけにもう一度Atilaやりたい」と言っていたものの既にお疲れの様子だったし、
僕も大体満足してしまったので、降ってくる前に早めに帰ることに。
が、結局雨はほとんど降らなかった様子。
帰りはひたすらなだらかな道をだらだら下って2時間ほどで駐車場に到着。
歩きながらふと上を見たら、大量の羽虫が頭上を飛び回っていてぎょっとした。

前回ほど疲れていなかったおかげか、帰りの車の中で寝落ちすることはなく、
またエドゥとあれやこれやと話をしながら帰った。
日本では山で用を足しに行くことを「キジ撃ち」とか「お花摘み」とか言うけれど、
スペインでは「松の木を植えに行く」と言うのだそうだ。
かたや採集、かたや植林。これ如何に。

前回は7台のクラシック、今回はもうちょっと高難度な課題を中心に回ったので、
出来ればスペインを離れる前にもう一度行って、今度は高さのある課題をメインにやってみたい。
ハイボール好きの自分としては、強烈な存在感を放つあの課題たちを放っておけないのです。
さて、果たしてどうなるか。

2015年6月2日火曜日

Hoya Moros 2 その1

ついに6月になりました。スペインで過ごすのも、残り20日足らず。

5月最後の週末は、エドゥと二人で2度目のHoya Morosに行った。
いつもなら木曜日か金曜日に「週末はどこどこへ行くぞ」とオファーをくれるけど、
今回は珍しく月曜日から連絡がきた。
こちらとしては嬉しい限り。まさか二度目がこんなに早くやってくるとは。
友達から旅行に誘われたりしていたけど、そもそも観光には全くと言っていいほど無頓着だし、
何よりこういう中長期的に予測がつかない誘いがくるので、旅行になんて行っていられない。
久しぶりに平日に2日しっかりトレーニングして、
トポの代わりにビデオをあれこれ観て課題を調べて、準備は万端。

土曜日の朝に出発して、WCのシーズン開幕だねとかそんなことを話しながらドライブ。
荒野の中の道はやたらと猛禽類が飛んでいた。
エドゥが「おい見ろよ、タカだ」とか呑気に言っていたら、
一羽がいきなり急降下して、道路の真ん中に死んでいたらしいでっかい蛇を引っ掴んでいった。
「すげーもの見た」と二人して興奮。
更に、途中でスーパーに寄って食料を買ったら、ぴったり20ユーロだった。
なんだこれ、なにかいいことがあるのか?吉兆なのか?

今回はCanderalioから少し違う道を進んで、林道の行き止まりにある駐車場から歩くことに。
本来こっちがメインで、前回行ったアプローチは夏の間使えないらしい。
で、最近こちらから行く新しい道が出来たとの噂を聞いたので、それを探す。
ところが、出だしから完全に道を間違えたらしく、山の稜線に上がってしまった。
仕方ないのでエリアの真上にそびえる山の方へ歩いて、それから下って谷へ。
結局2時間半くらい歩く羽目になりました。やれやれ。

このサイズの蛙は久しぶりに見た気がする

一面咲いている黄色い花は綺麗だったけど、こっちの道は景色が単調であまり楽しくない。
ともあれ、無事エリアに到着。
荷物を降ろして、エドゥがしばらく休むようなので、前回見ていない辺りを偵察に行った。
ごちゃごちゃまとまっている割に、高くてカッコいい課題が結構あった。
Rude Man (8a)

左のカンテがIkara(8b+)、奥のハングがPahari(7c+)

荷物のところに戻ったら、エドゥが古いシャツの袖を切ってノースリーブをこしらえていた。
じょきじょき

完成

まずTotal Brutal(7a)のあるガバだらけの岩でアップして、Atila(7a)の岩へ。
Atilaはスタンドが7aで、SDは7b+/cだとのこと。折角なので、SDの一撃を狙う。
スタートと1手目がフィンガークラックで、どう持ってどっちの手を出すか迷ってもじもじ。
かなり迷ったけど、デッド気味にフィンガージャムを突っ込むムーヴでやったら止まった。
手順が微妙だったけどジャムを決め直したりして越えて、スタンドに合流。
7aの核心が思いの外遠くて悪かったけど、気合で止めてそのままフラッシュ。
一応クラックの心得があるからか、7b+/cはない気がする。
まあ、一撃出来てしまった課題は総じてそういうものか。
Atila

エドゥはスタンドをトライしていたけど、核心のカチが止まらず。
「前にリップを取り損ねて落ちたんだ、今回は出来る」とか言っていたけど、また次回ですな。

メインのセクターに戻って、次はTecho Patronesの岩へ。
ここにThe Perfect Paradiseという8aがあるそうなので、それをやる。
まずQue Cucada(7b)をやったら見た目以上に悪くてやや苦戦。5回目くらいでゲット。
The Perfect Paradiseはハングの左下の方にあるアンダーから、
Que Cucadaのアンダーをガストンで指して合流する。
2手追加して7bが8aになるんだから、相当悪いんだろうなと身構えていたら、
案外簡単に1手目が止まってそのまま後半へ。
そのトライはQue Cucadaの核心でスリップして落ちてしまったけれど、次のトライでゲット。
パワフルな下部から繋げてくるとQue Cucadaのパートでヨレてしんどいけど、
力押し出来るタイプだからなのか、あっけなく登れてしまった。
下部が低空飛行なので多少地味だけど、反転したりしてそれなりに面白かった。
The Perfect Paradise

日が沈んできたので、前回日当たりの良さから諦めたComidos por la Droga(7a+)へ。
四角いダブルカンテをばしばし挟んで登る課題。スタンドが7a+で、SDは7c。
エドゥはスタンド、僕はSDをトライ。
SDは左手カンテ、右手アンダーから右の棚ガバにどんっとランジして、スタンドに合流。
もう見るからに1手目が核心。Albarracinにありそうな運動系のランジ。
最初数回は距離が伸びなかったものの、跳び方が分かったら距離が出て止まった。
7a+に合流してから一度ヒールがすっぽ抜けて落ちたけれど、次のトライでゲット。
Comidos por la Droga

Hoya Morosにしては珍しくほぼカチを握ることのない課題だった。気持ちいい。
エドゥは惜しいところで登れず。
ヒールは苦手と言っていたけど、かけ方が分かったら登りそう。

最後に、すぐ上にあるEl Legado(7c+/8a)にトライ。
ガラスみたいな鋭いカチとファットピンチでスタートして、フラットな水平カチを繋いで登る課題。
110度くらいに見えるけど、実際はもうちょっと傾斜があるようで、
ファットピンチにヒールを残して甘いカチを繋いで、リップを押さえてから解除するのが核心らしい。
一撃を狙ったもののあっけなく返された。
トライしていたらひょっこり現れた陽気なお兄さんがいろいろ教えてくれたけど、
歩き回った後にあれこれ登って疲れたらしく、この日は登れず終了。
保持力系の課題かと思っていたら、実はフィジカル系だった。

アプローチに時間がかかってしまったけど、その割にはいろいろ登れて満足。
夕飯はチョリソーとトマトのパスタ。もうこれが定番。
スペインの人はこういう主食にプラスしてパンやプレッツェルみたいなのを食べる。
ラーメンライスとかそういう組み合わせは僕もするけど、
この汁気のない炭水化物+炭水化物という文化は未だに慣れない。


2015年5月20日水曜日

Hoya Moros 1 その2

2日目、夜明け前まだ真っ暗な時間に鼻血がでて起きた。
こっちには杉林がないので「今年は楽だなー」なんて思ってたのに、
なんだかよく分からない植物の花粉に反応している模様。
おかげで今月の初めくらいからくしゃみは出るし目はかゆいし、粘膜も弱っている。
二人を起こさないように荷物の中をごそごそしてティッシュを取り出し、
血が止まってからまた寝た。

次に起きたら、山頂あたりに日が当たっていた。
アルパインルートもありそうな壁

折角起きたので前日見に行かなかったあたりへ散歩に行った。
カールの真ん中あたりは下地がいいけれど、ちょっと上に上がるとやっぱりカオス。
岩が折り重なっていて下地が絶望的に悪かったり、ものすごく深いケイヴがあったりといろいろ。
Indartsuというルーフの8b+を探してみたのだけど、見つけられず。
見た目が美しい課題はやっぱりカールの中央部に集中しているようだけど、
カオスの部分にも見方を変えればそれこそ恐ろしいほどの可能性があるようで、
この先どんどん開拓されていくんだろうな。

散歩から帰ると、案の定パブロは起きていて、エドゥはまだお休み中。
なかなか出てこない兄貴

日向は既に暑くなってきていた。
エドゥ曰く、ここの問題点はコンディションが極端なことらしい。
日向は暑過ぎるし、そうでなければ大抵寒すぎる。
ちょうど快適な気温というのはなかなかないのだそうで。
それでも真夏の日本よりはマシな気がするけど。
ということで、日陰の課題を探して登ることに。

最初に行ったのは、Kinkal Crack(7a)のあるハング。
Kinkal Crack

またアップなしなのでちょっと危なかったけど、Kinkal Crackはぷるぷるしながら一撃。
マントルを返したところにでっかい石英がぼっこり突き出していて驚いた。
次に同じスタートから左の棚をトラバースするMorenita(7a+)。
これはムーヴがちょっとトリッキーで数回かかってゲット。
どっちもいい課題。
パブロがMorenitaを頑張っていたものの、惜しいところで核心が止まらず。
エドゥは終始のんびりペース。
Morenitaのトライが一段落したところで、次の岩に移動。

次に行ったのが、カールの少し上にあるすっきりしたフェースの岩。
ここに7台が数本あるようなので、右端のShinaloa(7a)からトライ。
Shinaloa

二人がやるのをしばらく見守って、それからトライしたら一撃出来た。
リップの真下にあるカチを取るのが核心で、ちょうどよく怖くていい感じ。こういうの、好きです。
隣りの岩から移ってきたアイルランド人のパーティに交じって、
左カンテのTrepariscos(7b+)もやってみたらこれも一撃出来た。
核心がハイステップだったので、これは特異系だったかも。
Hoya Morosは個人的に好きなタイプのムーヴが多くて楽しい。
アイルランドの皆さまはTrepariscosを一時中断してShinaloaに参戦。
3人が「こえー」とか言いながらも危なげなく一撃して、
続いてパブロがランジ気味のムーヴで核心のカチを止めて登った。
「よくあんな怖いムーヴで登るね」と苦笑するアイルランドチーム。
最後に残ったエドゥが「よーし俺の番だ」と張り切って取りついて、見事にそのトライで登った。
みんな登ってみんな幸せ。いいことです。

一度ベースに戻ってお昼を食べることになった。
エドゥがアイルランドチームに「この時間にランチを食べて、昼寝するのがスペイン流」と説明しているので、
「え、寝るの!?」と聞いたら「いや、さすがにここでシエスタはしないけど・・・」とのこと。
つまり、スペイン人の昼休みは長いのです。
そういえばいつだったか、「お前は食ってからすぐ動くよな」と言われたことがあった。
日本人は、なんというか、せっかちなんだよ。


で、ベースでお昼を食べてから二人は完全に昼休みモード。
近くの日陰になっている課題をエドゥに薦められたので、一人でそれをやる。
鋭いカチが連続して、4日目の指には辛かったけど、4回目でなんとか登れた。
とにかく痛みに耐える「これ持てますか」系の課題なので、グレードがよく分からん。
帰ってから調べたら、ところによってCaptain Radon(7a+)と書かれていたり、
Maestro Sifu(7c)となっていたり、どうもはっきりしない。
まあいいけど。

食休みが終わったエドゥがクラックだらけのハングをやり始めたので、それに参戦。
落ちてる

ラインがいろいろありそうだけど、エドゥがやっていたのはまっすぐ抜けるライン。
舳みたいに突き出て部分に入ってからが悪そう。
実際やってみると、見た目よりも悪くて苦戦。
もういい加減疲れていたので、多少ぐだぐだになりつつムーヴをバラしにかかる。
フックがいまいち上手くいかないので、思い切ってリップ下のガバにランジしたら止まりそうだった。
ということでスタートからつなげたら、1回目でランジがギリギリ止まって登れた。
足を戻すのに失敗して振られたときに下の手が外れて、ほとんど片手で耐える荒れっぷり。

Sed de Mal(7b+/c)という課題だったらしい。
登りはともかく、課題の内容は良かった。

というところで、下山する時間になったので終了。既に6時を回っていたらしい。
サマータイムが始まってから、日の傾き方で時間が判別できない。
ともあれ、荷物をパッキングして、楽園を後にした。


帰り道で疲れていても、立ち止まりたくなる

日焼け止めを忘れたので、というかそもそも持っていないので、日焼けがひどかった。
2日間、日中はずっとTシャツでいたので見事にTシャツ焼け。
スペインはただでさえ日差しがきついのに、ここが山の上であることを忘れていた。
次回はちゃんと準備していこう。
Albarracinツアーの後、アンドレスに「えーと、フィリピン人?」とか言われちゃったしな。
下りは非常にスムーズだったけど、やっぱりマットを背負って歩くと肩が擦れて痛い。

車に乗ってからはもうぐったりしていて、Canderalioを出てからすぐに寝てしまった。
気づいたらもうマドリッドにいた。
道が混んでいたようで、アルカラに着いたのは11時過ぎだった。


Hoya Morosは本当に本当に素晴らしいところだった。
間違いなく、今まで行った中で一番美しいボルダリングエリアだろう。
海外の岩場に行くと、岩の質と量に毎度毎度感動するけれど、
岩よりもまずその場所の美しさに感動したのは初めてだった。
そしてもちろん、ここの岩もまた素晴らしい。
思いがけずいろいろと成果があったけれど、
土日だけではこのエリアを堪能することは到底できない。2日間は本当に短い。
触った課題はごく一部、歩いて回った範囲もきっと半分くらい。
本当に楽しくて、それだけでもお腹いっぱいになってしまうくらいの2日間だったのに、
もっともっと凄い岩がごろごろしているのを見ると、やっぱり満足できない。
また食指が動いてしまう、お腹が鳴ってしまうのです。

エドゥは「きっとHoya Morosに夢中になるぞ」と言っていた。
行く前からもう疑わなかったけれど、やっぱりその通りだった。

「Hoya Morosへ行かずには帰れない」と、金曜日までは思っていた。
「もう一度行かずには帰れない」と、今は思っています。

2015年5月19日火曜日

Hoya Moros 1 その1

金曜日は17時ころに家に着いて、その後はほとんど何もせず、
買ってあったオレンジをもそもそ食べて過ごした。
木曜日にジムでエドゥやサラと「土日はAlbarracinかな」なんて話していたのだけど、
夕方エドゥから来た連絡は例によって予想と違っていた。
「今週末はHoya Moros行くぞー」

Hoya MorosはSalamancaにある山の上のエリア。
このエリアのことを知ったのはたしか、スペインへの留学を決める前。
Iker Arroitajauregiという人が、とんでもなくカッコいいハイボールを初登しているビデオだった。
緑色っぽい地衣類のついた岩が折り重なる、夏季限定の山岳エリア。
よく調べてみるまでそれがどこかも分からずに、ただ「いつか行ってみたい」と思った。
その後紆余曲折を経て、スペインに来ることが決まり、
それからずっとこの季節がやってくるのが待ち遠しかった。

エドゥから「行くぞー」と連絡をもらってからスーパーへ買い出しに行って、
あれこれ準備していたらあっという間に深夜。
トポはないので、ビデオをいろいろ見直そうかと思ったけど、急いで就寝。

翌朝、珍しくエドゥとパブロが時間通りに迎えに来て、いざ出発。
荷物は多いけど、培ったテトリスの技術をもってすれば問題ないのだ。
集まってみたら3人とも黄色いTシャツで丸かぶり。なんてこった。
マドリッド市街を抜け、峠を越え、アビラとかいう町をかすめて西へ。
途中で寄ったガソリンスタンドで、トイレの水道水を飲んだエドゥが
「ガソリンみたいな臭いがする」とか文句を言っていた。

この山かと思って撮ったけど、違います

道中の町で買い物をして、ボカディージョをこしらえて食べて、
マドリッドから3時間くらいかけて麓のCanderalioという村に着いた。
ここはスペインの美しい村10選だかに選ばれているらしい。Albarracinもそうだったような。

それから森の中をダートを30分くらいゴトゴト走って、車のパートはおしまい。
そこら中に牛がいる

やる気満々のパブロ(なぜかスニーカー)

駐車場から急な樹林を登るとすぐに森林限界を超えて一面花畑に。これもまた黄色い。

急登を終えて尾根に出るとしばらく平坦な道になって、それから谷の中へ。
一段のっこす度に、綺麗な景色が現れる。
エリアはあの山の真下

2時間くらいかかると聞いていたのだけど、実際は1時間半くらいらしい。
弁天や矢立に開拓に行くよりも歩きは楽かも。比較的なだらかだし。
帽子がかわいい兄貴

去年の夏に北アルプスの御山谷へ開拓に行ったときは相当感動したけれど、
Hoya Morosのエリアに着いた時の衝撃と感動はその数倍だった。
これだってごく一部

驚いたのは、山岳エリアなのに芝生みたいな草地が広がっていて、下地がいい課題が多いこと。
その草原にこれまた黄色い花が咲いていて、空と、岩と、草と花とで色鮮やか。
それらの色彩の中を澄んだ小川が流れている。
とかなんとかぐだぐだ書いてますが、とにかく筆舌に尽くしがたい光景だった。
感動しすぎて写真もろくに撮らず、というかカメラすら持たず歩いてカールを一周した。
見たことのある課題もそうでない課題も、いちいち綺麗で格好良くて困った。
こんなところがあったなんて!

久しぶりに感じる浮足立ってしまうような興奮が収まってからアップ開始。
と言っても、二人も7a周辺の課題しか知らないようなので、いきなりそれくらいの課題から。
まあ前2日登っているのだからいいでしょう。
最初にEl Criptex(7a)にトライ。これはオンサイト。
ここの岩は花崗岩らしいけれど、結晶がバカでかくてガビガビ。というかトゲトゲ。
次に日ががんがん当たっている三角形のスラブ。
5月でしかもあちこち残雪があるくらいなのに、日向は真夏のように暑い。
でも、簡単そうなので気にしない。
クラックが少しじゃりじゃりしていたのでもしかしたら初登?
ついでにその左側のカンテに出るラインも登った。
こっちも中間部から上がイワタケまみれだったので初登かも。6aくらいか。
いまいちはっきりしないし確認も出来ないので別段発表もしませんが。
これだって結構高い

次に行ったのは、Aurora(8a)のある岩。
この岩はUFOが真っ二つに割れたみたいな形をしている。

二人ともスタンドバージョンのMuna(7a+)をやるようなので、まずはそれから。
リップを取るムーヴが悪かったけど、これも一撃。
岩を断ち割るクラック沿いに降りたけど、かなり恐ろしかった。
パブロが気合の入ったトライで先にゲット。
「そこのリップから飛び降りた方がいいよ」と教えたのだけど、
「だめ、怖い」と珍しく弱音を吐いて、結局僕と同じクラック沿いを大騒ぎしながら降りてきた。
そっち方が怖いんだけどなあ。
Muna

で、エドゥがレストするというので、Auroraをやってみる。
ハングの右下の方にあるアンダーから、とことん同じ向きの縦を繋いでMunaに合流する。
オリジナルのパートが、ホールドは掛かるけどスタンスが悪くてしんどい模様。
手順も足順も多少ややこしくて、セッションする相手もいないので時間がかかったけど、
30分くらいやったらなんとかバラせた。
とりあえずちょっと休んだら、エドゥがMunaを登った。やったね。

3連登目で、あまりハードにプッシュするつもりはあまりなかったので、
「2,3回やったら次に行こう」と言って、スタートからつなげ。
そうしたら、下部からムーヴがすぱすぱ決まって、
Munaのスタートを取る一番悪い一手も何とか止まってしまった。
リップ手前の中継を取ったところで体が剥がれかけたけど堪えて、そのまま押し切れた。
Aurora 8a

実質1時間かからずに登れてしまった。突然のことに驚いた。
最近調子があまりよくない気がしていたので、この課題は帰国までに登れればいいや、
という程度に考えていたのだけど、意外と体は動いてくれるものだ。
エドゥが「2,3回って言ったじゃん!」と笑っていた。

その後はパブロがEl Criptexをもう一度トライ。
El Criptex

ちょっとリーチ差がでる核心がぎりぎり届かず、これはできず。惜しかった。

最後に、Techo Patrones(7a)の岩へ。

パブロがハングの中のアンダーから出てくるラインをやっていたので、乱入して一撃。
Techo Patronesは左の方の縦ホールドがスタートなので、これはバリエーション?
帰ってきてから調べてみたけど、結局分からず。7a+くらいかな。
次にTecho Patronesのすぐ右のアンダーふたつからリップにランジするHercules(7b+?)にトライ。
両手アンダーからフリクションばりばりのリップにどんっと一手であとはマントル。
一撃は逃して物凄く遠く感じたけど、数回でコツをつかんでランジが止まり、そのままゲット。
SDは8bらしいけど、今回はやらず。
夕焼けとHercules

三人とも成果あって満足して終了。
風が当たらないボルダ―の陰にマットを敷いて、夕飯を作った。
ここはケータイの電波がとどくらしく、二人が電波の強いところへ行っている間に寝てしまった。
月はまだ昇らず、灯りも一切ないので、
目の悪い僕でも「星ってこんなにあったのか」と思うほど、綺麗に星が見えた。
街でも見えている星々の間に、もっとたくさんの星が光っていることを僕は知らなかった。