あけましておめでとうございます。と書いたところで既に1月も終わりかけています。
ヨセミテから帰ってからはツアー前に故障していた肩の痛みが再発するなどなど、あまり調子は上がらず。
N社長に呼ばれて弾丸で小豆島へ行ったり、瑞牆と野猿谷で独りボルダーをしたりした。
小豆島では吉田の瀬戸内プレゼント(5.13a)と赤嶽のエル・カミノ(5.13a)をOS。
一応、13aのOSは初めてのことで、最高グレードの更新だったのだけれど、
慣れ親しんできた小川山・瑞牆周辺とのグレードに比べると易しく感じる。
グレードはあくまでも目安なので素直に喜べばいいのだけれど、
個人的にはまだまだ最高のOSをしたとは言えないような気もしている。
ここからは、年末年始の話。
新年をほぼ毎年海辺で迎えている我が家ですが、今年も例にもれず大堂海岸での年越しになりました。
今回はN社長の取材チームに呼ばれ、あさこさんは先に出発。
僕は仕事納めをしてからゆっくりと合流した。
今年は曜日のめぐりが良かったので、有休を大量につぎ込み、成人の日の週末まで繋げた大型連休にできた。
1月28日~29日 移動日
27日の夜中に山梨まで移動し、28日はゆっくり出発して四国を目指した。
思えば、一人で四国まで運転するのは久しぶりだった。疲れるけれど、こういう一人旅も案外嫌いではない。
明石海峡→淡路島→徳島へと渡り、山間の吉野川SAまで走って車中泊。
29日は再び走って、昼過ぎまでかけて宿毛、大月にたどり着いた。
先発組は洞窟エリアにいるとのことだったので、午後遅い時間に合流。
さあかすのざう(5.11d)の左のチムニー(5.8)だけ登って終了。
チムニーに挟まるあさこさん、すごい体勢のタケミちゃん
エリアの奥には洞窟があった
帰り際、やはりN社長に呼ばれて合宿に参加しているYabuくんと、洞窟エリアの気になるラインを見上げた。
「ここ登れそうだよね」「そうよなぁ」
そう言ってフェースに走るヘアラインクラックを見ている後ろでは、
奥様方が「まーたそんな細いやつ見て...」と笑っていた。
こういう岩場で食指の動く人間とその家庭は、だいたいこんな感じなのだろうか。
12月30日 白いエリア
この日は白いエリアへ。柏島への橋を渡ったところに車を止めて、「田中さんの畑」と書かれた防災看板を目印にアプローチ。
そういえば前に来た時は、福の神こと福ちゃんと一緒だった気がする。
エリアに下りていくと、他に2パーティいて賑やかだった。
アップでブラックニッカ(5.10a)を登り、We Will Rock You(5.11a)をOS。
見た目どおり前傾フィストが核心だったけれど、手のサイズのおかげでほぼワイドハンドだった。
かなりじゃりじゃりしたけれど、シーズン初めはこういうものらしい。
前日まで2日移動してきたのであまりペースは上げず、もう一本モスキート(5.11a)をOS。
こちらはルーフに頭を押さえられる辺りから多少苦しくなり、湿気も籠っていたので緊張した。
N社長が「モンキーエリアでもう一度登って検証したいルートがあるから付き合って」と言うので、
他のメンバーとあさこさんを残して一足先に上がった。
夕暮れのモンキーエリアに移動し、N社長が手早く1本だけ登って終了。
12月31日 レスト
大晦日。先発メンバーはこれまで5連登だったそうで、この日はレストになった。
「各自ご自由に」とのことだったが、あさこさんがお疲れの様子だったので無理はせず、
宿毛市街へドライブがてら昼食を食べに出かけた以外はのんびりと過ごした。
道の駅大月にある長い滑り台(ローラーがついているやつ)を滑ってみたら、それから妙に尻がヒリヒリとしていた。
風呂上がりに触ってみると、火傷したようだった。あさこさんには盛大に笑われる始末。
大人が子供用の遊具で変に羽目を外してはいけません。
1月1日 東のエリア
元旦。N社長の経済力により、なんと渡船で岩場へ行くことになった。
先人がせっせと歩いて岩を、というか壁を見つけ出した岩場なので気が咎めるけれど、
船からの景色もそう見られるものではないので、乗ってみることに。
古満目の港から船に乗り、岬をいくつか回り込むと、大堂海岸の全容が見えてきた。
手前の大きな壁が最果てエリア
興味津々
この日は東のエリアへ。大堂のパイオニアの一人でもあるバッタ先生(トポ発売おめでとうございます)もご一緒していただいた。
エリアに着いてまず天国の扉(5.9)でアップ。5.9は5.9だけれど、ここは大堂なので当然のようにカムのセットには気を使った。
そんなことをしている間に、バッタ先生はソロで5.11台をガンガン登っていた。ハートが強くていらっしゃる。
それを見てしまってはこちらも生ぬるい登りはできないと、New Old Line(5.12a)に撮影を兼ねてトライ。
出だしからスモールカムとナッツを固め取りして「やっぱり大堂のルートだなぁ」と感じたけれど、
ルートの内容はどちらかというとフェース要素が強く、心地よいパンプを感じながらOSした。
プロテクションの効きは全体的に良いけれど場所が限られ、それを足下にしての核心はなかなか痺れた。
バッタ先生(初登者)がNew Old Lineを登るのをビレイしたりしているうちに日が傾き、
前に来た時に登った夢幻の壁(5.11a)を西日を浴びながらリピートして、渡船が迎えに来たので終了。
この日、Yabuくんが柿羊羹(5.10d)と暗中模索(5.11d)の間にあるラインを目の前で初登していた。
「ここが登れそう」と感じていたラインが目の前で初登されるのを見て、悔しいという気持ちは不思議となかった。
むしろ純粋な刺激として、胸に残った。
1月2日 帰れずエリア
また古満目から渡船で岩場へ。
この日行った帰れずエリアは、初めて大堂に来た時にモンキーエリアと間違えて迷い込んだ覚えがある。
100岩の記述を曲解して、気づくとボロボロのロープにひしゃげたアルミ梯子がぶら下がった道を下っていた。
そのときはモンキーエリアへと波打ち際を移動したので、ここで登るのは初めてだ。
まずあさこさんが熱風セレナーデ(5.10a)を登り、僕も続いて登った。
要所要所にレッジがあるのが玉に瑕だが、このグレードでこの長さ、ジャムのサイズも多彩でなんとも名作の香りがする。
次に、この日のメインのモンゴ・サンタマリア(5.11b/c)。
発表当時は1P目が5.11a、2Pが5.11dだったそうだが、今はこのグレード。
1P目の中間にはボルトが2本あったらしい。今は微かに跡が残る程度だ。
トライしてみると日差しが相当暑く感じた。このエリアは壁際にくると途端に風がやんでしまう。
クラックの縁がかなり温もっていて、ヌメりで危うく落ちそうになりながらOSした。
正直なところ、前日のNew Old Lineよりも悪く感じた。まあそれはコンディションのせいだろう。
モンゴ・サンタマリア
最後にあさこさんと右のほうにあるトップロープ課題の5.11c/dで遊んでみた。
と、これがとにかく難しかった。
先にトライしたあさこさんが悪そうにしているので、選手交代してやってみたところ、
落ちずに登れたもののかなりギリギリ、これも落ちるかと思った。
体感は5.12ノーマル。
比較的グレードは辛めだと思っていたが、大堂海岸恐るべし。
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