2024年12月27日金曜日

Yosemite 24 その4

10月31日 Salathe Wall day6 (Head Wall ~ Long Ledge)
5:30起き。が、寒さと疲れでなかなか動き出せず。
朝イチのトイレは、これまでになくエクストリームだった。
Head Wallは1P目(5.13a)からシビアで、あわよくばという期待は一瞬で粉々になった。
これまで見たことがないくらい巨大にフレアしたクラックが、最奥で極細になっているといえばいいのか。
また拙いエイドでやっとこさ越えたものの、相当に厳しかった。
フリーでのムーヴも頭の隅で組み立ててはいたが、100%は解決できず。
Head Wall 1P目

ポータレッジは畳まずそのまま荷上げして、中に収まって一休み。
2P目(5.13a)はコミネムに譲った。本当ならこのピッチが一番長くおいしいところだったけれど、相方にも登ってほしかった。
コミネムは流石のジャミング技術で半分くらいはOS、そこから始まる核心はテン山ながらエイドなしで抜けていった。
体はすでに悲鳴を上げ始めていたけれど、心強かった。
Head Wall 2P目(フィックスは別パーティーの残置)



強風に煽られぐらぐら揺れるポータレッジでまた休み、気持ちを入れなおして3P目(5.13b)。
いきなり出だしでテンションしたが、中間部の大穴レストポイントまでは入り込んだ。
が、その上の核心パートはプロテクションが細かすぎた。
多くのクライマーが使っている残置ナッツはワイヤーが切れ、波平の髪のように壁から突き出している始末。
墜落に耐えるほどのプロテクションをセットできる気がせず、フリーは諦めてまたエイド。
震えながら、三度拙いエイドで抜けた。心の底にくるクライミングだった。
しかしどうにかルート全体の核心であるHead Wallは突破。まずはそれに安心している。

宙を舞うポータレッジ

Long Ledgeに荷物を広げ、ポータレッジに収まると、先ほどまでの怖さが嘘のように平和だった。
明日はもう3ピッチ登ってトップアウト。
長かったこの壁も、いよいよ終わる。


11月1日 Salathe Wall day7 (Long Ledge ~ summit)
5:30起きで荷物をまとめる。足下にレッジがあるというだけで、ずっと楽に感じた。

アップなしで28P目のバリエーション(5.11d)を登るのは緊張したけれど、
ホールドが人工壁かのように明瞭、かつ大きく、ランナウトも適度で大丈夫だった。
かなりパンプしながら、無事にOS。
28P目

次の29P目(5.10d)はコミネムがリードして、ルーフ下トラバースのボルダームーヴでハマったらしく、エイドで抜けた。
突き出たダイクに荷物が何度も引っかかるので、途中からフリーでのフォローは諦めてユマールでのサポートに切り替えた。
ここまで登ると突然壁の傾斜が落ち、最終ピッチの5.6はほとんど歩きだった。
さっさと登り、アンカーを作り、岩のフリクションで重くなった荷上げも済ませてトップアウト。

解放感、安堵、喜びと悔しさがあった。まずはパートナーと抱き合った。
このアンカーに、もう少し違う気持ちで触れることが出来たら、という想いがずっとある。
ともあれ、長いクライミングは終わり、概ね晴れやかな気持ちで荷物を整理してパッキング。
重い重いホールバッグを担いで長い下山にかかった。
何ピッチも続くフィックスのラペルが心配だったけれど、荷物を分解してぶら下げるなどしたら大して問題なし。
こういうことも、事前に瑞牆で練習しておいてよかった。
暗くなり、Noseをワンデイで登ったという身軽なパーティに追い抜かれたりしながら、無事にピクニックエリアに下山。
荷物は一旦デポして、El Cap Meadowまで歩いて車を回収。
キャンプ4を一度回ってから荷物を回収に戻り、再びキャンプ4へ。
シャワーはひとまず諦め、あさこ・ガチオチームに夕食をごちそうになって、倒れるように寝た。


11月2日 レスト
El Capの壁の中は寒かったが、キャンプ4の朝も寒かった。
この日はレストで、シャワーを長めに浴びてからSonoraの街へ出かけた。
ピザとサラダバーが食べたかった。
その念願が叶って、第2回サラダバー選手権が開催された。Mike's Pizza最高。
誰が一番上手く盛るか、という競技だったらしい

洗濯、買い出しも済ませて、夜の帰り道の車内は誰からともなくカラオケ大会になった。


11月3日 Above the Cookies
前日降った雨の湿気を感じつつ、あさこさんと2人でTales of Powerをやりに行った。
Reed's PinnacleでLunatic Fringeを登ってアップし、Stone Grooveは先客がいたのでやめ、Talesへ移動。
ロープをフィックスして下りていくと、日本語ペラペラのハイテンションなお兄さんがいて、
Separate Realityをトライ中の仲間にやんややんやと声援を送っていた。
あさこさんが聞いた話では、神戸にいたのだとのこと。
TalesはあさこさんがOSトライをしたものの、下部のオフウィズスで行き詰って下りてきた。
選手交代して取りつくと、クラックの中はジメジメ。
ジャムがあまりにも効かないので、核心はカムエイドで抜けるしかなかった。
おまけに出口のチムニーの中は砂でじゃりじゃり。どうも雨が降ると流水溝になってしまうらしい。
アンカーに這い上がると、先ほどのハイテンションお兄さんがユマールで帰っていくところだった。
"How was it?"と聞かれ、"IT'S WET!!"と答えると、"OF COURSE!!!"と笑っていた。
知ってるなら教えてくれーい。
その後あさこさんがトップロープでするするとTalesを登っていき、僕がユマールで回収。
ビッグウォール後のアクティブレストとしては、こんなところだろうか。

11月4日 Chapel Wall
Heaven(5.12d)へ行くガチオ・コミネムペアを見送り、こちらはゆっくり歩いてChapel Wall。
森の中はまだ湿気が漂っていたけれど、Cosmic Debrisは乾いていた。
「最初はトップロープでやりたいやろ」というあさこさんの言葉に甘えて、リードしてもらう。
テンションをかけながらやってみると、右人差し指はまだテープを巻いているし、
指はジャムの感触を忘れているしで、なかなかハードに感じた。
が、すぐに指と体が温まってきて、クラックに馴染み、ムーヴが確認できた。
あさこさんのトップロープでのワークを挟んで、もう一度トップロープでやると、今度はノーフォールで抜けられた。
El Capから下山して、中2日でこの感触なら上々。
次回はリードでトライすることにして、あさこさんがもう一度トライして終了。
最後は真っ暗になり、2人ともヘッドランプを下にデポした荷物に置いてきてしまったので、スマホのライトを頼りにラペル。
明るいので怖くはないけれど、ひどく不便だった。反省。

Yosemite 24 その3

10月26日 Salathe Wall day1 (~Lung Ledge)
3:00に起床。前日に作っておいたベーグルを車中で食べ、取りつきへ。
4:45にFreeblastスタート。この日はすべて僕がリードした。
もう3年目ともなると慣れたもの、かと思いきやそうでもなく、2P目のトラバースで落ちるかと思った。
ここを落ち着いて越えて、体がほぐれ、4P目の11b/cのスラブ、5P目の11aと快調に通過。
Half Dollarもこなして、Mammoth Terraceに上がった。
11b/cのスラブをフォローしてくるコミネム

Heart Ledgeへのダウンクライムのピッチはラインを間違えて登り返したりしたが、落ちずに下った。
決して速いペースではないけれど、暑くなりすぎる前にここまで抜けたから上々。
とはいえ流石にカンカン照りだったので、テラスで2時間ほど昼寝して、
日が傾いてきた頃に次の10P目の11cを登り、Lung Ledgeへ。
このピッチの核心は、3度目でもやっぱり悪かった。
それから一気に重くなった荷上げを2人でどうにかこなして、さらに11P目を登ってロープをフィックス。
大きい方のホールバッグのみを上のこのアンカーまで荷上げして、Lung Ledgeで泊。
初日でHollow Flakeを越えられたら理想的だったけれど、日向での行動時間が長いと水も体力も消耗する。
これはこれで、まともな判断だったのかも。
デキる男に紫外線は大敵

10P目

10月27日 Salathe Wall day2 (Lung Ledge ~ the Alcove)
また3:00に起床。ビバーク装備のパッキング、荷上げとやっていたら、下からやたらと速い2人組が登ってきた。
Jacob CookとTayler Karowだった。
Golden Gateを極力フリーで(核心だけ?)ワンデイで登るとのことで、
Jacob曰く「French Golden Gate、さしずめエッフェルタワーってとこかな」とのこと。
2人には抜いていってもらい、こちらも日が昇る前にHollow Flakeを僕がリードで登った。
最後のスクイズはやっぱりドキドキしたけれど、問題なし。
が、ここの荷上げは案の定時間がかかり、そうしているうちに下からも上からも次々にパーティが来た。
順番を譲ったり待ったりしていると、時間はどんどんと過ぎていった。
渋滞中

13P目(5.7)と14P目(5.10a)をリンクして、且つスタティックロープを引っ張って登ってみたものの、
ギアとロープの重さでやられそうになったので、次からは従来のタグラインを引っ張るやり方に戻した。
ギアも持ちすぎないようにして登るに限る。
この間も他のパーティとのバッティングで終始渋滞が続いた。
それにしても、下から上がってくる人らは皆、身軽だった。ワンデイで行けるだけ行って、地面まで戻るらしい。
律儀に地面から大荷物を上げているパーティーはほとんどいなかった。タイミングの問題?
そしてThe Ear(14P目、5.7+)を抜ける頃には壁の傾斜が増し、荷上げが軽くなってきた。

傾いた日差しの中、Monster Offwidthではなく右のSalathe Original(15P目、C1)に取りつく。
前半の10dのフィストが結構悪かったものの、ここは落ちずにフリーで越え、
それが一気に細く閉じたところからエイドに切り替えた。
2回カムがすっぽ抜けて吹っ飛ばされたものの怪我はなく、慣れないエイドながら徐々に要領を掴んで、
終盤は手持ちのギアで抜けられるのかというヒリヒリした感覚を覚えながら、なんとか登り切った。
ボルトラダーではないエイドは、思えば初めて。新鮮な経験だった。
薄暗くなる中、もう1ピッチ短いワイドを登り、the Alcoveに到着。
荷上げも含めてまた20:00近くまでかかってしまったけれど、完全に貸し切りで快適。
丸1日ユマールとビレイに徹してくれたコミネムに感謝。
荷上げが終わり、まだルートの中間だけれど「いやあ、とりあえずお疲れ!」と握手した。


10月28日 Salathe Wall day3 (the Alcoveにほぼ停滞)
7:00にゆっくり目覚めると、ポータレッジのフライに雨の当たる音。昨夜はこれまでよりも寒かった。
雨は時折みぞれ、あられになって、軽く積もるくらい降った。

雨が止むのと日が当たるを待って、Salathe Originalに上からぶら下がってワークしてみた。
中間部以降のピンスカーはどれも細く、レストポイント直後からずっと悪い。
細切れにムーヴをバラすのにもかなり苦労した。
思えば、疲れと空腹もあったのかもしれない。
最上部まではなんとかムーヴを解決したものの、最後の数メートルは解決できず。
そうこうしているうちにまたみぞれが降り出したので、諦めてユマールでthe Alcoveまで戻った。

ポータレッジの中でみぞれを1時間ほどやり過ごし、また日が当たってきたので、
El Cap Spireよりも上へ2ピッチ分ロープを伸ばした。
El Cap Spireに上がる17P目(5.10a)とその先2ピッチは、ついにコミネムがリード。
Yosemite初リードが、Spire上の11cのシンハンドなんて、羨ましいぞ。
疲れは見えたけれど、スピーディーにOSしていった。流石です。
こちらはフォローで登りたい気持ちをぐっと抑え、明日以降に備えるつもりでユマールとビレイに徹した。
Salathe Originalが登れなかったので、これで今回のゴーアップでのオールフリーの完登はなくなった。
しかし天候などに左右されるじれったさも、今は充実感の方が大きく、悔しさは滲んでこない。
むしろ明日へ向けて燃える気持ちが、静かに大きくなってきた。


10月29日 Salathe Wall day4 (The Alcove ~ Sous le Toit)
5:30起床。パッキングしてポータレッジを畳み、前日に張ったロープをユマールして荷上げ。
Teflon Conerの下に着くころには、南西壁にも日が差し込み始めた。
まずBoulder Problemへのアプローチ的な20P目(5.11c R)を登る。アップなしでかなり緊張したが、ここは問題なし。
それからいよいよ、Boulder Problem(21P目、5.13a)。
壁は日向だったけれどまだ岩は冷たく、若干悴みを覚えるくらいだった。
おかげでホールドはよく持てた。
ビッグウォールの真っただ中とは思えないほど短いピッチで、11前半くらいの導入の後、いきなり核心が来る。
有名な核心のムーヴは、ダブルダイノか「Karate Kick」にするか、現場で決めることにしていた。
少し足が滑ったりしつつキーとなるホールドを持って左を見ると、キックする壁は遥か遠くに見えた。
一瞬でムーヴを決め、コミネムに「跳ぶ!」と一声かけて、次の瞬間にはダブルダイノを止めていた。
そのまま最後の短いフェースを登って、アンカーに這い上がった。なんとFLできた。
5.13のOSもFLも初めてのことで、ここでその時がくるとは、とびっくりした。
ひとしきり興奮した後、ロープをフィックスしてTelfonの下のレッジまで戻り、荷上げ。
続くthe Sower(22P目、5.10d)をコミネムが登って、the Blockに上がった。
the Sower

ここで小休止して、次の23P目(5.10c)もコミネムがリード。
このピッチはルートファインディングが難しく、叩くと嫌な音がするフレークを微妙なプロテクションで登っていった。
悪そうにしているので、「ライン合ってるー?」と声をかけると、「残念ながら合ってるみたい!」と返ってきた。
一部エイドも交えつつ、コミネムがSous le Toitまで抜け、僕がフォローして、荷上げ。
今日は暗くなる前に行動を終わった。
Sous le Toitは狭く、ポータレッジを建てるのに四苦八苦したものの、建ててしまえば快適。
つくづく、このポータレッジをクロヒゲさんから借りられて助かっている。
明日はついに、ヘッドウォールに上がる。
憧れてきた壁と対面する怖さもあるが、まだ折れるわけにはいかない。



10月30日 Salathe Wall day4 (Sous le Toit ~ Head Wall下)
5:30起きで準備をしていると、まだ日が当たる前のHead Wallを、ヨドガワ・ヨシダペアが下降してきた。
荒天を挟んで貸し切りだった壁で、最初に会うのが日本人の知り合いという。ここは瑞牆か。
しばらく談笑した後、2人はBoulder Problemを目指して下りていった。
しかし寒さで固まった体は思うように動かず、Enduro Cornerの前半(24P目、5.11c)をコミネム、後半(25P目、5.12b)で僕がそれぞれやられた。
お互いにテン山になりながらどうにかムーヴを解決して、やっと抜けた。
ムーヴはできても、それを繋げる力が出せなかった。

the Roof(26P目、5.12a)の下にポータレッジを組んだまま持ち上げ、しばらく中で休んでいると、
体が冷えたからか動くのが億劫になり、弱気を起こしそうになってきた。
そこでコミネムが「the Roof、やっていい?」と言うので、危うく譲りかけた。実際「いいよー」と言ったかもしれない。
そうは言いつつ疲れと不安がコミネムにもあったようで、結局は予定どおり僕がリードすることになった。
空元気と少し差した日光で温まった体でエンジンを回して登り、ヨレを感じつつギリギリOS。
緊張したけれど、とにかく登れてよかった。


あとはルーフの縁まですべての荷物を持ち上げて、Head Wallを見上げながらここで泊。
ポータレッジの下は、完全に空間だった。
Head Wallは美しい。しかし、どうにも寒すぎる。
暑すぎる日から一転して、寒すぎる風の強い日がやってきて、体はダメージを確実に受けていた。
明日、Head Wallのクラックに手を、指を入れて、何が感じられるか。
体力的にも寒さ的にも、正念場だ。

2024年12月25日水曜日

Yosemite 24 その2

10月19日 レスト
ゆっくりと起き、林道を少し行ったところで張っているあさこさんチームのサイトでヨガ教室などして、日中はSonoraへ出かけた。
買い出しついでに、Googleでの評価が高いピザ屋を見つけてランチ。
ピザはもちろん美味しいのだが、それよりも5$のサラダバーに全員大興奮。そして全員山盛り。
Sonoraに行ったときは、このMike's Pizza of Sonoraがオススメです。
夕方キャンプ場に戻り、生姜焼きとちゃんちゃん焼きでパーティー。


10月20日 Cookies
この日は皆でCookiesへ。
朝一でまずCatchy(5.10d)を登り、すぐ隣のPringles(5.11a)というボルトルートも登った。
さらにCookie Monster(5.12a)をOS、カンカン照りで灼熱のRed Zinger(5.11d)もFLした。
Red Zinger

ここで一度、暑さをかわすために昼休みにして、キャンプ4へシャワーを浴びに行く。
日中はクライミングには暑すぎるが、順番待ちも少ないし、なによりシャワー終わりが寒くないのでこれは結構快適。
それから再びCookiesに戻って、カチカチのフェースを登るChips Ahoy(5.12b)をOS。
最後にCrack-a-Go-Goをリピートして終了。
Red Zingerでは他のメンバーによる波状攻撃が続き、まるでコンペ会場のようだった。
指は相変わらずぐるぐる巻きだが、調子は悪くない。


10月21日 Above the Cookies
ゆっくり出発して、他の3人をSeparate Realityの駐車場に下ろして、Yosemite Westのハンス邸にデポ品を取りに行った。
行ってみると、今年も管理人のディーンがいた。今年も来たよ、と挨拶。
ポータレッジ本体はすぐに見つかったものの、フライが別のガレージにしまってあって探すのに手間取った。
ここからSeparate Realityに戻ったのだけれど、通り道のEl Cap Meadow周辺で工事渋滞にはまり、随分遅くなってしまった。
あかねチームが張ったフィックスをラペルしていくと、Tales of Power(5.12b)が空いているので、はがりんをビレイしつつトライすることに。
OSを狙って取り付いたものの、核心の0.75サイズに見事にはじき返された。
1テンでぎりぎり抜けて、残りの時間ははがりんのトライに付き合って終了。
やはり、このサイズのジャムはまだまだ下手くそだったらしい。

無念


10月22日 Arch Rock→Cookies
この日ははがりん、ゆいちゃんと3人でまずArch Rockへ。
杉野さんの魅惑のトラッドで「クレイジージャムが4ピッチずっと続く」と書かれていたNew Dimension(5.10d 4P)を登る。
上の2人がリード&フォローで登り、ロープをフィックスしてもらって自分が最後尾をTRソロで登っていった。
このシステムが上手くいき、3人組でも大して遅くならず登っていけた。
New Dimensionはリンクして3ピッチで登ったけれど、どのピッチも嫌なサイズが要所に出てきて緊張した。
そしてどのピッチも良いクラックで、これはたしかに名作。
程よいスケールでちょうどよく楽しい。

ラペルして、一度道路沿いのピクニックエリアでコーヒーブレイクをして、シャワーを浴びて夕方からCookiesへ。
Red Zingerをやる2人よりも先に、隣のMeat Grinder(5.10c)を登らせてもらった。
疲れてきたのか、#4サイズのコーナーがやけに苦しく感じた。


10月23日 レスト コミネムのピックアップ
レスト日。サンノゼまでコミネムをピックアップに出かける。
キャンプ場から空港まで、給油も含めて3時間半ほど。少し遅くなったけれど、無事に合流した。
レンタカーを受け取りに行くと、「追加料金なしで車種を変えられますよ」とのことで、
セダンのつもりで予約したがSUVを借りられた。
ラッキーだけれど、本当に追加料金なしなのか...?
REIとWalmartで買い出しをしながら帰り、20時にキャンプ場に着いた。
夕飯を作って食べ、就寝。
旅の疲れか、顔面蒼白

車中でコミネムと日程について話し合い、足慣らしはナシにしていきなりゴーアップすることになった。
突然の提案に面食らったけれど、そうするとツアー中にもう2回壁に入れるかもしれない。
それに、到着してすぐのモチベーション溢れるコミネムの提案だ。乗るしかないだろう。


10月24日 荷上げ
朝一でEl Cap Meadow近くのピクニックエリアで装備を並べてパッキング。
ここは時間をかけて丁寧にやっていった。

時刻は正午を回り、パッキングがやっと終わったのでEl Cap Meadowへ移動。
車からHeart Ledgeへのフィックスの取り付きまでダブル歩荷した。
7泊8日を6泊7日に変更したので、荷物は全部で80kg+αに収まったが、それでも重い。
フィックスの取り付きでJacob Cook夫妻に会ったりしつつ、暑い日差しの中を荷上げ。
初めの2ピッチほどは2:1システムを使って1人で上げたけれど、
徐々に壁の傾斜が落ちて岩角なども増え、呆気なく上がらなくなった。
ということでその上はスペースホーリングに切り替えてスピードアップ。
Heart Ledgeまで上げ切ったのは19:30だった。
ラペルは一瞬で、それからキャンプ4へ行って日本人パーティーに混ざった。



10月25日 レスト
ゆっくり起きて朝食を摂り、僕はひとりで林道端キャンプ場に残してきたテントや荷物を回収に出かけた。往復で1時間ちょっと。
それからキャンプ4でシャワーと洗濯。
時間があったので、辺りをぶらぶらしていたニシムラくんも誘ってガチオ氏のPhoenixを見学に行った。
出だしからかなり苦戦したようで、本気トライは残念ながら見られず。
その後はYosemite Villageで少し買い物をして、ビッグウォールのパーミッションを出しに行った。
毎年来るたびにシステムが変わっているこのパーミッション、なんと今年は窓口すらなく、
El Cap Meadowのバス停に記入用紙とポストが置いてあるだけ。
シンプルになるのはいいけれど、いざ行ってみると用紙がない。
ストックが尽きてしまったのか、箱が空っぽになっていて書けず。
仕方なく自分のノートを千切って手書きすることにして、見本の写真だけ撮ってキャンプに帰った。
あとは装備の最終確認。これが思いのほか長くかかり、あさこさんが夕飯をすべて用意してくれて助かった。
嬉しいサポートだった。感謝。
すぐ近くに張っている若者グループがそこそこ賑やかく、周りも明るいので、
早めにテントに引っ込んだもののなかなか眠れなかった。
Phoenixを見守る

2024年12月23日月曜日

Yosemite 24 その1

ご無沙汰しています。
年中行事に限りなく近くなったYosemiteから帰国して1月半ほど経ってしまい、もはや年の瀬。
今年のことは今年のうちに、ということで、ツアー中の日記をもとに書いていこうと思います。


まずはじめに、今年も「Salathe Wallをオールフリーで登る」という目標は達成できませんでした。
しかし、エイドを交えながら壁を頂上まで登り、その全貌を初めて見てきました。
今年が勝負と少なからず思っていたので、がっかりする気持ちもどこかにはありましたが、
それだけでは語れないだけの経験が詰まった濃密な時間でした。
次回に向けての1年は、すでに始まっています。


10月10日 移動日
出発。後発のコミネムに家まで迎えに来てもらい、バス停まで送ってもらった。ありがたや。
バスに揺られて数時間、成田空港に着いてからしばらくチェックインが始まるの待ち、荷物を預け入れ。
今年はホールバッグ2つで、30kg+23kg。
バッグドロップのおじさんに「完璧にコントロールしていただいて、ありがとうございます」と言われた。
16時過ぎにフライト。初めの1時間半くらい寝たもののすぐに目が冴えてしまい、ひたすらに暇。
やっとサンノゼ空港に到着して、あかねちゃんらのチームにピックアップしてもらい、
REIとWalmartで買い出ししつつYosemiteへ。
昨年も泊まった、公園外の林道端キャンプ場に今年もテントを張った。
いよいよ、Yosemiteに戻ってきた。天候に恵まれることを祈りたい。

10月11日 Chapel Wall
ゆっくり起きて出発して、Chapel WallでCosmic Debris(5.13b)。初日から高負荷だが、それでいい。
1年ぶりのDebrisは強烈で、1トライ目でかなり時間をかけてムーヴを確認したものの、2トライ目では同じムーヴが起こせず。
ジャムの負荷が高いと、こうなる。
3トライ目でRPを狙ったものの、下部でスリップして落ち、2テンで抜けた。
移動日の翌日なので本調子ではないのかもしれないが、このルートの難しさを改めて実感。
夕方、Housekeepingでカッシーをピックアップ。数日間はこちらのチームに合流して登ることになった。


10月12日 Cockies
今年のYosemiteは入園の規制が面倒くさく、週末は事前予約が必要というシステムだった。
が、ピーク時を外して入園すればOKという緩さがあったので、規制がかかるよりも前に入園する早起き作戦を採った。
そもそもこの時はまだ日差しが熱すぎて、日向ではほとんど登る気にならなかった。
この日も4:30に出発して、あかねちゃん、カッシーと3人でCockiesへ。
実質的に初めてなので、Outer Limits(5.10b)、Crack-a-Go-Go(5.11c)、Hardd(5.11a)とOSして、日陰になっているElevator Shaft(5.8 R)も登った。
クラックを登る感触としては悪くなかったが、12台以上でもっと尖らせたいところ。
Crack-a-Go-Go(クラック脇のホールドを平然と使う)


10月13日 Chapel Wall
また未明に出発して、あかねちゃんらをPhoenix(5.13a)の駐車場で下ろし、外がまだ寒いので車中で二度寝。
Phoenix組が早朝のトライを終えて帰ってきてから、ゆっくりと日陰のChapel Wallへ。
が、Debrisには先客がいた。
トライしている人らが「上がって来いYo!」と陽気に声をかけくれたので、取り付きまで行って様子を見たものの、
彼らのトライが終わった時点で14時過ぎという微妙な時間。
うーん、微妙すぎるな。ということで翌日出直すことにした。
結局丸一日なにもしていないが、ルートの性質上、というか立地上仕方ない。
レストになった、ということで。

10月14日 Chapel Wall
この日は祝日だったので、また未明発で入園。そしてまたPhoenixの駐車場で仮眠。
それから移動してChapelの駐車場でコーヒーを入れて朝食。
流石に前日よりも早く来たので、Debrisに先客はなし。
最初にトップロープを張って、上から下りながらムーヴを確認して、
数年前に登っているカッシーが「筋トレ」と称して軽くトライしたあと、本気トライ。
個人的には核心に感じる前半を越え、#0.4のセクションもこなしたのに、
これはもらったという上部の一手で左足が滑り、右人差し指の皮をごっそりと持っていかれた。
やってしまった。決定力不足というのか、不注意というのか。
とにかく止血して下山。
シャワーを浴びて、早めにキャンプに帰った。
見ていたカッシーが「パンジーの花びらがついてるかと思った」

ツアーの序盤でまだよかったと言うべきだろう。まずは絶対に深くせず、保湿を怠らないこと。
3週間後にSalatheのヘッドウォールにトライする自分は、まだイメージできる。
焦らず回復に努めよう、としか今は考えることはない。

10月15日 レスト
買い物がてらMariposaへ出かけた。
YACのミュージアムの展示が変わったらしい、という噂を聞いて、今年も行ってみた。
たしかに展示の内容は大きく変わっていたけれど、個人的には昨年までの方が情報量が多くて好みだった。
それでも十分に面白いからいいけど。
昼にスーパーの駐車場に来ていたタコス屋で買い食い。悪くないが、2ドルのタコスは流石に小さかった。
買い物をして帰り、夜はひさしぶりにパエリアを炊いた。

10月16日 レスト
昨日、夜中に帰ってきたカッシー、はがりんと3人でゆっくり公園へ。
Curry VillageとYosemite Villageをぶらぶらとした。
Degnan’sでカフェタイムをしていたところ、あかねちゃん、ゆいちゃんも合流。
更にあさこ・ガチオペアも合流。一気に日本人井戸端会議と化した。
登れないので気持ちは焦るが、ここは大事にするしかない。
夕方、カッシーをキャンプ4に置いて帰る。
が、午後からの雨で干していた洗濯物がびしょびしょになってしまった。

10月17日 Reed's Pinnacle / Phoenix
少しずつ登ってみようということで、Phoenixに行くあかねちゃんに付き合いつつ、アップでReed's Pinnacleへ。
Reed’s Pinnacle Direct(5.10a 3P)を2P目の10aまで登ってみた。
トポで星がたくさんついているだけあって、流石はクラシックという内容だった。
人差し指はテープでぐるぐる巻きだが、強く押されたりしなければ痛みはほぼなく、登るには案外支障なしだった。
夕方、日が陰ってきたPhoenixへ移動。これがYosemite初(世界初)の5.13ですか。
あかねちゃんがトップロープでトライし、ノーテンで抜けた。
こちらはビレイに徹して、トライしたい気持ちはぐっと抑える。
アプローチに鹿

10月18日 Reed's Pinnacle / Phoenix
またReed'sで登ってからPhoenixというプランで出かけた。
この日はエリアに行くとまず目を引くLunatic Fringe(5.10c)を気持ちよく登った。
トポでの星の数はReed's Pinnacle Directの方が多いが、個人的にはこちらの方が面白かった。
続いてもっと難しいのもやってみよう、ということでRon Kauk初登のCrossroads(5.13d)をやってみたものの、流石に暑すぎた。
各駅停車で、右上のカンテへ続く後半のセクションは全く解決できず。
中間部にあるリングのアンカーからロワーダウンした。
(後で調べてみると、どうもこの中間のアンカーまでで13aらしかった)
ともあれ、カチを保持する感じも思っていたより悪くなかった。
ついでにもう1本Stone Groove(5.10b)を登った。これもそこそこ面白い。
Lunatic Fringe

Phoenixの駐車場へ移動して、実はすぐ近くにあったMeltdownを見学してから、Phoenixへと降りた。
あかねちゃんはこの日2回目のトライでRP。すばらしいクライミングだった。
こちらも前向きなエネルギーをもらえた気がしている。

2024年10月8日火曜日

TheTribe 『中嶋渉、内省するクライマーの行方。』によせて

東京の神田小川町の一角に、TheTribeというギャラリーがある。
昨年11月にオープンし、クライミングの文化の共有・発信を目的としている。
クライミングというのはフリークライミングに限らず、アルパインも沢も、もちろん山もそうだ。
広義な意味での「クライミング」と考えるのがしっくりとくる。

そのギャラリーの運営をしているハカセこと門野くんから、
「展示で中嶋渉を取り上げる」と打診をもらったのは、昨年のヨセミテ前後のことだった。
それから数か月、先に取り上げた大木テルくんや大西さんの展示を経て構想を練り、
今年の3月からいよいよ中嶋渉展の制作が始まった。
インタビューという名の対談(ときに議論)を交わす中で、さらに展示の方向性は固まり、
僕が自分自身のことについて8本のエッセイを書く、という形に定まった。


ありがたいことに、これまでトークイベントや遠征報告会などで登壇させていただく機会は何度かあった。
いまし監督はじめチーム長野の関係の中で、映像作品に出ることもあった。
しかし自分の文章がそれ単体で取り上げられるというのは経験がない。
そもそも文章そのものをひとつの展示物とするなんて、聞いたことがない。
随分と攻めた方向になったなと思う一方で、僕は嬉しかった。
自分のクライミングについて思い切り書ける機会を、僕自身が望んでいたからだろう。
そして曲がりなりにも自分がずっと大切に思ってきたその表現方法にスポットを当て、
それが展示として成り立つと信じて期待を寄せてもらえたからには、奮起せざるを得ない。

展示の大枠が決まってから約3か月、未だに慣れない東京の街に通いながら、エッセイを書いた。
手書きのメモでもなんでも、とにかく書いた。
これだけ書くことに頭を使ったのは、高校時代に小説を書いたとき以来かもしれない。
原稿のチェックをした門野くんから「ここ、もっといい表現出せるでしょう」とか、
「内容が散らかってる」とかあちこちに赤を入れられるたびに、
「一生懸命選んだ言葉なんだけどなあ」と多少むっとする気持ちもあった。
もともと僕の内面なんだからケチをつけるなよチクショー、とか思わなくもなかったが、
毎回毎回、彼が文字通り心を鬼にして赤を入れていることは分かっていた。
彼が信じてくれているのだから、僕が信じないのは失礼だろう。
頭の中身を上手く言葉にできないことにヤキモキしながら、文章を整える時間が続いた。

8本のエッセイがおおよそ整ってきた頃、門野くんから追加で注文が入った。
「最後のまとめとしてもう1本、文が欲しい。できれば何か、宣誓文のようなものが」
僕は勿論承諾した。
そこから新しく構想を練り、また鬼編集者とのやりとりと重ねた。
6月某日、展示がスタートする数日前に、最後の文を原稿用紙に手書きして、僕の制作は終わった。

制作に入る前、ひとつ決めたことがあった。それは衒(てら)わないことだった。
なにぶん言葉での表現が好きな僕は、少し気を抜くと飾った言葉を遣ってみたくなってしまう。
が、今回書くのは物語ではないし、ユーモアもフィクションも許されるブログでもない。
「内省」という厄介で扱いに困るタイトルがついたエッセイだった。
誰に誓うでもなく決めたそのことを実直に守り、書き上げた文章だったけれど、
どうも生来の癖は誤魔化しきれないもので、今読んでみると所々どうにも鼻につく。
これはこれで、鏡を除くような感じがする。
僕という人間の持つ歪さが、結局そのままそこに表れたような気がしてくる。
しかし展示が始まった直後から、少しずつ前向きな反響が耳に入ってきて、内心ほっとしている。

この企画の発案者であり、同時に最大の功労者でもあるキュレーター兼鬼編集者の門野くん。
写真撮影、編集、構成、レイアウトの隅々に至るまで尽力をいただいた広告部の皆さま。
心から、ありがとうございました。



おわりに、今この文章を書いている最中に思い出した短い話を書こうと思う。

僕が書くことを好きになったのは、小学校の頃、担任のY先生に作文を褒められたからだった。
国語の授業で書いた、原稿用紙数枚程度の作文で、テーマはもう思い出せない。
Y先生から返された原稿用紙の最後には、赤ペンでこう書かれていた。
『流れるような文章です。でも、字が...』

展示を見ていただいた方は分かると思うが、僕は字が綺麗ではない。鉛筆の持ち方すらも、少し間違っているくらいだ。
Y先生は僕の、今よりももっと汚かった当時の字を見て、小さくため息をついていたことだろう。
しかしこのたった十数文字のコメントで、僕は書くことが好きになった。

もしも、本当にもしも、Y先生が今回のTheTribeの展示を見たら、どう言ってくれるのだろうか。そう妄想する。
きっと最後の、ただひとつ手書きのあの文章を読み終えて、
「やっぱり、字が...」
とため息交じりに言うのかもしれない。

それでもいいな、と今の僕は考えている。

2024年10月5日土曜日

『春夏冬』

これで「あきなし」あるいは「あきない」と読むそうで、
それを「商い」とか「飽きがこない」にかけて店名に使われるのだとか。
それはそうと、やっと暑さが治まってきたかと思えば雨ばかり。
年々パッとしなくなる秋シーズンですが、今年は例年どころではない気がする。

静寂のバルジに行って以降、8月は暑さと雨の波状攻撃で丸一日登れたのは一度くらいしかなかった。
その日はコミネムと、クラック地獄と黄金狂時代の辺りでしっとりしたクラックを登りこんだ。
実は初めて登るカヌー(5.11b)とか、隣のニーチェ(5.10d)を登り、
少し奥にあるS.I.グループ(5.11a)もついでにやったらハマりかけた。
湿ったスローパーに恐れをなして、一度クライムダウンしてから気合を入れて登った。
コミネムは若干脆いクラックに取ったカムを2つ吹き飛ばしながら降ってきた。
黄金狂の近くではクロム1P目(5.11a)をOSして、コハク(5.10c)も登った。
西に傾いた日に焼かれて、2人とも少し熱中症気味だった。
クロム1P目。奇跡的な加減で、モアイのような顔になっている。

他の日にひとりでソロシステムの練習をしたり、荷上げの練習をしたりしたものの、
クライミング的な成果があったわけではないので割愛。
このとき10年ぶりくらいに登った出合ボルダーの課題たちはどれも面白かった。
最近改めて掃除されたらしく、今が旬かも。
ボルダーで登るもよし、ロープを張るのもよしで、いろいろと楽しめる良い岩なのかもしれない。


9月に入り、まだ暑さが残るころ、コミネムと小面岩のマスターピース(5.13b)をやりに出かけた。
樹林から抜け出ているここは平日の雨の影響もほぼなく、岩はよく乾いていた。ただ、日差しが熱い。
コミネムに譲ってもらってOSを狙ったトライで、出だしの小核心をねじ伏せ、
そのままトラバース~中間部のカンテとギリギリのムーヴでこなしていったが、
上部で再びカンテを跨ぐ辺りで完全にラインを読み違えて落ちた。
既に限界までパンプしていて、まるでホールドが見えていなかった。
チョーク跡がないとはいえ、そこで冷静さを保てる実力が欲しいな...と思うところ。
その後、最後のスラブのムーヴを解決するのに時間がかかったので、OSトライは特に惜しくもなかったらしい。
2回目のトライでは、OSで落ちたところの詰めが甘くまた落とされた。
結局、ワンデイでのRPはできず。無念。
それからバベルの塔へ移動し、バビル(5.12d)をOS。
これもなかなかに持久系でパンプしたけれど、マスターピースをやってからだと数段易しく感じた。
高強度のルートに触って慣れておくことは、やはり大事。
バビルのコミネム


翌日、再びコミネムとマスターピースへ。
この日は曇って、午後から雨という予報だったけれど結局降らず。むしろちょうど良いコンディションだった。
1回目のトライは中間部で足が抜けてポロ落ちしてしまった。
またムーヴの詰めが甘くて落ちたので、核心以外のムーヴもしっかり考えた。
2回目のトライで中間部を落ち着いてこなし、最後のスラブも危なっかしく押し切ってRP。
5.12ノーマルくらいのセクションのムーヴをおざなりにしないことがカギだった。
なんだか小川山のプラズマ火球を思い出すような持久系ルートで、そういうルートにはあまり隙が無い。
コンディションのこともありそうだが、体感は限りなく5.13cに近いものがあった。

その後またバベルの塔へ移動し、10年以上ぶりくらいにロプロス(5.11c)とポセイドン(5.11a)を登った。
クラックの奥はじっとりしていたが、どちらもそこそこ安定していた。
流石にこれだけ時間が経って、少しはジャムも上達したらしい。

9月の下旬には、乾きが良さそう且つ涼しそうという理由で、ビッグサムロックへ。
トポにあったとおり、アプローチはなかなか遠かった。弁天岩と同じくらいだろうか。
長く歩いた分、期待したとおりの涼しさだった。
以前一度来たことのあるコミネムがOSトライを譲ってくれたので、ありがたく瑞牆ジャンキー(5.12c 2P)をやる。
1P目の12cはプロテクションが微妙な切れ切れのグルーヴを辿り、後半はいかにも瑞牆らしいスラブフェースに突入。
チョーク跡はないものの使うホールドははっきりしていたので、ゆっくり時間をかけてOSした。
2P目の12aは出だしから悪く、危うく落ちかけたところを耐えてOS。
2ピッチはあっという間だけれど、充実感のあるルートだった。
1P目

ラペルして、ジャンキーのすぐ左から始まるクルシフィックス(5.11c 3P)も登った。
1P目の11cが思ったよりも悪く、下手したらジャンキーの核心よりもホールドを握ったかもしれない。
1P目の11c

2P目の10bのワイドはコミネムが登り、3P目の11aを僕が登って頂上に立った。
瑞牆ジャンキー+クルシフィックスで5ピッチのルートと考えれば、かなり満足。
折角同じ岩の同じ面にあってラペルもしやすいので、同じ日にセットで登るのがおすすめです。

ビッグサムロックに行った日は、本当に久しぶりに暑さも湿気も気にせずに登った気がする。
むしろ上に一枚羽織らないと肌寒いくらいだった。
「やっといい時期になった」と喜んでいたら、今度は長雨で岩は登れず。

ツアー前の調整は最後まで岩でしたかったけれど、どうもそれは叶いそうにない。
自分の調子は悪くないだけに、どうにもじれったい。