2026年10月6日火曜日

北へ ②

8/6 紅葉谷
晴れが続き、いい加減暑くなってきたので、日陰のエリアへ行くことに。
紅葉谷と呼ばれているこのエリアは、4年前に一度偵察に来たけれど、濡れていて登ることはなかった。
今回は晴れ続きだったおかげで、クラックはほぼ全て乾いていた。ありがたや。

エリアに着いて、ひとまず目の前のツチノコ(5.10a)でアップ。S峡ではよくあることだが、クラックから冷気が吹き出していた。
エリア左端にあるセコマのまんじゅう(5.9)も蜘蛛の巣を払いつつ登り、
続いてツチノコの左の辺りにあるPIKA(5.11b)もOS。
で、ほどほどに登ったので本題の龍樹(5.11d)にトライ。
フィンガー好きとしては、真っ直ぐに伸びる細い割れ目はやっておかなければならない。
悪い数手とガバが交互に現れて、クラックが広がった最後のセクションも意外に悪く感じたけれど無事OSできた。
あさこさんもクロヘビくん(5.11a)とかリスの腰掛け(5.10d)をOSして充実した様子。
あとは右端にあるじゃこ天(5.10d)も登って撤収。


8/7 鬼ヶ城
北海道に来た初日くらいからマルボーさんらに「行かないといけん」と言われていた(気がする)、鬼ヶ城へ行った。
朝イチ、いきなり渡渉からスタート。何日か前に軽く偵察して目星をつけておいたあたりから渡れた。
ウエイダーも持ってきていたけれど、転ぶと洒落にならないのでパンイチで渡った。
対岸に渡ってからは、もはや毎日の恒例になりつつある薮を払いながらの急斜面だった。
ともあれマルボーさんの案内で問題なくエリアに到着。
第一印象として、まず壁がでかい。とにかくでかい。前日の紅葉谷がこじんまり見えてしまう。
あとは、とにかく木やら草やら苔やらが生えまくっていて、すごくワイルド。
それでも遠目に見て「あれはすごいクラックがありそうだな」と思っていただけに、期待を裏切らないスケールがあってなんだか静かに興奮した。

ひとまず比較的登られている(苔がマシ)ルートを登ってみることに。
まず死喰魔(5.10b)。これでシグマと読むらしい。暴走族か何かだろうか。
ルートはこのエリアの中では短めだけれど、それでも20mほど。感覚が狂う。
内容も新ハンドからワイドまでで結構面白い。そして岩も硬い。
エリアの看板でもあるオフウィズスマシーン(5.10c)はあさこさんが登り、1時間くらいの苦闘の末にOS。
降りてきたら、今までに見たことがないくらい汗だくだった。
50mを超える長さって、大堂かヨセミテでしか経験ないぞ。

次に短い5.8を登ってテラスに立ち、そこから始まるヘルスエンジェル(5.10d)を僕がリード。
一段上から始まるとはいえ、これも40mある。OSしたけれど、僕もいい具合に汗をかいた。
クラックはちょうどいいサイズが続くのに、あまりに続きすぎて弾切れになりかけた。
ムーヴ云々ではなく、純粋な長さでグレードが付いている類のクラックは久しぶりに登った気がする。
最後にあさこさんが隣の悪魔の爪跡(5.10d)をOSし、これまた40mの長さを堪能。
そして、これがとんでもなくいいクラックだったらしい。
苔や地衣類による汚れはあったものの、「それを差し引いてもこれは☆☆☆☆!」との猛プッシュ。
初登以来、数えるくらいしか再登されていないのではと思うほどのワイルド具合だが、
こんなに長くて登りごたえのあるクラックがまだまだあるとは。
鬼ヶ城というエリアだけでなくこのS峡全体の持つポテンシャルが凄まじいことがよく分かった1日だった。
これは今ツアー中にまた来ようと決めて、下山。
悪魔の爪跡(全くスケールが伝わらない)

帰りは渡渉した直後のアブの多さに、持っていた棒を振り回しながら叫んだ。当然パンイチで。人がいないところでよかった。
猿の腰掛けから木が生えている



8/8 レスト
久しぶりに朝から雨。ということで強制レスト。
ポーちゃんに勧めてもらったパン屋へ行ったり、洗濯したり、買い出ししたり。
アブ対策にバドミントンのラケットが使えるんじゃないかという話になり、旭川のセカンドストリートへ行ってみたら、
予想に反して店内の8割以上が古着で驚いた。
マルボー夫妻も僕らも、探し物がない以上に居場所がない感じがして早々に退店。
当然、ラケットは手に入らなかった。


8/9 天人峡 幻エリア他
この日から2日間、天人峡へ出かけた。
以前大堂で知り合った森さんが開拓者なので、案内していただけることになった。
どこへ行くか自分たちでは決めていなかったので、森さんに案内されるまま幻エリアへ行ってみた。
天人峡については、ロクスノの発表記事を読んだ印象で勝手に湯川くらいのスケールを想像していたが、実物はもっと長かった。
前日の雨で若干しっとりしていたけれど、とりあえずいかにもワイドな心の旅(5.10b)をやってみた。
#7がいると聞いて「いやー、なくてもいけるんじゃないの?」とたかを括っていたけれど、
本当に#7がぴったり入るサイズで結構奮闘的だった。
念の為マルボーさんに借りて、持って行って良かった。
続いて途中から右に分かれる燃えよ命(5.11b)もOS。
手を伸ばせばギリギリ届きそうな距離にあるのに、こちらはずっとフィンガーが続く。
流石に、5.10bのワイドよりは5.11bのフィンガーの方が難しく感じたけれど、その辺はまだまだ経験が足りないので、
下手をするとちょっとした加減で体感が逆転しそうで恐ろしい。
それと、ここでキャメロットの#4をスタックさせてしまい、マルボーさんに回収してもらうという失態を犯した。
うーん、お恥ずかしや。
苦手だとかなんとか言わずに、同じくワイドな鬼の肘肩(5.10b)もOSしたので許していただきたい。
初めて見るタイプのクワガタがいた

幻エリアがひと段落ついたので、少し移動して立琴岩3峰にも行ってみた。
ここではまずあさこさんが風雲たけし城(5.10a)をOSして、続いて僕がアンビリーバボー(5.10d)を登った。
アンビリーバボーは一応PDが付いているらしく、たしかに核心はプロテクションの効きがイマイチだった。
それよりも、クラックの縁とかフットホールドとかがポロポロして恐ろしかった。
風雲たけし城


8/10 天人峡 アマツ岩
朝、泊まっていた公園の駐車場で起き出すと、常夜灯の下に蛾が大量に転がっていた。
それとトイレの入り口でカブトムシのメスも発見。なんだか子どもころの虫取りを思い出す。

この日はアマツ岩へ行った。岩が駐車場から見えている割に、アプローチは少々分かりにくかった。
エリアに着いてみると先客有りで、下地が全体的にものすごく斜めなので居場所が少なくて困った。
取り付きの居心地はともかくとして、ここも結構スケールがあって楽しそうな見た目をしている。

ひとまずアップで天の川(5.10c)を登ったら、これが結構難しく感じた。
快適なクラックを登って終われるかと思いきや、割れ目がガチャついたり脆そうなフェースを登ったりと、そう簡単には終わってくれなかった。
ギアのやりくりやセットを含め、やっぱり野生味があった。
続いて左隣の深海(5.10d)をやってみると、これがさらにもう一段ワイルドで恐ろしかった。
最初の数メートルが脆い上にクラックが細く、実質ノープロ。
ここを探り探りでどうにかこなして、中間部からは明瞭な割れ目になってくれたので一安心。

あさこさんonハゴロモン

あさこさん、マルボーさんと3人で回しているうちに右の方の看板ルートたちが空いたので、そちらにトライすることに。
あさこさんがハゴロモン(5.10c)をOSして、僕は峡子(5.11d)をやる。
地面から見上げると核心は一目瞭然...なのだが、どうも悪いセクションが長く続きそうだ。
フィンガーサイズのカムを多めに用意していざ突っ込んでみると、予想どおりだった。
クラックのオフセットがそこそこなフットホールドを提供してくれるけれど、どうしてもレイバック気味になってしまうのでどんどんパンプしてくる。
数手ごとに効きのいいジャムが出てきてホッとするのも束の間、体勢的に長居はできず突っ込むしかなくなる。
最後はクラックも閉じ気味になってフェースムーヴも混じり、5.12台を狙うくらいの気合でフーフー言いながらOSした。
同じ5.11dでも、S峡の龍樹よりも少し難しく感じた。11dの範疇ではあるのかもしれないけど。

前の夜、マルボーさんがシュラフをかぶって「サムイ、サムイ」と震えていて可哀想だったので、ポーちゃん邸へ帰ることにした。
天人峡にはまた秋にでも戻ってくることにする。


8/11 兜岩
ここからまたS峡通いに戻った。そして天気が回復したせいか、一気に暑さが厳しくなった。

この日は兜岩の2峰へ。本数は多くないものの、5.8から5.12までまとまっていて程よい感じ。
着いてすぐ、アップで左端にある5.10bのクラック(名称不明)をやってみたら、思ったよりも悪くて登りがガチガチになった。
しかも、核心を抜けて傾斜の緩いコーナーを登っていき、終了点直下で灌木の生えたテラスに這いあがろうとしたら左腕に激痛が走った。
アブに刺されると「チクリ」という痛みだが、この時のは「バチーン」という感じ。
危うく落ちそうになったのを堪えて、「これはアブじゃない!」と見回すと、例の灌木に小さなハチの巣があった。
どうもその巣に左肘が当たってしまったらしい。
ハチを驚かせてしまって申し訳ないやら、痛さで気が滅入るやらだけれど、とりあえず落ちなくて良かった。
マルボーさんがその隣のフィンガーを軽く掃除して登り(5.10cくらいらしい)、あさこさんがエリア中央の新人歓迎(5.9)を登ったら、
「絶対に5.9じゃないからやってみてほしい」と言うので僕も登ることになった。
登ってみると、確かに明確な核心があって、ここが5.9に収まっていないニオイがぷんぷんした。
5.10cくらいのフィンガーを登るマルボーさん

昼を過ぎ、あんなに暑かった日差しが陰ってきた。どうも天気は下り坂らしかった。
十分に体は動いたので、この日のメインに決めていた心頭滅却(5.12-)をやる。
革新らしき上部が見るからに細いので、とりあえずそれくらいのサイズのカムとナッツをじゃらじゃら持っていった。
前半はそこそこ易しくて、中間部でレストしてからが一気に悪くなる。やっぱりここからだよね。
サイズが小さいので、「どれかは効いているはず」とカムとナッツを乱れ打ちして、
ジャムが効かなくなるまでクラックが細くなったところからは決死のフェースムーヴ。
一か八かで取ったホールドがそこそこの掛かりで助かった。危なっかしかったけれど、どうにかOS。
多分、ムーヴとプロテクションが固まれば5.12aくらいなのかな、というところ。
フェースとクラックの境目を行き来する類のルートが好きなものとしてはかなり楽しめた。
心頭滅却

あさこさんが5.8のチムニーを登ったところで雨が降り出し、慌ただしく撤収。


8/12 万景壁
前日の雨は大した降りにならず、この日はまた晴れてカンカン照り。
が、午後からまた天気が怪しそうだったので、近場の万景壁を見に行った。

なんでも、ヤブくんがS峡から帰る日に超スピードで掃除して3本初登して行ったのだとか。
ずいぶんな手際だなあと思うのだけれど、瑞牆とかではそんなに早く済まないと思うんだよな。
で、いざエリアに行ってみるとS峡の中では割と短い部類に入るスケールだった。一応は納得。

左端のきのこスペシャル(5.10a)を登ると、なかなかワイルド。
続いてなめこクラック(5.10c)をやってみたら、出だしの脆い部分が結構怖かった。
脆いうえにプロテクションもいまいち取れないというのは、グレードがほどほどでもおっかない。そこ以外は快適だったけど。
最後に日差しで焼かれて生ぬるくなったなめこフィンガー(5.11a)をマルボーさんに続いて登った。
とにかく蒸し暑かった。クラックの中に多少湿気を感じたし、北海道とはいえ夏の気候は日本の夏らしいものだなと実感。

雨が降る前にさっさと撤収して、温泉に入りに行った。

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