先週の日曜日、パートナーがいなかったので、一人で瑞牆へ。
一人なのをいいことに、アプローチを飛ばしに飛ばして、矢立岩まで1時間ちょっと着いた。
で、フィックスをしゃかしゃか登ってリハーサル。
若干気持ち悪い部分を残しつつも、「次で登る」という確信を持つくらいにムーヴを固めた。
こういうルートのリハーサルをどれくらいやるかは意見が分かれるところだと思うけれど、
どれだけ練習してもリードになればどっちみち怖いし、
その怖さによる体感の変化だって少なからずあるので、僕はしっかりやりこむ派です。
昨日は山の日でしたね。
こちらとしてはわざわざ山の日とか言われなくても、山に行きますが。
むしろ海の日だろうと、山で過ごしているんですがね。
そんな山の日に、いましさん、大ザルと瑞牆へ。
この前北アルプスに行ってきた大ザルは疲れが残っているとか何とかで、
今回はリハーサルだけにするとのこと。
いつもより念入りにやっていたけど、疲れが残っているとは思えない様子で、
正直、これまでで一番完登に近い登りをしていた。
コンディションも良かったしな。
次回、勝負できるか??
大ザルの時間が終わって、矢立岩に移動。
もう今回は速攻で片づけるつもりだったので、
アップのかわりに中間から上を掃除しながらちょっと練習。
やっぱり、良いコンディション。真夏とは思えないくらいにぱりっぱり。
核心でのギアのセットに手間取るとちょっとしんどそうだったけれど、
それはその時にしっかり集中していればいい、と考えて、あまりやりすぎずに終了。
暫く休んで、リードでトライ。
このルートは出だしに短いクラックがあって、それが閉じたところからフェースに出る。
そのまま細い筋が二本平行に走った薄い凹角を微妙なプロテクションで登る。
「胎動」のようにランナウトすることはほぼなく、
足元を少し過ぎるくらいのところで次のプロテクションが入るので、その点は少し楽。
ただ、ノーハンドレスト出来るところもないので、結構ストレニアス。
フェースに出て核心のパートに突入してからは止まりたくない感じ。
クラックの終点から右にトラバースして、マスターカムを突っ込んだあたりから怖さが顔を出した。
去年の夏のに感じていた、恐怖に対する鈍さのようなものは、今年の僕にはない。
ひとつパートをこなすごとに、落ち着きを失って浮足立ってしまうような感覚がある。
そうやって出てきそうな心の隙と、途切れそうになる集中を叩きなおすように、
何度か声を絞り出していた。
そんな精神的な揺れが少しばかりあったけれど、
クライミングの方は問題なくスムーズに流れ、無事に核心を越えた。
最後にある少し嫌なムーヴも捻じ伏せて、あとはビクトリーロード。
最初見た時に思っていたよりはずっと難しくなかったけれど、
内容はとても充実していたし、良いルートだった。
ルート名は「Sentiment」、グレードは5.12c Rというところかな。
登れてすっきりする反面、好きでやっていた作業が終わってしまった喪失感も、少しあった。
時間をかけてやっていることは、大抵いつもそんな感じ。
一年前に感じていた「多少怖くたってなんとかなっちゃうぜ」みたいな感覚は薄れてしまい、
ちょっとだけぐらつきやすくなってしまった自分の精神に気がついて、
それはそれで残念なことのように感じるのは事実だ。
そりゃあ、怖さを感じない方が良い登りが出来るに決まっている。
でも自分の気持ちのコントロールの仕方は、むしろ前よりも分かってきている。
自由にできない部分だってまだまだあるけれど、
手綱の握り方くらいは理解しているつもりだ。
おまけ
Monolithic Blockの撮影の裏側は、大抵こんな感じです。
<追記>
使用ギア
キャメロットC4 #4
フレンズ #1.5 #3
マスターカム 赤
ゼロフレンズ 青 赤
オフセットナッツ グレー
スーパーライトロックス 赤