2021年12月26日日曜日

寒波

 「数年に一度」というレベルの寒波がたて続けに襲来しているわけですが、
「数年に一度」というのはそれなりに頻発しても一応表現として矛盾はしていないわけで、
なんとも微妙なニュアンスの言葉だな、と思います。

先週末はデイドリームや太刀岡に行きたかったのだけれど、あまりに寒いので断念。
「それでもなんとか外で登りたい」と日曜日だけ某ローカルエリアに行ってみた。
たしかに日当たりはそこそこよかったけれど風ももろに当たるので、晴れているのに結局極寒だった。
アップで登った2級で猫パンチをかましていきなり流血。
垂壁にポケットが散らばる初段と、そのSD(初二段くらい)をそれぞれ一撃して、あとはほぼ登らず。
というか寒くて登れず。
エリアとしては八千穂に似た岩質で、花崗岩とはまた違った感触があって面白い。機会を見てまた。


昨日は単身野猿谷。
MCコミネムと別のローカルエリアで登る予定だったのが、クリスマスイブの夜が雨で山○達郎状態だったので断念。
一人でゆっくり出て、ローカルエリアの課題を下見しに行って、それからかろうじて乾いていそうな野猿谷に移動した。
ちなみにそのローカルエリアの課題は相当に格好良かった。
ここ最近出会った課題の中ではダントツかもしれない。

ただでさえゆっくり出て来ているので、野猿谷に着いたのは昼前。先週と違ってかなり暖かい。
ただし日陰の岩はことごとく濡れている。
まあ仕方ないよねと、乾いていそうなところでアップ。
面白いと噂に聞いたフランソワルトン(1級)はツルツルのスタンスにやられかけて必死で登った。
セッションが盛り上がりそうな課題だった。
アップを終えて、こけ猿の壺(三段)。日当たりがよく完全に乾いていた。
遠目にも分かるスッキリした垂壁。スタンスが乏しいのがしんどいところ。
出来そうで出来ないムーヴをあれこれ試したら良いムーヴが見つかり、思ったよりも早く登れた。
ムーヴが分かれば、という感じで、得意不得意や好みは分かれそうだけれど、個人的には好きなタイプだった。


続いて近くの水際にある空谷(初段)も登った。
丸いリップの奥のホールドを触ったらジメジメで恐ろしかった。
岩の上もそこらじゅうびしょ濡れで下降はさらに恐ろしかった。

奥のエリアは乾きが良さそうだけれど、前回それなりに登ったので、下流に戻ってモンキーガール(三段)をやることに。
下地はドロドロ、リップ周辺のホールドも少し湿っぽいものの、なんとかなりそう。
前回出来なかった核心のムーヴを作り直して、そこそこ出来そうなので繋げてトライ。
繋げると、核心でどうしてもヌメる。
これは厳しいか?と思ったけれどめげずにトライして、ギリギリ核心の一手が止まってそのまま登れた。
よし、宿題回収。

まだ時間があったけれど、他の岩はなかなかに濡れているので、早めに撤収した。

この秋〜冬のシーズンは御座とほうとうをメインにやっていたので、言葉と物以外の成果はほとんどなかった。
しんどいところではあったけれど、それでも実にはなっていたらしい。
昔からずっとやってきたように、なにかしらハードな目標を決めて、それに足を運び続けるというのが、自分には合っている。

2021年12月14日火曜日

リバーナ

皆さんはリバーナというのは何かご存知でしょうか。
僕は全く知らず「遅れてる~ぅ♪」とからかわれました。
そもそも「遅れてる~ぅ♪」という表現も古いような。


この週末はちょっと遠出して、あさこさんとナバリへ行った。
前に行ったのは1年半ほど前。そのときの宿題は回収できるのか。

初日はゆっくりめに到着して、屏風。
岩場に行くとそれなりに人がいたが、どうもこれは少ない方(?)らしい。
アップでブロードバンド(5.10a)を登ったら早速やられかけた。必死で登った。
いや、たしかに動きは10前半くらいな気もするんですけどね...
つづいて前回も登ったマシュマロマン(5.10a)を登って、一応アップ終了。

宿題その1、モスラパワー(5.11c)に取りついたのはもう14時すぎだった。
前回2日目の最後にやって残り数手で燃え尽きてしまったのがこのルート。
下部の狭いコーナーに入るところで、今回もまたもじもじ。OSトライと変わらないぞ。
そのセクションをなんとか越えて、テラスでレストしてから上部の長い核心に突入。
クラック本を読みこんだ後だ、ジャムをどう決めるべきかすべて分かるぞ!
と言いたいところだけれど、それほど甘くないのが岩。かなり必死で押し切ってRP。
ともかく、前回よりは進歩が見られたような気がする。


二日目は明け方に雨が降って、どうなるか微妙だったけれどまた屏風。
クラックの中はしっとりしている(ところどころ濡れている)けれど、案外無事だった。
傾斜はなくても、ここの壁は比較的雨に強い、らしい。
あさこ式アップ法を教えてもらい、エリアの奥の方にある短いルートを3本続けて登った。
最後に登ったサーフライダー(5.10d)はじめじめのフィンガージャムで落ちそうだった。
次にパンドラ(5.11a)をやって、これは気合を入れてOS。
かなり明確な核心があって、なんだか瑞牆のクラックを登っているようだった。

そしてやっとこさ宿題その2、いかさま師(5.12b)にトライした。この時点で15時過ぎ。
前回はハングを越えて核心に入ったところであっという間にやられた。
で、今回もまたハングを越えて核心に入ったところであっという間にやられた。
そもそも2日目の一番最後にやるようなルートでないことは、薄々分かっていたわけで。
それから必死こいてジャムを決め、痛むつま先を捻じ込み、
最後にはボロボロにヨレすぎて手繰り落ちしそうになりながら、形だけはトップアウト。
前回より少しだけ、足が滑らなくなって細切れにムーヴをこなせたこと以外は進展なし。
回収して降りてきたら、時間は16時半を回っていた。あさこさんすまぬ。
終わった直後の感想は、「これが登れる日は来るんだろうか」。
登りながら心の中で「この下手くそォ!!」と何度叫んだことか。
メンタルまでぼこぼこにやられてしまったけれど、このまま終わるのはあまりに情けないので、
必ず回収しに行くぞと決めつつ、這う這うの体でエリアを後にした。

最近ぼんやりと描き始めた次の大きな目標のためには、あのルートは絶対に登っておかなければ。
トライするかしないか、腰が引けてしまうくらいビビっている自分がいたし、
それを誤魔化してトライした結果は笑ってしまうくらい歯が立たなかったわけだけれど、
それでもビビりの壁を格好悪くても這い上って手を出したことそれ自体には価値がある。
そう信じたい。

2021年12月6日月曜日

シーズンの終わりと猿

土曜日は今シーズン最後かもと思いつつ瑞牆へ。
前回行って以降、天気が一気に冬に変わり、小川山も瑞牆も雪が降った。
その時降った雪は融けたものの、寒さは冬本番のそれ。
とはいえ短かった今年の秋シーズン、課題の解決の糸口くらいは掴んでおきたかった。

遅めの時間に行っても駐車場はガラガラ。やっぱり皆さん来なくなりましたね。
皇帝岩でアップするも、とにかく寒すぎる。温度計を見ると4℃。
湿度は低くてパリパリだけれど、寒くてろくに体が動かない。
高き御座は繋げてトライしている人がいて、ちょっと割り込むには気が引けたので、
アップもほどほどにして先にほうとうへ行くことにした。

ほうとうは今回も誰もいない。
今シーズン再登されたことは知っているけれど、それにしては誰にも会ったことがない。
指の皮はベストではないもののそれなりにあるので、下部の解決できていないムーヴから。
やっぱりランジで出るときの引き手がかなり痛いし、十分に引けていない感じ。
それでもいろいろ試しているうちにそれらしい持ち方が分かってきて、
今回はこれまでで一番ランジの距離が出せた。
何度か取り先のホールドに体重が乗ったので、このムーヴはやり込めば止まると感じられた。
結局今回は止まらなかったけど。
持ち方が分かっても流石に指が限界になったので、
ランジを止めたところからマントルまでのムーヴの練習に切り替え、
最後はランジ以降のムーヴが上まで繋がった。
ここからやれば二段か二/三段くらいか。
孤独な戦いはつづく

来シーズンに向けて少しずつ兆しが見えてきた、気がする。
ランジを止められるようになったらあとは繋げる力の問題、という気もする。
ともかくやることの方向性は見えたので、一応の収穫はあった。

寒くてしんどくなってきたけれど、皇帝岩に戻って御座もやった。
こっちは上部の足上げまで何度か行ったものの、毎回スリップして派手に落とされた。
今シーズンは出来るだけ早くスタンドの部分を解決して、と考えていたのに、
結果はスタンド部分も解決できず。
つくづく現実は厳しい。
一手一手の保持感やブラインドでの足上げなど、高き御座はかなり繊細な課題らしい。
かと言って一度感覚を掴んだところでその後ムーヴの再現ができるか、となるとそうでもなさそう。
これはまだまだ繋がるイメージが湧かない。

寒すぎるからか、首筋がガチガチに凝り固まって頭痛がし始めたので、
時間は早かったけれどここまでで撤収した。
ほとんど逃げ帰ったような状態。
ここまで苦いシーズンの終わりはちょっと過去にないぞ。


日曜日はあさこさんと野猿谷へ。
流石に甲府よりで標高が少し低いだけあって、寒さは瑞牆よりもかなりマシだった。
指がボロボロだったので、あまり難しい課題はやらず、のんびり回った。
東橋の近くでアップして、ベルベットモンキー(2級)はびびりながら一撃。
とりあえず入ってみた体勢が案外正解だったらしい。
これはかなりの名作。ロクスノの記事で書かれていただけのことはある。
隣の岩の猿人形(初段)は一撃を逃した。ちょっともったいなかった。
その後上の方にあるゲットワイルドモンキー(1級)とかを登って、
4番のエリアの広場っぽくなっているところでも少し登った。
鏡面ダイク(2級)はサイズで得しているのかかなり楽に登れたけれど、これもかなり面白かった。
下手したらシューズを履かなくても登れるかも、と思ってやったら本当にできた。
とにかく童心に帰れる感じで秀逸。おすすめです。
近くにあった三猿(初段)は指が痛すぎて登れず。
最後に以前来た時にちょっと触ったモンキーガール(三段)をやったら今回もできずに終了。
どうも夕方になると、湿度が一気に上がってくるらしい。
川原特有の現象だろうか。
この日一番盛り上がった課題