2021年5月24日月曜日

狭間

この週末も弁天Pへ。初めてリードでトライした。

弁天岩にはアップにちょうどいいルートがない。
そのため本気トライのためにはどうアップしたものかといろいろ考えて、
前日アップがいいかもということで土曜日に軽くボルダーで流してから行ってみた。
結果から言えば、これをしてよかったことは特になく、むしろ少し指皮を消耗しただけだったように思う。

今回は泥攀氏たちに加えてMonolithic Block撮影班、さらに突然やってきたサル左衛門もいて、過去に例を見ない大所帯になった。
リードでトライすると決めていたからなのか、アプローチのペースは上がり気味だった(いまし監督談)。
1週間つづいた雨のおかげで、不動滝の水も初めて見るくらいの水量があった。

弁天に着くとやっぱり風があって、Pは乾いていた。不動沢では一番雨に強いんじゃないだろうか。
トップロープで核心からムーヴを確認していくと、どうも前回よりも感触が良くない。
緊張なのか、コンディションなのか、調整が上手くいかなかったのか、
とにかく前回1回でできた核心のシークエンスも数回かかってギリギリできた。
これで一気に気持ちが萎縮していってしまった。
登れるかどうかは五分五分、くらいに考えていたのに、リハーサルを終えてからは四分六分くらい、下手したら三分七分くらいに思えた。
指の皮も、数回のムーヴ練習でいきなり削られて痛みだした。
心の奥では、なにかしらトライしない言い訳を探し始めていた。

それでもどうにか気持ちを奮い立たせて、「リードでトライして分かることもあるはず」と、
念入りにギアやシステムを確認して地面を離れた。
隣の二十億光年の孤独と同じくダブルロープで、アプローチをこなしてからロープを垂らし直したりと手間が多い。
システム自体は予想したとおりに機能してくれて、ロープドラッグはほぼなかったものの、
ギアのセットという動作が加わるだけで、一気に動きが鈍くなったように感じた。
気負いも、少なからずあった。

前半の比較的易しいパートをこなしてカムを固め取り、それからかなり長くレスト。
完全には回復しないものの、如何せん長い出来てしまうので、
踏ん切りがつかないまま風に吹かれ、呼吸を整えながら抜けきらないパンプに苛立ちと不安を感じていた。
「これ以上は休んでも仕方ない」と思ったところで核心に突入。
長い核心セクションの前半をこなして、一番悪いシークエンスに入っていくところで完全に心が折れた。
それ以上は肉体的にも精神的にも手を出せず、カムを信じて落ちた。

フィックスを登り返して面倒なギアの回収を終え、車に戻ったときにはさすがに辺りは暗かった。
リードで核心に突入してみたことで分かったことはたしかにあった。
カムはよく効いていて落ちても大丈夫(?)ということは、ひとつ前向きな事実だし、
ギアやシークエンスについて修正が必要な部分があることも分かった。
それでも、分かったことよりも突き付けられたことの重みが、今は頭の中を占めている。

トップロープでムーヴが繋がることと、実際に登ることとの間にあるギャップは、想像よりも大きいらしい。
ムーヴはできているので、いずれ必ず繋がるのだろう。
しかしその「できる」が「完登できる」に変わる境界線は、まだ見えていない。
自分の中に慢心があったのか。それとも、そもそも自分の何かを変えなければならないのか。
来週、それをもう一度確かめに行きたい。




2021年5月16日日曜日

弁天P再開

連休中は当然のように瑞牆にこもった。

ただ今年の連休は天気が例年になく不安定で、かなり空模様に振り回された。


5日瑞牆で登ったうち、3日は弁天に通った。シーズン初めはやっぱり足が重い。

不動滝の滝つぼにはシカと思われる骨が(カモシカという説も)。


弁天岩はとにかく寒く、風が強かった。標高も2000は軽くあるはずなので、当然か。
例年GWの次の周くらいから弁天通いを始めるのだけれど、今年は梅雨入り前に勝負したいので早めのスタートになった。
・・・なったのはいいが、とにかく寒すぎた。
登って手が悴むとかいうレベルではなく、取り付きにいるのもつらいし、
それでも頑張ってなんとかトップロープでトライすると前腕が謎の痺れを起こした。
1日目は掃除してトップロープを張るだけで撤退。
2日目はなんとか1回だけリハーサルしたものの雪が降ってきてまた半泣きで撤退。
3日目にやっとまともにリハーサルができた。
2日目、吹雪の中、なんと2℃

昨年あれだけ苦労した核心は、久しぶりにやってみると1回目でできた。
寒く乾燥したコンディションで結晶が指に食い込む感触があるときは、やっぱり違う。
3日目にはトップロープで初めて下から上まですべて繋げて登ることができた。
プロテクションのセットはそれぞれムーヴにほぼ影響しないので、あとはムーヴの精度、ということになる。

隣で二十億光年の孤独をトライ中の泥くさ登攀氏(以下、泥攀氏)も、長距離運転のしんどさを嘆きつつ、連休を延長して足しげく通っていた。
こちらも感触は上々なようで、あとはリードでトライするのみ、という状態に持ち込んだ。
やはりルートは登られることでそこに在るもの、初登者冥利につきる。

弁天通いの合間に少しだけボルダーもした。といっても、リピートだけ。
久しぶりに美しき日(二段)をやったら、前よりも難しくなった気がした(前にも書いたような)。

木曜日にぽっこりある会社の休みは小川山でN社長の撮影合宿に飛び入りして、今週末はまた弁天。
泥攀氏がいよいよリードでトライ、ということでビレイヤーに指名された。
まあ、ルートの内容を知っている人を選ぶとそうなりますよね。
駐車場を出るときには山にガスがかかっていたものの、不動沢を歩いていくと晴れてきた。
が、弁天について見ると二十億光年の孤独はクラックと上部のコーナーがびしょ濡れ。
1週間気合を入れてきた泥攀氏のリードは次週に延期になった。気の毒に。
自分の方は、残っていたシステムとプロテクションの検証が上手くいって、これで最低限リードでトライできる準備が整った。
とにかく気にかかるのはリードしたときのパンプ、そしてなにより天気。
九州、四国は異例の早さで梅雨入りが発表されたらしい。
昨シーズンの終わりに「来シーズンは梅雨入りまでにケリをつける」と思っていただけに、この展開はちょっと気が気ではない。
焦ってやるものではないけど。

4年越しのこのプロジェクトが形になりそうなことへの期待と、季節が急に変わってしまうことへの焦りと、半々だ。

2021年5月10日月曜日

Throwback 3(2021.1~4)

 〔年末年始西日本ツアー つづき〕

・宮崎、大崩と行縢

大隅最終日を早めに切り上げて、眠い目をこすりながら宮崎の山奥へ移動。

祝子川上流にある大崩山周辺の岩場と延岡近郊の行縢でその後数日登った。


大崩山ではやかん落としのルートを黒ひげさんら開拓チームに紹介してもらった。

看板ルートのBeautiful Mind(5.13+)はさすがに厳しそうなので、

初日はCrossroad(5.11d 5P)、二日目はイザナギ(5.12a 4P)を登った。

どちらも長い核心ピッチが印象的な花崗岩のマルチ。

こういうのには慣れている、とはいえ、どちらもかなり真剣なオンサイトだった。

(実はイザナギは途中でトイレが我慢できなくなって一度降りたのだけど)

特に印象的だったのはイザナギの核心となる2P目と3P目。

40メートルほどのスケールと、変化に富んだ内容。

しかもオールNPなのにジャムの技術だけでは登らせてくれない。

開拓チームの皆様は毎日凄まじく植生の強いブッシュと格闘していたけれど、

やかん落としだけでもまだまだ新しいルートを拓く余地(文字通り、余地)があるし、

谷の対岸にある小積ダキはもっと凄そうだった。

やかん落とし遠景


今年の年始は異例の寒波が来たこともあって例年より寒かったそうで、

正直やかん落としでは寒くてこれ以上登れそうになかったので、標高の低い行縢にも行った。

ここもすごいところだ。延岡の町から見えるところにこんな存在感の壁があるとは。

Googleマップで見るとこんな感じ(中央の谷間)


麓にあるひでじビールの工場もよかった

ここではこみねっちらが初登した空飛ぶたまねぎルート(5.11+ 6P)を登った。
天気も日当たりもよかったけれど、風が強く寒い日で、防寒着を多めに持って登った。
核心の5.11+でスリップ落ちしてしまったけれど、かなりワイルドな魅力あるルートだった。
なんだか穂高や錫杖のルートを思い出した。

空飛ぶ玉ねぎを登った日、同じ壁の左の方では小峰・大木ペアが椿(5.14b 4P)を初登。
後日、ぶら下がりで写真を撮らせてもらったけれど、2人のパフォーマンスに圧倒された。
なにか、大きな衝撃と希望を一度に与えられた気分だった。




この他に宮崎では比叡にも1日だけ出かけたけれど、雪に振られてほとんど登れずに撤退。
なんだか九州なのか本州なのか分からなくなる、寒い毎日だった。

宮崎を出て大分からフェリーで瀬戸内海を渡り、関西に戻った。

・桐生辻、雄鹿が鳴くと雨ずらよ
最終日、帰りがけに滋賀の桐生辻に半日寄り道。
あさこさんが毎年行っているという「雄鹿参り」をして帰ろうということになった。
雄鹿が鳴くと...はかなり前に岩雪のクロニクルで写真を見たことがあり、その後も各所で噂は聞いていた。
5.12aのショートハード系、しかも被っている、というのは実は初めて。
で、気合を入れて取り付いて、離陸からいきなりの核心は越えたものの、手の悴みに負けてテンション。
うーん、決定力不足。
2回目はスタンスが欠けてポロ落ち、3回目でRPした。
あさこさんはこれも逆転サヨナラで登ってしまった。ハートが強いぜ。

ざっとこんなところで、西日本の旅は終わり。
ツアーに出かけてるたびに思うことだけれど、日本はまだ広いし、様々な余地がある。
四国も九州もなかなか行けるところではないのが残念。また行けるだろうか。
それと、どこに行っても食べ物がことごとく美味しいのはいけない。
クライミングツアーなのか喰らいミングツアーなのか分からなくなり、見事に太った。

〔2021.1月~〕
・デイドリーム
年末年始の旅から帰ってからは、3月くらいまでデイドリームに通った。
ルートの存在はかなり前から知っていたものの、実際に見に行ったのは前年の12月が初。
恐ろしく細く、被っていて、綺麗だった。
実際にロープを張ってムーヴをやっていくと、見事にできなかった。
本題はクラックに入ってからリップを取るまでの10手ちょっと。
その中で前半と後半にちゃんと内容の違いがあり、どちらも相当に難しかった。
個人的は前半の繊細なフィンガージャムがつづくセクションが鬼門で、
ここは結局シーズンの終わりまでほとんどつながらなかった。
Stingrayでフィンガージャムの経験はかなり積んだ気でいたけれど、これはその更に上を求められる。甘かった。
春先の寒い時期は案外短く、中途半端な状態でシーズンが終わってしまって残念。
来シーズンはもっと腰を据えてトライしたいところ。

〔2021.2~3月〕
デイドリームと並行、というか合間の楽しみという感じで、恵那にも久しぶりに通った。
恵那はどういうわけか過去にあまり通ったことがなく、勝手に苦手意識ができていたというのが正直なところ。
実際通ってみると、岩質への慣れというのもあるのか、3月にはそれなりに成果もあった。
登った主な課題は、
突沸(二段) FL
ユビサキキ(三段?)
イルガ(三段)
マリモ(三段)
ヤタノカガミ(四段)
本音をいえばあまり好きになれなかった恵那のシャープなカチがそれなりに持てたり、
久しぶりに三段以上のボルダーの成果があったりと、身体の調子がしっかりと戻ってきた実感が持てた。
ヤタノカガミは一日で登れてしまい、かなり驚いた。そしていい課題だった。

〔2021.4月〕
・NINJA
DKに誘われ、小川山でNINJAにトライした。
このルートにトライするのはこれが初めてで、「やっとトライしたか」と自分でも思う。
それだけ、昨年までよほど自分は趣向の偏りに振り回されていたんだな、というところかもしれない。
DKはさすがの登りでさっさとRPしてしまい、僕はさらに1日延長戦もしたが、結果登れず。
これだけ諸々が繊細なルートというのも経験がない。特にフットワーク。
グロヴァッツがトライごとに新品のメガを下した、という逸話も、あながち誇張ではないのかもと思える。
これもデイドリームと並んで来シーズンの宿題になってしまった。
次の秋を待つ楽しみができた、といえば聞こえはいいのだけれど...

2021年5月4日火曜日

Throwback 2(2020.7~2020.12)

 〔2020.7月〕

長梅雨のためほとんどジム。

まぶし壁に目づくりで登った課題を律儀に書き残していったら、

年末くらいに課題ファイルが埋まるという事態が起きた。


〔2020.8月〕

・北アルプス龍王岳

学生のときに2度行ったことがある龍王岳のボルダーに行った。

特になにか成果があったわけではないけれど、久々の山岳ボルダーは純粋に楽しかった。




〔2020.9月〕

・弁天岩プロジェクト

梅雨明けから弁天岩のプロジェクトに通い始めた。

前年は遠征やらなにやらで1日しか行けずに終わっていた。

自分の時間ができたからには、これを進めていくしかない。

前年まで見ていた直登のラインがハードすぎてあまり可能性を感じないので、

改めて壁を見直して、結局中間部から完全に分岐する新しいラインが見つかった。

掃除をしていくと、ブランクかと思っていたセクションにキーとなるエッジを発見。

これでどうにか繋がりそうだったので、ここにラインを定めて終了点を打った。

実際にやってみるとムーヴはこちらも十分に難しく、

核心のセクションは夏の間には解決できず、9月に気温が下がってやっとできた。

プロテクションやロープの流れなども検証して、終了点以外はオールナチュラルで登れることが分かった。

二十億光年の孤独(5.13b)は中間に残置のハーケンがあるが、こちらはなし。

それだけでも、このラインを登る価値がある。

ムーヴの目途が立って、トップロープである程度繋がったところでシーズンアウトした。


〔2020.10月〕

この月は、瑞牆でシングルピッチの13をまとめて登った。

・フリーダム(5.13a)

末端壁に行く機会があったので、数年ぶりにトライ。

何年か前、ソニー・トロッターが来日したときに1回だけトライしたことがあった。

その時の記憶を呼び覚ましながら...と思ったけれど、ほぼ忘れていた。

この日2回目、日没後夕闇が迫る中ギリギリRP。

最大の核心の繊細さ、中間以降のストレニアスなコーナーとランナウトが充実感を増す。


・ファラオ(5.13b)

春にムーヴを作ってから一度足が遠のいていた。

行った日も下部のクラックは湿気っぽかったけれど、核心はパリパリ。

ヴィーナスと共通の出だしから核心前のハンドジャムまでで12前半、

その後に1級程度のボルダームーヴがあって終了、という感じ。

ランナウトはそれほどではないし、プロテクションのセットがシビアなところも特にない。

国内では貴重なクラックの13だけれど、比較的トライしやすいのかもしれない。

トップロープでのリハーサル後、リード1回目でRP。

こういうルートを、リハーサルなしで勝負できるようになりたい。


・神の手(5.13c)

DKがプロジェクトをトライするのに同行しつつ、ちょくちょく触った。

これも瑞牆本の撮影のときに一度トライして以来の、中途半端な宿題。

これはDKがプロジェクトを初登(神のおこぼれ)した後、次に行った日にRP。

12の中間くらいのフェースを登ってレスト、2級か1級くらいのボルダー、という感じ。

同じような展開だけれど、即身仏の方が難しく感じた。


・息吹(5.13b)

エッジのキタ店長に「杉野さんの遺作!」と誘われて二つ返事で便乗した。

植樹祭エリアのダイワハウチュ、石触エレジー(5.11b)右側のフェースを登る。

瑞牆本には載っていないので、存在を知らずにいた。

中間にバンドがあり、それを挟んで前半と後半それぞれに核心がある。

前半の核心は前傾カンテで細かいホールドを繋ぐ、結構ガツンとくるボルダーセクション。

後半は一転してデリケートなスラブフェース(短め)。

ルートの展開としてはエクセレントパワーに似ていなくもない。で、ちょっと難しい。

オンサイトは当然のようにできず、ムーヴをバラしたところで「今日のうちに」と考え始めた。

2回目は核心で指が悴んでしまって落ち、雨雲が迫る中3回目でRP。

このグレードをワンデイで登れると思ったことは、記憶の限りなかった気がする。

エッジの伊那店ができてリードのトレーニングがしやすくなったことも幸いしていた。


〔2020.11月〕

・小川山合宿

N社長の呼びかけで、小川山のルートの撮影合宿に参加。

小川山で連日ルートを登るなんて、それこそ何年振りだろう。

撮影が優先だったので、自分でルートを選んで登ることはなかったわけだけど、

こういうときでないと登れないルートを登ることができた。

その最たるものが、屋根岩本峰の月形半平太(5.12a)。

屋根岩5峰から西側、目の前にそそり立つ本峰スパイヤーが気になった人は僕だけではないだろう。

その中央に1本だけあるこの謎なルートのことが、いつの頃からか気にはなっていた。

今回撮影リストに紛れ込んでいたこのルート、社長からの指名もあり、登る機会に恵まれた。

気になっていたアプローチは、実は案外近く、5峰の下部岩壁から5分くらい。

これなら5峰のガメラ岩まで上がるのとあまり変わらないかも。

ルートの内容はボルトとカムのミックスで、クラックありフェースありの40m。

チョーク跡は当然皆無で、ルートファインディング力全開で登った。

2020年で1,2を争うくらい、非常に印象的なクライミングだった。


・小ヤスリ、小面岩など

この月はこれまで登っていなかったマルチなどをあさこさんと回った。

小ヤスリの山灯火(5.12d)、微笑街道(5.12c)OS、

小面岩の一刀(5.11b 8P)OS、ホケイ岩のサイドワインダー(5.12c 3P)OSなど、

「気になってはいるけど行く機会がなかなか...」というリストを減らすことができた。

特に、サイドワインダーのOSはかなり集中した登りができた。

12台のマルチのオンサイトは初めてで、夏以降のリードの登り込みがここにも効いていたと思う。

それに、この時期でもまだ瑞牆でマルチが登れることも、自分としては発見だった。


〔2020.12月~ 年末年始西日本ツアー〕

もはや恒例となった年末年始ツアー。今回はあさこさんと一緒に、四国から九州へと足を伸ばした。

なかなかに盛りだくさんだったので、エリアごとに。


・高知、大堂海岸

まずは前年も行った大堂海岸。と、そこに行く前にちょっと黒潮ボルダーに寄り道。

松風(1級)を3通りくらいのムーヴで登った。あさこさんも逆転サヨナラでゲット。



大堂海岸ではマルボー師匠ら開拓チームに混ざって、最果てエリア周辺で2日登った。

最果ての最果てでPDがつく10台のフェースを登ったり、

最果てで国内最高(最強?)の10aと名高いラズベリージャム(5.10a)を登ったり。

続けて登ったハートロッカー(5.10b)も合わせて素晴らしかった。

50m以上で1ピッチ、壁に走る摂理を繋いだ合理的かつ贅沢なライン。

しかもこれがグラウンドアップだというのだから、完全に脱帽。師匠、参りました。

それと、今年も山田鮮魚店の魚は素晴らしかった。これからも毎年来たい。


年末の寒波で大荒れの中、フェリーに揺られて酔っぱらいながら九州へ移動。

佐賀関で食べた定食のアジがぴちぴち動いていてびびった。


・鹿児島、大隅半島

CJC終わりの福の神と、さらにチーム長野が合流して、自分としては初めての大隅。

岩の量とロケーションに圧倒される。月並みだけれど、ここは日本なんだろうか。

岸良ではサル左衛門曰く未登らしいラインを片っ端からセッションして登った。



Drink the Seaもやったけど、さっぱりできず

船間漁港にも出かけて、鹿児島チームと紺碧(初段)などなどでセッション。

イサムくんが先陣を切ったトライで指まで切って血だらけになり、一同ドン引き。

実際にやるとそれほどえげつなくはなかった。これも素晴らしい課題。



エリア入り口のシンクラック(5.10bくらい?)もよかった。

ここにはルートが開けそうな魅力的な壁もたくさんある。また来なければ。


ダツが落ちていた

年始につづく

2021年5月1日土曜日

Throwback 1(~2020.6月)

 〔2019.12月〕

・年末年始四国ツアー

年末から年始にかけて、福の神と行く四国ツアーに出かけた。

初めに豊田と、途中で岡山の深山公園にも寄り道。

四国では前々から行ってみたかった大堂海岸、それから黒潮ボルダーと奥物部。

Ryoちゃん on 球根(e)

クリスシャーマのPilgrimageを思い出すような深山の岩。Pilgrimage見たことないけど。

福の神 on アレジィ(二段)

大堂海岸といえば、山田鮮魚店の魚

モンキーエリアへのアプローチを間違え、磯を渡る

ラぺリング福の神

マルボー師匠に情報をもらい、開拓中のエリアにも出かけた。
新ライン(5.10dくらい)も1本初登。

開拓中エリアの日暮れ

鮫肌(1級)


最終日、奥物部の宴岩。

黒潮ボルダーの鮫肌の上部で不意落ちして、背中からマットに落下、
軽いむち打ちになるし、マットの隙間に腕が入ってガビガビの岩盤に当たり血だらけに。
全身バキバキのボロボロで奥物部に行き、塗り仏(二段)だけ辛うじて登った。

心身の状態がベストではない中で、不安がありつつも出かけたツアーだったので、グレードの点での成果はほぼなかった。
何かしら抱えるものがあるときに、ハイボールのようなリスクの伴うクライミングをするべきではなかった、と大いに反省した。

〔2020.1月〕
・再び四国ツアー
大ザル、サル左衛門と四国へ。このときはボルダーのみ、大山岬と奥吉野で登った。
Crazy for You(初段)

サル左衛門初登のゲシュタルト崩壊(2級)

サル左衛門 on 不可知(1級)

奥吉野の岩は、初めて見る質の岩だった

このときもまだまだ調子は戻らず、さらにゲシュタルト崩壊でホールドを引っぺがし、
マット外に落ちて踵を打撲するわ、少し片手で耐えたときに肩を痛めるわ、
年始に引き続きなかなか災難だった。
それでもこの他にコッパーブルー(二段)やラ・マン(二段)を登った。
ディアマンテ(四段)は登れず。


〔2020.2月〕

・三度、四国ツアー

福の神の誘いでまさかの三度目。この時は奥物部と仁淀川へ。

セトさん on 夕凪(三段?)

福の神 on アカシックレコード(三段)

福の神 on キビシイカンテ(二段)

セトさん on 朧(二段)

奥物部で夕凪、Soundless World(三段)、仁淀川では鉄の掟(二段)、朧、ピンチ野郎(初段)を登った。
この頃には、体力はまだまだでも、徐々に体が反応してくれるようになってきた。
ひろめ市場で食も充実(コロナ禍の今となっては懐かしい...)

・神須の鼻
大ザルと二人で、初の南紀の岩場。なんとお互い初のシークリフ。山の民ぶりが露呈する。


ハードなアプローチにいきなりやられつつ、2日間でいはくら(5.11)やいぶし銀(5.11)などをOS。
岩質的に、プロテクションのセットに多少のクセがあったけれど、それも含めて楽しめた。
それにしても、2月とは思えないくらいの暑さには驚いた。山の民なので...

〔2020.3月〕
・豊田→フクベ
福の神がやってくるということで、豊田からフクベへハシゴ。
経師(f)

不知火(三段)

ラメント(三/四段)トライ中の福の神

豊田で経師、フクベで不知火を登った。ラメントは手も足も出ず。
豊田で触ったエンクレーヴ(h)もカッコよかったけれど、これもできず。

・二子山、即身仏(5.13c)
いましさん、DKと二子山にも何度か通った。
特にやることも決めずに行き、当然混んでいる弓状を避けて二段岩壁へ。
ということで、即身仏をやることにした。
久々の石灰岩、さらに持久系のルートということで苦戦。
3日目にやっとRPできた。

思えば、ガンジャを登って以来10年以上、真面目にスポートルートをやってこなかった。
そのせいもあって、ルートの最高グレードは今でも変わっていない。
まだ心身の調子に浮き沈みがあったこの頃、こうしてちゃんとRPを狙って勝負ができたことが、なにより嬉しかった。

〔2020.4月〕
・名張
これも大ザルと、初の名張。
2日間の弾丸ツアーで、時間が全く足りない。
なにわすじ(5.11c)、スネークマン(5.11a)はOSできたものの、
初日にいかさま師(5.12b)にこてんぱんにやられ、
2日目の最後にモスラパワー(5.11c)で文字通り力尽きた。

あれこれ宿題を残してしまって、また行きたいところなのだけど、
この頃からコロナが全国的に猛威を振るい始める。

・小川山、マラ岩周辺
いましさんの誘いでクラックを登りに出かけた。
なんと、このとき初めてカサブランカを登った。いつも混んでるし...
オーバーヒート(5.11c)も相当気合をいれてOS。
ショートハード系のクラックで、珍しくムーヴとプロテクションの読みが両方当たった。

次に行ったときにはエクセレントパワー(5.13a)もRP。
これは中学生くらいのときにロッキーロード、シルクロードそれぞれに敗退して、
それ以来大した理由もなくずっと遠ざかっていたルートだった。
10年以上ぶりにやってみたら、2回目で登れてびっくり。
このタイプのクライミングはさすがに経験を積んだので、相応の成長を感じる。

〔2020.5月〕
・遠山川山エリア
緊急事態宣言で県をまたぐ移動ができなくなったので、山エリアへ通った。
林道が崩れてしまい、上のエリアまで行くのは一苦労。
他にクライマーがひとりもいない山の中、深まっていく緑に囲まれての時間は心地よかった。

自然に返っていたMagnoliaのトップアウトを掃除したり、
ユーロボーイズの岩周辺に倒れ掛かった倒木を退かしたりと作業をしつつ、
ガッテン(三段)とちゆ太郎(二段?)を登った。
ガッテンは単発フィジカル系で、かなりハマった。

〔2020.6月〕
・不動沢、ヴィーナス(5.12d)

不動沢がシーズンインして、岩探しのついでにメルヘン岩へ行ってみた。
最大傾斜120度くらいの壁に、なかなかそそられるクラックが2本。これはいい。
ということで、いましさんを誘って別日に登りに行った。
オンサイトを狙ってみたものの、これは呆気なく返されて、ムーヴを作って2回目でRP。
ファラオ(5.13b)のムーヴを作っていったところで、長い梅雨が始まってしまった。