2018年8月19日日曜日

縮まらないこの距離

なにやら突然涼しくなって快適な秋晴れ。
が、この天気もやはり長くは続かないそうで。残念。

昨日も大ザルと不動沢に行ってきた。この休みで3日に1回くらいは行っているかも。
今回は大ザルの希望で、摩天岩に寄り道した。
いつも弁天岩の北面から見えているフェースを見てみようということで。
まず「史上最強の10a」として名高い「かぜひきルート」を登った。
大ザルが「これが登れたら俺も捨てたもんじゃない」とか言ってリード。
核心を抜けたところで「ああ、死ぬ」と呟いたものの、落ちずに登った。流石。
さて、今度はこちらの番。10数年前の悪夢が蘇る。
あの時は初めてのワイドで、トップロープで死ぬ思いだった。
時は流れ、自分は心身ともに逞しくなって・・・って、しんどいじゃないか!
ワイドの登りに慣れはしても、全く楽にはなっていなかった。
Tスタックがイマイチきまらなかったので、ひたすらヒールトゥでずりずり。
TCProを忘れて、代わりに使ったXXが不憫になった。問題なかったけど。
とにかく、落ちなかったけど、かなり本気でした。
チューブチョックがずらり

もう1ピッチ登って、藪を漕いで、例のフェースを上から降りてみるとなかなかよさげ。
岩は硬いし、プロテクションも入りそうだし。
問題はライン取りだけれど、これはトライする人が考えればいいこと。
がんばれ大ザル。

弁天岩への移動は、なんだかお互い足にきていた。最強の10a恐るべし。

今回はさすがにどこもよく乾いていた。
まずこれまでちゃんと見ていなかった、上部の別ラインを観察。
こっちも一部不確かな数メートルがあるけれど、
もともと見ているラインよりも易しそうだった。
純粋に壁の形状だけ見れば、こっちは傾斜の緩い方へ行くことになるし、
現状取りうる選択肢の中では最弱という事になるんだろう。
ただ、もともとのラインの方が美しい。それが引っかかる。
ということで、当面は最初のラインで頑張ってみることにした。
この角度で見ると傾斜がよーくわかる

で、やっと乾いたので問題のブランクセクションをやってみた。
もう、これがさっぱり出来なかった。
ホールドは浮けるか浮けないかギリギリの線で、
壁の微妙な形状の変化のおかげでなんとか浮いている、という感じ。
これはこれで奇跡的だな。
なんとか出来ないなりにもムーヴをやってみて、あと2手くらいになった。
この2手が果てしなく遠く感じる。核心が終わるホールドは遥か彼方。
でも、あるとき何かのきっかけで突然進展するかもしれない。そんな気もした。
鋭いホールドであっと言う間に指を割かれて流血、強制退去になったけれど、
さしあたって何を鍛えなきゃいけないのかもなんとなく分かった。

こりゃ、誰か一緒にやる人を見つけた方がいいかもな。


そういえば、朝立ち寄ったコンビニで偶然、某ワイドマニア殿に会った。
大ザルに会ってえらく興奮しておられた。
そんな大ザルのスライドショーが明日三鷹であるそうです。
お近くの方は、どうぞ。


おまけ
素晴らしい反り具合。しかし効果はあるのか。

2018年8月15日水曜日

霧の奥

今日は大ザルとふたりで弁天へ。
昨日また雨が降ったようで、加えて朝から空模様が怪しかったけれど、
「そうは言ってもとりあえず」ということで行ってみた。
学習しませんね。

行ってみたら、案の定、岩場はガスの中。今にも降り出しそう。
まあどうせ壁は今回もあちこち濡れていることだし、
ここまで上がって来てしまえばどうなっても大差ないので、
作業中に降られること覚悟でユマールしていって作業した。
あれ、なんだか明るくなってきた。
よく分からん天気だ。

最上部は今回もほとんど濡れていたけれど、
ホールド(らしき結晶)にチョークを乗せてみると、なんだか持てそうな気がしてくる。
ただの気分かもしれないけど。
トライできるコンディションではないので、
前回時間切れで触れなかった中間部の残りのセクションをやることにした。
やってみると、予想していたよりも難しかった。
スタンスが十分にあるようで、案外どれも使えない。
多分、自分が思っているより傾斜があるんだな、ここ。
ここはかなり頑張って、なんとかムーヴはバラせた。
つなげてやったらできなかったけど。
だいたいこんな感じ

大ザルもユマールしていって、えらく感心していた。
上部のラインはいくつか取れそうだけど、やっぱり右に行きたいよね、とか、
抜ける場所によっては終了点を打った方がいいんじゃないか、とか話した。

中間のセクションのムーヴがバラせたところで、いよいよ雨が降ってきて撤収。
30秒くらい降っただけで、また小降りになってしまったので、助かった。

2018年8月10日金曜日

雨上がり

昨日も単身で弁天岩に行ってきた。

植樹祭会場を通り過ぎたところで、ただならぬ気配を感じて折り返すと、
案の定マルボー・もとえ夫妻がいた。お久しぶりです。
不動沢の埋もれたルートを発掘に行くんだとか。
流石、お掃除おじさんの異名をとる人は伊達じゃない。

昨日雨が降ったようで、不動沢はどこもビショビショ。
前傾壁も上の方から水が滴っていた。

取り付きで一休みして、食べ物も飲み物も多めに摂って、作業開始。
まず核心部から上をガンガン磨いた。
イワタケは濡れていると剥がしやすいのだけれど、
普通の苔は土を抱いているので、磨くと泥だらけになる。
もう終盤は壁を綺麗にしているのか汚しているのか分からなくなるくらい泥だらけ。
これで大粒の雨でも降ってくれれば綺麗になりますかね。

掃除しながら核心のセクションを改めて見直してみたものの、解決の糸口はつかめず。
3通りくらいラインが見えなくはないけど、どれもできるか分からない。
とにかくここは気長にやって行きましょう、ということで次。

前回掃除しきれなかった中間部も磨いて、プロテクションが入ることも確認。
ここまでやって取り付きに戻ったら3時半を過ぎていた。
うおぅ、3時間以上ぶら下がってたことになるのか。
でも折角来たし、天気も良くなってきたので、シューズを持ってもう一度上がった。

とりあえず中間部からムーヴをやってみた。
アップなしで、掃除の後だったので体は動かなかったけれど、
プロテクションからプロテクションの間でセクションを分けて、2パートバラした。
最大の核心部まででも、十二分に難しいということが何となく分かった。
中間部から上が、2級→1級→1級で、最後に三段とか?
今回バラしたところまででも、隣の「二十億光年の孤独」と同じくらいありそう。

そんなことが確認できたところで、時間も遅かったので切り上げた。

今回のルートは掃除が思ったよりもスムーズに行っているので、
そろそろ本気でムーヴを作りにかかれそう。
プロテクションも悪くはないので、そんなにリスキーでもなさそうだ。
果たしてこれが本当にフリーで登れるラインなのかは未だに分からないけれど、
今回初めてムーヴをやってみて、凄く興奮した。
岩は硬いし、露出感が凄い。
これで可能性が見えれば、もう他の物なんて見えなくなってしまいそうだ。
取り付きのテラスで靴を履いていたら、ヌシを発見。


2018年8月7日火曜日

sure

世間から周回遅れくらいで、夏休みがやってきました。

昨日はいましさんと弁天へ。
どこへ行こうかと考えて、結局ここに来てしまうわけで。
が、出発して高速をかなり走ったところでロープを忘れたことに気づいた。
「まじか」「マジカ」
「どうしましょう」
「戻るしかないでしょう」
ということで取って返して、1時間半くらいロスして瑞牆へ。
なんてこったい。

不動沢の駐車場は今回もいっぱいだったけれど、弁天にはまた誰もいなかった。
摩天岩にも不動岩にも人がいたようだけれど、それだけで量にはならんでしょうに。
一体皆さん、どこに行っているのでしょうね。

それはさておき、いましさんの要望もあり、「グリーンベレー」を登った。
弁天に来るようになってから、監督はずっとこれを登ってみたかったんだそうな。
前に「オフセットのカムいいですよ」と勧めたら、
今回はオフセットのマスターカムをいくつも揃えてくる気合の入りっぷり。
それを実際に使ったかどうかは置いておいて。
アプローチ的な初めのトラバースは僕が登って、
オリジナルの1P目と2P目をいましさんがつなげて一気に登っていった。
なにやら、走馬燈を見るくらいにパンプしたらしい。
3P目のワイルドなチムニーは僕が登って、とりあえず「グリーンベレー」は終了。

と、ここでいまし監督が「あれ登ってみていいですか」。
「風穴クラック」の裏側にあたる「菊之助」(5.10b)が目の前にそびえていて、
それを見たらどうにも気持ちが収まらなかった模様。
折角なので、登ることにした。
監督が後半のセクションで玉砕して降りてきたので、回収も兼ねてリード。
基本はハンドだけれど、結構がたがた変化しているので、案外ジャミングしにくかった。
日に焼かれた岩がかなり痛かったものの、おいしく一撃。
グレードをよく知らずに登ったのだけど、あとで10bと聞いて、まあ納得。
面倒なアプローチも多少グレードに加味されている、気がする。
「風穴クラック」に比べて脚光を浴びることがほとんどないルートだけれど、
露出感があり、ピークに立てるし、プロテクションもよく効いていいルートだった。

「あみだくじルート」から下降して、残った時間は大ハングの掃除の続きをした。
フィックスを垂らす位置を調整したりして、今回は上から掃除してみた。
問題となる2メートルのブランクを、ドキドキしながら磨いた。
「ポケットの一つでも出てくれば」と期待したけれど、
結局大したホールドは出てこなかった。
「こんなので浮けるんですか」というホールドしか出てず、頭を抱えたくなった。
そこまでのパートは完璧にホールドが繋がっていることが確認できただけに、
このたった2メートルが恐ろしく遠い距離に思える。
「浅い1本指でもあれば」「もう5度傾斜が緩ければ」
そんなことを思う。
とりあえず、他の部分も磨いて、掃除はルートの6割くらいのところまで終わった。

前日にジムでちょっと頑張ったせいもあって、取りつきに戻った時にはクタクタ。
早くも眠気を感じるくらいだった。


不思議と、帰宅して1晩経って思い出してみると、
「ひょっとしたら出来るのかもしれない」と思えてくる。
でも実際に岩を前にすると、また「こんなの出来るんかいな」と感じる。
この先、当分は、その二つの間を行き来することになりそうだ。