2015年11月30日月曜日

redemption

土曜日の夜は、小DK宅でいましさんの新作『Activator』の試写会があった。
機材、編集技術がどんどん進歩しているので、
今回はそれこそ予想をはるかに上回るクオリティの作品に仕上がっていた。
いや、そう書いちゃってもいいくらいなんです、本当に。
参加者全員こたつを囲んで大興奮。
詳細は12月末の発売を待つべし。トレーラーも随時配信されるようです。

で、今日は単身瑞牆へ。
AWの人らが山形県エリアにいるそうなので、まずはそっちへ行った。
前日に登っているので、アップは少な目で、よしさんたちに混じって「十六夜」(初段)にトライ。
これももう長いこと、ふらっと来て、ちょっとトライして、
「難しいなー、出来ないなー」という印象だけを得て帰る、というのを繰り返してきた課題だった。
最近やたらと人気らしく、チョークがしっかり乗っていてなんだか見た目が変わっていた。
2歩目に立ち上がるところの感触が微妙で、バランスを崩すトライが続いたけど、
ちょっとした調整で立ちやすくなった。
それからが問題の部分で、見るからに立てそうで実はそうでもない結晶を踏んで上がっていく。
この結晶のとらえ方がまた微妙。
「もう迷っても仕方ないか」と腹をくくって、乗り方をちょっと変えて一気に立ってみたら、
今まではるか上に見えていたポケットに手が届いた。
あとはそのままべたべたスメアして、宿題がひとつ片付いた。
その後あべちゃんが登ってスラブに弱いイメージを払拭、
更にその後、よしさんが登って苦節3年の課題にケリをつけた。
3年分の喜びを表現するの図

足下へのこだわり(と、経済力)の表れ

AW勢の何人かが「キトラ」(初段)に行くようだったので、くっついていく。
これもずっと前に最上部で心が折れて以来トライしていなかった。
エリア内の他の岩が人気すぎるからか、コケが濃くなってもじゃもじゃだった。
リップの辺りにあるホールドは綺麗なままなので、ちょっと掃除してトライ。
「こんな感じだったよなー」と思い出しつつ取り付いてみたら、
呆気なくガバポケットに立ち上がって、前に心が折れた部分もなんてことなく突撃して登れた。
そのすぐ後に、右隣の「ヒドラ」(1級)もやってみたら、
スタンスを見定めるのにすごく時間がかかったものの、なんとか一撃。
やっぱりメンタルにくる課題は明らかに感じ方が変わったなーと実感。
その後「キトラ」は盛り上がっていたけど、完登者はなし。
最後にちょっとだけ「水蛭子」(三段)をやってみたけど、
地味な見た目と渋すぎる内容にまたしてもやられ、指皮が凄い勢いでなくなってきたのでやめた。

あべちゃん、こばやしくんと3人で高原エリアに移動。さすがに2枚背負って歩く疲れる。
高野聖の岩には氷柱が垂れていた。やっぱりこのエリアは寒い。
やっと本題の「百鬼夜行」(三段)にトライ。
岩は完全に乾いていて、状態はかなり良さそう。
前回改めてキョンが致命的に下手くそなことが分かったので、
正対かき込みでポケットに出るムーヴを試すことに。
ホールドがいつもより持てて体がぐいぐい上がるので、
あんなに苦労していた1手目も1回目から止まった。
足を上げてポケットにデッド。と、とどいたーっ。
と思ったら足が滑って落ちた。指の皮もちょっと持っていかれた。
指先はまだ熱くなってこないので、届いた感触を忘れないうちにもう一度。
今度は完全にとらえた。
その後ガバフレークを取るまでが思っていたよりも悪かったけど、
いつもより気合も力も入っているので問題なし。
あとはほとんどビクトリーロードだったけれど、気を抜くことなくマントルしてトップアウト。
ずっと真剣に打ち込んでいたわけではないけど、ものすごく長くかかった気がした。

その後見ていると、1手目のコツを掴んだあべちゃんがポケットを止めてそのままゲット。
通算20トライもないくらい?この瞬間のあべちゃんはなんだか恐ろしかった。
でも、一番驚いていたのは本人だったようで、登った後ぽかーんとしていた。

未来に会ったけど、カメラを見ると魂を取られると思っているらしい

その後「クリムゾンフレイム」(四段)に移動して、しばらくやったけどまた今回も解決できず。
だから、こういう課題を一日の後半に持ってきちゃダメだっての。
次回はアップ後出来るだけ早くこないと登れないな。
3人とも終了のおしらせ間近だったので、会場エリアに下ってAW勢に合流。
うす暗くなる中、「光合成」(初段)のなんとも地味なセッションが始まったので、
この課題はもう登っているし、一人で「霧」(三段)へ。
これも一日のシメにやるような課題ではなかったけど、案外ムーヴが出来たので、
コンディション次第では勝負できるのかも。
それにしても指が、スラブで滑ったソールみたいにぐさぐさになって、ちょっと戦慄した。
ちなみに「光合成」セッションはよしさんの独り勝ちで幕を閉じたらしい。さすがです。


コンディションに助けられていくつも宿題が回収できて、本当によかったのだけど、
同時に課題との向き合い方を考えさせられた日だった。
結局、先週の小川山と同じように、何年か前に触ってそのままの課題とか、
年に数回触るけど真剣にやらずにずるずる時間が経った課題がほとんど。
「百鬼夜行」は頑張っていたけど、大抵は一日の最後の方にやっていたので、
そりゃあ疲れた状態でやったら体も上がらんわけです。
コンディションとか、時間帯とか、戦略とか、
どうもそういう戦略を練るということを、自分は怠りがち。
雑食なのが悪い方向に向いてしまうと、それこそ中途半端になってしまう。
「あれもやるし、これもやる」と「あれも登れて、これも登れる」のは違うわけです。
結局、ひとつひとつ確実に片づけていくしかない。

今シーズンもそろそろ終わり。あと1回くらいは行けるといいんだけど。

2015年11月29日日曜日

冬が来る

今週末は久しぶりに二日間天気が良かったですね。
平日の天気は知ったことじゃないとしても、ずっとこうならいいんだけどなあ。

毎年毎年、シーズン最初の遠山川に行くと、「冬が来たな」という気になる。
ここに通うようになって10年が過ぎ、そのころから1年のリズムもほぼ定まって、
初雪が降るころから梅の花が咲いて散るころまで、
その日ごとの水の量に一喜一憂したりしながら過ごす。
気温とか天気とか、旬の味覚だとかとは違った、季節の感じ方なわけです。

・・・と、なんでこんなことを書いているかと言うと、写真がないからです。

土曜日、大ザルと今シーズン初の遠山川へいった。
ここで毎年気になるのが、エリアの下地がどうなっているかということと、
道路の工事がどの程度進んでいるかということ。
道路の工事は、新しいトンネルがついに開通して、
木造校舎の辺りから神楽の湯方面へダイレクトに行けるようになった。
このトンネルに入ってしまうとエリアを完全に通過してしまうのだけど、
下流エリアに行くにはこっちを通ってちょっと戻る方が早いようだ。

で、中流の駐車場に下りて下地のチェック。
上・中流の様子は以下の通り。
親子岩:例年通り
神楽ケイヴ:例年通り
神楽岩:「水月」は水没、「キラーボーイ」の下地はなんとか埋められそう
緑のカンテ:例年通り
紫岩周辺:例年通り
アンバマイカの岩:「アンバマイカ」以外は水没、「天照」は何とかトライできそう
岩盤・オブジェ:例年通り
たすき周辺:例年通り、「小さいおじさん」は今年も流木だらけ
ビーチ:真ん中の緑色の岩が転がって埋まり、課題消滅
階段・しじみ:例年通り
ツインピーク:流れが変わり、流心になってしまったので下地なし
豊年岩・2D:例年通り
滑り台周辺:例年通り
円盤:下地が上がって埋没
黒ごまソフト:例年通り
松の木岩盤:例年通り

ざっと見たのはこんなところ。
特に影響が大きかったのはアンバマイカとツインピークかな。
アンバマイカはちんちゃこ側に深い池が出現して、埋めるのは無理。
全体的に下地も下がっていました。
アンバマイカのみ、奇跡的に下地があって、トライは出来ますが、
下降路の下はやはり水なので、リップにぶら下がって飛び降りるしかなさそう。
ツインピークは水がごうごう流れているので、来期まで全く無理、という感じ。

とりあえず、滑り台周辺で既成課題のリピートから。
「桜色」(2級)はやはり名作。ちょっと下地が下がったので、しっかり2級という印象。
それと、久しぶりに登った桜餅岩川側のスラブが、結構面白かった。下地悪いけど。
「朧」(二段)をリピートしようとちょっと頑張ったけど、指皮がめくれそうなので、
適当なところで切り上げてアンバマイカに移動。

下地のぬかるむところを石で埋めて、大ザルがやるのに付き合ってちょっとトライ。
こういう水平カチでの引きつけは進歩しているみたいで、今までになく楽にリップまで登れた。
フレンチだと7b、アメリカだったらV8かなー、とか考える。
大ザルはシーズン初めでなかなかムーヴが出来ないようだったけど、
トレーニングの成果は少なからずあるようで、初回の感触としてはまあまあだった様子。
カチの痛みに震える大ザルを見つつ、「天照」をどうにかしようと、
せっせと石を運んできて水流に放り込んで、基礎から積み上げてみたら、
まあなんとか20センチくらいは拡張できそうになった。
あまり石を運んでばかりいると腰が痛くなりそう、というかちょっと痛いので完成は次回に延期。

大ザルのトライが終わったところで神楽ケイヴへ。
何年か前にちょっとやった「へリックス」(五段)の抜けの二段をやってみる。
「骸」「へリックス」「明鏡止水」はどれもこの二段に抜けてくるわけで、
そもそもこれを登らないとそれらにトライするどころではないわけで。
で、久しぶりにやってみるとどうにも難しい。
最初の2手くらいは完全にキャンパだし。
それからフリクションのないスローパーを叩いて、カンテの向こうのよく見えないクラックへ。
それで、さてどうする?という状態に。足が上がらん。
ここで1時間以上かかって、最後は結局物凄く強引にずりずり這い上がってなんとか登れた。
しかし、これをルーフの中からつなげるのか。とんでもないな。
次回は「骸」のパートをバラすところからかな。
二段のパートも、もっといいムーヴを探さないと。
先は長そうです。

といったところで終了。

最近雨が多かったので若干増水気味だったけど、
これでちょっと水位が下がればまた印象が変わるかも。
登れなくなってしまった課題が今期は多く、残念だけど、
四段以上の課題は無事なものが多いので、コツコツやりますか。

2015年11月23日月曜日

雨降る霜月

今月は本来いいシーズンなはずなのに、毎週末雨ばかりで、
もう何週間も外へ登りに行っていなくてずっともやもやしていた。
代わりにバイトをして、お金は溜まっていくけど、
やりたいことが出来ない一方でお金ばかり溜まっても、なんだか不毛だし。
土曜日にやっとマシな予報の中大ザルと遠山川へ行く予定だったのに、
当日朝になぞの体調不良で寝込む始末。
結局、何だったのか分からないけど、突然のことでなんだか不気味。
今はもう元気ですが。

で、今日はアートウォール勢と小川山へ。
直前まで「こりゃダメだなー」と言っていたら、予報が好転。
暗いうちに集合して行ってみたら、これが正解だった。
結局薄曇りくらいで丸一日登れた。ありがたやー。
自分のマットを実家に置いてきたので、完全に寄生族と化す。
ということで、皆さんが行った先で課題を見つけてどんどん登ることにした。

最初に、石楠花エリアへ。忘却岩の辺りからスタート。
人気課題が多い割にはアップにいい課題があまりないことに気が付く。
仕方ないのでラジオ体操を第2までやって、
ちっこいスラブとマントルの2級だけ登って、「忘却の果て」(初段)。
以前やったのがいつだかもう覚えていない。
ろくに考えずにトライしたらホールドを完全に間違えて落ちたので、
ちゃんと考えてやったら次のトライで登れた。
次が「忘却の河」(二段)。核心のムーヴだけ確認して、つなげ。
一度、核心でつるつるのカチがすっぽ抜けて落ちたけど、次のトライでゲット。
お、調子良さげやん。
ついでに『噂の男』あべちゃんがやっていた「忘却の果て(var.)」(二段)に参戦。
スタートをどうするかちょっとごにょごにょと迷ったけど、
それらしいムーヴを決めてやったら1回目で初段パートに繋がった。
手数が増えたのでちょっとヌメってきて危なかったけど、そのままゲット。
調子良さげやん!
るびおさん on 忘却の果て

他の人らの登りをしばらく観戦して、ちょっと暇になったので悪名高い「一筆」(初段)へ。
離陸から1手目が明らかな核心で、そりゃあ人気にはならんわな。
離陸のスタンスをどうするか迷って、これかなっと乗ってみたら滑って一撃を逃す。
さっさと修正して、別のスタンスにしたらこっちが正解。
4回目で1手目のカチがしっかり持てて、登れた。
登れて思っていたより単純で、思っていたよりいい課題。
あべちゃん on 一筆

よしさんとあべちゃんと三人でやっていたら、331さんが来て、つっきーさんが来て、
束の間の人気課題になったけど、その後完登者は出なかった模様。
ちょっと特殊だしなぁ。
余った時間は「幻の光」(三段)をひとりでやってみたけど、
ムーヴをバラすために打ち過ぎて、指が温まってヌメりまくり。
なんとなーくムーヴをバラしたところで指が痛くなってきたので、今回はやめ。

昼飯を挟んで、林の中へ移動。
おー、エイハブ船長の辺りに一人しかクライマーがいない。
そう悪いコンディションでもなかったけど、今日はやたらとクライマーが少なかった。
目当ての「冬の日」(四段)に行く前に、まずクジラ岩でちょっと登る。
「やってみてよ(やってみなさい)」というお達しが高野家から出たので、
そういえばやったことのない「穴会社」(二段)をやったら、2回目で登れた。
穴会社

浅いポケットが続くのは隣りと同じだけど、こっちの方がムーヴが大きめでそれなりにGood。
もしかしたら、人によっては社長よりも会社の方が登りやすかったりして。
で、そのまま「エアー船長」(初段)もやったら、こっちはちょっと苦労したけど、登れた。
人が多すぎるのでいつもここは避けているけど、
登ってみるとこういうバリエーションも含め面白いんだよな、と確認。

さて、あべちゃんと本題の「冬の日」へ。
そりゃまあ、数年前にやったときよりも少し感触が良くなってはいたけど、
まずもって1手目のガストンを取るのが思っていた以上にしんどい。
リーチ的に全く無理はないんだけど、うまく伸びていけないというか。
スタンスを変えたりなんかしてやっているうちにちょっとずつこなれてきたけど、
最終的にガストンを止めて握りこめる確率はまだ五分といったところ。
今日はそのあと右手を下のガストンに上げる部分が出来ずに終わった。
それにしても指が痛い。ゴリゴリ皮がなくなる。
最後にちょっとだけ「地獄変」(四段)もやってみたものの、
こっちはそもそも地ジャンが全く止まらず敗退。

暗くなるまでお茶を濁しつつ登って、帰りに大盛りの丼をいただいて帰宅。


体調不良と寝不足の後にしては、体は良く動いて気持ちよく登れた。
あちこちで触るだけ触って放置していた課題とか、そういえばやっていなかったものとか、
思いがけずいろいろと回収することが出来たのは、単純に楽しかった。
でもそれらは、ちょっと考えると、予想できる範囲内で、
「まあやれば登れるだろう」「これは登って帰ろう」というのが実現できただけの結果だった。
サボってでもいない限り、何年も経ってから来てみれば、
数年前よりは少なからず強くなっているのだから、当然登れるものも増えるだろう。
海外や、行ったことのないエリアでのクライミングが素晴らしいのは、
その時その年の自分の実力が直接反映されて、
そんな中で時折、自分が予想もしなかったものに出会い、驚くような成果が上がるからだろう。
自分がよく知っている場所で登るのなら、すぐ手に入るものばかり享受していても、
そういうミラクルな出来事はない。
そもそも知った場所でミラクルに出会うこと自体が難しいのだけれど、
その中でなんとか自分の予想を覆し、裏切り、改めていくために、
ちゃんと勝負する対象とその時間を作っていくことが大事なんだろうな、と思う。

とかなんとか言いながら、今日はすごく楽しかった。
また行こう。

2015年11月4日水曜日

別々のこと

昨日はいましさん、大ザルと瑞牆へ。
大ザルは腰が痛いらしい。やっぱり、海谷に一日でも行くと負担が大きい。

前日が一日雨だったので、とりあえず駐車場に着いてから皇帝岩を見に行って、
なんとなく湿気がある気がしたけど案外乾いているようだったので、大面下へ。
いましさんが、実はアップ岩で登ったことがないんダ、というのでアップ岩でアップ。
ひさしぶりにやったけど、真ん中の初段はちょっと感触が変わった気がした。
1手目のカチが欠けて大きくなった?よくわからんけど。
まあ、こういう体勢を作ってから動くタイプのクライミングは少し強くなったんだろうな。
いましさんは昔作った映像からこの岩を避けていた(?)らしいけど、
「あー、よかった。俺できる」と安心しながら初段をサクサク登って行った。

上の方に移動。
暖かい日だったので、No Nameの岩の下は非常に快適だった。
折角前に来た時に大掃除したので、「No Name」(二段)をやる。
スタートのシャープなカチが痛いなー、これはさっさと登らんとな、と気合入れてトライ。
と、案外あっさり核心をこえて、カンテのガバが取れた。
大ザル「おい、そのまま行くのか」
WADE「うん、行く」
ということで、チョークバッグを腰につけてもらってからマントル。
手がかじかんで嫌な感じだったけど、スラブを2歩くらい登ってレッジにまたマントル。
さて、ここからが怖いゾ。
一度ノーハンドレストに入ってオフになってしまった気持ちが戻ってくるのには時間がかかる。
しばらくレッジにいた気がするけど、ホールドは掛かるし、
ここだけやったら何てことないよな、と言い聞かせてリスタート。
実際、全く問題なかった。腹をしっかり括れていれば、だけど。
No Name

いい課題だったなぁ。
それにしても、一つの課題で3回マントルするなんて、なかなかない。

その後は、いましさんと「空洞」(三段)にトライ。

中間に他と別次元に難しい一手がどーんとあって、その前後はすぐにバラせる程度。
手数があるのにほとんど1手ものという、なんというか、凄く厳しい課題。
とにかく核心を何とかしないといけないので、そこをひたすらにやったけど、
これがどうにもこうにも上手くいかない。
もうとにかく右手のなるーいホールドが持てないこと持てないこと。
サル左衛門はこれをぐいぐい引いて登ってた気がするけど・・・
トライしまくって、なんとか飛び出す感覚がわかってきたところで、
岩に日がガンガン当たって温かくなってしまい、
理不尽なくらいにホールドが持てなくなって終了。
いましさんは惜しいトライが何度かあった(ように見えた)。

日が暮れて、最後に生命力の岩でちょっとだけ登る。
いましさんが、これまたまだやったことないという「生命力」、僕は「命の更新」。
これもサクサクかなーと思いきや、いましさん、案外苦戦。
全く気持ちよくなさそうにガバポケットを止めて、そのまま静かに登っていった。
でも、課題の内容にはえらく感心した様子。
僕は例によって「命の更新」の牙だらけのポケットにズタズタになりかけて、時間切れ。
低くて大きなスタンスからだとどうしても届きそうにないので、
これは牙で指がやられるのを我慢してもっと引きつけるしかないか。ひえー。


今日は単身岩探しに出掛けた。
目当ては骨肉の岩塔に行ったときに見つけた堡塁岩のヘッドウォール。
が、岩に着いてロープを垂らして降りていってみると、ボルトを発見。
その後あっちこっちと降りてみたけど、どうも何本か登られているらしい。
その気になったらラインを引けそうなところはまだあるけど、まだ何とも。
それからは七面岩方面にいい壁はないかと探しに行って、結局成果はほとんど得られず。
まあ、岩探しは半分以上がそんなものか。
なかなかアタリには出会えません。

KUMITEの岩に下ってきて、覗き込んだら大西さんたちが「クリムゾンフレイム」にいたので参戦。
前にトライしたときから何年かたって、ちゃんと1手ずつ出来るようになってはいたけど、
後半のムーヴが解決できずにホールドがヌメる時間になってしまい、敗退。
もっと涼しくなれば、勝負できるかな。
・・・と言って溜まっている宿題が山ほどあるんだけど。

最後に「ねじ式」(四段)の場所を確認して帰った。


かたやボルダ―、かたや岩探し。二日間でそれぞれ別のことをやった。
ただ、それらが全く違う事柄という感じはしない。
高くて怖い、半分ルートみたいなボルダ―をやったりするし、
新しいルートの可能性を探りつつ、同時にボルダーを探したりもする。
岩を前にしてぼんやり見えてきたラインに、どんなムーヴが詰まっているか妄想したりもする。
その辺をいっそ一緒くたにして、あまり区別したりしたくないな、と思う。
伝統あるグリットストーンで登ってみてから、その気持ちが強くなった気がする。
フリーソロばかりやっていたし、ハイボルダ―なのかルートなのか分からないものもあったし。
どちらなのか分からないけれど、あえて区別することもないのかもしれない。
スタイルにこだわることは大切だけど、ジャンルにこだわる必要はないだろう。
アレはやるけどコレはやらない、ソレは専門外、なんてなんだか勿体ない気がしてしまうのです。

同じ岩場で二日間、別々のことをやったっていいじゃないか。

2015年11月2日月曜日

ほじくるのすけ

昨日は大ザルと海谷へ。朝は冬の足音を感じさせる冷え込みだった。
白馬三山も真っ白だし、もう11月だし、そろそろ冬が来る。

三峡パークに着いたら、車はいつもより多いし、バスまでやってくるし、
なんだかどこぞの観光地に来た感じがした。
中高年のハイカーの一団が駒ヶ岳の方へ登っていくし、
そうかと思えば僕らと同じ方に歩いてくる一団もいたし、結構人気らしい。
でも、大きなパーティーでくるのに向いた場所とも思えないんだけど・・・

アプローチを少し整備しつつ、なめ滝下へ。マット2枚持ちだとこのアプローチはしんどい。
今回は滝の真下の辺りでやることにして、
先週サル左衛門らが登った「ソイルウォール」の辺りまで散歩。
良さそうな岩はごろごろあるんだけど、荷物を全部持ってここまで来るのは大変そう。
いや、実際200メートルもないくらいなんだけど。
紅葉も終盤

戻ってきたら、大ザルがさっさと登り始めていた。
穴だらけのスラブで簡単らしいけど、背景が綺麗だったので、しばらく撮影。

それからアップを兼ねて周辺の岩でいくつか登って、一番目立つハングの掃除に取り掛かる。
滝の真下なので、この辺は初夏まで雪が残っている。
そのせいか、岩の上の土砂やごみが一層ひどいような気がした。
雨の後だったし、足元はもうどろどろ。
前回、ブラシよりも箒の方が役に立つことがわかったので、
持ってきたシュロ箒でガサガサとごみを落とし、形状に詰まった土をほじくる。
どうせ来シーズンにはまた、雪が運んできたいろいろが積もってしまうのだろうけど、
こうやって少しずつ手を入れていけば次回、その次がきっと面白くなっていくはず。
この岩は多少脆いところがあったけど、2本くらい高さのあるいいラインが引けそう。
トライするのが楽しみ。

箒を持っての格闘でかなり時間を食ってしまったけど、
近くにある手頃そうなカンテを掃除して登ることに。
見た目は結構悪そうだなー、と思ってやってみたら、案外簡単で拍子抜け。
でも、気持ちいいくらいの負荷のムーヴが続くいいカンテだった。
「8bit」、3級かな。遠山川の「桜色」よりちょっと易しい気がする。
ただ、前回登った「ポリゴン」が2級じゃなかったらしいので、
自分のグレード感覚がよく分からなくなってきた今日この頃・・・
8bit

それから少し下にある薄いハングを掃除。
ぽろぽろ欠けるところがあるし、リップの上はどろどろだけど、最初はこんなものだよね。
SDのラインが2本見えたので、どっちも登った。
右が1級で、左奥からくると2級かな。
1,2手こなしたあとは完全に同じラインになるので、
名前はまとめて「アーモンドラッシュ」で。

 大ザルはスタンドを頑張ったけど、惜しいところで登れず。
スタンドだけだと4級くらいなのかな。
暗くなってきたのでここで終了。

今回は掃除が主だったのであまり本数は登れなかったけど、
帰ってから数えてみたら、エリア全体で既に60本近く課題が出来たことが分かった。
そのうち7割くらいは今シーズン、というかここ1カ月で登った。
おー、人数の割になかなかのペース。
シーズンはもう残り数週間だろうけど、増やせるだけ増やしたいところ。
最悪今シーズン中に片付かなくても、掃除して、トライして、
春の訪れを待つエネルギーのもととして残しておくのも、それはそれでいいかも。