2015年11月23日月曜日

雨降る霜月

今月は本来いいシーズンなはずなのに、毎週末雨ばかりで、
もう何週間も外へ登りに行っていなくてずっともやもやしていた。
代わりにバイトをして、お金は溜まっていくけど、
やりたいことが出来ない一方でお金ばかり溜まっても、なんだか不毛だし。
土曜日にやっとマシな予報の中大ザルと遠山川へ行く予定だったのに、
当日朝になぞの体調不良で寝込む始末。
結局、何だったのか分からないけど、突然のことでなんだか不気味。
今はもう元気ですが。

で、今日はアートウォール勢と小川山へ。
直前まで「こりゃダメだなー」と言っていたら、予報が好転。
暗いうちに集合して行ってみたら、これが正解だった。
結局薄曇りくらいで丸一日登れた。ありがたやー。
自分のマットを実家に置いてきたので、完全に寄生族と化す。
ということで、皆さんが行った先で課題を見つけてどんどん登ることにした。

最初に、石楠花エリアへ。忘却岩の辺りからスタート。
人気課題が多い割にはアップにいい課題があまりないことに気が付く。
仕方ないのでラジオ体操を第2までやって、
ちっこいスラブとマントルの2級だけ登って、「忘却の果て」(初段)。
以前やったのがいつだかもう覚えていない。
ろくに考えずにトライしたらホールドを完全に間違えて落ちたので、
ちゃんと考えてやったら次のトライで登れた。
次が「忘却の河」(二段)。核心のムーヴだけ確認して、つなげ。
一度、核心でつるつるのカチがすっぽ抜けて落ちたけど、次のトライでゲット。
お、調子良さげやん。
ついでに『噂の男』あべちゃんがやっていた「忘却の果て(var.)」(二段)に参戦。
スタートをどうするかちょっとごにょごにょと迷ったけど、
それらしいムーヴを決めてやったら1回目で初段パートに繋がった。
手数が増えたのでちょっとヌメってきて危なかったけど、そのままゲット。
調子良さげやん!
るびおさん on 忘却の果て

他の人らの登りをしばらく観戦して、ちょっと暇になったので悪名高い「一筆」(初段)へ。
離陸から1手目が明らかな核心で、そりゃあ人気にはならんわな。
離陸のスタンスをどうするか迷って、これかなっと乗ってみたら滑って一撃を逃す。
さっさと修正して、別のスタンスにしたらこっちが正解。
4回目で1手目のカチがしっかり持てて、登れた。
登れて思っていたより単純で、思っていたよりいい課題。
あべちゃん on 一筆

よしさんとあべちゃんと三人でやっていたら、331さんが来て、つっきーさんが来て、
束の間の人気課題になったけど、その後完登者は出なかった模様。
ちょっと特殊だしなぁ。
余った時間は「幻の光」(三段)をひとりでやってみたけど、
ムーヴをバラすために打ち過ぎて、指が温まってヌメりまくり。
なんとなーくムーヴをバラしたところで指が痛くなってきたので、今回はやめ。

昼飯を挟んで、林の中へ移動。
おー、エイハブ船長の辺りに一人しかクライマーがいない。
そう悪いコンディションでもなかったけど、今日はやたらとクライマーが少なかった。
目当ての「冬の日」(四段)に行く前に、まずクジラ岩でちょっと登る。
「やってみてよ(やってみなさい)」というお達しが高野家から出たので、
そういえばやったことのない「穴会社」(二段)をやったら、2回目で登れた。
穴会社

浅いポケットが続くのは隣りと同じだけど、こっちの方がムーヴが大きめでそれなりにGood。
もしかしたら、人によっては社長よりも会社の方が登りやすかったりして。
で、そのまま「エアー船長」(初段)もやったら、こっちはちょっと苦労したけど、登れた。
人が多すぎるのでいつもここは避けているけど、
登ってみるとこういうバリエーションも含め面白いんだよな、と確認。

さて、あべちゃんと本題の「冬の日」へ。
そりゃまあ、数年前にやったときよりも少し感触が良くなってはいたけど、
まずもって1手目のガストンを取るのが思っていた以上にしんどい。
リーチ的に全く無理はないんだけど、うまく伸びていけないというか。
スタンスを変えたりなんかしてやっているうちにちょっとずつこなれてきたけど、
最終的にガストンを止めて握りこめる確率はまだ五分といったところ。
今日はそのあと右手を下のガストンに上げる部分が出来ずに終わった。
それにしても指が痛い。ゴリゴリ皮がなくなる。
最後にちょっとだけ「地獄変」(四段)もやってみたものの、
こっちはそもそも地ジャンが全く止まらず敗退。

暗くなるまでお茶を濁しつつ登って、帰りに大盛りの丼をいただいて帰宅。


体調不良と寝不足の後にしては、体は良く動いて気持ちよく登れた。
あちこちで触るだけ触って放置していた課題とか、そういえばやっていなかったものとか、
思いがけずいろいろと回収することが出来たのは、単純に楽しかった。
でもそれらは、ちょっと考えると、予想できる範囲内で、
「まあやれば登れるだろう」「これは登って帰ろう」というのが実現できただけの結果だった。
サボってでもいない限り、何年も経ってから来てみれば、
数年前よりは少なからず強くなっているのだから、当然登れるものも増えるだろう。
海外や、行ったことのないエリアでのクライミングが素晴らしいのは、
その時その年の自分の実力が直接反映されて、
そんな中で時折、自分が予想もしなかったものに出会い、驚くような成果が上がるからだろう。
自分がよく知っている場所で登るのなら、すぐ手に入るものばかり享受していても、
そういうミラクルな出来事はない。
そもそも知った場所でミラクルに出会うこと自体が難しいのだけれど、
その中でなんとか自分の予想を覆し、裏切り、改めていくために、
ちゃんと勝負する対象とその時間を作っていくことが大事なんだろうな、と思う。

とかなんとか言いながら、今日はすごく楽しかった。
また行こう。

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