2024年4月1日月曜日

転地療養

マーズから1か月以上経ち、今年もしっかり花粉症が出ている。
平日は関東平野で過ごすので、さすがに薬+マスクの装備なしでは辛いものがある。
が、週末に山の中へ帰ってくると一気に調子が良くなる。
関東は車体の色が変わるくらいなのに、やはり山奥は花粉が飛ぶ時期が遅く、量も少ないらしい。
なんなら週末を終えて月曜日まで体調がいい、気もする。

マーズ前後で野猿谷通いは続いていたのだけれど、毎度毎度、猿芝居にボコボコにされるばかり。
ノミーとふたりでトライしに行き、大セッションの末にムーヴすら解決できず。
「これやろ!」→「ちがうかー...」
「これに違いない!」→「ちがうかー...」
二人で10通りくらいムーヴのアイディアを出してみたものの、未だ登れていない。
これは本格的に初段ではないのでは、というのが通説になりつつある。

季節は少し進み、3/10、単身野猿谷へ。
2月の後半から毎週のように南岸低気圧が来たおかげで、日陰には相当雪が残っていた。
独り、しかもマットを1枚しか持ってこなかったので、高い課題は諦めてぶらぶらと8番のエリアに行った。
(ちなみにスマートフォンをうっかり車に置いていってしまったので、写真は一切撮れず)
実は前回このエリアで、重力波(二段)だと思って登ったラインは隣の1級だったことが後で判明。単にトポの見間違い。
このときは「見るからに得意系で、FLできた」とかなんとか書いてしまって恥ずかしい限り。
ということで、今回こそはきちんと重力波を登るつもりで行った。

すぐ上の岩にある凱風(3級)と黒富士(2級)にハマりかけながらアップ。
更に上の岩のトーダンス(2級)も登って、本題の重力波。
「これで一撃すればウソにはならん!」と意気込んだものの、あっさり落ちて、
それから1時間ほどムーヴをこねくり回した。
3月の強くなってきた日差しでヌメりを感じ始め、ちょっと焦ったものの、危なっかしく登った。とりあえず宿題(?)は回収。

これで下のエリアに戻ろうか、とも思ったけれど、ちょっと奥にある砂の本(二段)が気になったのでトライする。
前半のハングは風化でじゃりじゃり、後半は高さのあるフェースからカンテ、そして下地はかなり斜めで狭い。
チョーク跡はほぼなく、どうにも人気がなさそう。
が、それでもやっぱり気になったのでトライしてみると、感触は結構いい。
ハングから抜け出すあたりのムーヴをバラして、後半のカンテは現場処理することにした。
スタートからの繋げトライ数回で核心になる抜け口をこなし、フェースに突入。
ここからは下から見上げただけで、ほぼ未知。下地がアレなので落ちるのも嫌だ。しかも独りだし。
ただラッキーなことに、カンテに出てから悪いムーヴはなく、無事に登り切った。
こういう緊張感のある課題は、グレード云々を抜きにして、充実感があっていい。
良い拾い物をした気分だった。

それからは9番のエリアでアイアンモンキー(三段)、5番のエリアで猿の手(三段)をやったもののどちらも出来ず。
アイアンモンキーはトライされた形跡すらなく、かなり汚れていた。そしてムーヴも「???」だった。
さらに下って、これもまるで出来ないエクトロメリア(二段)をやって、やっぱりまるで出来なかった。

これだけで帰るのもなんだか...となったので、最後にエリザベスの岩にあるジャンキーモンキーLow(二段)をやってみた。
ハサマリング課題のジャンキーモンキー(初段)に右から合流するらしい。
トポを見てもスタート位置はイマイチ分からないので、どうやらそれらしいところからやる。
何通りかスタートとその後のムーヴを試すと、どうも思っていたより右から合流するようだ。
最後は「ハサマリング課題に合流」という内容をフルに活かしたシークエンスで登った。
エリザベスやらファンキーモンキーが目立つけれど、これはこれで面白い。
ということでそこそこ気分よく撤収した。


翌週の3月16日、今度はコミネムとブラックフラット(四段)をやりに行った。
知る人ぞ知る課題だけれど、登ったという話はほとんど聞かない。
数年前から何度も見に行っていたけれど、だいたいは雪の下かびしょ濡れで登れないかだった。

辺りには雪、しかしどうも暑い。日向は完全に春の陽気。
そして今回もクラックからは染み出し。やっぱり秋の終わり、雪が降りだす前でないとだめなのか。
中間にある顕著なガバから後半だけなら、水気を拭きながらギリギリトライできそうだったので、やってみることに。

周辺の詳細が分からない課題を数本登ってアップ。
それだけの時間でクラックが乾くはずもないので、ティッシュを詰めつつトライしてみる。
手も足もそれなりに掛かる、はずなのだが、濡れているせいなのかジャムがまるで効かない。
そしてその状態でなんとか効かせようと足掻くので、指がゴリゴリ抉れていく。
クラックが広がってくる上部に突入するところまで、いろいろと試して2通りくらいのシークエンスができた。
が、どちらも指先が濡れすぎてあまり繋がる気がしない。
最後はフィンガージャムで指の側面をゴッソリやられて撃沈した。
割れ目に生えるティッシュ

これを真剣に登ろうと思うなら、秋のツアーの日程をどうにかする方向で考えないといけないのかもしれない。
でも、それくらいに登る価値がありそうな一本ではある。