ホームエリアのベストシーズンのはずなのに、雨ばかりでろくに登りに行けない。
狙い撃ちするように毎週末雨で、いやな周期にハマってしまったなと思う。
嘆いてばかりいても仕方ないので、忘れないうちにゴールデンウィーク中のことを書いておきます。
4月29日 大ザルの庭
大ザルが「庭に行くぞ」と言うので、岩場に興味を持ってくれていたコミネムを誘った。
林道の終点からのアプローチは小川沿いで、この日はコゴミがたくさん顔を出していた。
岩場に着いて、初めてのコミネムを一番奥まで案内。
1時間ほどぶらぶら散策して、入り口周辺で既成ルートを何本か登ってみた。
思えばここでは掃除と自分のルートの初登ばかりで、他の人のルートはやったことがなかった。
大学の後輩Kくんのアフタヌーンティー(5.9)がいきなりワイルド、というか脆い上にランナウトでひやひやした。
やはりこういうルートを楽しめなくてはこの岩場は...と思いかけるが、それはそれで適度にどうかしている気もする。
ともあれ、登って楽しいルートなのはたしかだった。春の風も気持ちよい。
大ザルは掃除とリハーサルの後、プロジェクトだったラインを初登。
僕はビレイしたついでにフォローで回収させてもらった。
ミツバツツジ 5.11aだそうです
僕も以前から気になっていた壁だったけれど、コミネムが登るのは少し違うラインのようだったので、先に行ってもらう。
が、これがどうしようもなく脆かったようで、岩の脆さと濡れへの耐性に定評があるコミネムが敗退してきた。
これはまずいぞと考え直し、とりあえず左にある岩質がマシそうなチムニーを登ってみた。
こちらは見た目どおり岩がそこそこ硬く、ものすごく埃まみれになったものの、問題なく登れた。
フォローしてきたコミネム曰く、「沢でよくある垂直のブッシュが、干からびた感じ」とのこと。
まあ、グラウンドアップだし、充実感はあったので良しとしておく。
ルート名は、わたしはたわし。5.9くらいだろう。
5月3日 小川山
連休後半の初日、あさこさんがローリングストーンに行くので付き合う。
近くにあるボルトルートでもやろうかと思ったものの、どれも濡れていたのでやめ。
ローリングストーンも出だしが濡れていたので、トップロープでのトライのみになった。
改めて見てみると、見事なクラックだなと思う。数年前、オンサイトを呆気なく逃したのが口惜しくなる。
翌日からの乾きに期待して、早めに下山。長坂のカフェとかに出かけて帰った。
5月4日 瑞牆
この春の目標のひとつ、サル左衛門が昨秋に初登した巨人の肩(5.13c R?)をやりに出かけた。
零の谷のボルダーで軽く登ってアップ。二ノ谷あたりは賑わっていたが、ここは誰もいなくて快適。
アレテー(2級)とか千年王国(2級)を登った。千年王国は隠れた良作。
それから、巨人の肩へ。一応ボルダーマットを持っていったので、アプローチの急登がしんどかった。
取り付きのテラスに行ってみると、知り合いのA川さんがいた。
この類のルートにやってくる人といえば、大抵知り合いになってきている気がする。
このルートはまず、リハーサルなしのグラウンドアップでトライすることにしていた。
理由はいろいろとある。
ランナウトする(リスクが伴う)ルートに対してリハーサルが前提になってしまっていることに疑問を感じた、というのがひとつ。
昨年夏に登った魅惑のキューピー(5.12c)以降、自分が踏み込める領域がどこまでなのかを測ってみたかった、というのもひとつ。
他にも諸々あるが、要は今までできなかった挑戦をしておこう、ということだった。
強い風に吹かれながら散々双眼鏡で眺めまわし、意を決してトライすることに。
前半の核心手前のフレークにカムを固め取りして、いつもの倍くらいテストした。
そこから数手伸ばして、最後のカムが足下を過ぎるところまで頑張ったけれど、
結局そこから上に行くか横へ行くかの判断も、突っ込む踏ん切りもつかずに泣く泣くクライムダウン。
見ていたA川さんは「見てるこっちもしんどい」と言って苦笑い。ですよね。
しばらく迷い、最後は負けを認めて裏から歩いて壁の上へ。
ラペルで残置したカムを回収し、できなかったパートのムーヴだけをやってみた。
ムーヴ自体は数回でできたものの、多分これを初見では止められなかった。
そして、そこから落ちたらロープの伸びでグラウンドだったかもしれない。
後半のセクションは次回以降に回し、今回は終了、すごすご退散した。
5.13のRつきをオンサイトのグラウンドアップで勝負できるほど、強くはなかった。
ただ、これはこれでひとつの経験ということにしておく。
出来ることと出来ないことの境界線を見極めるには、挑んでみないといけない。
5.12cはできて、5.13cはできなかった。
この数字ひとつ分のどこかに、今の自分の限界がある。
5月5日 瑞牆 カサメリ沢
あさこさんはローリングストーンへ出かけていき、僕はカサメリ沢へ。
少し前から連絡をとって一緒に登る約束をしていた、rhimくんとお父さんに会いに行った。
そういえば、この時期のカサメリ沢に来るのは随分久しぶり。
夏から秋にかけてくることが多かったせいか、空気の乾いたカサメリ沢はなんだか新鮮だった。
コロッセオでrhimくんがダークスター(5.13d)をやるというので、とりあえず観戦。
僕もパートナーがいなかったのでお父さんのビレイでアップさせてもらう。
と、rhimくんが2回目のトライでダークスターを片付けてしまった。仕事が速すぎる。
後から参戦させてもらおうかと思っていたのに、あてが外れた。
泣き言を言わずに食らいつかなくては、と思い直して、僕もヌンチャクを掛けつつダークスター。
核心のムーヴの強度は思っていたより高かった。ただ、手数は意外に少ないし、案外得意系。
「これはいいかも」とムーヴがバラせてからしばらくレスト。
お父さんのナイトディジィダンスのビレイなどなどして、2回目のトライ。
核心の前半を安定してこなし、クリップを挟んで、後半の数手でかなり声が出た。
正直、叫びすぎてしまった。「このトライで登る」という気持ちが前に出ていた気がする。
トップガンに合流して長めに休み、続くランジ2発はこれまでにないくらい緊張したけれど無事に止まって、RP。
このグレードが2トライで登れるとは思っていなかったのでびっくり。
ホールドのタイプやひんやりしたコンディションが諸々噛み合っていた。
rhimくんが「次は鳳凰」というので、オランジュ岩へ移動。こちらは一転して暑かった。
鳳凰(5.13b)は日に焼かれてかなりヌメりそう。
オンサイトを狙っていったrhimくんが核心を抜けられずに降りてきたので、
「どれどれ、拙僧が見てやろう」と残りのヌンチャクを借りて手を出してみた。
核心までは調子よく登っていったものの、じわじわしたムーヴの連続に耐えきれずフォール。岩がかなり熱かった。
「やっぱりフラッシュ出来るほど易しくはないか」と思ってホールドを探ったところ、見落としていたキーホールドをひとつ発見。
これでムーヴを考えて試してみたら、結構すんなり核心を解決。その後も数テンションで抜けた。
その後、チョーク跡を頼りにrhimくんが2回目でRP。またも仕事が速い。
そこそこの時間になっていたので、僕は遠慮しておいた。次回マスターで勝負してみようか。
鳳凰(ダークスターの写真は撮り忘れた)
ホームエリアゆえに、それはまあ仕方のないことなのだけれど、そろそろ本気で狙っていかないといけない気がしている。