2024年7月19日金曜日

100本(未完)

6月15日、今年初めてのボルダーサーキットに出た。
昨年からトレーニングとして始めた瑞牆でのサーキットも、これで5回目。
日記を見返すと、その第1回は5月27日にやっていて、今回は随分と時期が遅くなってしまったなと思う。
とはいえ、コンディションと引き換えに、今回は日の長さというプラス要素がある。
今回はそれを活かし、とにかく100本をどんな形であれ回り切ることを最優先に考えた。
ただし、単に100本登っても仕方がないので、可能な限り第1回に使ったオリジナルのプランをなぞりつつ、次のルールを設けた。
 ・トライは最大5回まで。まるでできなくても5回はやる。
 ・人が多くトライしにくい課題は周辺の課題に適宜変更。
 ・道中見つけたゴミは拾う
最後のひとつはオマケだが、これでとりあえずスタートしてみた。

以下、登った課題とおおよその時間。
(×)は登れず。*はオリジナルのプランになく現地で追加した課題

<6:35  嘆きの岩からスタート>
1. ため息 5級 3トライ
2. 夏への扉 初段 1トライ
3. 日暮れの道 1級 1トライ


4. 指人形 初段 2トライ 【7:05】


5. 水晶の舟 3級 1トライ
6. スプリットエッジ 3級 1トライ
7. エッジオブトゥモロー 1級 2トライ
8. 羽音 2級 2トライ
9. 羽蟻 4級 1トライ
10. 瑞雨 4級 1トライ
11. 雨と花 3級 1トライ
12. 花畑 1級 1トライ
13. ラフレシア 初段 5トライ(×)
14. トガリネズミ 2級 5トライ(×)
15. 雨の弓 1級 1トライ
16. バックトラック 4級 1トライ 【8:40】

17. 物 1級 2トライ
18. 言葉 初段 3トライ
19. ダブルカンテ 1級 2トライ

20. 鏡 6級 1トライ
21. 剣 4級 1トライ
22. 玉 2級 2トライ
23. 御門 4級 1トライ (ロイヤルポケット5級は混んでいたので飛ばす)
24. VOCK 初段 4トライ 【9:40】


25. ミトラ 3級 1トライ
26. ヒドラ 1級 2トライ*
27. 背伸び運動 3級 2トライ
28. スケルトンSD 1級 2トライ
29. シマリス右のスラブ 7級 1トライ
30. シマリス 5級 1トライ
31. デールクラック 3級 1トライ
32. チップクラック 2級 1トライ 【10:39】
33. ウッドマントル 3級 1トライ
34. インドラ 二段 5トライ(×)
35. ガルーダ 二段 5トライ(×) (阿修羅初段は混んでいたので飛ばす)
36. ナーガ 1級 1トライ
37. 小藪の細道 6級 1トライ
38. 峠の坂道 7級 1トライ*
39. 穴契約社員 3級 1トライ 【11:30】

40. 村祭り 5級 1トライ
41. 祭の花 1級 1トライ(限定なしで登ったのでオリジナルよりも易しい)
42. ガリガリ君 1級 3トライ
43. リッチくん 5級 1トライ
44. ガリガリトラバース 2級 1トライ (ガリ子ちゃん、シャリシャリ君は混んでいたので飛ばす)
45. 光合成 初段 4トライ(夏木立1級は打ち込んでいそうな人がいたので飛ばす)
46. 日暮右 3級 2トライ
47. 日暮左 2級 2トライ
48. 蝉時雨 1級 1トライ*
49. エンラッド 5級 1トライ
50. インタシン 3級 1トライ
51. カルカド 3級 2トライ 【13:30】
52. まずまずの日 4級 1トライ
53. 普通の日 初段 1トライ
54. 日々の暮らし 1級 1トライ
55. コールドスリープ裏面の低空トラバース(通称:ベイビー)2級? 2トライ
56. 桃源右 6級 1トライ
57. 桃源左 5級 2トライ
58. 瑞牆レイバック 3級 1トライ
59. スーパークーロワール 7級 1トライ
60. 夜を待ちながら 2級 2トライ 【15:00】
61. 一本桜 3級 1トライ
62. 桜餅 2級 2トライ
63. 百里眼 1級 2トライ
64. 透視 4級 1トライ*
65. カラクリ 1級 4トライ
66. 冬の来訪者 3級 1トライ
67. 冬の動物 3級 1トライ
68. 先住者 1級 2トライ (眠った風初段は打ち込んでいそうな人がいたので飛ばす)【16:05】
69. クリネズミ 4級 1トライ (寒空初段は受ける気がしないので飛ばす)
70. 団栗 5級 1トライ
71. 団栗トラバース 3級 1トライ
72. 茜雲 3級 1トライ
73. 森の奥 8級 1トライ*
74. 熊の親子 8級 トライ*(森の生活、森の人は混んでいたので飛ばす)
75. 霞の目 3級 2トライ
76. 霞の目裏の課題(名前を忘れた) 2級 2トライ
77. 東雲 1級 5トライ(×)
78. 黎明期SD 3級 2トライ
79. 氷柱 2級 1トライ
80. 算術 1級 2トライ (少年3級は混んでいたので飛ばす)
81. 計算尺 3級 3トライ


82. 望郷 2級 1トライ
83. みんなのスラブ 3級 1トライ
84. ベイトボール 3級 1トライ
85. 二重斜線 4級 3トライ
86. 集団登高 5級 1トライ 【18:05】

以降は未公開エリアのため、課題名は伏せる。
87. フェース 1級 5トライ(×)
88. フェース 3級 2トライ
89. ハング 1級 2トライ
90. フェース 3級 3トライ
91. スラブ 4級 2トライ 【19:05】
92. フェース 2級 5トライ(×)
93. フェース 6級 1トライ
94. トラバース 2級 1トライ
95. スラブ 2級 1トライ
96. ハング 4級 1トライ
97. ハング 1級 5トライ(×)
98. フェース 3級 1トライ
99. ハング 3級 2トライ
100. マントル 2級 2トライ 

<19:55 終了>

行動時間は13時間20分、100本中登れたのは92本だった。
5トライで登れなかった8本は、どれも過去に登っているのだけれど、
二段に関しては離陸すら怪しかったし、やはりまだまだ目指すべきものは遠い気がする。
とはいえ、気温と湿度ともに高めだった中でこれだけの完登率なら及第点かとも思う。
今回、現場判断で課題を差し替えたりしているのでオリジナルよりは若干減っているが、
初段は6本、1級は19本(祭の花は除く)だった。
ムーヴの強度を考えると、次回以降は初段以上を10本にしてもいいのかもしれない。

ところで、オマケと言いつつゴミも拾ってみたが、最終的にはこうなった。
大半が駐車場周辺で拾ったもので、これはクライマーのゴミではないと信じたい。


終わった後に「これでやっと帰れる」以外の思考が浮かばなかったのは、いつ以来だろう。
昨年の第1回は行動時間12時間30分ちょっとで、66本だった。
それに比べると随分と登攀距離を伸ばすことはできた。
こうして今の時期にコツコツためたマイルで、涼しい時期に得できるように願いたい。

が、100本回ったとはいえ本当の意味でのコンプリートはまだまだだ。
満足は、今のところしていない。



2024年7月8日月曜日

水有月

忙しさ(自称)にかまけている間に6月が終わってしまいました。

6月、水無月というのは、梅雨になり雨がよく降ることで「天上の水が無くなる」という由来なのだそうです。
今年は結局7月になってもあまり梅雨らしくならず、水無月らしさはなかったようです。
気候が変わると、月の呼び名も変わるのでしょうか。

6月は案外天気が悪くなかった割に、あまり外には行かずに終わってしまった。
もともとの予定があったりなんだりで仕方ないのだけれど、少し腑抜けている感じもする。

6月の初め、週末2日間コミネムと瑞牆で登った。
土曜日には不動沢に行き、千両岩の新ルートを登ってみることに。
いぶし銀(5.12c 4P)と守破離(5.11b 3P)をハシゴするつもりだったのだけれど、
いぶし銀の1P目の12cでいきなりやられた。
湿っぽいクラックから左のスラブに抜け出したところから、突然世界が変わる。
一気に細かいバランスクライミングになり、呆気なくOSは逃してしまった。
が、実際の核心は落ちたところよりもさらに先で、ここは1回では解決できず。結局ボルトを踏んで抜けた。
交代したコミネムもめでたくやられ、2回目のトライで僕がどうやらムーヴを解決。
これは相当にコンディション次第だぞ、ということで、何度見上げてもびしょ濡れの2P目と考え併せて撤退。
大人しく隠し金探しの左にある守破離に移った。
こちらは1・3P目をコミネム、2P目を僕がリードして、気持ちよく登った。
1P目の形容詞グレードがつきそうでつかないくらいのプロテクションの悪さはなかなか攻めている。

流石はマルボーさんとクロヒゲさん(勝手に通称ヒゲおやじズ)。
ルートの内容は、隠し金探しに一歩譲るもののどのピッチも濃く面白かった。

千両岩の上から歩いて下りてきたところでまだ時間があったので、浸食の造形(5.11c)をやることに。
先日登ったノミーが「あの近辺ではイチバンっす」と評しているので、期待が高まる。
結果、落ちそうになりながらOSした。
出だしからずっと悪いスラブムーヴが続くが、核心はやはり象徴的な凹角に入り込むところから。
ちょっと他ではやったことがない類のムーヴが印象的だった。
1本目のボルトでハンギングビレイしているコミネムと交代して、コミネムもFL。
その後をフォローで登っても、やっぱり面白い。ムーヴが分かると、やはり11cらしい。
スラブ嫌いを自称するコミネムも「これは初めて面白かった」とのことでした。

次の日はクラックをたくさん登ろうということで、最近空いている末端壁へ。
少し曇り気味で、暑すぎずに快適。
春うらら1P目(5.11b)を気分よく登ってアップした。
ちなみに、中学生だか高校生の頃に一度トップロープでやっているのでOSではありません。
その頃に比べれば、ずっと快適に登れた。そりゃ当然だけど。
当日出くわしたスダさんが写真を撮ってくれた。ありがとうございます。

が、2本目にやった鷲(5.11c 2P)でまたやられかけた。
出だしのボルトがある核心をおっかなびっくりこなした時点で相当湿気っぽかったのだが、
それを越えて長いコーナーに入ると、ずっと上までクラックが苔むしている。しかもびしょ濡れ。
海苔の佃煮にひたすら手を突っ込んでいるような状態で必死に登り、なんとかOSした。
フォローで上がってきたコミネムが「いやー、よくやるわ」とか言っている。
いつだったか「ジャムなら濡れていても頑張れる」と言われて呆れた記憶があるけれど、
このときは少しだけそれが理解できた気がした。
鷲の2P目はコミネムがリードして僕はフォロー。お昼寝テラスを経由して取りつきまでラペルで戻った。

その後は、ペガサスを2P目までリンクして60メートル1ピッチにして登ってみた。
1P目は数年前に登ったことがあったけれど、2P目は初めて。
出だしの快適なハンドを駆け抜けて、二股に分かれたワイドは左がオリジナルらしいのでそちらから登った。
なかなかの充実感で、これは登っておいてよかった。
更にその上にある風鈴の上部ピッチをツルベで登り、湿っぽいチムニーで大股開きをして、そこそこ満足。
雨雲が迫ってきたので「さて降りよう」とラペルしていったところ、
ペガサス1P目の終了点に降りたところでロープが2P目上部のワイドにスタック。
あわや脱出不能になりかけた。
このアンカーがあるチムニー状に入るためにディレクションでとったカムが良くなかったようで、
それを回収してロープを引く向きを少し変えたら抜けてくれた。
ああ助かった。やっぱりラペルは怖いものがある。

取りつきに戻ったところでちょうど雨が降り出し、深く反省しながら撤収した。

6月の半ばには単身、今季初のボルダーサーキットに出かけた。
今回は一応100本回り切った。
記録が長くなるので、これは後ほど別の日記としてあげます。

6月の後半、雨の翌日にまたコミネムと瑞牆へ。
「どこか乾きのいいところあるかな?」と相談していたら、ノミーから「キューピーママ」という妙案が。
曰く「瑞牆イチ乾きが早いっす」ということなので、行ってみることになった。
アプローチで少し迷いつつたどり着くと、確かに乾いている。
コミネムが「乾き良いらしいよ」と噂を流したのに釣られて同僚のツダ夫妻もやってきていた。賑やかいぜ。
キューピーママのすぐ隣にある祭のあと(5.12b)も乾いていたので、それでアップ。
小川山のイエロークラッシュを思い出すような内容で、それよりも少し難しかった。
ほどよいパンプを感じながらOS。コミネムもFL。

キューピーママの産まれる気分(5.8)をとりあえず登り(尻が抜けないかと思った)、
本日のメインである魅惑のキューピー(5.12c R)を眺めまわす。
岩はしっかり乾いているし、プロテクションは固め取りできそう、ラインも明瞭なので、これは下からやるしかない。
ということで、リハーサルなしでトライすることにした。
いつかこういうルートを、グラウンドアップで狙ってみたかった。
OSトライで相当粘ったものの、「これしかない」と思ったポケットの保持感に裏切られてフォール。
かなり派手に吹っ飛ばされたものの、地面には当たらず無事だった。プロテクションもびくともしなかった。
コミネムもグラウンドアップでトライして、どかんどかんと落ちてきた。
徐々に墜落距離を伸ばしながらなんだかニコニコしている。なんやねんその笑みは。
「もうお腹いっぱいだ!」という発言が出たので、交代して2回目のトライ。
先ほど落ちた個所でもう一度腹を括り、日に熱されたホールドの嫌なヌメりを感じつつ、
かなり吠えながらムーヴをこなして登り切った。
このルートは産まれる気分の途中からトラバースするため、ギアの回収がしにくく、
1回目のトライでセットしたプロテクションをそのままにしてロープだけ抜いてリードした。
つまりプロテクションはプリセットした状態。ピンクポイント、あるいはヨーヨーというのだろうか。
しかし、プロテクションのセットが難しいルートではないし、なによりリハーサルなしでこれだけ勝負できたことへの満足感が大きかった。
ルートの内容も面白かったので、これで二重丸だろう。
ツダ女史の旦那ヤマムラ氏が写真を撮ってくれた。ありがとうございます。

その後はしじま谷方面に移動し、コミネムが龍脈門(5.13a)をやるのに付き合いつつ、
左の方にある岩檜(5.12b?)をやってみた。
5.10のクラックを登った後、クラックに生えた木で終了せずに上まで抜ける、というようにトポには書いてあるけれど、
実際にやってみると木まで上って長いスリングでランナーを伸ばし、
木のすぐ下のダイクを2メートルほど左にトラバースして左上するグルーヴを登る、というラインだった。

クラックはジメジメ、そこから分かれてからのグルーヴは埃まみれだったけれど、強引にOS。
人気が出ないのはよく分かる。が、内容はそれほど悪くなかった。
OSできたルートは多少易しく感じるもので、12aくらいに思う。
この近辺でちょっとスパイシーな変わり種ルートを探している方は、どうぞ。