このラインを見出して、掃除して、トライして、3年目の夏でした。
昨日から泊まりで瑞牆へ。
昨日はサル左衛門は独りボルダーの開拓へ行ってしまったので、
大ザルと二人で弁天へ。
ササっとトップロープを張って、今回も2回トライした。
リードすることを前提にして、プロテクションのセットも含めてムーヴを修正。
核心手前にレストポイントはあるものの、やっぱり疲れるなという印象。
更に、2トライ目でルーフ部分のスタンスが欠けた。
かなり安定していただけにちょっとげんなりした。
大ザルは既成のクラック部分を練習していた。
クラックの縁が尖っていて猛烈に痛いらしい。
既成のルートは10cということらしいが、どう見ても湯川のバンパイアより悪そう。
このルートも厳しそうだなぁ。
トップロープでずりずりしてみるサル左衛門(写真は今日の)
今日は昨日よりも天気がよく、暑そうだった。事実暑かった。
スタンスが欠けた部分だけでもやっておきたかったので、
アップも兼ねてもう一度トップロープでトライ。
ルーフ部分は直ぐに修正して、それからカムのセットも確認して、
全部のカムを回収してロープを抜いた。
大ザルのビレイをしながらレストして、ぼんやりして、トイレに行って、
ロープのやりくりの手筈を確認して、さて本番。
サル左衛門が上でカメラを構えてスタンバイしてくれた。
下部に張り出し3メートルはあるルーフトラバースがあるので、
ロープドラッグを防ぐために出だしはダブルロープで登る。
「グリーンベレー」の出だしの立木をかわすために、
一度セルフを取ってロープを引き抜き、引っ掛からない方にたらす。
それから「グリーンベレー」を天井レイバックの手前まで登り、右のルーフに入る。
いきなりランナウトで怖くて声が出たが、ここは安定して抜ける。
右のフェースに出てカムを固め取りしたところで、ルーフの方に掛けてきたロープを外してポイ。
あとはシングルロープで登る。
面倒だけれど、こうしないと登れないので。
ホールドは大きいけれど動きも大きいフェースをランナウトでぐいぐい登って、
核心手前のレストポイントに入る。
全回復は出来ないけれど、かなり長くレストしていた。
それから、核心に突っ込む。
落ちたら横に吹っ飛んでどうなるか分からないし、かなり怖かった。
昨日細かいところまで詰めておいてよかった。
あとはずっと易しいけれど気が抜けないスラブフェースを登って、
最後のフレークを掴むことが出来た。
このルートの開拓は大変だった。
壁が前傾している上にラインが蛇行しているので、掃除がまず大変。
開拓に着手した年は天気が悪く、行ってもろくに作業出来ない日もあった。
サル左衛門が終了点を打っていたら土砂降りになり、酷い目にあったらしい。
トップロープでのリハーサルも落ちたら戻れない箇所がいくつもあって面倒だった。
遠くて、ボールドで、トライするも一苦労。
安近短の真逆をいくこのルートだが、
それらを除いても、通い続けるだけの魅力がこのラインにはあった。
少なくとも、僕はそう感じていた。
かなり取っつきにくく、人気ルートになることはありえないだろう。
再登が出ないまま、また自然に還って埋もれてしまうかもしれない。
それでもいい。
自分がこのルートに惚れ込んで、片想いのように思い描いて、
そしてそれまでの時間からすれば呆気ないくらい一気に登れて、
達成感と形容し難いもの寂しさを感じている。
それがあればいい。
今までの自分はそれでよくて、これからの自分もそうあればいいと思う。
二十億光年の孤独 5.13b R
とします。
開拓の全てに関わってくれた大ザルとサル左衛門、ありがとうございました。
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