2019年8月23日金曜日

Charakusa その2

8月5日
フーシェへの移動日。
ホテルのチェックアウトのときに、オーナーらしきおじいさんとハグ。「よい旅を。イサがガイドならOKさ」とかなんとか言っていた。ありがとう。
ジープの狭い後部座席に3人で押し合いへし合い収まって、まずインダス川沿いを東へ。そこから分かれて2時間ほどのドライブでKhapluに到着。ここでランチ。床に置いて手で食べるスタイルは初体験だった。スパイシーさは控えめだったが、また食べすぎた。
食後にニワトリを購入。シートの後ろで箱に入れられてピヨピヨ言っていたが、すぐに車がオフロードに入ってしまい、聞こえなくなった。
この辺りから行く手にものすごい山が見え始めた。土地勘が皆無で、遠くに見えるピークに心惹かれても名前が分からないので、少しもどかしい。
ポリス イズ ユア フレンド


イサの出身の村Machuluを過ぎ、もう1時間ほど走ってフーシェ(Hushey)に到着。ひたすらよく揺れたし、尻もごわごわになったものの、景色がとんでもないのでさほど苦痛でもなかった。
ゲストハウスに落ち着いてから辺りを散歩し、村の子どもに「なにかくれ」と取り囲まれ、梅をあげたら一口噛んで皆吐き出していた。それでもやたらせがまれたので、大分減ってしまった。

村にある学校の塀にあったスローガン

8月6日
アプローチday1。
ポーター軍団は先に出て、こちらはゆったりと朝食。
チャラクサから下山してきたブルガリア人が食堂にいた。「肺炎にかかったから先に下山してきた」と言っていた。仲間は今日あたりNayser Brakkに登っているらしい。どうだっただろうか。


フーシェの村からマッシャーブルムを正面に見ながら谷を進み、右へカーブしていくと、あるわあるわ、歩いて数時間で行けそうなところに凄まじいトンガリが。実際どれくらいかかるのか分かったものではないけど。谷の周辺に見えてくるものが大きすぎて、遠近感がよく分からなくなる。
今日の行程は短く、3時間ほどでキャンプ地のSaichoに着いた。正面奥にK7山塊が見えている。
昼食の後、手前に見える丘まで行ってみると、モレーンの先に氷河が見えた。高度計を見ると、標高は3500程度。気づけば、これまでで一番高いところに来ていた。丘の上で行く先を双眼鏡で眺め回し、近くに転がるグサグサの岩の中から良さそうなものを選んで、少しボルダーもした。初の高所、しかもブランク後でよく分からないが、2級くらいだった気がする。
夕食後、エガワさんは高度障害が出ていたが、ポーターたちとルールもよく分からないままクリケットに興じた。なんて贅沢なんだ。


8月7日
アプローチday2。
今朝は早い時間から行動した。キャンプ地を出て、昨日上った丘へ行ったところまではよかったが、そこで便意が来た辺りから怪しくなった。
ポーター軍団はじめ、一同それぞれにK7のBCを目指すわけだが、ペースが上がらず。一度谷底への大下りがあり、モレーンの上を渡ったところで、チョゴリザがちらりと見えた。そこからまた谷の右岸へ急登をこなし、完全に高度障害が出た。


二人もゆっくりとしたペースで歩を進めていたが、イサたちは遥か彼方。両岸の岩壁は物凄いので、普通なら興奮することしきりなのだが、この頃にはその余裕もなかった。30分ヨタヨタ歩いて20分休み、という様相を呈してきたところで、再び氷河に下りた。
ここで赤い帽子のコック、イクバルが待っていてくれ、その後ずっと同伴してくれた。「あと5分くらい」という一言には流石に無理があったけど。
最後の平原に上がったところで、もう1人ポーターがジュースを片手に迎えに来て、荷物を持ってもらうという恥ずかしいオチがついてしまった。
BCに着いて休んでブラブラして、先に入っていたブルガリア隊の人と話しているとある程度体調も回復したが、まだ頭痛はあるし、出る便もほぼ水。明日は回復に務めなくては。


8月8日
レスト日。
朝、予定を早めて撤収していくブルガリア隊とポーター軍団を見送った。昼前までダラダラしようかと思ったが、勿体ないので一人でボルダーに出かけた。
昨日ポーターに荷物を渡してしまった辺りに大きいのがひとつあった。マットなしスポッターなしで、怪我なんて絶対に出来ないので、少しおとなしめ。でも、低いハングから抜けるパワー系のラインだけは真面目にやった。1級くらいだろうか。
左のハングの端を登ります

昼食後はK7方面へ順応を兼ねて偵察。Badal wallの対面にIqbal wallがあって、そこまで頑張ってガレ場を上った。Iqbal wallを目の前にして、あれはどうだ、これはどうだと考えを巡らせ、明日は緩い草付きから上部のリッジ状へ繋げる一応のスカイラインを登ることになった。
Iqbal wall(左)と Badal wall

左にあるピラミッドがNayser Brakk

壁を見上げながらラインについて話し合い、見出したものを共有して作戦を立てる。この時間だけでも、遠征の価値があったと言える。言えそうなのだが、いやいや、その計画を実現して初めて価値があったと言うべきだろう。
気になるのはエガワさんの高山病と、自分の治まらない腹痛。コントロール出来ないものだからタチが悪い。身体はそこそこ元気なのだが。
偵察ついでにボルダーに登るアラカワくん

BCへの帰り道

夕暮れのK6

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