2021年11月24日水曜日

前進と勤労

勤労感謝の日が火曜にあって、飛び石になった今週末。
天気は概ねよく、コンディションもまあよいというところだった。

土曜日は瑞牆でボルダー。
今週は、長期目標の五段2本よりも先に、言葉と物(四段)に行くことにした。
先々週、日曜に半日だけ登ったのだけれど、その時に思いがけず感触がよかったので、
これはきちんと回収して次に進もう、という考え。
アップはもはや恒例化している皇帝岩下。花畑とかラフレシアとかを登り直した。
もののついでに、珍しく空いていたスイッチ(初段)も登った。
隣のエクスペリエンスとはえらい違い。
でも、いつ来ても混んでいるのはこっちの課題なわけで、
やっぱり多くの人は登れそうな課題に集まるということなのだろうな。

で、本題の言葉と物へ。体は動くけれど、ヌメるほどではないちょうどいい気温になった。
バラしで核心のランジをやったら1回目で止まった。これはいい感じ。
ということでどんどん繋げてトライするものの、結局ランジで落とされる。
何度か右手がすっぽ抜けて、指の腹に小さい血豆ができてきた。
手数が多いというほどではなくても、一手一手の精度でかなり感触が左右される。
これくらいのグレードの課題は、大体どれにでも言えることか。
ちょっと「これは今日は繋がらないのか?」という空気が漂い始めたころ、
いろいろが噛み合ったトライでランジを止めて、そのまま登れた。

この課題を初めてトライしたのは何年前だっただろう。ロクスノで公開される前だったかもしれない。
実に10年以上も、来るたびにちょっと触って「できないなー」と言い続けていたわけだ。
つまるところ、真剣さが足りなかった、ということなのかもしれない。
その時に全身全霊で通い詰めていれば、もっと早く登れた課題だったのかもしれない。
それでも不思議と、十余年の年月が過ぎていったことを、時間の浪費だとは感じなかった。
なんだ、前進していたんだな、自分。あの頃より強くなったんだな、自分。
感じたことは、ごく単純だった。

続いて、ほうとうへ移動。
コンディションは悪くないし、身体も十分に動くだろう、と思ったけれど、
言葉と物の凶悪カチでやられた指ではスタートのカチを持つのが地獄の苦しみに。
おかげで未だにバラせていない下部が、これまでで一番できなかった。
中間以降のムーヴの練習に切り替えたものの、今度はシューズの選択を間違えて撃沈。
最近VS-Rを使い始めて、それなりに感触は良かったのだけれど、やっぱりこの課題はミウラー案件だった模様。
結局何の成果も得られず、しょんぼりして撤退。先は長い。

やるかどうか迷ったけれど、せっかく来ているので高き御座もやることにした。
こちらもVS-Rではどうもピンとこず、ミウラ―に戻した。
スタンド部分のムーヴの精度は上がらず、一度だけ上部まで行った以外はほぼダメ。
今回はついに掌底に穴が開いて流血。トライできる回数にも限りがあるな。

時間が少し余ったので、最近ノミーがやっているという水蛭子(三段)へ。
これもまた、長年「できないなー」で放置してきた課題。
どうも核心で握るポケットの少し上に別のホールドがあるらしく、触ってみると確かにかかる。
で、こちらのホールドを握って引いてみたら、呆気なく登れてしまった。
あれ、こんなに動けたっけ、この課題。
自分が強くなったのか、それともコンディションがいいだけなのか。
あのホールドは見落とされていただけなのか、それとも何かしらの意思が働いたものなのか。
登れたことはそれとして、一体何が起きて自分が登れたのかが分からず、
喜ぶよりも釈然としない気持ちの方が強く残ってしまった。
贅沢だろうか。それとも傲慢だろうか。

日曜日は、いましさんとペロ氏に付き合って、しじま谷へ。
最近初登されたRが付く類のルートをやろうかとも思ったけれど、指が痛いのでやめた。
ひたすらいまし監督の登りを撮影した。

下を出す監督


月曜日を挟んで、勤労感謝の日。職があることに感謝しつつ、休日を満喫すべく野猿谷へ。
トポも買ったので、前回行かなかった奥のエリアへ行ってみることに。
川沿いのエリアの課題をあれこれ見て回って、それから斜面を上った9番のエリアへ。
斜面に驚くくらいの巨岩が折り重なって迷路のようになっている。
トポに俯瞰図がないので岩と岩の位置関係が掴みにくいけれど、探し出すのもそれはそれで楽しい。
一通り見て回って、まだ痛い指皮を気にしつつ初段~二段くらいであれこれ登った。
さるのこしかけ(初段)
カエサル(初段)FL
シンクロニシティ(初段)
老猿(初段)
遠い猿撃つうるさい音(初段)FL
遠い猿撃つうるさい音SD(二段)
ざっとこんなところ。指皮がやられ過ぎず、ほどよく痛む程度で済んだ。
シンクロニシティはマントル一発で、形状も相まって結構秀逸なムーヴになった。
数年前に重い捻挫をして以来怪しい右足首が逝きかけたものの、ギリギリ誤魔化した。
遠い猿撃つうるさい音は、ジャミングの心得があると易しく感じるけれど、これも良かった。

暗くなる前に駐車場近くまで下って、ヤンガードリアス(初段)とサルポックス(1級)を登って終了。
最後に最後にエクトロメリア(二段)もやってみたけれど、
「このマントルが返る日はくるのか」となったので、ほどほどでやめた。現実は厳しい。



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