2022年7月15日金曜日

北海道 その1

6月の終わりに、1週間ほど北海道へ行ってきました。
帰ってきたら本州はすでに梅雨明け、そして猛暑。
初めて北の大地へ行ったわけですが、やはり気候が違う。

6月25日 成田→千歳→旭川→上川
朝4時に自宅を出て、車で成田へ。
空港周りに停めると高いので、京成成田駅に車を置いて電車で空港へ。
そういえば国内線に乗るのは初めてだった。
預入れの荷物は当然のごとく超過料金。2人で10000円超え。チーン。

新千歳空港に着き、レンタカーを借りて一路旭川方面へ。
旭川で買い物をしつつ、さらに北上して大雪山系を眺めつつ上川、層雲峡を目指した。
層雲峡に着いてしばらくアプローチを探してウロウロ。
無事に入り口を見つけて、目当ての天狗の挽き臼を偵察に行った。
対岸からも例のコーナーが見える

取りつきにアートな木が

ぬかるみ気味なアプローチとフィックスを登った先に、
蝦夷生艶気蒲焼(5.10a)とロングナイトがあった。

あとは上川に戻って買い出しと風呂。
夕食で入ったあさひ食堂の味噌ラーメンが非常に美味。
ここしばらく食べたうちで断トツ一位の味噌。

6月26日 層雲峡
朝1時間寝坊しつつ、天狗の挽き臼へ。
来る人は少ないかと勝手に思っていたら、先客がいた。
ということでスタートはゆっくりになった。
先に来ていた二人組は地元の方だったようで、層雲峡の情報をいろいろともらった。
ありがとうございます。
蝦夷生...はじゃんけんに勝ったあさこさんが先にOSして、交代して僕も一撃。
35メートルの充実したルートだった。これがもっと近くにあればいいのに。

昼を挟んで先客二人組が帰っていった頃、旅のメインであるロングナイトにトライ。
中間部のレストポイントまで、まずは安定して抜けた。ここまでで5.11-くらい。
その上がいかにも嫌なサイズで、かなり長く見えた。
どう考えてもここからの数メートルが核心だろう。
しかしここ最近のリードでの追い込みが功を奏したのか、あまり躊躇うことなく突入。
イマイチなフィンガーロックでだましだまし、そこまでの半分くらいのペースでゆっくり登った。
一手ずつジャムの効きが悪くなり、パンプの度合いも増してくる。
それでも、気持ちはただ上へと向かっていて、クリップがギリギリになっても挫けることはなかった。
核心の終わりで決めたマスターカムは少し開き気味だったけれど、それも気にならない。
最上部でクラックが細くなり、ジャムの効きも良くなって、
しかしいつ落ちてもおかしくないくらいにパンプしていた。
少し声が漏れ出すと、あとは叫ぶしかなかった。叫びに叫んで、最後のガバまで逃げ切った。
これまでのクライミング歴でも指折りの、会心のオンサイトだった。

杉野さんには長くお世話になったようで、実際にお会いできたのは数回だけだった。
瑞牆本の撮影で何度かロープを結ぶことになるまで、岩場ですれ違う程度だったと思う。
初めて一緒に登ったのは、初登以降トライした噂すら聞かない自由登攀旅行だった。
あの日、3ピッチ目で僕がどうにかこうにかムーヴをこなして抜けた後に、
杉野さんは「やってみていい?」とだけ聞いてロープを引き抜いた。
そして、3ピッチ目を一撃してしまった。
ピッチの後半は、ビレイしている僕からは見えなくなってしまったけれど、
直前にトライしてその難しさを思い知らされた僕は、唖然とするしかなかった。
さらに翌日は、バベルの塔での撮影。
僕がロプロスを登り肩で息をしているのを横目に、杉野さんはポセイドン、ロプロス、ロデムをすべて一撃して、
「午後は仕事があるから」と言って颯爽と帰っていってしまった。

終了点にクリップして、「ウソだろ!?」と繰り返した。
まさかオンサイトできるとは。狙う気持ちは当然あったとはいえ、本当にできてしまった。
杉野さんはどこかで笑っていたのだろうか。

Old But Goldに大いに影響を受けて育ってきた僕としては、このルートは特別だった。
特別ではあったけれど、遠くにありすぎて登りに行こうと考えたこともなかった。
しかしそれはそれでもよかったのかもしれない。
クラックをそれなりに登れるようになった今、こうして勝負することができたのだから。


6月27日 旭川
雨のため、旭川方面で観光など。
道の駅をめぐり、アイヌの資料館へも行った。
「北海道といえばスープカレー」と言って入ったお店で、2人とも頼んだのはルーカレーだった。
午後は神居古潭で神居岩を見学。
国内最初の5.14であるシュピネイターはここにある。
短く、被っていて、悪そうだった。湿気も凄かった。

6月28日(火) 層雲峡
日曜日に出会ったローカルの方にもらった情報を頼りに、紅葉谷のエリアを見に行ってから挽臼へ。
この日の天気は下り坂だった。
蝦夷生...を登ってロングナイトにトップロープを張り、あさこさんがトライ。
こちらはビレイに徹した。
2回トライしたところで小雨が降りだして撤収。

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