2024年4月30日火曜日

スベる男

連休に入る前、3週続けて小川山に通った。
やりに行ったのは、いつの間にやらお久しぶりになってしまったNinja。
野猿谷・猿芝居被害者の会(仮)の初代会長ノミー先輩から「行きませんか」のお誘いをもらい、重い腰を遂に上げた。
思えばヨセミテに行くだのなんだので、完全に放置してしまい、2シーズンほどが経つ。
幸運にもマーズを登ることができた今、これを避けては通れない。

が、再スタートして3日、まだRPは出来ていない。

4/7、シーズン1日目。
あまりに久しぶりなので、まずはムーヴの組みなおしから、ということでゆっくり集合。
アップで登ったクジラ岩周辺は、平日に降った雨の湿気が残っていたのか、少しモンワリ。
とりあえず予期せぬプレゼントを登って、トップロープを張りに行く。
ヨセミテが終わった後はあれだけ登れる実感があったのに、少し間が開いたせいでワイドも苦しく感じる。
ともあれ落ちずにちゃんと登って、無事にロープは張れた。
それにしても日差しが熱い。熱すぎる。川上村の最高気温も20度近く。暑すぎる。
日中は壁がガンガンに日向になってしまい、ムーヴを細切れでこなすのが精いっぱいだった。
夕方、日が尾根の向こうに隠れてから急激に状態が良くなり、最後はムーヴも固まって、そこそこ悪くない感触で終えた。

4/13、シーズン2日目。
近頃の季節外れ(というかほぼ異常気象)な暑さを鑑みて、早朝アタックをかける。
が、1時間寝過ごして7時に小川山着。実際、朝の冷え込みだけは例年通りで、遅刻はうやむやにしてもらった。
前回同様に予期せぬプレゼントからトップロープを張ってムーヴの感触を確かめ、
日中はどうせ暑くて無理なので一旦撤収、夕方に出直す作戦にした。
核心のパートに日が当たるのは、だいたい9:40。感触が悪くなりすぎる前にさっさと下りる。
一度下山して、津金にある百番珈琲で買い物、それからロクボクに行って軽く体を動かし、15時に小川山に戻った。
お殿様岩に戻った時はまだ暑かったけれど、16時くらいからやっと日が陰り、ノミーと交代でリードでトライ開始。
1回目は核心に入るところで左足が滑り、なんとか堪えて続けたものの立て直せず落ちた。
2回目は下の核心になるポケットへのムーヴでスリップ。
3回目、岩もいい加減冷えてきて、「決めてくれぇ!」とノミーからの煽りも入り、
気合を入れて登っていくと核心の右アンダーポケットが何とか入った。
足を上げて左カンテのダイクを取りに行く。これをしっかり止められれば実質終了だ。
が、取ったと思ったところで一瞬早く足が抜けて落ちた。
やらかした。完全にやらかした。ここで終わらせたかった。
下ではノミーや、様子を見に来たイイダマンらがわーわー言っている。くそー。
前回の感触から、この日に確実にRPするつもりでいたけれど、もう一週持ち越しになった。

4/20、シーズン3日目。
また7時集合でボルダーでアップ、予期せぬプレゼントからトップロープ、そして一時下山。その後の動きも全く同じ。
さらに言えば、当日の天気や日差しの熱さもほぼ同じだった。窓を開けないとドライブもできない。
15時再集合で、ゆっくりとお殿様岩へ上がり、さらに岩が冷えるのを待って16時以降にトライ開始。
1回目、核心のアンダーポケットを捕らえたのに、次の動きに入る前に足が滑って落ちた。
2回目、アンダーポケットを差したときにまた足が滑った。
そして薄暗くなる中で出した3回目、風も吹いてきて一番条件が良くなった。
下の小核心から安定して動き、核心の入りも気持ちの焦りはなかった。
が、またアンダーポケットを差して足を上げ、カンテを取ったと思ったところで足が滑った。
前回と丸っきり同じ高度、同じ落ち方で終わってしまった。決定力がない。
「うわー、時間を戻してぇ!」と嘆くしかなかった。
これで今シーズンは最後かなと思っていたけれど、GW以降でチャンスはあるだろうか。
なんとかもう1日、条件が整ってほしい。

・・・と、こんな調子で、決めるべきところで決めきれないままになっている。
このルートはマーズとは大きく違い、個々のムーヴで失敗できるマージンが極端に少ない。
どの動きでもほぼ例外なく手足4点のすべてがホールドを捕らえているのだけれど、
それはつまり四肢のどれも疎かにできないということでもある。
例えばひとつの動きで少しでも捕らえどころを外せば、次の動きの精度は半分くらいになってしまう。
多少ミスがあってもねじ伏せられたルートとは、難しさの質がかなり異なる感じがある。

しかし、毎度悔しい思いをしてはいても、心は穏やかに前を向いている。
今、僕はNinjaにトライするのが楽しい。
裂けそうな指皮について熱く語るノミー先輩(この後しっかり裂けた)


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