向かったのは立山連峰の一角、龍王岳。
以前大ザルが航空写真を見ていて発見した場所で、
真夏まで雪渓に覆われてしまうような恐ろしいところらしかった。
昨年は行く機会に恵まれず、今年は満を持して、ということで楽しみにしていた。
土曜日、扇沢からトロリーバスに乗り、黒部ダムを渡って、
ケーブルカーで黒部平まで行く。
交通費が少々高くつくのが難点か。
黒部平からは室堂方面に登山道を歩いて、一ノ越を目指す。
東一ノ越についたところで、目的地が見えた。
遠目に見て、明らかに大きなボルダーがごろごろしているので、二人とも興奮。
休憩もそこそこに、一ノ越小屋方面に3分の2ほど行ったところから登山道を離れ、
足早に谷底へ下って行った。
ボルダーがあるところまで黒部平から丁度3時間らしい。
思いのほか近かった。
岩がまとまっているところを一通り見て回り、
手近な岩から早速開拓を開始。
丁度よくホールドが続いているハングがあったので、早速いただく。
これが記念すべき第1号になった。
イトカワ(3級)
続いてエリアで一番大きな岩へ。
ホールドが大量にあって、何処を登っても大抵易しい。
ここでは4級から1級まで5本初登した。
1級は結構良い課題だったのだけど、写真を取り忘れた。
名前は「竜神の玉」かな。
この日はここで日が暮れて寒くなったので終了。
天気が良いので平らな岩の上で野宿した。
夜中に起きると星が綺麗だった。
その後もう一度起きると、三日月手前くらいの細い月が出ていた。
他の明かりが一切ないので、驚くくらい明るかった。
日曜日、朝食を済ませて早速開拓再開。
ひつじ雲(5級)
左のフェースは いわし雲(5級)
この2本はなかなか楽しかった。
右のフェースにも6級と2級の課題が出来た。
遠く遠く(2級)
核心の1手が遠い
緑の目(3級)
こちらは対照的に狭い
次にこの行った岩は深緑色の模様が綺麗だった。ゼノリス(捕獲岩)かな?雪渓で水を汲みつつ、上の方の固まりへ。
半分の虹(5級)
これが恐らく今回登った中で一番良いラインだった。
高さがあってそれなりに緊張する。
近くに奥行き5メートルくらいの岩小屋も発見。
このエリアは岩が折り重なっているのでルーフも沢山ある。
最後に行ったのはこの岩。
プロジェクト
真っ白なルーフが印象的。裏にフェースもある。
このラインは2手目が短い時間では解決できず、プロジェクトになった。
多分三段以上ある。
因みに右奥からスタートして繋げると五段ありそう(無責任)
残念ながらここで時間切れ。
帰りのケーブルカーの時間が心配だったので、1時過ぎには出発した。
下りは2時間半で黒部平に着いた。
素晴らしい秋晴れで後立山が遠くまで見えた。
ケーブルカーで黒部湖まで下り、大ザルと別れ、僕は一人で黒部川の谷底へ。
夏合宿の行き帰りに気になった岩が幾つかあったので、それを見に行った。
が、こちらは総じて期待外れで、ボロいか、ホールドがないか、
中州にあって近づけないかという有り様だったので、
無駄にもう一泊して今日の午前中にさっさと帰ってきてしまった。
全部期待通りとは流石にいかないか。
龍王岳のボルダーは個人的にかなりの「当たり」だった。
今回登ったのはエリアにある岩の半分にも満たないし、
トライ出来なかった魅力的なラインもまだ沢山ある。
このエリアの難点は、とにかく下地が悪いことだけど、
それは気合を入れて下地整備をすれば何とかなることが分かった。
今度は出来るだけ大人数で行きたいな。
アプローチは片道3時間で、マットを持っていくとなかなか大変。
標高2300mくらいで涼しいけれど、天気が悪ければ最悪だろう。
シーズンも恐らく9月初めから10月半ばまでとかなり短い。
それでも、澄んだ空気と遮るもののない広い空、
日本であることを忘れてしまいそうなこのロケーションで、
手つかずの岩を開拓することが出来る。
それだけでこのエリアが気に行ってしまったのです、僕は。
また行きます。
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