2021年11月29日月曜日

冬将軍の鼻息

ついこの前まではちょっと遠くにいたのに、気づいたら鼻息がかかるくらい目の前にいる。
なんだ、将軍と言いつつ忍びなのか。それとも貞子かなにかか。

土曜日はナカイ(a.k.a. おちゃづけ)に誘われてSSK。
デイドリーム以外のクラックを登るチャンスを待っていた節があって、二つ返事で乗った。
行ったのは以前雨の日に偵察だけしてあったアメジスト。
道から割と近いところに、こぢんまりしながらも結構攻めたラインが隠れている。
人が暮らす日常の空気を感じるところにも、岩はあるものだな。

近くに他のルートがほぼないので、体操とハングボードのニギニギだけでアップ終了。
いきなりアメジスト・ライト(5.12-?)をOSトライ。
核心手前までが5.10後半くらいの快適なクラックで、そこからガツンと核心、という内容。
カムのセットなどは凡そイメージどおりにいったのに、パンプして突っ込んだ核心で最後の一手が出ず。
しっかり効いたカムを足下にしてちょっと不安定なムーヴをこなすだけの度胸がなかった。
ワンテンで抜けて、次のトライで安定してRP。
勝負どころが明確だっただけに、悔しさの方が強く残った。

続いてボルトが混じるアメジスト・レフト(5.12+?)をやってみると、
こっちは中間のボルト周辺のセクションがしっかり悪くて一撃は呆気なく逃した。
さらに、ムーヴをばらして上部のフィンガーに差し掛かったところで、
カムを決めようとしたときに足が滑って手繰り落ち。
フィンガージャムがひっかかって残ってしまい、指の皮をごっそり抉られて流血。
うわー、やってしまった。
急いで抜けて、テーピングを巻いて泣きの1トライ。
核心をこなせたのに、またさっきのトライと同じところでスリップ落ちして、
巻いたテーピングがバリバリに破れたのを見てドン引き。
1日で両方登るつもりだったのに、危なっかしい落ち方をして指まで傷つける始末。
アメジスト・ライトが登れてことよりも、至らないところが印象に残る日になってしまった。


日曜日はあさこさんと二子山西岳へ行った。
先々週くらいに一度登りに来て、易しいルートを何本か登ったので、
今回は少し難しいのにも手を出そうか、なんて考えていた。
賑わう祠エリアでシリアル(6c)とセダン(7b+)を登ってアップ。
セダンは人気のラッキーキャットの隣にあって、見るからに不人気そうな短しい系。
かなりしっかりした核心があって、危うくやられかけながらOSした。

ローソク岩の方へ移動すると、ここも賑わっていた。空気は冷たいけどいい天気だもんな。
やってみようかと思っていたルートはどこも人がいる or 日陰で寒いので、
流れ流れて中央稜下部のあたりで登ることになった。
まず緑のビーナス(7a)をやろうかと思ったけれど、
右上に抜けていくNewビーナス(7c+)の方が面白そうなのでそっちをやる。
緑のビーナスの核心を過ぎてから、小核心を挟みつつ最後のハングでパンピーな難しさが待っていた。
これも結構パンプしながら縁の鋭いホールドに助けられてOS。

次に白色矮星Ext.(8a)をやることにした。
なんだか、二子山にしてはやけにスラビーだなと思うような見た目。
垂壁から徐々に傾斜が落ちて、最後は80°くらいのモワッとしたカンテになる。
いやしかし、最近世界では石灰岩のスラブや垂壁の9a+も登られているわけだし、
石灰岩だから強傾斜であるべしというのは幻想だ。好き嫌いを言ってはいかん。
ルートは出だしからなかなか悪く、何度も呼吸が止まるような動きが出てきた。
レストポイントにたどり着いて「この上で落ちたらあの悪い下部をもう一度登るのか」と考える。
必死でこなした下部を再現できる気がしない。だったらこのままOSしたくなった。
上部のオリジナルパートに入るとホールドは一気に細かくなり、スタンスも微妙になった。
でも、案外どれも掛かるし踏めし、傾斜のおかげでパンプしても一応ネバれる。
チョーク跡はほぼなかったけれど、掃除された跡をたよりに手を出していった。
終了点直下までしっかり悪く、最後はパンプしすぎてクリップも危うかったけれど、ギリギリOS。
久しぶりに、純粋で真っ向のOSトライができた。
前日に聞いた、ジャンボさん出演のラジオのおかげかもしれない。

二子山西岳はこれまで自分が持っていた石灰岩のイメージと少し違って、
どちらかといえば花崗岩に近いような要素を持つルートが多いような気がする。
それを考えると今回の7c+、8aのOSは、今後このエリアで楽しむための試金石的なものになったのかもしれない。

2021年11月24日水曜日

前進と勤労

勤労感謝の日が火曜にあって、飛び石になった今週末。
天気は概ねよく、コンディションもまあよいというところだった。

土曜日は瑞牆でボルダー。
今週は、長期目標の五段2本よりも先に、言葉と物(四段)に行くことにした。
先々週、日曜に半日だけ登ったのだけれど、その時に思いがけず感触がよかったので、
これはきちんと回収して次に進もう、という考え。
アップはもはや恒例化している皇帝岩下。花畑とかラフレシアとかを登り直した。
もののついでに、珍しく空いていたスイッチ(初段)も登った。
隣のエクスペリエンスとはえらい違い。
でも、いつ来ても混んでいるのはこっちの課題なわけで、
やっぱり多くの人は登れそうな課題に集まるということなのだろうな。

で、本題の言葉と物へ。体は動くけれど、ヌメるほどではないちょうどいい気温になった。
バラしで核心のランジをやったら1回目で止まった。これはいい感じ。
ということでどんどん繋げてトライするものの、結局ランジで落とされる。
何度か右手がすっぽ抜けて、指の腹に小さい血豆ができてきた。
手数が多いというほどではなくても、一手一手の精度でかなり感触が左右される。
これくらいのグレードの課題は、大体どれにでも言えることか。
ちょっと「これは今日は繋がらないのか?」という空気が漂い始めたころ、
いろいろが噛み合ったトライでランジを止めて、そのまま登れた。

この課題を初めてトライしたのは何年前だっただろう。ロクスノで公開される前だったかもしれない。
実に10年以上も、来るたびにちょっと触って「できないなー」と言い続けていたわけだ。
つまるところ、真剣さが足りなかった、ということなのかもしれない。
その時に全身全霊で通い詰めていれば、もっと早く登れた課題だったのかもしれない。
それでも不思議と、十余年の年月が過ぎていったことを、時間の浪費だとは感じなかった。
なんだ、前進していたんだな、自分。あの頃より強くなったんだな、自分。
感じたことは、ごく単純だった。

続いて、ほうとうへ移動。
コンディションは悪くないし、身体も十分に動くだろう、と思ったけれど、
言葉と物の凶悪カチでやられた指ではスタートのカチを持つのが地獄の苦しみに。
おかげで未だにバラせていない下部が、これまでで一番できなかった。
中間以降のムーヴの練習に切り替えたものの、今度はシューズの選択を間違えて撃沈。
最近VS-Rを使い始めて、それなりに感触は良かったのだけれど、やっぱりこの課題はミウラー案件だった模様。
結局何の成果も得られず、しょんぼりして撤退。先は長い。

やるかどうか迷ったけれど、せっかく来ているので高き御座もやることにした。
こちらもVS-Rではどうもピンとこず、ミウラ―に戻した。
スタンド部分のムーヴの精度は上がらず、一度だけ上部まで行った以外はほぼダメ。
今回はついに掌底に穴が開いて流血。トライできる回数にも限りがあるな。

時間が少し余ったので、最近ノミーがやっているという水蛭子(三段)へ。
これもまた、長年「できないなー」で放置してきた課題。
どうも核心で握るポケットの少し上に別のホールドがあるらしく、触ってみると確かにかかる。
で、こちらのホールドを握って引いてみたら、呆気なく登れてしまった。
あれ、こんなに動けたっけ、この課題。
自分が強くなったのか、それともコンディションがいいだけなのか。
あのホールドは見落とされていただけなのか、それとも何かしらの意思が働いたものなのか。
登れたことはそれとして、一体何が起きて自分が登れたのかが分からず、
喜ぶよりも釈然としない気持ちの方が強く残ってしまった。
贅沢だろうか。それとも傲慢だろうか。

日曜日は、いましさんとペロ氏に付き合って、しじま谷へ。
最近初登されたRが付く類のルートをやろうかとも思ったけれど、指が痛いのでやめた。
ひたすらいまし監督の登りを撮影した。

下を出す監督


月曜日を挟んで、勤労感謝の日。職があることに感謝しつつ、休日を満喫すべく野猿谷へ。
トポも買ったので、前回行かなかった奥のエリアへ行ってみることに。
川沿いのエリアの課題をあれこれ見て回って、それから斜面を上った9番のエリアへ。
斜面に驚くくらいの巨岩が折り重なって迷路のようになっている。
トポに俯瞰図がないので岩と岩の位置関係が掴みにくいけれど、探し出すのもそれはそれで楽しい。
一通り見て回って、まだ痛い指皮を気にしつつ初段~二段くらいであれこれ登った。
さるのこしかけ(初段)
カエサル(初段)FL
シンクロニシティ(初段)
老猿(初段)
遠い猿撃つうるさい音(初段)FL
遠い猿撃つうるさい音SD(二段)
ざっとこんなところ。指皮がやられ過ぎず、ほどよく痛む程度で済んだ。
シンクロニシティはマントル一発で、形状も相まって結構秀逸なムーヴになった。
数年前に重い捻挫をして以来怪しい右足首が逝きかけたものの、ギリギリ誤魔化した。
遠い猿撃つうるさい音は、ジャミングの心得があると易しく感じるけれど、これも良かった。

暗くなる前に駐車場近くまで下って、ヤンガードリアス(初段)とサルポックス(1級)を登って終了。
最後に最後にエクトロメリア(二段)もやってみたけれど、
「このマントルが返る日はくるのか」となったので、ほどほどでやめた。現実は厳しい。



2021年11月5日金曜日

三歩進んで

先週末も、変わらず瑞牆でボルダー。
前回よりも暖かく、秋らしい陽気の中で快適にスタート。
アップは前回同様、まだ馴染みの薄い皇帝岩下で。
トガリネズミ(2Q)でいきなりハマりかけた。小粒で辛い山椒系課題だった。
前から気になっていた雨の弓(1Q)もやって、こっちは一撃できた。これはいい課題。
近くのイノセンスとかも気になったけれど、指に来そうなので見送り。

皇帝岩に移動して、高き御座タイム開始。
とにかくホールド欠損後のスタンドをまずは登らないと始まらない。
ということでひたすらスタンド部分をやったものの、前回よりもできなかった。
なにやらカンテにヒールを掛けるまでの流れがやけに重かった。
暖かい陽気で快適、かと思いきや、五段をやるには暖かすぎるのか。
前回のはハイポイントも進めずに、掌底の皮をおろされて終わった。
特に収穫もなし。

なんだかガックリ来たものの、続いてほうとうタイム。
初めに前回やらなかった上部からマントルまでのムーヴを作った。
リップを取る辺りから始めたら1Qか初段くらいになった。お、これはいいか?
で、単発の強度が一番高い下部に移ると、こちらは今回もできなかった。
足使いが何通りかありそうだが、どれにしても右手の保持力で負けている。
なんとなくこれかもというムーヴは見つかったけれど、それも止まるところまではいかず。
これも結局状態が良くないのか、苦し紛れに下部の核心を止めたところから繋げようとしたら、
来たときにはそれほど気にならなかった猛烈なヌメりで全く繋がらず。
指皮が減っていたのと、単純に暑いのと。湿度も高いのか?
コンディションを掴むために湿度計とか買ってみた方がいいのかな....

時間が余ったので最後に瑞牆ぴょんぴょんにちょっと手を出して、
1手目の一本指を止めるムーヴだけなんとか作って終了。
これはまた面白いくらいに、一本指の保持力が足りない。
ホールディングが特徴的(?)なものは、フラっと来ただけではできないか。


11/3は文化の日。この日はボルダーに少し疲れたので、あさこさんと易しめのマルチを登った。
初めに翼ルート(5.10a 6P)を登って、それから恋するMoment(5.10b 4P)に継続。
翼ルートは「こんなところに!?」という感じでトポを見たときに驚いたが、
実際に十一面をひとつの壁としてを見ると実に自然でいいライン取りだった。
4P目までは快適に登って、左岩壁の上からブッシュを歩いたところで、
日向の暖かさに釣られてルートとは違うところに入り込んでしまい、
ベルジュエールの上部に合流して終わってしまった。
クライミングはオリジナルより遥かに易しくなるものの、こちらはこちらで楽しかった。
続いて登った恋するMomentは、2P目まで比較的普通に登れたものの、
核心の3P目(5.10b PD)で完全にやられた。
いや、ちゃんとOSできたのだけれど、とにかく恐ろしかった。
終始「おい、マジかよ...」と言っていて、最後には気持ちを押し殺すために声が出た。
ムーヴは確かに10bなのだろうけれど、落ちて止まるのかはかなり微妙。
これをグラウンドアップで初登したジャンボ夫妻は本当に凄い。
ラインを見出だす探求心と慧眼、それをよりよいやり方で形にする実力。
こうありたいなと感じさせられるルートだった。


ボルダーメインにシフトしたところで軽くマルチを入れてみてよかった。結果的に軽くはなかったけど...
ボルダーの方は三歩進んで二歩下がるどころか、三歩進んでほぼ三歩下がっているので、
もはやマーチではなく軽いダンス的エクササイズ。
足音ばかりバタバタ響く日々は続きそうです。

2021年10月25日月曜日

突然来るシーズン

先週は雨が降るのと同時にいきなり寒くなった。
南アルプスの稜線も白くなっていたし、下界に近いところにも着々と冬の足音が。
ついこの前まで夏みたいな暑さだったのに。年々秋が短くなっていく。

土曜日は今週も瑞牆でボルダー。天気はいいけれど風が吹いて寒かった。
体感としてはもう12月のそれ。急すぎやしませんか。

混みあう駐車場にギリギリ停めて、アップがてら皇帝岩下エリアに行ってみた。
花畑とかラフレシアを登ったことはあるけれど、その周りの課題はよく知らず。
一通り見て回って、スプリットエッジ(3級)の辺りで登った。
スプリットエッジを登って、エッジオブトゥモロー(1級)も登って、
すぐ近くの葛の葉(初段)も冷え冷えのコンディションに助けられて登れた。
エッジオブトゥモローというのは、オールユーニードイズキルという映画の原題だった気がする。
紅葉と緑が混じる

皇帝岩に移動して、本題の高き御座。
前回できなかったスタンドへの合流の一手は、これもコンディションのおかげで案外すぐにできた。
「こ、これは!」と気を良くしてスタンドをやっていくも、昔のムーヴでは当然できず、
今主流になっているらしいムーヴにするとヒールがちょっとシビアになった。
これは股関節の柔軟性が相当にものを言いそう。
太ももの裏がバキッといいそうになりながら頑張ったら、なんとかムーヴの目処は立った。
これにSDからの数手を足すとなると、出来るイメージはまだ湧かない。
そもそもスタンドもまだ登り直せていないわけだし。
ムーヴは8割がた出来たので、あとはコンディションが良い時にどれだけ通えるか、というところか。

ほどほどに疲れを感じたところで、ほうとうに移動。
皇帝岩は寒かったけれど、こっちは沢沿いに風が抜けてさらに寒かった。
前回細切れにしかできなかったムーヴをそれぞれやっていく。
恐らく単体での強度が一番高い2手目は高速タッチが限界。
足の使い方は何通りかあるものの、どれも十分に飛距離が出せず。
これを解決しないことには可能性が見えてこないな...
ヒールがぶっ壊れた中間の数手は別のシークエンスを見つけてなんとか解決。
なんだかブローのBig Islandが思い出される(トライしてないけど)。
リップを取るところまでバラしたところで日が暮れてきたので撤収した。

最後に山形県エリアにちょっと寄り道して、トラツグミ(3級)と鳥馬(5級)を登った。
どちらもグレードはあまり変わらない気がした。

日曜日はあさこさんに付き合って小川山で屋根岩5峰に行った。
この日は前日と違って日差しが強く、日向はちょっと汗ばむくらい。
それなのに日陰には最近降った初雪が残っていて、なんだか感覚がマヒする。
ビレイの合間にこんにちはおっぱい(5.12c)をやったら見事に落とされた。
コンディションはいいので、これは単純に難しいということじゃないか...?


五段クラスのムーヴが少しずつできるようになってきたこと自体は嬉しいし、収穫だった。
でも問題はここからだよな、きっと。

2021年10月18日月曜日

しとしとした秋のつづき

やっと寒気が流れ込んできて、数日でいきなり秋めいてきた。
秋めいたというか、冬の気配すら感じる寒さ。
つい先週まで日中30度の中で仕事をしていたのに。

土曜日、久しぶりに瑞牆でボルダー。
駐車場で前泊して起きたら、山はガスの中。十一面も見えない。
千日の瑠璃に行く某ペアに出会ったけれど、そちらも行くかどうか迷っていた。
ガスの中ではコンディションが整わないとのこと。
周りが真っ白でもそれなりに登れた弁天のハングは、一体なんだったのだろう。

最初に皇帝岩。なんだか、空気がやっぱりしっとりしている。
アップで数本登って、個人的に最強候補のSD初段もちょっとやった(リピートできず)。
で、状態は良くないけれど高き御座(五段)にちょっとトライ。
スタンドはかなり昔に登ったけれど、SDをやるのは初めて。
昔あった右手のエッジが今は欠けて、気持ち悪いガチャガチャになっている。
ここは今大分違うムーヴになっているらしいので、それを試す。
左手のカンテピンチがヌメりまくって、かなり苦労したものの目処は立った。
SDパートからスタンドへの合流点のランジは、カンテが持てず全く跳べなかった。

そこそこ皮を減らして、次にほうとう(五段)へ移動。
プロジェクトだったころに見たことはあったけれど、これもトライは初めて。
「一手ずつならできるかも」と思ったらそれほど甘くはなく、1手目から悪い。
川原のすぐ上で磨かれたホールドが、ヌメりも相まってより悪い感じに。
ホールド自体はかかるので、1手目はギリギリできて、2手目はできず。
3手目以降はキーとなるヒールのソールがべろんべろん剥がれてこれもできず。
手数で言えば半分くらいバラして、これも今日じゃないなということで昼前に撤退。
五段クラスをトライするコンディションではない、というのは言い訳か。

どこに行くか悩んで、サル左衛門が最近開拓しているエリアを見に行くことにした。
駐車場からそう遠くないのに、どれも登られていなかったらしい。
で、看板課題のあかあかや(三段)のアプローチのチムニーを登ったら、
抜けた出した先にサル左衛門がいてびっくり。
お互いに素っ頓狂な声が出た。後々冷静に考えると、なんだこの兄弟。

新ラインを掃除して登るサル左衛門を横目に、あかあかやにトライ。
ナイスな強傾斜にナイスなエッジとナイスなスタンスが繋がる、ナイスな課題。
手の掛かりはそれなりでも、足が切れると耐えられないタイプ。
見た目はシンプルなものの、繊細なムーヴが詰まっていてかなり難しい。
ここでもまたヌメりに泣かされて、大核心のムーヴができず。
これはちゃんと登りに来たい。
この顔である

新ラインを登るサル左衛門。これもカッコよかった。

最後にすぐ下の穴ぼこフェース(2級くらい)と小さい初段をやって、
穴ぼこフェースのホールドの痛さに半泣きになり(でもいい課題)、
初段はヨレと湿気りにやられて登れず、ぼろぼろで退散した。

先シーズンがリード中心で結局ほとんどボルダーをせずに終わってしまったので、
今シーズンはボルダーでちゃんとした成果を、と思って初めて五段に触った。
最近「五段を登る人たちは普段から五段をトライしているから強いんだ」と、
当たり前のようなそうでもないようなことに思い至ったので、
初日の今回がダメダメでも腐らずやっていきます。

2021年10月11日月曜日

しとしとした秋

ご無沙汰です。
もう9月が過ぎ、もう10月も半ばになろうかというのに、一向に涼しくならない。
それだけならまだしも、天気もあまりよくならない。
思う外でのクライミングができず、フラストレーション溜まり気味です。

9月も一応小川山や瑞牆に行きはしたものの、ほとんど雨かシケシケで、
以前登ったルートのリピートか、そもそも登りに行けずかという有様。
屋根岩5峰でデリウス(5.13a)を登ったりしたけれど、あまり思い出深くはないので割愛。

この週末は、N社長の呼びかけで小川山トポの撮影合宿に参加した。
合宿とは言っても、瑞牆のときと違って基本は現地集合現地解散。
キャンプ場に大きなテントが張ってあって、そこにいろいろなクライマーが出入りしている、
あの頃の合宿スタイルも山岳会出身者としては好きだったのだけど。
この情勢では難しいよな。
当時から今まで続いている縁も少なからずあるだけに、なんだか寂しい。

土曜日は雀卓スラブに行った。さて、雀卓スラブとはどこでしょうか?
場所で言うと、屋根岩2峰の東面(南東面?)。おむすび山スラブの真上あたりにある。
駐車場からの距離のわりにアプローチが少々分かりにくいので、あまり話題にも上らないらしい。
僕もこれまで行ったことがなかった。
初めに行ったおむすび山の下にある短いルート群(おにぎり岩とか言ったような)は、
どれもトポのグレードから2つくらいは上に感じた。
「グレードが辛いこともそれはそれで魅力のひとつ」とか考えていたけれど、
11cとあるルートの出だしに1級くらいのボルダームーヴが出てきたときには、
さすがに考えを改めようかと思ってしまった。
エリアの中でのグレードの整合性は必要、というところでしょうか。

雀卓スラブは全体的に黒々としていて、それなりに長さのあるフェース~スラブの壁だった。
初めに左端の宝さがし(5.11a)をやったら結構悪かった。体感は11b。
上部はチムニーに入って少し登るラインのようで、
カムを持っていかなかったせいで、下のボルトから延々ランナウトして登った。
ゆかりさんが国士夢想(5.11c)を気迫のオンサイトで登り、
「負けてられんぞ」ということで右のほうの子忍者(5.12b)もやりことに。
これはその昔、ユージさんがハマったとか、ハマっていないとか。
他のルートのグレードの辛さから恐る恐る取り付いたらやっぱり悪く、
ボルト2本目のすぐ上で呆気なく落ちてオンサイトはできず。
そのあたりがまず核心でかなりフィンガリーだった。
更にその上もデリケートなスラブが続き、もう1度落とされた。
微妙に湿気を感じるコンディションだったことを抜きにしても、12dくらいありそうだった。
個人的にはマラ岩のブラックホール(5.12c)よりも悪いと思う。
岩は硬く見た目も結構きれいなので、こういうタイプが好きな人にはオススメできるかも。

日曜日は裏烏帽子での撮影になった。
事前に見ていた予報では土曜よりも日曜の方が天気が良さそうだったのに、
直前に変わったのか、この日の方が天気も状態も悪かった。
まず初めに社長とふたりでむささびルート(5.10b 6P)を、調査を兼ねて登った。
以前ロクスノの「たまにはマルチ」でも取り上げられていたらしい。見逃してましたすみません。
ルートの内容はちょうどフリーとアルパインの中間という感じで、
フェースありスラブありクラックあり、藪っぽい歩きもありと、瑞牆のようだった。
5P目の「いたちクラック」(5.10a)は短いもののそれなりに存在感もあってよかった。
昼くらいからガスが下りてきて霧雨が吹き付けるような天気になってしまったが、
そのおかげでルートの頂上からした方にものすごく濃い虹が見えた。
なんだか珍しいものをみて、社長とふたり「ご褒美だ」と喜んだ。

取り付きに戻って、僕のこの日の担当はもうひとつ、軸(5.13a)。
天気が悪く、辺りが薄暗くなってしまったのと、あまりいいアングルがなかったため撮影はナシに。
それでもルートの内容の検証、ということで10年ぶりくらいに触ってみたら、見事にやられた。
100°くらいの前傾クラックに、なかなかカムもジャムも決まらず、
ボルトにクリップしてから始まる最上部のムーヴもこなすのでやっとだった。
アップ不足とかしけしけのコンディションとか悪い要素はいろいろあったけれど、
そもそもこのルート自体が難しいということが分かった。
パリパリに乾いたときにやれば印象も違うのかな?
このトライでの体感は13bだった。
そんな感じで天気がますます怪しくなってきたので、早めに撤収となった。

撮影なりなんなりで普段いかないところに行くのは実際楽しいのだけど、
そろそろ目標を定めて打ち込むクライミングを再開したい。
結構真面目にそう思う。なんだか物足りなくなってきた。
早く天気が安定しないものか...今年何度目だ?

2021年8月30日月曜日

長雨のあと

今年の夏はほぼ全滅だったと言ってもいい。
7月の初めにあおろら徘徊記を登った次の週から毎週雨で、登れたとしても半日が限界。
岩探しに行ってみても駐車場から一番遠いところで雷雨に遭った(成果も特になし)。
というわけでジム通いが加速したわけだが、先日深いヒールフックで足首がバキッとなった。
あまり大事にはならなかったけれど、なんだかいやな感じ。

先週はやっと、やーっとまともな天気になったので、マルチを登りに出かけた。
奥秩父の山の中にいても暑いので、シビアなクライミングはそもそもできんのです。

まずは先週の木曜日に平日切符で、大ザルと鷹見岩南山稜(5.10b 9P)へ。
これは大ザルのリクエストで初めて知った。ロクスノに発表されていたのに見逃していた。
そもそも鷹見岩はどこにあるのか、というと、瑞牆山と金峰山のちょうど間くらい。
瑞牆山荘から入山して富士見平小屋から大日方面に向かうと、展望台のようにある。
岩の上までは道がついていて、ご丁寧に看板もある。
瑞牆山荘から1時間ちょっとで鷹見岩の分岐に着き、そこからアプローチの踏み跡に分かれる。
この踏み跡が岩を北側から南側まで大きく回り込んでいて、なかなか長かった。
道ができるまで時間がかかっただろうな。
1P目のチムニーの出口

2P目は長いクラック~スラブの10b

4P目を登ると現れるヘッドウォール

後半のハイライトとなる5P目10aの大ザル

ヘッドウォールのあとは岩稜歩き

石塔岩方面がよく見える

最後のビレイはこんな感じ

長さも内容もあり、グレードに対してかなり充実感のあるルートだった。
ボルトがしっかり打たれたルートだが、ラインをしっかり読む必要があって、
グレードは10台でも必要な実力は11台、という感じ。
そういうルートこそ素晴らしいと思う。
今年登ったマルチピッチで五本の指に入りそうな名作だった。

大ザルが口にした「全然知らない山に来たなあ」という言葉に、
この日したクライミングの魅力のすべてが詰まっていた気がする。


この週末は長野が生んだタンクトッパーことヲカモトくんと登った。
「と登った」というよりも「を引きずりまわした」という方が正しいか。
土曜日は僕がリクエストしていい日だったので、久しぶりに不動沢クラシック。
今回は〇友ルート(5.10b 3P)→コズミックサーフィン(5.10d 2P)→果てありの岩稜(5.7)の順に継続した。
〇友のスクイズは今回もそれなりに苦しく、それなりに頑張って登った。
コズミックサーフィンは5年以上ぶりで、また自然に還っていた。
どう見てもボルトは生きていないけれどホールドは埃と砂まみれ。
リピートなのに相当ピリピリした。
こういう見直されるべきクラシックをリボルトしたい気もする。
最後に果てありの岩稜をヲカモトくんにリードしてもらって終了。

日に焼かれたスラブはほとんど鉄板のようで、シューズが融けるかと思った。

日曜日はヲカモトくんのリクエストで、十一面周辺へ。
初めにJoyful Moment(4P 5.10a)で、それから蒼天攀路(3P 12a)を2P目まで登って、
テラスを歩いて回り込んで花唄小道(5.8)を登るという継続。
Joyful Momentはツルベで、小ヤスリでは僕がリードで登った。
昨年弁天岩で思いがけずマルチの世界に引きずり込まれてえらい目に遭ったヲカモトくんも、
今回ついにマルチのリードデビューを果たし、勉強になったとのこと。
しかし前日の不動沢スラブの洗礼が効いたのか、気の毒なくらい疲れた顔をしていた。
どうもタンクトッパーは肩を出さないと力も出ないらしい。


ほとんど外で登れないうちにもう9月になってしまうことに、ちょっと焦る。