2014年10月14日火曜日

Somaen

スペインに来てからそろそろ1月半になります。
先々週はジムで知り合ったアンドレス一家とAlbarracinに行く予定だったのが、
珍しく体調を崩して寝込んでしまい、部屋から一歩も出られませんでした。
原因不明の腹痛とひどい下痢、それとなぜか併発した腰痛。
幸い二日苦しんだらよくなりました。
原因がよく分からなかったのでちょっと先が心配だけど、今は大丈夫。

で、先週末は今度こそアンドレス一家とどこかに行こうと思っていたのに、予報は雨。
からからに乾いたスペインの大地にも雨季があるみたいで、今月がそうらしい。
土曜日の夜は雷まで鳴って、なんだか日本にいるみたいだった。
あまりに望みがなさそうなので「明日はマドリッドで買い物かなぁ」と思っていると、
イバンから「明日登りに行くかも」と連絡が。
夜更かししてみるもんだ。
行先はSomaenというところらしい。聞いたことのない名前だ。
とりあえず急いで準備して就寝。

日曜の朝、うす暗い時間の電車でマドリッドへ。前回と同じように闘牛場で待ち合わせ。
早く近くにあるスーパーでお昼を調達。
バナナが割引で売っていたので釣られて買うと、3本あるうち2本は潰れかけていた。
またお腹を壊さないように、これからは安いものには注意しよう。

今回は闘牛場の近くに住んでいるダビッド(David 最後のdはほとんど発音しない)のバンで出発。
マドリッドの市街を抜けてハイウェイをがんがん飛ばして東へ。
日本と違ってひたすら平らでだだっ広いので、街がないとずっと殺風景。
ちょっと山間になったところに風力発電の風車がたくさん建っていた。
ドン・キホーテは風車を巨人と思い込んで突撃したらしいが、
丘みたいな低い山の間から風力発電のあれがヌッと出てくるとそう思えなくもない。

1時間半くらいで岩場に到着。
クエンカみたいに谷の中だけど、クエンカと違って全く家がない。
おそらくバルセロナに続く線路が走っているだけ。
例によって(?)岩場の目の前に駐車場があるので、アプローチはほぼゼロ。
エリアはここだけだけど、でっかいケイヴ

ここも石灰岩だけど、クエンカとはちょっと質が違う印象。
全体的にカクカクした部分が多くて、つるつる。
岩はこっちの方が硬いらしく、グル―やセメントで固めたホールドはなかった。
小さいとはいえハードなルートも多いし、いいエリア。

エリア右端のながーいフェースでアップ。
日本から送ってもらった60メートルのロープでは足りなかった。
ケイヴのルートは気安く手を付けると大変なことになりそうなので、
どっかぶりの7c+を紹介してもらってそれをやる。
一緒に行ったホルヘ(Jorge スペイン語読みだとこうなる)が
僕のスマートを使ってビレイしてくれたが、途中でロープがロックしてちょっとあたふた。
あとで猛烈に謝られた。大丈夫!大丈夫だから!
マスターでOSを狙ったけれど、上部のスローパーが出てくる核心でパンプ落ち。
次のトライも同じところで落ちた。
うーん、どうもこういう傾斜が強くてホールドがいいタイプのルートは下手くそだ。
3回目でそれまでの半分くらいのパンプでするっと登れた。
徐々にでもそういう方向に登りを変えていかないといけないかな。
ルートは面白かったのでよし。

他の人らがものすごい傾斜のケイヴで長ーい8台をがんがん登っているのを見ると、
自分は傾斜もスケールもずっとないルートで何をじたばたやってるんだという気分になるけど、
これはこれで、良くも悪くも今まで自分がやってきたクライミングの結果なので、
とりあえず全部受け入れております。

途中で雨が降って一時ケイヴに対比する場面があったけど、
ここは雨に強い岩場らしく皆大したことなさそうにやっていた。
イバンやダビッドはケイヴの奥にある暗ーい7cを登っていた。
「ムーヴなんてなくて、ひたすらガバで筋トレするルートだ」とか言って笑っていた。
でも結構いいルートらしい。

このSomaenという岩場のことは、前日の夜中イバンに連絡をもらうまで全く知らなかった。
写真とかどこにあるのかとか以前に、そもそも名前すら知らなかった。
そうやって日本にいるときは知りもしなかった岩場で登ることができるのが、
異国に住んでクライミングをする醍醐味のひとつなのかもしれない。
ここに来なければ、この岩場のことを僕は一生知らないままだっただろう。
人との出会いの他に、岩場との思いがけない出会いもあるんだな。

今回のわんちゃん

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