暖冬だ、暖冬だと言っていたのに、「今週末は冬将軍が・・・」とかなんとか、
一体どっちなんだと言いたくなるような気象情報が続いているわけですが、
この土日はしっかり冷え込んで、どうやら冬将軍襲来の話は本当だったようです。
そんな土曜日、うえきゅうさんに乗せてもらって湯川に行ってきました。
朝起きたら、長野市内はうっすら積雪有り。おーっと、これは大丈夫なのか?
そう思いながら湯川に向かうと、案の定林道は凍りかけているし、
霜柱が立っているし、対岸には未発達ながらも氷が垂れていた。
そして晴れという予報だったのが裏切られ、空は曇り。寒い。
来るのが久しぶりだったので、トポと岩を見比べながら端から端まで歩いて、
右壁から易しめのルートをどんどん登っていった。
「デゲンナー」(5.8)、「台湾坊主」(5.9)、「北風小僧」(5.9)を登って、
いちいち登ると指の感覚がなくなるのに閉口。
さらに「フォーサイト」(5.10a/b)も登って、フィンガージャムの感覚を確かめる。
個人的にはこの「フォーサイト」、痛いくらいのフィンガーロックが続いて、いいルートだと思う。
僕がリードしてトップロープを張り、うえきゅうさんがトップロープで登る。
そんな感じで出来る限り本数を登ろうとやっていたのだけど、まあ如何せん寒い。
一度登って指の感覚がなくなって、それが回復したら、次のトライは悴まない、
というのが冬場のルートではお決まりのパターンだった気がするのに、
今回は何本登ってもそのたびに指の感覚がなくなってヒーヒーだった。
寒波が来た真冬の八ヶ岳山麓なんて、そんなものだろうけど。
右壁のルートは一通り登ったので、正面に戻ってきて、「山案山子」(5.10b)を登って、
そろそろ本題に入った方がいいか、ということで、「白髪鬼」(5.13d)にトップロープを張る。
すぐ右のワイドを登ると速いのだけど、完全に自然に還っていて怖かった。
「白髪鬼」はサル左衛門がレッドポイントするときだけ上から写真をとりつつ見ていたけど、
こうして降りてクラックに指を入れるのは初めて。
最近誰かが触ったようで、中間部から下はチョークが着いていた。
トップロープでやってみる人はそれなりにいるのかな。
例の観音開きセクションにはあまり着いていないのを見ると、やっぱり悪いんだな、と思う。
まずは下からムーヴをやりつつ、プロテクションも何が入るのか探っていく。
下部はジャミングこそしないものの、クラックがまだ開いているので簡単。
中間部からクラックが閉じ、スタンスも減って、一気に難しくなる。
プロテクションはカムもナッツも意外に入るのだけれど、サイズは小さい。
これでは落ちたくないなあ、という感じ。
それはまた追々詰めていくことにして、核心を何とかすべくムーヴに集中。
クラックの縁が鋭いので、どこでも持とうと思えば持てるけど、
どこを持っても細かいのに加えてスタンスが微妙なので、ちゃんと手順があるようだった。
ある程度バラしてからつなげてみると、あまりやったことのない動きで、ヨレヨレになった。
疲れたので一度降りてレストして、今度はプロテクションのことはとりあえず無視して繋げ。
怪しい部分が何か所かあったものの、ムーヴだけなら結構繋がって、最後の1手でフォール。
なるほど、確かにトップロープだと13aくらいなのかも。
それからムーヴを多少修正して、もうちょっとイメージが良くなってから降りた。
最後に「北京の秋」(5.10b)を登って、終了。
本当はもっと本数を稼ぎたかったけど、それはまた次回ということで。
日中に日が差したりして、霜が融けて地面がどろどろになっていたけど、
帰るころにはまた固まっていた。
寒すぎるコンディションで、とりあえずムーヴは繋がりそうな程度にバラせて、
1回目としては悪くないな、と思ったのだけれど、
ムーヴをこなしながらどこでどうプロテクションをセットするか、ということを考えないといけない。
あまりランナウトしないようなので、グラウンドの危険は少ないけれど、
その代りに一連の厳しい流れの中で、止まって作業をしないといけない、というのが厄介。
ただでさえ、ホールディングもスタンスも微妙なルートで、
ひとつでもミスをするとリカバリーはほとんどきかないだろうな、という感じ。
それにプロテクションという要素が加わって、パズルが何倍も複雑になる。
クラックは最終的にギアをセットしながら登らないといけないので、
どんなルートでも同じことが言えるのだけど、このルートはそのことをより強く意識させる。
でも僕は、そういう複雑になったクライミングが好きなので、
このルートではいいクライミングが出来そうだ、出来たらいいな、と感じたわけです。
犬猿雉はいないし、日本一のきび団子もないけど、鬼退治は面白くなりそうです。
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