2022年1月20日木曜日

年越しの旅 その3

1月7日(金) 福江島 大瀬崎
待ってました、的な快晴、のちに晴れ。この日は一日大瀬崎で登った。
朝、大瀬崎に行く前に、玉之浦のアコウが生えている神社に寄り道。
こういうのをパワースポットと言うのか

まずけんじりさんらが登った40mのクラック(5.10a?)を交代でリードした。
ルートの抜け口からラペルして、海にいちばん近いところにあるテラスから登り返す。
岩は比較的硬いが、結構ビビった。ハンドからフィストの登りごたえのあるクラックだった。

初めはその右側の壁に新しいラインを、と考えていたが、
見るからにボロそう、または登ってもイマイチそう、というより登れるかすら怪しいので、
しばらく散歩しながら、登るか帰るかを決めかねていた。
すると、その途中でふと覗いてみた灯台の北面の壁が良さそうだと判明。
こちらを登ることにした。
灯台の北面(北西面?)は、先のクラックのある東面と違って傾斜がない。
割とのぺっとした壁で、縞状の層が入った砂岩というところ。
スラブに易しそうだが冒険的に見えるラインができそうだったので、それに決めた。
波打ち際から簡単なトラバースで壁の下のテラスに上がり、そこからスラブを左上。
途中、へそのような丸い形状と浸食でできたらしいポケットがたくさんあって面白い。
40mちかい天井トラバース~スラブ~コーナークラックのラインを、
掃除なしのグラウンドアップオンサイトで登ることができた。
初登か否かの確認は難しいが、登った限り人が入った痕跡はなかった。
そのことは別にしても、本当に充実したクライミングだった。
グレードは5.10前半程度で難しくはないが、持っている引き出しをかなり開けたと思う。

これがへそ(ノジュールというらしい)

前回の年越しの旅で、大堂海岸で登ったラズベリージャムやハートロッカー。
60mの花崗岩をグラウンドアップオンサイトで初登したと聞いて衝撃を受けた。
その時からずっと抱いていた憧れが、ここで初めてひとつの形になったことは驚きだった。
そして今にして思えば、理想的な叶い方でもあった。
いやー、幸せ

この日は釣りをせず、富江に戻って泊。あさこさんが祝ってくれた。

1月8日(日) 福江島 大瀬崎、長峰の磯
曇り気味だったが、大瀬崎へ。あさこさんにもあの素晴らしい冒険を味わってほしかった。
北西面で前日のルートの右にあるチムニーを選んで、あさこさんがリード。
かなり緊張した様子だったが、危なげなく登りきった。写真を撮り損ねたことが悔やまれる。
チムニーに入り込むと、これまた浸食でできたらしい複雑な形状で面白かった。
フォローで登っていって合流すると、興奮と安堵が混じってくたびれた笑顔だった。
前日の自分も、きっとそういう顔をしていたのだろう。

次に長峰の磯に移動して、気になっていた波打ち際のクラックを登りに行った。
が、これは上部にどうしようもなくボロい層があって、
ちょっと突入した時に頭の中で赤信号が灯ったのであえなくクライムダウン。
泣く泣く敗退した。
福江島での最後のクライミングが敗退で終わってしまうのは嫌だったので、
隣にあるボルダーで快適なラインを1本登って終わった。

この日の夕食は富江にあるラーメン敏。
レストの日に行った商店街の陶器店で、オーナー夫妻に薦めてもらって気になっていた。
看板のえび塩ラーメン、味噌ラーメン、えびチャーハン。すべて美味しい。
家から行けるところにあったら間違いなく通う。
久々に、味のパンチやインパクトではなくシンプルな味で勝つラーメンだった。至福。
最後の夜はもはやお馴染みの崎山漁港で泊。

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