次なるPを探すべく、弁天岩の更に奥にある矢立岩へ偵察に行った。
GWに大量に残っていた雪はだいぶ融けていたけど、
流石に摩天岩のあたりからはときどき雪中歩行になった。
登山靴で行ってよかったー。
大ザルが弁天にあるPのフィックスロープを張りかえて、矢立岩へ。
踏み跡が皆無、というか一冬越えて山自体が荒れているので凄く歩きにくい。
雪はあるし藪は深いし足下はやたら崩れるし・・・
木立が濃いので肝心の矢立岩もかなり近くまで行かないと全く見えなかった。
とりあえず取りつきに着いて、「風林火山」(5.9 3P)を登る。
1P目はハンドクラックということらしいけど、何処も彼処も自然に還っているのでよく分からん。
2P目の長いクラックに続くコーナーを登ったけど、ちょっと脆いし釈然とせず。
かなり苔むしているので、覚悟はしていたけど不安になる。
でも、2P目の長いクラックはハンド~チムニー~フィストと多彩な内容で面白かった。
バックアンド二―でずりずりしたり、なんちゃってアームバーをきめたり、
綺麗になればかなりいい感じのクラック。
5.9というグレードは辛い気がするけど・・・
オリジナルはクラックに沿ってカンテを回り込み、草付きを登って抜けるのだけど、
カンテ上に出たところで真上のスラブにRCCのラインが見えたのでこっちを登ることに。
出だし以外は傾斜がかなり緩いスラブで快適。5.10aくらいか?
ともあれ、矢立岩の頂上に立つと弁天・摩天が目の前にどーんと見えて爽快だった。
下降は反対側の壁をラッペル。
綺麗な30m弱のコーナークラックがあった。掃除されているので、既成ルートだな多分。
次回以降はこっちのクラックから頂上に回ることになりそう。
荷物を片づけて、岩の周りをぐるっと見て回ると、ありましたありました。
目をつけていた西面が、傾斜は緩いものの長くて岩も良さげ。
顕著なフレークや途切れ途切れのクラックもあるのでトラッドで行けそう。
正直弁天岩のハングを見た時のような高揚感はないけれど、これも当たりだと思う。
見て回った感じ、岩全体で5本くらいはラインが引けそうだということが分かった。
問題はアプローチ。
弁天岩からプラス20分くらいはかかるので、どう頑張っても2時間弱か。
道がしっかりついてくればちょっとは違うかも。
次回はひたすら作業になったりして。
今年の夏は忙しそうだな。
それと、今日は単身秋葉原へ行ってきた。
電気街に行ったわけではありません。
この夏公開の『クライマー パタゴニアの彼方へ』(原題 Cerro Torre : A Snowball's Chance in Hell)の試写会があったので、お邪魔しました。
内容はDavid Lamaの3回のパタゴニア遠征を軸に、Cerro Torreという山の歴史や事件、
David自身のバックグラウンドや遠征に関わるクライマーたちの諸々を詰め込んだ感じ。
マイフェイバリットの『The Asgard Project』に似た映画かなと思っていたら、ちょっと違った。
Cerro Torre初登にまつわるすったもんだとか、1回目の遠征のボルト事件なども含まれているので、
前半はいわゆるオカズが多いという印象。
でも、劇場公開される映画なのでクライミングだけを扱った作品にならないのは当然なのかも。
で、後半は完全にクライミングメインで一気に盛り上がって引きこまれた。
Davidがヘッドウォールで一進一退している姿は圧巻。
観ながら椅子から少し腰が浮いていました。
インスパイアされずにはいられませんね、こういうのを観ると。
クライミングの映像作品としては、久しぶりに興奮しました。
僕はまだアルパインを始めたばかりだし、登攀のスタイルも時代のことも、そもそもパタゴニアのこともよく知らないのですが、
「これが新しい時代のクライミングなんだな」と思いました。
8月30日全国ロードショーだそうです。
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