こっちには杉林がないので「今年は楽だなー」なんて思ってたのに、
なんだかよく分からない植物の花粉に反応している模様。
おかげで今月の初めくらいからくしゃみは出るし目はかゆいし、粘膜も弱っている。
二人を起こさないように荷物の中をごそごそしてティッシュを取り出し、
血が止まってからまた寝た。
次に起きたら、山頂あたりに日が当たっていた。
アルパインルートもありそうな壁
折角起きたので前日見に行かなかったあたりへ散歩に行った。
カールの真ん中あたりは下地がいいけれど、ちょっと上に上がるとやっぱりカオス。
岩が折り重なっていて下地が絶望的に悪かったり、ものすごく深いケイヴがあったりといろいろ。
Indartsuというルーフの8b+を探してみたのだけど、見つけられず。
見た目が美しい課題はやっぱりカールの中央部に集中しているようだけど、
カオスの部分にも見方を変えればそれこそ恐ろしいほどの可能性があるようで、
この先どんどん開拓されていくんだろうな。
散歩から帰ると、案の定パブロは起きていて、エドゥはまだお休み中。
なかなか出てこない兄貴
日向は既に暑くなってきていた。
エドゥ曰く、ここの問題点はコンディションが極端なことらしい。
日向は暑過ぎるし、そうでなければ大抵寒すぎる。
ちょうど快適な気温というのはなかなかないのだそうで。
それでも真夏の日本よりはマシな気がするけど。
最初に行ったのは、Kinkal Crack(7a)のあるハング。
Kinkal Crack
またアップなしなのでちょっと危なかったけど、Kinkal Crackはぷるぷるしながら一撃。
マントルを返したところにでっかい石英がぼっこり突き出していて驚いた。
次に同じスタートから左の棚をトラバースするMorenita(7a+)。
これはムーヴがちょっとトリッキーで数回かかってゲット。
どっちもいい課題。
パブロがMorenitaを頑張っていたものの、惜しいところで核心が止まらず。
エドゥは終始のんびりペース。
Morenitaのトライが一段落したところで、次の岩に移動。
次に行ったのが、カールの少し上にあるすっきりしたフェースの岩。
ここに7台が数本あるようなので、右端のShinaloa(7a)からトライ。
Shinaloa
二人がやるのをしばらく見守って、それからトライしたら一撃出来た。
リップの真下にあるカチを取るのが核心で、ちょうどよく怖くていい感じ。こういうの、好きです。
隣りの岩から移ってきたアイルランド人のパーティに交じって、
左カンテのTrepariscos(7b+)もやってみたらこれも一撃出来た。
核心がハイステップだったので、これは特異系だったかも。
Hoya Morosは個人的に好きなタイプのムーヴが多くて楽しい。
アイルランドの皆さまはTrepariscosを一時中断してShinaloaに参戦。
3人が「こえー」とか言いながらも危なげなく一撃して、
続いてパブロがランジ気味のムーヴで核心のカチを止めて登った。
「よくあんな怖いムーヴで登るね」と苦笑するアイルランドチーム。
最後に残ったエドゥが「よーし俺の番だ」と張り切って取りついて、見事にそのトライで登った。
みんな登ってみんな幸せ。いいことです。
一度ベースに戻ってお昼を食べることになった。
エドゥがアイルランドチームに「この時間にランチを食べて、昼寝するのがスペイン流」と説明しているので、
「え、寝るの!?」と聞いたら「いや、さすがにここでシエスタはしないけど・・・」とのこと。
つまり、スペイン人の昼休みは長いのです。
そういえばいつだったか、「お前は食ってからすぐ動くよな」と言われたことがあった。
日本人は、なんというか、せっかちなんだよ。
で、ベースでお昼を食べてから二人は完全に昼休みモード。
近くの日陰になっている課題をエドゥに薦められたので、一人でそれをやる。
鋭いカチが連続して、4日目の指には辛かったけど、4回目でなんとか登れた。
とにかく痛みに耐える「これ持てますか」系の課題なので、グレードがよく分からん。
帰ってから調べたら、ところによってCaptain Radon(7a+)と書かれていたり、
Maestro Sifu(7c)となっていたり、どうもはっきりしない。
まあいいけど。
食休みが終わったエドゥがクラックだらけのハングをやり始めたので、それに参戦。
落ちてる
ラインがいろいろありそうだけど、エドゥがやっていたのはまっすぐ抜けるライン。
舳みたいに突き出て部分に入ってからが悪そう。
実際やってみると、見た目よりも悪くて苦戦。
もういい加減疲れていたので、多少ぐだぐだになりつつムーヴをバラしにかかる。
フックがいまいち上手くいかないので、思い切ってリップ下のガバにランジしたら止まりそうだった。
ということでスタートからつなげたら、1回目でランジがギリギリ止まって登れた。
足を戻すのに失敗して振られたときに下の手が外れて、ほとんど片手で耐える荒れっぷり。
Sed de Mal(7b+/c)という課題だったらしい。
登りはともかく、課題の内容は良かった。
というところで、下山する時間になったので終了。既に6時を回っていたらしい。
サマータイムが始まってから、日の傾き方で時間が判別できない。
ともあれ、荷物をパッキングして、楽園を後にした。
帰り道で疲れていても、立ち止まりたくなる
日焼け止めを忘れたので、というかそもそも持っていないので、日焼けがひどかった。
2日間、日中はずっとTシャツでいたので見事にTシャツ焼け。
スペインはただでさえ日差しがきついのに、ここが山の上であることを忘れていた。
次回はちゃんと準備していこう。
Albarracinツアーの後、アンドレスに「えーと、フィリピン人?」とか言われちゃったしな。
下りは非常にスムーズだったけど、やっぱりマットを背負って歩くと肩が擦れて痛い。
車に乗ってからはもうぐったりしていて、Canderalioを出てからすぐに寝てしまった。
気づいたらもうマドリッドにいた。
道が混んでいたようで、アルカラに着いたのは11時過ぎだった。
Hoya Morosは本当に本当に素晴らしいところだった。
間違いなく、今まで行った中で一番美しいボルダリングエリアだろう。
海外の岩場に行くと、岩の質と量に毎度毎度感動するけれど、
岩よりもまずその場所の美しさに感動したのは初めてだった。
そしてもちろん、ここの岩もまた素晴らしい。
思いがけずいろいろと成果があったけれど、
土日だけではこのエリアを堪能することは到底できない。2日間は本当に短い。
触った課題はごく一部、歩いて回った範囲もきっと半分くらい。
本当に楽しくて、それだけでもお腹いっぱいになってしまうくらいの2日間だったのに、
もっともっと凄い岩がごろごろしているのを見ると、やっぱり満足できない。
また食指が動いてしまう、お腹が鳴ってしまうのです。
エドゥは「きっとHoya Morosに夢中になるぞ」と言っていた。
行く前からもう疑わなかったけれど、やっぱりその通りだった。
「Hoya Morosへ行かずには帰れない」と、金曜日までは思っていた。
「もう一度行かずには帰れない」と、今は思っています。
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