2022年12月5日月曜日

Yosemite 1

10月10日から11月6日で、Yosemiteに行ってきました。
クライミング歴21年目にして、初めてのYosemiteです。
こう話すと、10人中8人くらいに「行ったことなかったの!?」と言われます。

ツアーの発端は、「Salathe Wallのヘッドウォールを登ってみたい」という僕の希望。
結果から書くと、Salatheはルートのちょうど中ほどでの敗退に終わりました。
やはりというか、そこはEl Capitan、そう簡単には登らせてもらえませんでした。
ただ、その一言で終わらせるには勿体ない4週間だったのは間違いありません。
いつものごとく、旅の間に書いていた日記を多少加筆しつつ載せていきます。

10/10 移動日
車で成田空港近くのパーキングへ行き、車を預け、シャトルバスでターミナルへ。
預入れの荷物は、ダッフルバッグ+ホールバッグ満載で巨大。
これは前日に追加料金を払っておいたので問題なし。
今回初めて使ったZIPAirは、LCCということで機内食は注文しないと出ない。
それでも設備は新しく、機内のWifiもそこそこ使えて、なにより空いていたので快適だった。
ロサンゼルスには朝9時前に着き、入国手続きを終えてレンタカーも無事借りられた。
窓口で手続きをすると、「君はZone Cに行け、キーは車の中にあるから」とだけ言われ、
案内や説明も特になく終わり。
Zone Cは安めのプランで借りられる車が並んでいるようだった。
僕らはスモールカーを予約していたけれど、SUVが何台もあったのでそっちを借りることに。
何度かアメリカには来ているけれど、このシステムは初めて。特に追加料金もなし。
それからはSanta MonicaのREIで買い物をして、あとは一路、Fresno経由でYosemiteへ。
休憩、買い出しなどをしていたら到着は21時を回ってしまった。
Camp4へ行き、予約で割り当てられたサイトに荷物を運びこんで就寝。

10/11  El Cap Base
8:30にレンジャーがCamp4のキオスクに来るので、それを待ってチェックインを済ませた。
朝の散歩でCamp4のボルダーも見学。
それから公園のエントランスへ行って、年パスを購入。
80ドルでどこで出入り自由というのは安い気がする。ただし、円安を度外視すればの話。
その後Curry Villageのギアショップ等も偵察した。
午後、ゆっくりとEl Cap Baseへ登りに出かけた。この日は易しいクラックで肩慣らし。
La Cosita Left(5.7)、La Cosita Right(5.9+)を登り、有名なSacharer Cracker(5.10a)もOS。
約40mで、フィンガーからワイドまですべて出てくる。
クレイジージャムよりは難しかった気がする。Yosemiteの3つ星は伊達ではない。
夕日を浴びて朱に染まるヘッドウォールは、頭上に覆いかぶさるようだった。


10/12  Middle Cathedral
El Capの向かいにあるMiddle CathedralのEast Butress(5.10c 11P)を登った。
早出したつもりが、すでに先行パーティがいた。甘く考えてはいけない。
ルートは5.9までが9割で、ランナウトも多少するものの概ね快適。
核心の10cのスラブだけ、ちょっとピリリとしていた。
とにかく長く、岩も硬い。なにより、El Capの眺めが素晴らしかった(写真は撮り忘れた)。
このルートは最終ピッチを省いて下降用のルートをラペルするのが一般的らしいけれど、
僕らは折角なので最後まで登って、裏側へ歩いて下りることにした。
が、これになかなか手間取った。
ルートを間違えて右往左往、ラッペルすべきところでクライムダウンしてしまうなど、失敗が多かった。
登る壁が大きければ、その分下降にも長くかかるわけで、そこを計算に入れる必要がある。
それこそ、瑞牆の壁の比ではない。
季節的に日が短くなってきたことで、よりヘッドランプでの行動も意識させられる。
夕方早めの時間に帰ってくることができたけれど、ルートが易しかっただけかもしれない。
これは気を引き締めなくては。

10/13  レスト
レスト日。ゆっくり朝食を摂った。
まずYosemite Westにある、かの有名なハンス・フローリンの家(別荘)へ行き、ヒゲ先生のデポ品を確認。
管理人として住んでいるらしいディーンに会い、いろいろと立ち話をした。
実はこのとき、週末のCamp4の予約がいっぱいで、泊まる場所をどうするか悩んでいた。
あさこさんがその事情を説明すると、なんと泊めてもらえることになった。
なんてこった。温情に感謝。
帰り道、あさこさんが「こういうことがあるから、旅の人は助けてあげたくなる」と話していたのが印象的だった。
昼以降はビジターセンターでポストカードなどを物色、隣のAnsel Adamsのギャラリーにも行った。
ここでいいポストカードを見つけ、ついでにCorey Richの本も買った。
あさこさんはGlen DennyのYosemite in 60'sを見つけて即買い。
あとはDegnan's Deliで通信しつつコーヒー一杯で粘り、PCR検査についてリサーチ。
どうもロサンゼルスのクリニックを予約するのが良さそうということで、
公衆電話で予約をするために、ポストカードを出しがてら郵便局で小銭をゲット。
窓口のおじさんが、平泉成も顔負けのハスキーボイスだったけれど、両替をお願いすると親切に対応してくれた。
PCRの予約も無事に取れて、レスト日にこれだけできれば十分だろう。


10/14  Chapel Wall
朝イチでCamp4を撤収。
まずは谷の下流にあるGenerator Crack(5.10c)を登りに行った。
川原のハイボールを両断するワイドで、トップロープ課題。初のYosemiteでバーバラが敗退したというアレ。
結果、じゃんけんで勝った僕は見事に落ち、2回目でどうにか登った。あさこさんはFL。
ついでに近くのConductor Crack(5.10d)もやったところ、こちらも見事に落ちた。
あさこさんはこちらもOS。強い。
なんだか先行きが不安になりつつ、Chapel Wallに移動した。

Chapel Wallは日陰のスポートエリアだった。
この時期、Yosemiteの日向はまだ灼熱で、日中はとても登れないくらいだったので、
登るエリアの選択にかなり悩まされた。
日陰に入ると一転して涼しく快適なだけに、ますます悩ましい。
Golden Dust(5.10d)はじゃんけんで勝ったあさこさんがリードして、僕がフォローで回収。
Mr.Pink Eyes(5.11c)は逆に僕が勝って、ありがたくOS。
更に左奥の96 Degrees in the Shadow(5.12c)も気合を入れてOSした。なんだか石灰岩チックだった。
次に三ツ星のDrive by Shooting(5.12a)もOSして、最後におまけでNew Waves(5.11d)もOSして終了。
あさこさんも、Mr.Pink Eyesを登って嬉しそうだった。

10/15 Camp4 Boulder
ディーンに泊めてもらい、久々にベッドで寝た。これが眠りを深くしたのか、二人そろって寝坊。
Lower Yosemite Fallsあたりにでも行こうかと思っていたが、それはやめてボルダー。
Camp4のエリアは、週末ということもあって賑やかだった。
磨かれてツルツルのホールド(主に足)に苦しみつつ、易しめの課題を数本登って、
洞窟のようなところにあるBachar Cracker(V4)も数回で登れた。
この日一番盛り上がったチムニー課題(V3)

Bacher Cracker

ユタとコロラドから来たという2人組がやっていたThe Farce(V9)に混ぜてもらい、これも2回目でゲット。
更に難しい課題を触ろうかとも思ったけれど、あまり無理はしないことにした。
代わりに、スラブでのフットワークを練習することにした。
Cocain Corner(V5)とBlue Suede Shoes(V5)をギリギリ登って、
どうも馴染んだTCProが一番いいらしい、という結論に至った。

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