2022年12月5日月曜日

Yosemite 5

10/30  Salathe Wall day3
3日目。自分たちのすぐ前に、Golden Gateへ行くパーティーがいたので、少し遅くスタート。
登りだしたのは、結局10時前だった。
昨日張ったフィックスを登り、そのうえで4thが1ピッチ。
その次に現れたのがHollow Flake(5.11d)。
すぐ前のパーティーはフォローが登っている最中だった。
それを見て「・・・これ登るんか」と思った。
2mほど左にトラバースして、いきなり始まるとんでもない長さのクライムダウンに怯む。
いやいや、ここで止まってはいられない、と落ち着きなおして、ひたすら下を目指した。
無心のレイバックで下っていくと、思ったよりも個々のムーヴは易しく、
何か所か慎重にこなす必要があったけれど、無事Hollow Flake本体へトラバース。
あとはまた延々続くフレークをレイバックで登り返した。
トポには「ビレイヤーと同じ高さで#0.3がひとつ入る」とあったけれど、
実際に登ってみるとビレイヤーよりも1mくらい低く見えた。
100m近いクライミングで、プロテクションは出だしのボルトとこの#0.3のみ。
あとは見た目よりは易しいスクイズチムニーを、また無心で登った。
自分にはヒールトウが効くサイズだったのでラッキーだった。

Hollow Flake上のレッジでよくよく話し合い、今回はここまでで下降することにした。
頭上に見えるEl Cap Spireまでは、近いようで、遥か遠かった。
壁が巨大すぎて目測が狂うことにも、もう慣れてきた気がする。
Heart Ledgesまでのラペルはかなり斜め方向に降りなければいけなかったけれど、問題なく降りられた。
今回最後に見た景色

最後の夜は、持ってきたAlpine AirとAdventure Mealを両方食べて満腹になった。

10/31  El Cap day4
朝はゆっくり起きて、朝食を摂り、日が当たってきた頃から下降を始めた。
パッキングすると、水や食料が減った分、ポータレッジも含めて70Lのホールバッグ二つになんとか入ったので、
不安は多少あったけれど背負ってラペルすることにした。
ただ、これが実際は負担になったらしく、地面に降り立った時は二人ともへとへとだった。
特にポータレッジを背負ったあさこさんは、重心が後ろに持っていかれそうになり、
それを堪えるのに相当な筋力を使っていたようだった。
ゆっくりした歩調で車に戻り、荷物を片付けていると、観光客らしき老夫婦に声をかけられた。
ルートの途中で降りてきたと伝えると、「無事でよかったね、おめでとう」と言ってくれた。

Camp4に戻ってシャワーを浴び、Degnan'sへ行って通信をして帰ると、なにやら寒気が。
疲れが一気に出たのか、風邪気味になり、しばらく昼寝。薬も一応飲んだ。
昼寝から起きて体調が少し回復し、トポを読んでいると、Freeriderを登ったノミカシペアが帰ってきた。
3泊4日の予定を1日延長し、飢えにも耐えてEl Capitanを登り切った彼らを前に、
出国前、SalatheができなくてもFreeriderで抜けられればいい、などと話していた自分を,
内心恥じた。

11/1  Camp4撤収
予報ではこの日から天気が崩れるということだったので、Camp4を撤収した。
午前中、ノミカシペアがやってきたので土産話をどっさりと聞いた。
夕飯をCurry Villageで一緒にどうや、という話になったので、夕方に再集合することに。
こちらはハンス邸に装備を返しに行った。
しかし、ここでポータレッジのフライだけを返し忘れてしまった。
気づいたのは午後イチ、この時は天気も崩れる前で、「夜にいけばいいか」ということになった。
が、天気はそれからどんどん下って雨。Curry Villageでピザパーティーをしているうちに雪になった。
ちなみに、Curry VillageのPizza Deckは最高。特にホワイトソースのWhite Wolf Pizzaが4人の間での1番人気だった。

さて、ノミカシペアと別れ、どんどん景色が白くなってくる中Yosemite Westを目指した。
が、ビューポイントのあるトンネルの手前でレンジャーが道路を塞いでいた。
交渉も空しく「道が開くのを待つか、このまま帰るかどっちかにしなさい」とのこと。
Yosemite West経由でOakhurstへ抜けるWawona Roadは、標高が高くクローズされやすいらしい。
仕方なく、標高が低いEl Portal RoadからMariposaへ抜け、そこから南下してOakhurstへ。
途中Air BnBで予約した宿で泊まることになった。

11/2~4  Oakhurst~Fresno~LA
Oakhurstの宿はBird Bath Waterfallという名前で、Air BnBのサイトでは勝手に日本語訳されて『鳥風呂の滝』と書いてあった。独特の語感。

11/2にはもう一度Mariposaへ出かけてクライミング博物館で土産を買ったり、
あさこさんがOakhurstで見つけたReverent Coffeeで豆を買ったりした。
このReverent Coffeeが今回の旅で一番のお店だった。
腰が低く且つ気さくなオーナーのコーヒーへの熱意が伝わってきた。
試飲させてもらったコーヒーも美味しかったので、結構たくさん買った。
これからYosemiteに来る度に、買いに寄りたい。

それからタイヤチェーンを買ってWawona RoadからYosemite Westにも行った。
途中雪が本降りになってヒヤヒヤしたものの、チェーンは一度もつけずにハンス邸にたどり着いた。
なんとかギリギリ、借りたものはすべて返却。
ノーマルタイヤでのドライブは怖かったけれど、なんとかなってよかった。

11/3には天気が回復したものの、Yosemiteはもう雪の下になったようだったので、
予定よりも少し早く南下してLAへ向かうことにした。
午前中にOakhurstにある怪しげな古道具屋を物色し、ゆっくりとFresno方面へ。
なんとも、とにかく怪しげ

もう登れる日はないので、自分の気持ちは途切れてしまって、ただフラフラと消化試合的に移動日を過ごした。
Fresnoに出てからはスーパーを何件かハシゴして、REIにも寄り道。
さらにBakersfieldでウォルマートにも寄って、この日はLAの北にあるHungry Valleyでキャンプ。
だだっ広い荒野で、月がものすごく明るかった。
風が強く寒かったので、夕食はテントの中で作った。
泊まったのはEdison Campgroundというキャンプ場。
発明王との関係があるのかないのかは、最後まで分からなかった。

11/4はLAまで少し移動し、ダウンタウンにあるクリニックでPCR検査。
午後イチの予約だったので、先にあさこさんイチオシのOhMyBurgerでランチ。
普段日本でハンバーガーを食べることはほとんどないけれど、
たしかにこれが日本にあったら食べに行きたい、というくらいに美味しかった。

PCR検査は15分で結果が出て、無事に陰性。
値段的には結構痛かったけれど、時間には代えられない。
あとは給油、洗車を済ませてレンタカーを返却、空港へ向かった。
フライトは次の朝なので、この日は空港泊。
出国ゲートを通った先にしか快適なベンチはないので、
硬いベンチに座って、どこから来てどこへ行くか知る由もない人の波を眺めつつ、長い長い一夜を過ごした。


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