2015年2月7日土曜日

El Escorial 5

こちらの天気は不思議なもので、
だいたい1週間の周期で冷え込んだり緩んだりしている。
先週は暖かかったけど、今週は寒いです。

昨日はまた単身El Escorialへ行った。
言わずもがな、Massive Attackをやりに行ったわけです。
が、朝からトラブルが多発。
AlcalaからAtochaへの電車が遅れ、1時間に1本しかないEl Escorial行きを逃す。
どうやらダイヤが全体的に乱れているらしく、駅の中が慌ただしかった。
で、次の電車を電光掲示板を見ながら待っていたのだけど、
一向に「El Escorial」の表示は現れない。
そろそろなんだけどな、とホームに目を移すと、
まさに乗ろうと思っていた電車が出ていくところだった。
同じ駅の中でも見る掲示板によって出る情報が違うのか?そんな馬鹿な。
だんだんいやになってきたけど、とりあえず別の電車でChamartinまで行って、
更に一本後のEl Escorial行きに乗った。

El Escorialに着いた後も、駅の修道院側の入り口が工事中で通れず、仕方なく遠回り。
しかも辺り一面雪景色。道路もびしょびしょ。
積雪がだいたい5~10センチくらいあって、これはやばいかも・・・と思い始める。
どうやら世界は僕にあの課題を登らせたくないらしい。
でも、そんなのは気にしない。
雪の中をざくざく歩いてエリアへ。

案の定エリアは雪の下。
クラックから氷柱
 
岩の上にも雪が載っているので、アップできそうな岩がほとんどない。
下地も雪かびしょびしょかどちらかかので不自由この上ない。
とりあえずMassive Attackの雪下ろしと下地の雪かきをして、
日向の雪があまり載っていない岩で軽くアップ。
課題が簡単すぎるので、適当に限定したりして見たけど、足りない感じ。
あんまり長くやっても意味がなさそうだったので、さっさと終了。

Massive Attackの岩は隣にデカい岩があるせいでずっと日陰。
しかも風が通るので物凄い寒い。
とりあえず上からムーヴを確認。ついでにアップ不足も補う。
フリクションは前回より格段にいいけど、ちょっと寒すぎ。指がすぐ悴む。
確認し終えてから一度日向に逃げて、ちょっとレストしてからつなげ。
トラバース気味なので、マットは核心の下、スタートには脱いだジャケットを敷いた。
雪まみれなのを想定していなかったので、準備が悪いのです。

寒すぎるし指にくるし、ジャケットを敷きっぱなしにもしたくないので、1回目から気合入れてトライ。
1回目はまた1手目で落ちたけど、前回よりはやっぱり感触がいい。
2回目で1手目が止まり、3手目で指が開きかけたけどなんとか抑えた。
もうその時点で指の感覚がほとんどなくて何を握っているのか分からないくらいだったけど、
ギリギリでつなげてリップへのランジも止まった。
あとはフリクション最高のスローパーでマントルして、無事に抜けた。
3手目

最後のランジ

後でビデオを確認したら、カチを握るガリガリという音が入っていた。
自分もカチラーになったなぁ、なんてな。
ディテールとかも一応撮ろうかと思ったけど、また風が吹いてきて寒すぎるので断念。
まぁいいや、登れたんだし。

その後は日向を求めてLa Puertaに移動。
日当たり良好なEl Monstruo de las Regletas(8b)にトライ。
前に登ったEl Filo(6c+)に右のハングの中から合流する課題。
150度くらいのハングにカチが二つあって、そこからカンテに合流するまでの2,3手が核心。
初登はなんとあのKlem Loskot。ここにも来ていたんですね。
後からきたローカルにいろいろ教えてもらいつつトライしたけど、
結局今回は1手目が止まらなかった。
ビデオとかで観て知っているだけで3通りくらいムーブがあるけど、どれも悪い。
この課題はあまり痛くないし、下地もいいので、この先しばらくのいい目標になりそう。
というところで、17時を回って日が沈んでしまったので終了。


正直なところ、Massive Attackはもっと早く登れた課題だったと思うのだけど、
課題の難しさだけでなくいろいろな条件が加わってちょっと時間がかかった。
Control Macheteのトライを含めて4日目でした。
コンディションが悪かったり、指がぼろぼろだったり、雨に降られたり、
挙句登れたこの日も雪だらけで寒かったし。
登れてしまったら、「もっと日を選べよな」と笑いたくもなるけれど、
そう思う一方で、なにがなんでも通うこの熱意がなにより大事だな、とも思う。
いつだったか、エドゥに「明日一人で登りに行ってくる」と連絡したら
「HAHAHA, you are a fanatic」と返事が来た。
そう、そう言われるくらいでちょうどいい。
効率も手際も、いいに越したことはないけど、
思いあぐねるより先に足を動かす暑苦しさを僕は持っていたい。
一本しかないアタリを引くために後先考えず箱をひっくり返すような。
あまりカッコよくはないんですけどね。

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