今週末はとりあえずアレックスの家に泊めてもらう。
といっても自力で登りに行けるほど近くはないので、アレックスがパートナーを探してくれた。
で、昼過ぎにワイドボーイズのトムが来てくれることになったので、
その前に午前中はアレックスにハザーセージ周辺のエリアを案内してもらった。
Stanage、Burbage、Millstoneと、どこも聞いたことのあるエリア。
それが全て、結構近くにまとまっていて驚いた。
ハザーセージにあるショップにも寄って、トポを購入。
アレックスが「貸すよ」と言ってくれたけど、やっぱり買わずにはいられません。
買ったトポにこんなものを発見
一度家に戻ってお茶を飲んでいたら、トムがやってきた。
どこに連れて行ってくれるのかと思ったら、なんと石灰岩のエリアに行くという。
グリッドストーンに行く気満々でいたので、予想があっさり外れて戸惑う。
ここシェフィールド周辺にはグリッドに限らず石灰岩のエリアも沢山ある。
かのHubbleのあるRaven Torが有名。
スポートもトラッド両方あるらしい。
石灰岩のトラッドとは、もう全く未知のものなのでドキドキしながら出かけた。
名前は忘れてしまったけれど、小さな谷の中にあるエリアに行った。
川沿いにピナクル状の岩が立っている、綺麗なところ。
そのうちの一つにトムのトライしているプロジェクトがあるそうで、それをトライすることに。
当然のようにボルトはないので、裏側のアルパインみたいな草付きからロープを張りに行く。
トムが手早くロープを張って、支点をつくって、プロジェクトのある壁にトップロープをかける。
さすが英国紳士、手慣れております。
トムさん
プロジェクトのある壁は110度くらいのフェースで、20メートルくらい。
ところどころにあるクラックやスロットにナッツを突っ込むらしい。
形状が多彩な石灰岩は、プロテクションを取るのにも頭を使うんだろうな。
アップなしでいきなりトライしたので、トップロープとはいえすぐに腕がパンパンになった。
そういえばルートを登るのは久しぶり。完全にボルダラーと化した僕にはキツい。
ポケットと縦ホールドがメインで、ムーヴはなかなかにトリッキー。
最後に一箇所痛いポケットを全力で引きつけるムーヴがあって、そこだけ解決できなかった。
慣れない岩場なのでよくは分からないけれど、ムーヴだけで8b以上あるのかなという感じ。
それに加えてプアプロ。下から上までずっと悪いし。
トムは「今まで登ったE9よりも悪い気がする」と言っていた。
最後に同じ壁の左を登るルートもやらせてもらったけれど、
こっちは一箇所ガツンと悪いムーヴがあるタイプのルートだった。結局ムーヴをバラせず。
降りてきてから「これ7bとか7cとか、それくらいなの?」と聞いたら、笑いながら「8b+」と言われた。
そりゃ悪いわけだ。
岩場の近くにあるかわいい家
シェフィールドに帰る途中、トムに「なかなかキツい導入だったな」と言われた。
まさかイギリスで最初のクライミングが石灰岩のトラッド、しかもプロジェクトにトライするなんて。
更にトムによると、イギリスはハードなトラッドのイメージで通っているけれど、
最近はハードトラッドをやっている人は意外に少ないらしい。
となると尚更自分は珍しいものを経験したんじゃないかと思えてくる。
シェフィールドのパブでアレックスと落ち合って、一杯飲んでから帰った。
イギリスのビールはスペインのビールとはまた違った風味がした。
そういえば日本のビールってどんな味だったっけ。
6/21(日)
この週末アレックスは仕事が忙しいようだし、今日はパートナーが見つからなかったので、
朝Stanageの駐車場にポイしてもらい、一人でボルダ―を登りに行くことにした。
アレックスが「こんなものあったぞ」とサル左衛門が使っていた小さいサブマットを貸してくれた。
近づくと「なにか?」という顔でこっちを見て案外逃げない
時折小雨が降る空模様だったけれど、遠くに晴れ間も見えるし予報もそれなりだったので、
まあ焦ることもないかとエリアを観光気分で散策。
エリアとしては決して大きくないのに、有名課題がわんさかあるのが凄い。
いや、単に自分がオタクなだけか?
ルートも近場のものだけ見て回って、それから手ごろなサイズのLone Boulderでアップ。
グリッドストーンは砂岩だけど、砕けた花崗岩がもとになっているのだそうで、
ブローやアルバラシンの砂岩とは全く違う感触。
V3くらいまでの課題を数本登って、ちょっと移動してCrescent Arete(V2)も一撃。
結構高さがあって怖かったけれど、カンテはガバなので快適。
次はNot to Be Taken Away(V4)。出だしで足が滑って落ちて、2回目でゲット。
核心は出だしで、その後は怖さと反比例してホールドは良くなってくる。ものすごくいい課題。
あまりにいい課題なのでもう一回やったら、また出だしで滑って落ちた。次のトライでリピート。
もうこれだけで楽しい。
次に何をやるか迷ったけど、まずはThe Storm(V9)。
サル左衛門が一撃したそうなので意気込んで取りついたらあっけなく返された。
斜めのレールが思った以上に悪かった。
かなり真面目にやったけど、立ちこんでリップにタッチするのが限界。
右手の指皮がみるみるなくなっていくので、後のことを考えて止め。
The Storm
風がびゅーびゅー吹いていて、冬みたいに寒い。
頑張って動かないと鼻水が出てくるくらい寒い。
ということで、体が冷えないうちにBrad Pit(V10)へ。
コンディションは寒さのおかげで良さげということで、意気込んで取りついたらすっぽ抜け。
左手をいきなり猫パンチして流血。がー。
これもサル左衛門が一撃しているので気合を入れてやったのだけど、夢破れる。
やっているうちにヒールを掛けるポイントが解ってきて、1手目が止まるになった。
1手目の縦がまたえらく丸くて悪いのだけど、ヒールに乗っていくと体が上がってしまう。
不思議なムーヴだ。
コツがつかめてきて2手目の縦も取れたけど、ガバへのデッドが上手く出ず、
何度か止め損ねたら今度は1手目が上手くいかなくなった。
実質3手でひたすらしんどいので、こりゃいかんとレストすることに。
ルートの下降路を遡って岩の上に立ったりして、しばらく休んでから再トライ。
体が動くようになっていて、1回目でデッドを止めて登れた。
Brad Pit
ムーヴが3手の中に凝縮されていてなかなか厳しかったけど、いい課題だった。
なにより、まずここにきてこれを登れたことが感慨深い。
ちょっと移動してDeliverance(V8)を少しやったけど、ランジが物凄く遠く感じるし、
風が強くなって寒くて仕方ないので、しばらくレストがてらStanageのルートをあれこれ見に行った。
ここは縦にも横にもクラックが走っている岩が多く、あれこれラインが引けるらしい。
トポの見た目はごちゃごちゃしているところもあるけど、
大抵はそのどれもが弱点なので、見てうんざりするようなことはない。
この時間には岩場はかなり賑わっていて、そこら中で人が登っていた。初心者も多かった。
簡単なルートをソロしてみようかなとも思ったけど、人が多いのでやめておいた。
ボルダ―エリアに戻って、あまりに寒くて萎えそうになったけど、
とりあえずThe Green Traverse(V6)を登って体を温めた。これは一撃。
ちょっと下地の悪いGlass Hour(V6)も登って、
一人でやるにはちょうどいい高さのCaptain Hook(V8)もやってみた。
これはムーヴを見つけるのにしばらくかかったけれど、分かったらすぐに登れた。
時間を見たらもうそろそろアレックスが迎えに来る頃だったので、
最後にPebbledash(V4)を登って終了。
コンディションがいい、というかむしろ寒すぎるくらいだったのには驚いた。
てっきり微妙な条件でだましだましやることになると思っていたのだけど、これは誤算。
この天気が今後どうなっていくか。
明日はレストで、明後日にはアレックスの家からキャンプ場に移るので、
更新はしばらく、もしかしたら帰国後までできないかもしれませんが、あしからず。
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