実家の畑で草むしりをして腰が痛くなったりしたけど。
昨日は、いましさんと我が家ふたりで瑞牆へ。もはやいつものメンバー。
おそらく今シーズン最後の不動沢最奥部ということで、お互いに気合が入っていた。
家を出たときはここ数週間で一番いいんじゃないかというくらいの天気だったのに、
瑞牆に着いたらいまいちどんよりした空模様に。
まあ雨が降りそうな様子ではないので、そのまま岩場へ。
今回は矢立岩から。
手ごたえを感じた前回からかなり間が空いてしまったので、
ホールドを今一度掃除してムーヴをしっかり組み直すところからやった。
やっぱりこういうルートは、一時期に集中してやらないとダメ。
インターバルがありすぎると、ムーヴを覚えていてもホールドが見えなくなる。
結果、リハーサルにかなり時間がかかってしまった。
「我にかえるとき」と分かれてからレッジでのノーハンドレストを挟んで二つに分けられるのだけど、
前回一番難しく感じた最初のパートより、二つ目の傾斜のあるパートの方が嫌に感じた。
プロテクションのセットも含めて念入りに確認して、取りつきに戻る。
辺りは完全にガスの中。晴れるんじゃなかったのか。
こういう状況って、なんだか妙に緊張してイヤなのだけど、どうせ晴れていたって緊張はする。
ギアを準備して、メットを被って、短いレストの後、いましさんがスタンバイしてからスタート。
中間部までのフェースはやっぱりランナウト。
ここは巨漢が落ちても抜けないだろうというくらいよく効くカムを固め取りしているので、
結構なランナウトでもあまり怖く感じない。
巨大な水晶穴の上のダイクにマントルを返して、ノーハンドレスト。
ここからがオリジナルパート。
前半のフィンガリーなスラブをイメージ通りにこなして、
レッジ手前のいちばんランナウトしている所でポケットにナッツを入れる。
見えないポケットに入れて回転させてきめるので、ちょっと面倒くさい。
なにより、ランナウトした状況で一度完全に止まらなければいけないのが辛かった。
それから左にトラバースしてレッジへ。
レッジで頭上に釣り用のおもりより小さいナッツを突っ込んで、ひたすらにレスト。
この傾斜なのでパンプはしないけれど、この先では落ちられないので、
気持ちを入れるのに時間がかかった。
長々とレストして、心が決まってから最終パートに突入。
2,3手登ったところの岩角にスリングをセット。
これもちょっとしたことでぽろっと外れてしまいそうだった。
万が一落ちた時に、少しでも下のナッツにかかる衝撃を軽減してくれたら、という気休め。
そこからは鋭いホールドを繋いでリップまで5手。
4級くらいだけど、ここが一番ムーヴ的にも精神的にもしんどかった。
レッジでレスト中に何度もイメージしたムーヴの通り流れて、テラスに這い上がった。
今回は久しぶりにグレード以上のものを求められるクライミングだった。
「Landmark」「我にかえるとき」はどちらもボルト交じりのルートなので、
こういう登った後のどうしようもない高揚感は「二十億光年の孤独」以来だった気がする。
そう考えると、その類のクライミングの経験はまだまだ浅いのかもしれないな。
イギリスで登ったルートはどれも短く、ハイボルダ―を登っている感覚だったので、
今回のこうしたロープもプロテクションも使ったボールドなルートとはちょっと異なる。
個々のムーヴだけでなくプロテクションのセットにも集中しなければならないわけで、
登るごとに追い詰められていくようなあの緊張感は、やはり独特のものだった。
ルート名は「胎動」、グレードは5.12b R/Xといったところ。
ムーヴの難しさでいえば、「Landmark」と似たくらいでした。
その後は弁天岩に移動したものの、思いのほかこちらで時間を食ってしまったので、
大ザルは今回もトップロープでのリハーサルのみ。
1P目の最上部はこんな感じらしい
一日にトラッドルート2本はちょっと時間がかかりすぎる模様。
来シーズンはお互いに1日ずつ付き合うようにした方がいいかな。
大ザルのプロジェクトは、これで4シーズン目を迎えることになる。
うす暗い森の中、恐る恐る歩いて帰った。日が短くなったなあ。
雨が続いた今シーズン、結局ここまでで初登出来たのは2本だけ。
もう1回くらいは行く機会があるかもしれないけど、1回で掃除から初登までやるのは到底無理。
でも、自分が開拓に求めているのは量よりも質なのであって、
そう考えると、短いながらも決して悪いシーズンではなかったなと思う。
易きに流れ、妥協に妥協を重ねて拓いたようなものに価値はないだろう。
「胎動」の使用ギア
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