今日は大学の授業がないので、紅葉が盛ってきた瑞牆へ。
天気は最高だったけど、とにかく朝から風が冷たかった。
駐車場で、もはやこっちに住んでるんじゃないかというくらい居るもとえさんと合流して、
今回は行ったことのない骨肉の岩塔に探検を兼ねて出かけた。
そもそも骨肉の岩塔がどこにあるのかというと、
富士岩のすぐ上、というか横にひょっこり立っている。
植樹祭会場からだと、富士岩のかたまりの直ぐ右にぎりぎり見えている。
ちなみに、富士岩と七面岩の間に見えている目立つ岩は、堡塁岩というらしい。
トポを見ていたら名前だけ書いてあった。
十一面方面に行く道から分かれて、行く先が見えにくい樹林の中をしばらく歩く。
この辺がどうにもはっきりしなくて分かりにくかった。
一応微妙に残っている踏み跡を追っていったら、
ちょっと急な坂を上ってすぐに尾根が見えてきた。
ここの尾根はこんなに低かったっけか。
道はそのまま富士岩と骨肉の岩塔の間のコルへと伸びているようで、
適当なところから目星をつけて右の方へトラバース。
藪が深いわけではないので、この辺りはどこを歩いても大体問題なかった。
結局、ほぼ迷わずに岩の基部に到着。
「からだあらい」の取り付き
ここには恐らく、友達くらぶとかが昔そのまた昔に来ている可能性があるけど、
現在認知されている(トポに載っている)のは「からだあらい」(5.11c 3P)だけらしい。
このルートがなかなかいいルートらしいので、今回はそれを登る。
1P目(5.11b)はかなり寝て見える細いスラブを登っていくピッチで、
ボルトがそれなりに遠くて緊張感があるものの、
何か所かカムが入る部分があるし、ムーヴが一区切りつくとボルトがあるので、
見た目ほどランナウトが気になることはなかった。
中間のテラスから先はずっと微妙な難しさが続いたけれど、
ルート名の由来になっている洗面器大の穴に立った後が一番の核心で、ちょっともじもじ。
結局、見た目より傾斜がないので思い切って足に立ったら問題なくできた。
35メートルで結構登りごたえのあるピッチだった。
日当たりがよくあまり風が当たらないのでぽかぽかで快適。
スラブ上の立ち木をつないで登る2P目(5.8)はもとえさんがリードして、
トポでは岩の肩に一度乗越して立ち木でビレイということになっていたのだけど、
肩に上がってしまうと冷たい風がもろに当たって極寒だったし、
3P目(5.11c)のビレイもしにくそうだったので、
フォローで上がった僕が3P目のラインの真下にある水平クラックにカムでビレイ点を作り直した。
多少ハンギング気味になるけど、こっちの方がいろいろ楽だろう。
で、最後の3P目。一応、このルートの最難ピッチということになる。
これまで登ってきた岩の上に、四角い岩がちょこんと乗ったような形になっていて、
その真ん中をかなり明瞭なホールドで登る短いピッチ。ボルト3本。
出だしと中間部(と言ってもかなり短いけど)でリーチの必要なムーヴが出てきて、
フォローのもとえさんはしんどいだろうな、とか思って登ったけど、
落ちずに抜けてきたので、ちびっこムーヴがあるものと思われる。
核心を抜けた後の、ものすごい出っ張ったダイクのハンドトラバースが楽しかった。
如何せん短いのが残念だけど。
頂上は言わずもがな風がびゅーびゅーで寒いので、さっさと懸垂下降。
1P目上のビレイ点まで、60のロープ一本でちょうど降りられるくらい。そこからは歩き。
ルート自体が短いので、下降もすぐだった。
取り付きに戻って時計を見たら、12:40。半日仕事でした。当然か。
その後は隣の堡塁岩を探検。
なんと、駐車場からあれだけぴょっこりそそり立っているように見えるのに、
コルの方から歩いて頂上まで抜けられてしまった。
ちょっと拍子抜け。
まあ、岩塔ハントとしては案外お手軽でいいか。
ちなみにこの石は押すとぐらぐらします
不動沢がこんな風に見える
手前のスラブフェースからピークに抜けるのが「からだあらい」
思ったほど大きな岩ではなかったけど、あっちこっち登って降りてしてみたら、
狙いどおり、良さそうな場所を発見できた。
そんなにハードではなさそうだけど、新しいラインが引けそう。
一番下部のブッシュがうるさい壁から何ピッチかで繋いできたら楽しそう。
そんな感じで、シーズンの終わりにも関わらず、開拓熱がまた上がってきてしまった。
キノコを探しつつ歩いていたけど、こっちは成果なし。さすがにもう終わりか。
不動沢に行っているカワバタさんらを迎えに行って、
待っている間にまたキノコを探してみたけど、結果は変わらず。
まあそれが目当てで来たわけじゃないからいいだけどね。
「からだあらい」は短いけれど、それなりにいいルートだった。
ただし、トポの表記にはいくつか間違いがある模様。
1P目の大穴にC4が入るとあったけど、実際は入らなかった。
2P目の出だしもポケットにC1が入るとあったけど、実際はC0.75もほとんど効かなかった。
ここはもっと小さいエイリアンとかで誤魔化すか、
落ちない前提まで立ち木まで伸ばしてしまった方がいいかも。
驚いたことに、骨肉の岩塔はかなり近かった。
迷わなければ、十一面岩の正面壁に行くよりよっぽど近い。
大物ではないけれど、そもそも残されたものが決して多くない僕らの世代は、
こうした前世代の忘れ物みたいなものを拾っていくことになるのだろう。
それに、小粒であっても、美味いものは美味いのだ。
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