2014年9月23日火曜日

Cuenca

ご無沙汰ですが、無事にやってます。

授業が始まって2週目が終わった先週末、
Boulder Zoneでインストラクターをしてるイバンに誘われてCuencaに行ってきました。

こちらは朝が遅く夕方が長いので、土曜日の朝10時にマドリッドの闘牛場に集合。
前日に地図で見て「あ、駅から近いじゃん」とか思っていたら、
実際行ってみると3キロくらいあって遅刻。すみません。
が、そこを全く気にしないのがスペイン気質らしい。
イバンのでっかいバンで彼の友人らと出発。
後部座席の窓は塞がっているので、隣に座ったマヌとちょっと話してあとは寝た。
2時間くらいでCuencaに到着。

Cuencaは狭い谷にある町で、谷の両岸がずーっと壁。とにかく全部茶色い石灰岩の壁。
その壁にくっつくように石造りの建物がならんで町をつくっている。
ウォーキングやらツーリングやら、川でカヌーに乗っている人もいて、
単に観光できても楽しそうな場所だった。
で、こんなところで、しかも道路からすぐのところにある壁で登れる。
ちょっと経験したことのない環境だった。

着いたのが12時くらいで、それから川の対岸にあるエリアで登る。
9月とはいってもスペインは日差しが強い。
乾燥しているから日陰はそれなりに涼しいけど、日向は恐ろしく暑い。でも意外にぬめらない。
僕はずっとイバンと回った。
フレンチグレードはなじみがないけど、とりあえず6台から初めて、7aまでOSしてアップ。
ホールドはポケットが多い。7aとかでも普通に一本指が出てきた。
だんだん太陽が傾いていってこちらのエリアにも日が当たってくる。
最後に☆のついている7cをOS。
2本指が連続する下部から大きなポケットをダイナミックにつなぐ上部と、結構面白かった。
デシマルにすると12dで、個人的にはOSの最高グレードだけど、得意系だったからか易しく感じた。
というか、日本のグレードが辛い。

イバンが「お前のためのルートがある」と言ってハードルートのある影のエリアに移動。
こっちのエリアはひたすらどっかぶり。しかも長い。
薦めてもらったのはOndanadas de Hostiasという8a+。

「一撃狙う?狙う?」とイバンが期待の眼差しでいうので、
直前にトライしていたイバンの友人ホルヘに教えてもらうことに。
「今ここで全部聞くのか、登ってる時に聞くのかどっちだ」とホルヘが言うので、
「今ここで」と答えたら「全部覚えられんのか?」と言いつつ教えてくれた。
一通り解説して「以上、俺はもうなにも言わんぞ」と言っていたけど、
登り始めると後ろで「次それ」とか「それ違う」とかワイワイ言っていた。
スペイン人はどんな形であれ賑やかに応援するのが好きらしい。
ルートはどっかぶりの壁に走ったクラック沿いにずっと登ってそれからルーフ。
それを抜けるところに核心があって、その初めのランジまでは止めたけど、すぐパンプ落ち。
降りるとホルヘが「一回目にしてはいいだろ」と言った。
ギャラリーから「もう一回!もう一回!」とリクエストが入ったけど、
さすがにパンプが抜けないので「ちょっと待って」と頼む羽目に。こんなのも初めて。
で、時間を見ると8時過ぎ。
でもこんなに明るい

が、待っていたらどんどん暗くなってきたので終了。

食べ物は用意してきたけど、イバンが「バルに行くか作るかどっちにする?」と言うので、
迷わず「バルに行こう!」ということで決定。
(バルというのは、Barのスペイン語読み、つまりバーのこと)
イバンとダニー、ロベール、僕の四人で飲みに行く。
ロベールはイバンの教え子(?)らしい。
こちらはビールがやたらと安く、しかも一杯ごとにでっかいタパス(つまみ)がついてくる。
つまり、ビールを頼めばそれでご飯も食べられる、ということ。
美味しいので、どんどん飲む。
ダニーとロベールはほぼスペイン語しか話さないのでイバンがひたすら通訳してくれたが、
話の内容は岩のこと以外全部下ネタだった。
酒が入ると下ネタに走るのは万国共通なんだな。
スペイン語は分からないけれど、ゲスなことを言っていることはよーく分かった。
楽しいからいいけど。

夜中になるとさすがにちょっと寒かった。
キャンプ地に行って、イバンの車で車中泊。
来るときに一緒に乗ってきたメンバーはそれぞれの友人とどこかに行ってしまった。
こちらではそれが普通らしい。

翌朝、二人して寝坊して11時起床。
でも、夕方が遅いのでどちらにせよ十分登れる。
町に出てゆっくり朝ごはんを食べて、岩場に戻る。
こんなゆったりした一日のスタート、ツアーでもちょっとない。

この日はキャンプ地の近くのエリアで登った。
イバンの持っているトポには載っていないエリアなので、人づてに聞いて登る。
ガバガバの6台を何本か登って、隣の被ったラインに取りついてみたらプロジェクトだったらしく、
岩は脆いしホールドは汚いし、しかも悪いのでクライムダウンで戻った。
7aを登るイバン

アップが終わった、というか易しいルートが混んでいるので、Din Don Dollyという7c+をやることに。
OSを狙ったけれど下部のボルダ―ムーヴで手順をミスって落ちた。
しかも核心は上部のカチカチの垂壁パートだった。駄目だったなこりゃ。
2回目で登れた。
Din Don Dolly

他の人たちが来るのを待って、前日のエリアに移動。
Ondanadas de Hostiasをもう一度やる。
ロベールがなぜか張り切って写真を撮ってくれた。


今回はランジを止めたところで一度切って、上部をばらした。
ムーヴそれぞれは簡単だけどいまいち休めないストレニ系。苦手だなー。
35メートルくらいあるんだろうか。
持久トレをして次回、ということで今回は終了。
8時過ぎにCuencaを出て、Madridに着いたのが10時過ぎ。
Chamartinの駅から電車を乗り継いで、大学の寮に帰ったのが0時半くらいだった。

スペインでの初めての外岩は、思いがけず石灰岩のスポートルートでした。
でも、これが日本で知られているスペインなんですけどね。

連れて行ってくれたイバンもそうだけど、
スペイン人クライマーは「岩場で会えばみんなアミーゴ」という感じだった。
そりゃ知り合いも多いし、立ち話も長いわけだ。
スペイン語ができないのは正直しんどいし、英語でも自由に会話できるわけではないけど、
それでもみんな気さくで賑やかで、そして楽しい。
イバンは特にそういう気質らしく、ひたすらテンションが高い。
登りだす時も、降りてきたときも必ずハイタッチをする。登れなくてもする。
他の人たちとも、どんなときでもハイタッチして、握手して、ハグする。
さすが情熱の国だと思う。

普段は瑞牆の静かな森に潜んでいる僕ですが、この熱気は癖になりそうだ。


ガンバという名前のわんちゃん

2014年9月7日日曜日

from Spain

どうもみなさん、WADEです。
突然ですが、僕は今スペインにいます。
この秋から1年、マドリッド郊外の大学に交換留学します。
で、こちらにきて5日が過ぎました。

9月1日に日本を出発して、スペインに着いたのは翌日の早朝。
その日から大学の寮に暮らしております。
まぁ僕が住むには似合わないような、おしゃれできれいな部屋なんですね、これが。
個人部屋、小さいながらもキッチンがあって、なんとオール電化。シャワー、トイレもついてます。
部屋の空調の操作がまだわからずに暑いですが、まぁなんとかなるでしょう。
が、実は寮の建物自体が改修工事中で、部屋の工事が終わったからということで半ば押し込まれるような形で入居。
まだ寮の中はごった返しているし、出入りもめんどくさい。
今日は寮長さんが突然何かの点検にやってきました。
反応を見るに、こちらが入居済みだとは知らなかった様子。なんだそりゃ。
そのアバウトさも、日本との大きな違い、スペインということなんでしょうかね。

初日から毎日町の中を探検してみていましたが、一昨日やっと自転車を買って、
今日は町のはずれにあるジムに行ってみた。

狭いけど二階建てで、トレーニングはちゃんとできそうな感じ。
なにより、大きなキャンパスボードやらトレーニングボードやらがあるのはうれしい。
実はオープンしてまだ日が浅いらしく、ホールドが少ない。
英語で応対してくれたスタッフのParloに、「どうしてこのルーフにはホールドがついてないの?」と聞くと、
「まだこっちに付けるだけのホールドがないんだ」とのこと。
おいおい増えることを切に祈る。
今日は週末なので家族連れしかおらず、営業時間も昼の数時間だけ。
日本と違って週末はほとんど営業しないんですね。
強いクライマーは平日の夜に来るらしい。
次回はそれに期待しましょう。

そんなこんなで、まだ留学はスタートしたばかりです。
目下の問題は、スペインに来たのにスペイン語がほとんど話せないことです。
日本にいる間にちょっとは勉強してましたが、耳が全く慣れていないので、
こちらから簡単な内容で話しかけることはできても、
相手が言っていることは早すぎて全くと言っていいほど聞き取れない。
大学の授業は英語ですが、日常生活に支障きたしまくりです。
これはクライミングだけじゃなく、むしろ当分はこっちを頑張らないと・・・
スペインの夏は乾燥しているけれど日差しの強さが半端じゃないので、
毎日30度は軽く超えているし、こちらの人たちも外にはあまり行かないらしい。
いいシーズンが来る前に、せめてスペイン語が聞き取れるようにはなっていたいな。

最後に、留学にあたってブログをもう一つ作りました。
『日々、雑食』 http://wade1526.exblog.jp/
新しい方のブログは日常用です。クライミングのことは書きません。

2014年8月24日日曜日

どよん

大ザルと瑞牆へ。
朝から空はどん曇り。暗くて低くて降ってきそうなくらい。
以前散々降られて「天気が心配ないとき以外は弁天・矢立にはいかない」と決めたのに、
最近は結局不安定なときでも行くだけ行ってみている。
お互い学習しないなぁ、とかなんとか言っている。
でも、そんな感じでときにびしょ濡れになりながらも、
通ったからこそ今年は割と開拓がスムーズなのです。
弁天の取りつきには特大キノコが

今回は大ザルの希望で弁天から。
大ザルがFIXを登ってアップ、兼掃除、兼リハーサル。

で、前半のクラックだけリードでトライ。
毎度思うけどかなり悪そうなんです、このクラック。
10後半とか言われてましたが、11くらいあるんだろうな。
結局大ザルは2テンでクラックを抜けて、TRでもう一度やって終了。
リードでも意外といけるというのがひとつ収穫だったよう。

空模様がかなり怪しかったけど、「行ったら晴れるかもしれんし」と矢立へ。
そんな楽観思考は当たらずも遠からず、晴れないけどちょっと明るくなった。
なので崩れる前にさっさとこちらの仕事に入る。今回はボルト打ち。
一度ユマールして終了点をちょっといじって、それからカンテのラインに降りる。
見るからにもわーっとして悪そうなカンテ、どこに打つか迷う。
カンテのパート自体はそんなに長くないので、ボルトも少なくしたい。
ということで、今回のルートもLandmark同様ボルト交じりのランナウトになった。
カンテのセクションの初めに1本打って、それからしばらくはムーヴをバラしてみる。
が、思っていたより悪い。アップなしでやっているにしてもかなり悪い。
結構時間をかけてバラして、核心の真ん中にもう1本打った。
前回に比べるとボルト打ちもちょっと速くなった。そういう方面での成長を感じる。
手にできたマメも前回よりは小さかった。
上部を掃除しながらバラして、あとは下部の掃除。
軽くムーヴもやって、登るラインが確定。
明瞭な形状を追って登るのでかなり蛇行しているけど、これはこれでいいライン。
でも、弱点をついていく割に悪い。
Landmarkだけでなく、ユグドラシルやホシガラスよりも悪いかも。
わくわくしますな。

とりあえずルートの形はできたので、次回は繋げてみる予定。
でも、来週は天気が悪そう。うがー。

2014年8月20日水曜日

ブラシが不憫になる

雨ばっかりの梅雨みたいなお盆が終わって、また思い出したように暑くなりましたな。
本当は御山谷に行く予定だったのだけど、天気があまりにも悪いので中止。
瑞牆でしこしこと岩を磨いておった次第です。

一昨日、DK氏・サル左衛門とゆっくり瑞牆へ。
途中増富に寄り道。こっちもいい岩がたくさんあるなー。
で、結局どこもシケシケなので、山荘エリアで新しいラインを探す。
何年か前にサル左衛門が初登した「飛べない魚」(二段)の岩を磨くことに。
「飛べない魚」はハイボルダー中間の棚ガバで終了しているので、トップアウトしたいところ。
上部のスラブフェースが完全にじめじめした岩タケ平原と化しているので、切り開く。
泥も混じってるし、壁一面びったびただけど、ひたすらゴシゴシしてたらなんとなくラインが出てきた。
しかしホールドが悪すぎて出来るかどうかはかなり微妙。うーん。
まぁアサギマダラとかそういうのが人間に登れるんだから、これもそのうち登れるんだろう。
ひとまず終わりにして、左側の面にも際どいラインを発見して、ちょっと磨く。
こっちの方がまだマシ・・・か?

気合い入れて掃除していたせいで、ぶら下がったままで気づけば数時間経過。
ブラシを握りしめた指にはマメ。痛たたた。

DKとサル左衛門は湿気りまくった劣悪コンディションでも結構元気にやっていた。
スタートが極端に遅かったので、暗くなるまで登って終了。


今日は社長と二人で矢立へ。
いい天気だし、岩もカラカラ。気持ちいいー。
社長が辺りを探検して回っている間、こちらは前回見た新ラインの掃除。
スタティックロープのおかげでユマールは快適だし、乾いているから岩タケも落ちて捗る捗る。
あっちもこっちも手を出して磨きまくっていたら、ブラシがこんな有様に。
たった二日でこんな状態

間違いなく消耗品なんだけど、ここまで来ると気の毒というか不憫というか。
ありがとうよー。
新ラインはどれも良さそう、で、難しそう。
ボルト交じりのが2本と、どランナウトなのが1本。

ちょっと時間があったので、まだ行っていない矢立Ⅲ峰へ行く。
壁はⅠ峰の方が圧倒的に大きいけど、こちらはこちらで凄い岩小屋があって楽しい。
「アップアンドダウン」とかいう古い5.8を登って頂上へ抜けると、十一面と似たような高さだった。
最後に「ここ!」と思ったところを降りてみると、これまた凄くいいラインがあった。
瑞牆の懐はまだまだ深いです。
これは来シーズンだな。今からもう待ち遠しい。


矢立のコルでじっとしていると風が冷たいし、
森の中には美味しくなさそうなキノコがざわざわ生えてるし、そろそろ秋です。

2014年8月13日水曜日

赤牛飲み会

今日は単身瑞牆へ。
なんでかというと、デヴィッド・ラマが来日しているからです。
ユージさんやらスギノさんとか、お久しぶりのM裏夫妻とか、メンツが豪華。

会場で集合して、小ヤスリに行くことに。
が、ほとんどの人が行ったことないそうなので、僕は今日も思いがけずガイドでした。
昨日まで雨だったので、例のごとく森の中はじめじめ。
結構物静かなデヴィッドも「これは暑い」とぼやいていた。
朝から元気すぎてブレるユージさんと、何か考えているらしいデヴィッド

それなりに大所帯なのでゆっくり上がって、スター御二方に「蒼天攀路」を登ってもらう。
こちらはとりあえずサポートに徹する。
上から撮る人らを案内したりとか、荷物を運んだりとか、ぼちぼちやっていると、
御二方はさっさと2ピッチ登ってテラスへ。速い。
上からカメラマンが降りてくるのを待って、デヴィッドが3P目に取り付く。
出だしから核心なんだけど、それこそ10aを登るような動きでさらさら登る。
「なーんだ簡単じゃん」と言わんばかりの軽快さ。
実際かなり簡単に感じた様子。そりゃそうか。

こちらが裏から頂上に登る頃には、やることを終えてラッペルしてきた。
終始飄々としておりましたが、連日のビジネスでお疲れのだった模様。

が、暇になるとその辺の岩をフリーソロして遊ぶ


折角だったので頂上に残った人たちで記念撮影だけして、さっさと撤収。
下りはいたってスムーズ・・・ではなく、先に下りたスタッフが道に迷ったらしく、
そちらを追っていつもと違う道から下山。
途中にちらほら新しいボルダーが。遠いけど・・・。
思いがけず岩探しが出来て、それはそれでよし。

あとは会場に下って二人がインタビューを受けるのを見物して解散。
最後にレッドブルを二箱ももらった。
①「今日はおつかれさまでしたー」 → 一箱ゲット、1本飲む(ちょいヌルめ)
②キンキンに冷えたのが出てくる
  →僕は飲食について後先考えられないのでそれも飲む
③「箱あまったー」「若い人がもらいたまえ」
  →二箱めゲット
そんな感じで大量の赤牛さんを抱えて途方にくれる。
朝に飲んだのも含めてすでに今日3本飲んでいたので、さすがにもう無理。
ということで、エッジに差し入れしておきました。
大小DKが平らげるんだろうか。

ガイドに徹してしまってほとんど登ってないのは残念だけど、
世界で活躍する人の登りが間近で見られた。
彼の気持ちはもう次の大きなプロジェクトに向かっているようです。
彼と歳がそんなに違わないだけに、今まで感じたことのない幅の広さを感じる。
それは多分、彼だけでなくヨーロッパのクライミング文化そのものの広さでもあるんだろうな。

そんなことを考えながら、赤牛飲み会は終了。
短かったけど、いい1日でした。天気が良くてよかったー。
また会えるといいな。

2014年8月3日日曜日

あまやどり

この週末は両日とも瑞牆でした。いつもどおり。

土曜日は家族で矢立方面へ。
短期間に何回も通ったので、さすがに道を覚えた。
朝から体調不良を訴えるサル左衛門。空は曇り。どうもよろしくない。

とりあえず前回出来なかったLandmarkの撮影から。
途中でテンションをかけようかとも思ったけど、結局下から繋げてリピート。
自分以外の人に登ってもらえるのはいつのことでしょうね。
今回も良い写真が撮れました。サル左衛門カメラマンありがとう。





岩の上に立ったところで、信州峠の方がゲリラ豪雨になっているのが見えて、焦る。
大ザルが急いでユマールしてきて、一度降りることに。
雷がどんどん近づいてくるし、多分尾根の北側はどしゃ降りだった。
こちらは幸いさほどでもなく、ほとんど濡れずに岩小屋に避難。
一時それなりに降ったけど、風向きによっては濡れない壁がある程度だった。
こちらが雨止みを待つ間、サル左衛門はひたすら水晶を採っていた。
相変わらずの地質屋根性である。

雨が止んで、大ザルが単身弁天に行ったので、
こちらはコーナークラックを登って上から新ラインを探す。
「風林火山」のある面が一番大きくて良さそう。しかし掃除が大変そう。
南面にも可能性がありそうだったけど、これはまだできるかどうか微妙なところ。
できるならオールナチュラルのルートにしたいけど・・・
とりあえずもろもろ含めてまだ可能性は沢山あった。
どれからやろうかな。


今日はSACの後輩たちとカサメリでエンクラ。
一番のりだったから序盤は結構快適に登れたけど、
どんどん人が来て団体が来て、いつもの混み合ったカサメリに。
易しい(比較的空いてる)ルートを何本も登って、
久しぶりに「プラチナム」とかもリピートして、
後輩のビレイにもちょっと飽きてきた頃、悪名高い「マスターオブザゲーム」(5.12b)をやることに。
ハングをかわした先がとんでもなく悪いんだとかいう話で、実際悪そう。
とりあえずOS狙いで行ってみたら、呆気なく返された。
2回目は核心でぬめりに負けた。
3回目で変な気合を入れてRP。悪かったー。
これがLandmarkと同じグレードか・・・なんか自信なくなるな。
12cはある気がする。それともコンディションの問題?



2014年7月27日日曜日

Landmark

今日はもとえさんと二人で矢立へ。
今週は天気よさげ。ちょっと安心。
それにしても不動沢の駐車場が混んでいる。ほぼ満車。
カサメリの人気の影響?そんなに盛り上がっているのでしょうか。

途中で知り合いに会って、一度弁天に案内してから矢立へ。
弁天で更に別の知り合いに会ってビックリ。
弁天で他のパーティーに会うのは初めて(だった気がする)
遠いしマニアックだけど、いい岩ですからね。だんだん脚光が当たっていくのでしょうか。

矢立に着いてまず南面のコーナークラックを登った。
前回湯気がたっていたこれ
コーナーを登っていると、晴れていた空がどんどん曇ってきた。
頂上に抜けたら、八ヶ岳方面はすでに暗い。げげげ。
ちょっと焦る。
ラッペルしながらホールドをもう一度確認して、取り付きのテラスへ。
もとえさんも降りてきて、空が一層どんよりしてきて不安だったけど、
降ってきてしまう前に登ってしまうことにした。
風が吹いて涼しくなったので、コンディションは、まぁよさげ。

出だしのフェースを掛かりのいいホールドで登って、1本目のボルト上で小核心。
そのセクションをこなしてから右にトラバースして、フレークへ。
フレークにカムとナッツを固め取りして、その上からが本題。
浅いグルーヴが途切れとぎれに続く。
最初のグルーヴはカムが取れないのでランナウトで抜ける。
2本目のグルーヴに入ったところでハンドサイズのカムを固め取り。
ここでルートがちょうど半分。前回はここまで登って雨に降られた。

フレークからグルーヴに入るあたり

まだ雨は降ってこない。あと10分もってくれればいい。
そしてここからが長い。
傾斜のちょっときつくなったグルーヴを登って、グルーヴが消えたところから暫くフェースムーヴ。
Dosageでトミーが登っているアレくらいのサイズのコーナーがつづく。
ホールドもスタンスも適度にあって、どんどん進む。カムもどんどん遠のく。
ちょっと態勢が安定するところでやっと2本目のボルト。
その上でまたちょっとデリケートなセクションをこなして、
傾斜が落ちたところで久しぶりにグルーヴが出て来てマスターカムを突っ込む。
効きがかない微妙なので止まらずにスラブに上がって、
最後の最後、傾斜のきついオープンブックに突き当たる。
最後のボルトにクリップして、あとはひたすらステミングで這い上がる。
傾斜はすぐに緩くなるけど、クラックはない。ポケットも細かいのが数個。あとは小さいスタンス。
繋げてくると、この最後のセクションが核心になりそう。
大きな動きがあるとか、プロテクションが悪いとかいうのではないけど、緊張した。
傾斜に似合わない唸り声をあげながらこなして、頂上に抜けた。

これだけ書くと凄い内容のようにも感じるけど、実際は想定していたより易しかった。
核心は個々のムーヴよりもこの傾斜を50メートル近く飽きずに登る気力だったりして。

二人で行ったので写真はありません。無念。
また別の時に撮りに行こう。

もとえさんが「これコワイねー」とフォローしてきて、八ヶ岳の方を見ると明らかに降っている。
ゲリラっぽく局地的に降っているのが見て分かったので、こっちに来ないうちに撤収。
あとは取り付きのあたりでちょっと鉱物採集をして、
いいご褒美が採れたのでこれにて終了になった。

初めこの壁を見たとき、オールナチュラルでこの壁を登れたら凄いと思った。
結果としてそれは出来なかったし、もちろんそれは残念に思う。
けれど少なくとも僕がやっていくべきことは、ボルトを打たないことではなく、
合理的なラインを合理的なやり方で拓いていくことだ。

ルート名は「Landmark」、グレードは5.12b。
今年も良いルートが出来ました。

この岩にはまだまだ可能性がある。
夏の間にもう一本登れたらいいな。
欲張っちゃいます。

きらきら