2015年4月7日火曜日

Albarracin 3  そのⅠ

西洋では3月の終わりはイースターの大型連休があり、大抵皆バカンスに出掛ける。
年によって違うけれど、今年は3月最後の週末から4月の第1週にかけての約1週間。
日本人留学生たちは各々旅行に出かけていき、
さて僕はというと、Albarracinに行ってきました。
3/29~4/5の8日間。今回はどーんと大遠征です。

3/29(日)
エドゥは彼女のロザンナの車中泊号で行くというので、僕は笑う男パブロと行くことになった。
が、パブロは車を持っていないのでエドゥの車を借りる。
で、パブロは英語が話せないので会話はスペイン語。
1週間前から、3時間のドライブに不安を抱えておりました。

当日の朝10時半に大学の正門に迎えに来てくれるとのことだったのだけど、
待てど暮らせど一向に来ない。
大学の職員も寮の人たちも皆休みで、門の横の扉は中からしか開かないので、
一度敷地から出たら戻るに戻れず門の前でぽつんと待ちぼうけ。
結局パブロがやってきたのは12時前。
こんにゃろめ、寝坊しやがったな。

Albarracinまでの3時間弱のドライブは、お互い口数少な目。
でもクライミングのことなら何とか話せなくもないので、ぽつぽつと話した。
パブロはフェース系の高い課題が好みだそうで、
この前登ったI want to believeを薦めておいた。
Albarracinのちょっと手前にあるチーズ店に寄ってみたけど、残念ながら休みだった。
ここのチーズは結構有名らしい。

エドゥたちは出発が遅くなって到着が夜になるようなので、とりあえずArrastraderoへ登りに行った。
Albarracinに着いたのがだいたい3時前だったけど、
この日からサマータイムが始まったので8時過ぎでもまだ明るいので大丈夫。
アップにKukutza Iruというどう読むのか分からない6cをやったら、
意外に悪いのと暑くてヌメるので落とされた。2回目でゲット。
Kukutza Iru

それから近くにあったGancho Perfecto(6c+)もやったけど、これもかなり悪く感じた。
ムーヴが分かるまでに時間がかかったけど、分かったらすぐだった。

登った二本が難しかったのでアップはこれくらいにして、前回敗退したIneschakra(7b+)にトライ。
今回も一撃は出来ず、後からやってきた二人組とセッション。
核心を止めてリップまで繋がったと思いきや、マントルも悪くて2回落ちた。
日向は初夏の陽気で、あまりの暑さに上裸を解禁して何とか登った。
いい課題だったけど、幸先悪し。

次はGrass Hopper(7b+)へ。
Dosage Vに出てました

すぐ左にMardi Grass(7b+)というのがあるのだけど、取りつくところも抜ける所もほぼ同じなので、
どっちのラインを登っているのかよく分からなかったけど、とりあえず難しい。
パブロはMardi Grass寄り、僕はGrass Hopper寄りだった気がする。グレード同じだからいいか。
バランシーなスラブに立ち上がって、頭上のフェースの薄カチを取ってリップに跳ぶのだけど、
これがもランジというかほとんど垂直跳び。
結局二人ともまったく届かず敗退。
コンディションが良ければあのカチがもっと引けるのかな。

セクターの入口の方に戻って、Esperanzaの近くの高いフェースに目をつけてトライ。
これはEl País de las Bicicletasという7aだったけど、グレードの割に簡単で一撃。
パブロも高いところにある核心を吠えながらこなしてゲット。かなり喜んでいた。

最後に前回ムーヴだけバラしたEl Olejas de las Regletas(8a)にトライ。
前回苦労したムーヴはえらく簡単にきまったけど、核心はそこからのスローパー取りで、
これがスタートから繋げると全然止まらなかった。
リップのかなり上にあるスローパーを叩くので、上腕が傷だらけになった。

こんな感じで初日は終了。
思っていたよりも暑いのと、Ovniを登った直後の調子を維持できていない気がしてちょっと焦る。
Fuente del Cabrerizoの駐車場でお茶を飲みつつエドゥたちを待って、
10時くらいにやっと合流して夕飯、就寝。
エドゥたちは車、僕らはその辺で雑魚寝。というかビバーク。
ボルダ―マットとシュラフがあればどこでも寝られるのであります。


3/30(月)
起きると、夜露が降りて辺り一面湿気ていた。朝夕はそれなりに冷える。
スペインの人たちは朝が遅いので、とりあえずパブロと二人でコーヒーを淹れて、
エドゥたちが起きてきてから朝ごはん。
サマータイムのせいもあるけど、駐車場を出るのはだいたい12時ころ。
僕としてはちょっと遅すぎるけど、このツアーではこれが普通でした。
エドゥたちが買ってきた座布団大のパン

ロザンナの連れてきた犬、パンデュロ(Panduro)は大人しくていい子。
他の人たちがスペイン語で話しているときはまずついていけないので、
だいたいこのパンデュロと遊んでいた。
そのせいか、えらく懐いてくれた。もともと犬好きだし、嬉しい。

この日はTechosに行った。
目当てはCosmos(8a)だったけど、他の人たちもいるのでとりあえず奥の方へ行ってアップ。

いつものように登る前にラジオ体操していたら、ロザンナが珍しそうに見ていた。
そういえばこれ、何と言って説明すればいいんだろう・・・

アップが一段落したところで、Brainstorm(7b+)へ。
水平クラックまでで6c、トップアウトすると7b+らしい。
SDっぽいので、一番低い大ポケットからスタートしてみた。
出だしに遠い一手があって、それから凹角に入り込んでプッシュやらなにやらで登る。
1回目はコーナーに入ったところでぽろっと落ちて、二回目でクラックまで到達。
ここのガバでレストして上部に突入してみたけど、想像以上に遠いリップ取りで落ちた。
久しぶりにこの高さから落ちた気がする。で、僕よりも他の皆さんの方が興奮していた気がする。
しばらく休んで、3回目でリップ下に中継のカチを見つけて登れた。
で、最近出た新しいトポを観たらこれはBrainstormはスタンドだったようで、
僕が登ったのはBraindead(7c)だった。やったね。

その後はしばらく他の皆さんに付き合うついでに易しめの課題を登った。
Gorillaz(7a) 横向きに降られるダブルダイノ

Quebrantamentes(7a)

Raquel (7a)

Eclipse (7b)

特にQuebrantamentesは岩の存在感が物凄く、このハングを登って7aですか、という感じ。
ムーヴも大きくて面白かったし、確実に☆☆☆以上。

移動して、やっとCosmosへ。
11月に敗退して以来だから、4か月振り。
さて、トレーニングの成果はどうかなと思って取りついたら、
1回目で大穴へのランジを止められず、その後は左手のスロット状のカチが取れなくなった。
前回コツをつかんだらすぱすぱ止まったのに、どうして?
結局この一手はほとんど止まらず、イライラしてきたので、
そういえば二日目の終わりだし、疲れてるんだということにして止め。
正直、かなり焦った。

気分転換に、隣の壁にある課題を登ってみた。
Supernafamacho(7b+)は大きなホールドが丸々欠けたらしく、えらく悪かったのでやめて、
El Phomega(7b+)をやったらこれはすぐに登れた。
核心は下部だけど、リップへの一手とその後のマントルも結構気合が必要で面白かった。
ロザンナが一番左のSupermafatacho(6b)をやっているので、
そのランジバージョンのVuelo sin Motor(7a)もやってみたらこれは1回で止まった。
止まると実に気持ちいいランジ

少し右のリップに跳ぶVuelo sin Alas(7c)はあと10センチくらい足りず、
最後に右の方にあるDoble Mantel(7a+)をやったら、これは3回目でゲット。
La PedrizaのDoble Mantel(7b)と同じく、上部で行きつ戻りつしたけど、こっち方が簡単だった。

「Cosmosはさくっと登って別の8台を」なんてナメた考えが見事に打ち砕かれて、
ちょっとショックを受けつつ、疲れのせいであることを祈りつつ終了。

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